年度版(PDF:5406.483KB) - しいの実シアター・八雲国際演劇祭・あしぶえ

認定NPO法人あしぶえ
2012(平成24)年度
事業報告書
<あしぶえの目指すもの>
私たちは、
あらゆる人々を対象として、
演劇等の公演や演劇教育に関わる事業を行います。
また、地域と連携して、
R
国内外の人々との交流を促進することによって、
演劇による創造的な市民社会の形成に努力し、
これらの活動を通して
芸術文化による心豊かな社会を創ります 。
国際的にも通用するように、団体名を筆文字の
アルファベットで表現しました。アクティブな
「葦の妖精」が、背中を出し、力いっぱい頬を
ふくらませて、広い世界に向って草笛を吹き鳴
らしているさまを描いています。
目
次
<目 次>
目次
................................................................................................................ 2
組織図
............................................................................................................ 3
ごあいさつ
..................................................................................................... 4
2012(平成24)年度事業報告
① 演劇公演の制作と上演
.............................................................. 6
② 表現・コミュニケーション能力育成のための事業
③ しいの実シアターの管理・運営事業
④八雲国際演劇祭の運営に関わる事業
サポート会の活動
名簿
....................................... 18
.................................... 24
.............................................................................. 26
法人全体の運営と事業
新聞記事
.................. 12
................................................................... 28
.................................................................................................. 34
........................................................................................................... 38
あしぶえのあゆみ
................................................................................... 40
2
演劇を人々の暮らしの中へ
組
織
図
あしぶえは 「認定NPO法人」 になりました!
あしぶえは、2005(平成17)年から「NPO法人」として活動を続けて参りました。
この度、NPO法人の所轄庁である島根県の厳選なる審査を受け、これまでの活発な活動
や積極的な情報開示が認められ、2013(平成25)年3月5日、「認定NPO法人」となりま
した。2013(平成25)年2月28日現在、県内にある259のNPO法人のうち、認定を受け
ているのはあしぶえを含め、3団体のみです。
これからも、演劇を通してより公益を実現する活動を行って参ります。
みなさまの厚いご支援・ご協力をお願い申しあげます。
<組織図>
2013(平成25)年3月31日現在
認定NPO法人あしぶえ
総
会
正会員(個人79名、8団体)
監事(2名)
理事会 (理事11名)
外部監査
理事長
事務局長
職員
①演劇公演の
制作と上演
創造活動部門(15名)
演劇の企画・制作
演劇の上演
・シアター公演
・国内公演
・海外公演
・プロデュース公演
人材派遣
・外部出演
・外部スタッフ
・派遣コーディ
ネーター
講演
② 表現・コミュニ
ケーション能力
育成事業
表現授業
・幼稚園
・保育園
・小学校
・中学校
・大学、短大
ワークショップ
・PTA 研修
・教職員研修
・企業研修
・団体研修
講演
③ しいの実
シアターの
管理・運営事業
シアター事業
・人形劇公演
・ワークショップ
・文化講演会
・プロデュース公演
自主事業
・あしぶえ公演
・ワークショップ
貸館事業
・利用受付
・貸館対応
・見学者対応
広報活動
劇場保守管理
樹木・庭園管理
④八雲国際
演劇祭の
運営事業
運営本部業務
・事務全般
・ファンドレイジング
・補助金助成金申請
・国内外情報収集
・国内外演劇祭視察
・情報発信
・演劇祭PR活動
・記録誌作成配付
・演劇祭開催告知
・参加劇団募集
・会議開催
・講演会開催
・研修会参加
・ボランティア育成
サポート会事務局 (12名)
サポート会員 (個人242名、9団体)
寄附者 (個人5名)
3
八雲国際演劇祭
実行委員会
大会長
松浦 正敬
(松江市長)
委員長
園山 土筆
・企画委員会
・運営委員会
・16委員会運営
ご
あ
い
さ
つ
若者たちに 「コミュニケーションワーク」 と 「観劇」 を!
十数年前から「表現・コミュニケーション」の講座や授業を実施して多方面で
喜ばれていますが、最近、痛切に感じることは、大学生や若い人たちの
「他者を観察する力」と、「自らを客観視する力」の弱さです。人との関係づくり
に腰を引き、自身の小さな世界の中で生きている若者たち。そうして、彼らは
社会人になっていくわけですが、そのことは、私たち大人にも因を発するところ
があります。そのため、あしぶえでは、今、何ができるのかと考えたとき、講座や
授業に力を注ぐだけでなく、若い人たちに「もっと演劇を観てほしい」と思い
ました。
「演 劇を 観 る」と い う こと は、 客 席に 座っ て 上 演 の 間 中じ っ と、 舞 台 上 の
人物と人物のやり取りを注視するということです。そして、その注視によって、
観る人の心や思いが動かされ、共感や感動が生まれるのです。
人生において、人と人とのやり取りを注視するということは、肝要なことです。
「演劇を観る」ことで、登場人物の表情や物言い、目線や態度、身なりや感情を、
上演の間中、注視し、そのことによって人間の強さや弱さ、努力の尊さや難しさ、
人の世の幸せや理不尽さをくみ取ることができるようになります。たとえ子どもで
あっても、どうにもならない不条理の世界があることも知るでしょう。つまり、
他者の体験を注視することで、自らを客観視することができるのです。
私が小学生だった頃は、毎年、「演劇を観る」時間がありましたし、中学校へ
進んでからも毎年「演劇を観る」機会がありました。ですから義務教育の9年間、
誰でも少なくとも9回は、人と人とのやり取りを注視する体験があったのです。
私自身は、学校外でも、多くの作品との出会いがありましたから、何十回も
人と人とのやり取りを注視するという体験をしてきました。今の演出という仕事も
そういった体験があってこそのことです。
4
演劇を人々の暮らしの中へ
近年、子どもたちはその機会を奪われています。全国の学校で「演劇を観る」
時間が激減しています。教育予算の減少や、保護者に観劇料の負担を
強いることができなくなったことが主な要因といわれていますが、実は 、
情操教育の必要性が甚だしく軽視されていることが最も大きな原因ではないか
と思います。その結果、社会人になるまで1度も演劇を観たことがない、という
青年も増えてきています。
そこで、この秋の「安寿と厨子王」公演で、思い切って29歳以下のチケットを
値 下 げ す る こ と に し ま し た 。 予 算 的 に は 大 変 苦 し い こ とで すし 、 値 下 げ を
したからといって、若い人たちの来場が簡単に増えるほど現状は甘くは
ありません。それほど、「演劇を観る」楽しさも体験していないのです。けれども、
新たな取り組みとして実施していきたいと思います。
この試みが成功して、「しいの実シアター」に若者の声が響くことを
切に願っています。
どうぞ、お近くの若い方にお声かけくださいますようお願いいたします。
2013 年 5 月 19 日
認定 NPO 法人あしぶえ
理事長
園山土筆
観劇料金を改定します!
これまでは・・・
これからは・・・!
30代
以上
一般 (30歳以上)
2,500円(当日2,800円)
20代
U-30 (29歳以下)
1,500円(当日1,800円)
10代
以下
U-20 (19歳以下)
800円(当日1,000円)
19歳以上
2,500円(当日2,800円)
18歳以下
800円(当日1,000円)
New
5
ご
あ
い
さ
つ
2
0
1
2
年
度
事
業
報
告
① 演劇公演の制作と上演
この事業の目標
心に響く演劇を多くの人に
社会の現状
「演劇」は、人間の生きる姿を生で表現し、笑いと涙と感動を誘い、人々に
励ましや勇気、生きる力を与えます。そして、度重なる観劇体験は、感性や
想像力、創造性を育み、物事の本質を見抜く洞察力が涵養される貴重な
機会でもあります。
しかし、近年、さまざまな要因によって「演劇を観る機会」が無いまま大きく
なったり、小さい頃観劇した記憶はあっても、日常の仕事や生活に追われ
「演劇の楽しみ」を忘れたり、ということもあるようです。
また、演劇にもいろいろなものがありますが、「難しいもの」と思われている
場合もあります。
取組み
「演劇」に対する壁を低くし、観劇しやすい状況をつくるため、次のような
取り組みを行いました。また、「観劇」の感動が深まるように作品解説なども
行いました。
取組み
1.観客のニーズに合わせた作品を提供する。
取り組み 2.作品を安く提供する。
6
演劇を人々の暮らしの中へ
実施日時
従事者
の人数
受益者
の人数
延べ
354名
1,050名
-
262名
松江市
しいの実シアター
20名
103名
松江市
しいの実シアター
延べ
2名
90名
延べ
23名
350名
1名
不特定
多数
1名
1,600名
3名
20名
実施場所
①あしぶえの公演ほか
上演
森鷗外生誕150周年記念
「安寿と厨子王」
H24/10/14、28、 松江市
11/4、25
しいの実シアター
大変好評で、公演初日までにチケットが完売しました。
詳細は次ページ
稽古
公開
「安寿と厨子王」 ゲネプロ公開
H24/10/27、
11/3、24
松江市
しいの実シアター
チケットが完売したため、急遽ゲネプロ(本番前日に、本番通りに行う総舞台稽古)を公開。
262名の方が来場されました。
稽古
公開
きてみてやくも収穫祭
「安寿と厨子王」 稽古公開
H24/11/11
八雲町内で毎年開催される収穫祭でも稽古を公開しました。
100名を超える方が観劇されました。
②スタッフ活動
スタッフ
業務
松江地区高校演劇部合同公演
「ジンジャーエール」
H25/3/16~17
しいの実シアターが開館した年から行われている合同公演も、18年目を迎えました。
高校演劇部の生徒たちが、一丸となって上演しました。
スタッフ
業務
松江地域伝統芸能祭in八雲
H25/3/23~24
松江市
アルバホール
松江に伝わる伝統芸能を披露する祭典の裏方(舞台スタッフ)を、あしぶえが引き受けました。
松江市内11団体の上演をサポートしました。
③外部の仕事
映像
出演
しまね医療情報ネットワーク
「まめネット」出演
H24/10/18
島根県立中央病院
出雲市すぎうら医院
島根県内の患者さんの診療情報を地域の医療機関で共有する、しまね医療情報ネットワーク
「まめネット」のPR映像に出演しました。
舞台
出演
「『神在の里』出雲神楽と日本舞踊
今だから伝えたい」出演
H24/8/19
島根県民会館
大ホール
藤間流藤枝会主催の舞台の中の創作神話劇「稲羽の素兎」に、客演として出演しました。
④その他
会議
全日本リアリズム演劇会議
西会議総会
H24/7/15
7
松江市
しいの実シアター
①
演
劇
公
演
の
制
作
と
上
演
2
0
1
2
年
度
事
業
報
告
文化庁 平成24年度優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業
森鷗外生誕150周年記念
「安寿と厨子王」
概 要
日時
2012(平成24)年10月14日(日)、28日(日)、11月4日(日)、25日(日)
いずれも、11:00~12:30、14:30~16:00
合計8回
会場
しいの実シアター
スタッフ数
12名×8ステージ
キャスト数
13名×8ステージ
ボランティア数
入場者数
チケット販売数
ゲネプロ観劇者数
スタッフ
キャスト
のべ198名
1,050名(8ステージ/1ステージあたり131名/入場率:121.3%)
1,006枚(販売率:116.4%)
262名(3ステージ)
演出:園山土筆
音響効果:安達順一
表方:米田裕幸、須山佐智美
脚色:田中小百合
衣裳:森田雅子
舞台監督:門脇礼子
美術:内山勉
小道具:長見好高
制作:小岩崎里瑠
照明:森田茂伸
照明操作:井上夢香
音楽:斉藤浩
音響操作:玉川菜津子
安寿:小川寛子
山岡大夫:原田雅史
三郎:西藤将人・後藤英興
厨子王:松浦優海
佐渡の船頭:柏木直人
奴頭:原敬彦
母:草村礼子
宮崎の船頭:山尾一郎
小萩:中村千恵子
姥竹:田中小百合
山椒大夫:中井敏哉
曇猛律師:柏木直人
潮汲み女:有田美由樹
二郎:小岩崎里瑠
関白師実:中井敏哉
赤江キミ江、安達淳子、安達広和、荒川嘉代子、石倉正枝、石橋照代、石和田良美
伊藤あきな、伊藤誠、稲田翼、稲田仁美、井上久子、内田裕紀、恩田淳子、加藤久美子
ボランティア
加藤智治、加藤裕子、金津あや子、上川愛美、川島輝紀、木村敏子、小松原節子、小山祥子
(50音順)
阪本成子、白鹿弘子、須山遥香、須山勝、須山美玲、高橋仁、竹内陽子、武田明夫、田渕菫
中村小雪、中村柚花、長根山研二、堀江久世、松浦磨耶、真野弘子、三島拓生、三島秀子
三島陽平、三島操子、水口稔、持田明雄、山本沙織
津和野町森鴎外生誕150周年記念事業実行委員会、島根県、島根県教育委員会
松江市、松江市教育委員会、山陰中央新報社、中国新聞社、朝日新聞松江総局
後援
毎日新聞松江支局、読売新聞松江支局、産經新聞松江支局、島根日日新聞社
NHK松江放送局、山陰中央テレビ、BSS山陰放送、日本海テレビ、エフエム山陰
島根県ケーブルテレビ協議会、島根演劇ネット
補助金
文化庁平成24年度優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業(5年採択の3年目)
19歳以上2,500円(当日2,800円)、18歳以下800円(当日1,000円)
券種
『初日割』:初日10/14のみ、19歳以上2,000円、18歳以下500円
『グループ割』:同一公演の19歳以上チケットを同時に3枚以上購入で、1枚2,000円
プレイガイド
ミニプレイガイド
島根県民会館総合インフォメーション、プラバホール、ビッグハート出雲、
チェリヴァホール、米子市文化ホール、ローソンチケット
八雲石油、奈珈屋、吉田屋、高木商店、山崎商店、どんぐり館、かやぶき交流館、ほっこり
8
演劇を人々の暮らしの中へ
取
組
み
①
ニーズに合わせた作品を提供する
IT革命の影響等で、急速にコミュニケーションが失われ、人と人との対話が希薄にな
り、喪失の傾向さえ見られる。また、東日本大震災以後、「つながりの大切さ」が見直さ
れている。この作品では、母子・姉弟の絆や、幼い姉弟が決意し自立していく姿が描か
れていることから、上演を決定した。
成
果
初日までに、チケットが完売
作品の選定がよかったこともあり、公演初日までにチケットが完売した。
この作品は、50代以上の人たちにとっては懐かしい作品で、観劇希望が多かった。
特に高齢者からは、観劇しながら作品を楽しむとともに、小さい頃を懐古したという感
想が多く聞かれた。
課
題
観
客
の
感
想
しかし、50代以下の若い人たちにはなじみの薄い作品のため、観劇の割合も少なか
った。2013(平成25)年度の再演の際には、若い人たちへのPRが課題である。
・最初のところがこわかったけど、と中のシーンや最後のところは感動してなみだがでました。こわ
いところもあったけど、とてもよい話だと思いました。(10代女子)
・「運」にかけて「運命」に立ち向かった主人公たちの、クリアーで強い人格にすごく感動し、泣き
ながらも、元気をもらいました。(50代男性)
・初めから終わりまで、息もできないぐらい感動しました。私も一緒に、その昔の空気を吸っている
ようでした。こんな気持ちは初めてでした。(70代女性)
取
組
み
②
成
果
作品を安く提供する
地方経済の悪化などのため、今回の公演では、 同一公演の19歳以上チケットを同時
に3枚以上購入で、ひとり2,000円になる『グループ割』や、初日の10/14のみ、19歳以上
2,000円、18歳以下500円にする『初日割』を実施した。
「割引」制度の成果あり そのため、急遽ゲネプロを公開
初日はチケット販売後すぐに完売。また、他の公演日も初日までに完売した。
『初日割』『グループ割』の利用者数は、全観客数の約68%、チケット注文件数の約
26%となり、多くの観客に割引制度を利用して観劇してもらった。
また、完売後も次々とチケットの注文が相次いだため、本番前日に行う「ゲネプロ」
(本番通りに行う総舞台稽古)を公開し、上演前の準備風景や、上演後の「ダメ出し」
の様子などの「舞台裏」も披露した。
(ゲネプロ公開1回目53名、2回目86名、3回目123名、合計262名)
観
客
の
感
想
・演劇そのものにも感動しましたが、こういう形(ゲネプロ)で見せていただく機会もすごくうれしか
ったです。本番も見に行きたかったけど、満席で残念です。
・感動しました。ゲネプロということでしたが、ほぼ本番と変わらず、すごく引き込まれてしまいました。
稽古風景は初めて見たのですが、全員でひとつのものをつくりあげるのは、こんなにエネルギッ
シュなのかと感じました。
9
①
演
劇
公
演
の
制
作
と
上
演
2
0
1
2
年
度
事
業
報
告
今
回
の
公
演
の
特
徴
50代以上に大きな反響
「安寿と厨子王」は、50代以上の人にとっては自分の子ども時代に衝撃や感動を受
けた作品であり、「ぜひ見てみたい」という強い思いがあったようである。中でも高齢の
観客は、観劇と同時に父母や家族のこと、小さかった頃の思い出などを懐古したという
感想が多かった。また、女性だけでなく男性客からの問い合わせが多かったことも、今
回の公演の特徴であった。
観客全員が集中して観劇
今の時代に希薄になってしまっている「人との関係性」が、しいの実シアターという小
さな100人劇場の目の前の舞台で展開されることで、観客全員が集中して一心に観
入っていた。涙の出る場面では、男性でも鼻をすすり、泣くのを我慢する姿が見られた。
演劇は舞台と客席の交流で創られていくため、舞台の俳優も観客の想いを身体中で
受け止めて演技をした結果、とてもよい舞台ができあがった。
松浦正敬松江市長の感想
日曜日には劇団あしぶえの「安寿と厨子王」を観劇しました。このお話は絵本などで
筋書きをよく知っているので、心を揺さぶられることはあるまいと思っていましたが、泣か
されてしまいました。
見せ場は、母親と子どもたちが別々に人買いに売られて離れ離れになってしまうとこ
ろと、厨子王が国司となって帰ってきて年老いた母親と遭遇するところだろうと思ってい
ました。
ところが、最大の見せ場は別にありました。それは安寿が厨子王を説得して山椒大夫
のもとから逃亡させ、その後身投げをして自らの命を絶つという場面でした。
文章にするとなんでもないようですが、まだか弱い安寿が自分を犠牲にしてでも弟を
守ろうとする悲しくもけなげな姿、弟の前では気丈に振る舞っていた安寿が、弟がいなく
なると死を前にして「厨子王」と号泣し悲しみの頂点に立つ姿、本当に泣かされました。
演劇を見て流れる涙は悲しみのそれではなく、感動から出るものです。ですから、その
後は決まって心が洗われたように爽快な気分になります。
こんな素晴らしい演劇活動をしているあしぶえに、あらためて心からの感謝の気持ち
が湧いてきました。
(松江市メールマガジン だんだんかわら版 2012/11/28号より)
10
演劇を人々の暮らしの中へ
アンケート回収結果
観劇者数 1,050名、回収 990枚、回収率 94.3%
■性別
■年代層
無回答
2%
無回答 10代以下
3% 6%
80代以上 5%
20代 4%
男性
21%
30代 4%
40代 8%
70代
22%
女性
77%
50代
20%
60代
28%
■地域別の来場者割合
■来場のきっかけ
その他県外 1%
広島県 (岡山、山口、福岡
鳥取県 3% 兵庫、和歌山、東京)
無回答
12%
その他県内 1% 15%
その他
(安来、江津、川本、津和野)
HP 2%
新聞 4%
15%
松江市
浜田市 3%
大田市 2%
雲南市 4%
出雲市 8%
DM
12%
(除八雲)
52%
チラシ
11%
口コミ
45%
八雲町
11%
■公演の感想
ふつう
■次回の公演を
無回答
16%
無回答
12%
1%
よかった
15%
とても
よかった
観たい
33%
71%
■公演について他の人に
無回答
12%
ぜひ
話したい
33%
51%
あまり観たくない、観たくない なし
あまりよくなかった、よくなかった なし
話したい
ぜひ
観たい
54%
話したくない なし
11
①
演
劇
公
演
の
制
作
と
上
演
2
0
1
2
年
度
事
業
報
告
② 表現・コミュニケーション能力育成のための事業
この事業の目標
コミュニケーション力の向上
社会の現状
「コミュニケーション」は、人と人とが向き合って交流することで生まれます。
しかし近年、IT機器のめざましい普及など様々な要因で人と向き合う機会が
減っています。
その結果、「友達ができない」「悩みを人に相談することができない」「毎日
パソコンに向かって仕事をしているだけ」といった声を多く耳にします。
取組み
コミュニケーションワークショップ講師として、学校、企業、地域へ出かけ、
2012(平成24)年度は、93回、のべ3,216人の方にワークショップを提供
しました。
受講者数の増加
あしぶえは、2000年から学校の授業などで、「コミュニケーションワーク
ショッ プ」を 実 施し てきま し た。 近 年 は、そ の 必 要 性 が 強く 認 識 され る
ようになって、依頼も増加し、ここ3年では、実施回数が約1.8倍、
受講者数も1.7倍になっています。
受講人数
3,500
実施回数
100
742人
3,000
93回
2,500
2,000
1,500
1,000
461人
企
業
・
団
体
373人
学
校
1,473人
57回
50
50回
2,474人
1,774人
500
0
2010年
50回
1,846人
2011年
57回
2,235人
12
2012年
93回
3,216人
0
演劇を人々の暮らしの中へ
②
仁摩小学校「表現ワーク」の様子
八雲小学校「あしぶえタイム」の様子
グループで協力して「形づくり」
実施日時
実施場所
従事者
の人数
受益者
の人数
①学校
講師
松江市立八雲小学校
(3年生2クラス×12回/年間48時間)
詳細
15ページ 島根県「文化芸術次世代育成支援事業」
講師
松江市立
八雲小学校
延べ
48名
延べ
828名
H24/9~11
大田市立
仁摩小学校
延べ
10名
延べ
205名
H24/9/26
出雲市立
国富小学校
延べ
2名
67名
H24/6~11
大田市立
仁摩小学校
延べ
72名
延べ
612名
H24/9/26
海士町立
海士小学校
延べ
2名
35名
大田市立仁摩小学校
(4年生2クラス×5回)
詳細
15ページ 島根県「文化芸術次世代育成支援事業」
講師
H24/6~12
出雲市立国富小学校(3、4年生、学年ごと)
詳細
島根県「文化芸術次世代育成支援事業」
15ページ
大田市立仁摩小学校
(1~6年生8クラス×3回)
詳細
文化庁「次代を担う子どもの文化芸術体験
16ページ
事業」芸術家派遣事業
講師
講師
海士町立海士小学校(1~2、3~6年生)
文化庁「次代を担う子どもの文化芸術体験
事業」芸術家派遣事業
講師
松江市立八束学園(3~6年生、各学年ごと)
文化庁「次代を担う子どもの文化芸術体験 H24/10/30
事業」芸術家派遣事業
松江市立
八束学園
4名
118名
講師
松江市立鹿島中学校(2年生×3回)
文化庁「次代を担う子どもの文化芸術体験
事業」芸術家派遣事業
H24/6/27
H24/7/10
H24/9/12
松江市立
鹿島中学校
延べ
9名
延べ
171名
講師
松江市立八束学園(7年生)
文化庁「次代を担う子どもの文化芸術体験
事業」芸術家派遣事業
H25/1/16
松江市立
八束学園
2名
36名
講師
広島市立五日市中学校
新入生コミュニケーションワークショップ
(1年生9クラス、3クラスごと×3回)
H24/4/12~13
広島市立
五日市中学校
延べ
12名
306名
講師
島根県立大学短期大学部保育学科
新入生コミュニケーションワークショップ
H24/4/10
島根県立大学
短期大学部
2名
52名
H24/4/9
島根県消防学校
2名
44名
講師
島根県消防学校 第52期初任研修生
詳細
「はじめのコミュニケーションワークショップ」
15ページ
13
2
0
1
2
年
度
事
業
報
告
実施日時
実施場所
従事者
の人数
受益者
の人数
②企業、地域、PTA、その他
講師
平成24年度湖南ブロック・松南ブロック
公民館合同職員研修会
H24/6/8
松江市
大庭公民館
1名
28名
講師
島根県産業看護職員研修会
H24/6/9
島根県民会館
2名
25名
講師
松江市幼稚園・保育園職員研修
H24/7/5
松江市
スティックビル
2名
67名
講師
鳥取県看護協会 新人職員研修
H24/7/26
米子市文化ホール
2名
18名
講師
株式会社さんびる 教育合同研修
「コミュニケーションワークショップ」
H24/8/8
松江市
まつえテルサ
1名
18名
講師
島根県看護協会研修会
H24/9/29
島根県
看護研修センター
2名
23名
講演
島根県町村議会議長会町村議員研修会
「演劇によるまちづくりと議員活動」
H24/10/10
島根県市町村
振興センター
1名
150名
講師
大島工務所・安来大友会安全衛生大会
「安全に必要なコミュニケーション」
H24/10/25
安来市
職業研修センター
2名
57名
講師
島根県内財団職員研修(初級)
H24/11/28
松江市
まつえテルサ
2名
47名
講師
ジョブカフェしまねセミナー
「気づきのコミュニケーションスキルを磨く」
H24/5/9~11
松江市
まつえテルサ
延べ
6名
延べ
30名
H24/8/10~11
松江市
くにびきメッセ
延べ
4名
延べ
76名
講師
中・高生ジュニアリーダー育成事業
大田中央“絆”プログラム~未来へつなげる
H24/8/9
地域の絆~ 「第10回コミュニケーションを深
めるあそび経験」研修
大田市立
大田中央公民館
1名
12名
講師
松江市立湖東中学校PTA
「人権同和教育研修会」
H24/9/12
松江市立
湖東中学校
1名
25名
講師
どんぐり館
「子育てママのリフレッシュワーク」
H24/9/18
H24/10/23
松江市立
どんぐり館
延べ
5名
延べ
34名
講師
松江市白潟公民館
「元気に過ごす認知症予防ワーク」
H24/11/9
松江市
しいの実シアター
1名
19名
講師
松江市出雲郷公民館
「出雲郷ざいごあだかえシンポジウム」
H25/1/21
H25/2/17
松江市
出雲郷公民館
延べ
4名
延べ
47名
講師
島根県自治研修所
「相手の心に伝わる話術」
H25/3/12
松江市
島根県自治研修所
1名
20名
講師
平成24年度ジュニア研修
H25/3/17
(島根中、八束中、美保関中、本庄中合同)
島根県立青少年の家
(サンレイク)
2名
46名
延べ
205名
延べ
3,216名
講師
ジョブカフェしまね
詳細
「就活寺子屋ワークショップ」
16ページ
合計
14
93回
演劇を人々の暮らしの中へ
平成24年度島根県民文化祭
「文化芸術次世代育成支援事業(島根の文化芸術体験事業)」
島根県文化団体連合会委託
概要・取り組み
島根県文化団体連合会より事業の委託を受け、下記3校に劇団員が出掛けて行き、それぞれの
要望に応じて、「コミュニケーションワーク」「表現ワーク」「劇づくり」を実施した。
松江市立八雲小学校3年生 「あしぶえタイム(劇づくり)」
3年生2クラス69名を対象に、6月から12月まで11回、表現・コミュニケーションワークを実施後、
劇づくりに入り、最終回は、しいの実シアターで発表会を行い、4グループが2作品を上演した。
大田市立仁摩小学校4年生 「劇づくり」
4年生2クラス41名を対象に、9月から11月まで5回、表現・コミュニケーションワークを実施後、
劇づくりに入り、学校の学習発表会の場で2作品を上演した。
出雲市立国富小学校3、4年生 「コミュニケーションワークショップ」
3、4年生、各2クラス41名を対象に、コミュニケーションワークを実施。
国富小学校の様子
「アイコンタクト」の楽しさに気づくゲーム
島根県消防学校
第52期初任研修生
概要・取り組み
島根県消防学校よりワークショップの依頼を受け、44名を対象に実施。
・ 講義の内容はとてもシンプルなものでしたが、とても意味の深い講義でした。
受
講
者 ・ ゲームの中に、学ぶもの多くありました。今後消防士として仕事をする上で、不可欠なもの
の
をこの時間で体感できました。
感
想
・ 消防士は特に団体行動が多い仕事なので、コミュニケーション能力が必要になってくる
(
一
部
抜
粋
)
と思います。人と関わる機会が持てて、距離がだいぶん縮まった気がしました。動きは子供
でもできる単純なものでしたが、常に神経を集中していないとできないので、とても奥の深
いゲームでした。
15
②
2
0
1
2
年
事
業
報
告
文化庁委託
平成24年度次代を担う子どもの文化芸術体験事業
概要・取り組み
大田市立仁摩小学校 全学年 「ハートフルタイム」
文化庁の委託を受け、下記のねらいの元に、クラスごとに年間3回ずつ、全校生徒にコミュニケーシ
ョンワークショップを行った。
学校のねらい
・ ワークショップを通して、豊かな情操を養い、表現力やコミュニケーション能力の育成を図る。
・ 人との関わりの中から、自己肯定感や自己有用感を高める。【個の力】
・ 互いの気持ちや良さを素直に表現し、それを理解し合うことを通して、よりよい人間関係を築く
力や集団としての力を高める。【集団の力】
「ハートフルタイム」を終了後、児童(総数199名)に対するアンケートを行ってもらい、
子どもたちがどのような感想を持ったのかを調査した結果を、下記に示す。(複数回答)
170
笑って気持ちが明るくなった
やさしく教えてもらえた
167
159
身体を動かして、気持ちがよかった
みんなとなかよくなれた
みんなと力を合わせられるようになった
153
137
クラスがまとまってきた
前よりも友達と気軽に話せるようになった
友達にやさしくなれた
友達の新しいところを知った
134
123
112
111
失敗しても平気になった
むずかしかった
うまくできなかった
みんなに笑われていやだった
楽しくできなかった
71
23
12
12
6
50
100
150
199
ジョブカフェしまね「体験型コミュニケーションワーク」で
就職活動を応援しました
概要・取り組み
2013年8月11日(土)、ジョブカフェしまね(公益財団法人ふるさと島根定住財団の若年者の就職
支援センター)からの依頼により、「就職フェアしまね」にて、求職者と求人企業担当者に対し、「就
活寺子屋ワークショップ」として、「体験型コミュニケーションワークショップ」を行った。
あしぶえのワークショップが、学校や企業だけでなく、就活生への支援にも役立っている。
(詳細は右ページの新聞記事)
16
演劇を人々の暮らしの中へ
②
2012(平成 24)年 8 月 29 日付
日本経済新聞
本文中に出てくる「劇団員」は
あしぶえメンバーです。
17
2
0
1
2
年
事
業
報
告
③ しいの実シアターの管理・運営事業
この事業の目標
しいの実シアターを市民が親しむ劇場に
社会の現状
松江市立劇場である「しいの実シアター」は、「恵まれた自然環境の中で、
演劇を通じて市民の文化の向上と情操の涵養を図り、かつ、八雲町の
演劇文化の拠点となる」ことを目的として設置されました。
最近では、緑に囲まれ訪れる人に「癒し」を与える劇場スタイルや、その
管理・運営方法を新しい劇場建設の参考にしたいと、全国各地からの
視察も増えてきています。
取組み
あしぶえでは、指定管理者として「しいの実シアター」の設置目的に
沿って、演劇公演の制作と上演、表現・コミュニケーション能力育成の
ための事業、八雲国際演劇祭の運営に関わる事業を有機的に展開
させています。
特に、少子高齢化に伴って、子どもと高齢者を対象に、国内外の良質の
作品を提供しました。
また、演劇公演だけでなく、少しずつ近隣の環境を整備し、松江市のみ
ならず、県内外から多くの誘客を図るべく、計画案を策定しています。
18
演劇を人々の暮らしの中へ
実施日時
事業
人形劇団ひぽぽたあむ
「チップとチョコ」
H24/6/6~8
従事者
の人数
受益者
の人数
松江市
しいの実シアター
23名
350名
松江市
しいの実シアター
49名
197名
8名
98名
1名
延べ
360名
2名
40名
実施場所
子どもたちへ「優れた舞台芸術にふれる機会」を提供しました。
詳細は20ページ
事業
海外秀作鑑賞事業
イタリア・劇団ロディージオ 「ラ・フェスタ」
H24/7/21~22
「海外の作品はわからない」を『ゼロ』に近づけるための工夫を行いました。
詳細は22ページ
事業
芸術文化教育振興事業(松江市共催)
清水愼一氏講演会「女子力を活かす」
H24/11/9
松江市
市町村振興センター
「女子力」を活用して、「松江を元気に」するため、松江市と協働して企画しました。
詳細は21ページ
講演
世界劇場会議国際フォーラム2013
「明日の世界をデザインする」
H25/2/9、10
愛知県名古屋市
愛知芸術文化センター
海外先進地のイギリスと、国内先進地の岐阜県可児市「アーラ」、静岡市「グランシップ」、
松江市「しいの実シアター」の3館のパネラーが、劇場運営について論議しました。
講演
岐阜県公立文化施設協議会
第2回広域文化ホール連絡研修会
「小さな劇場の小さな試みと大きな夢
~芸術の売り方~」
H25/3/14
岐阜県
可児市文化創造
センター
「わずか100席の小さな劇場で、驚くような活動を展開していることを話してほしい」という
要望に応えて、講演しました。
貸館
事業
やくもネット主催
松永和紀氏講演会 「食の安全と環境」
H24/7/8
松江市
しいの実シアター
5名
137名
貸館
事業
やくもネット研修会 松本雄志氏講演会
「地域を元気にする人間力を学ぶ」
H24/9/15
松江市
しいの実シアター
3名
48名
貸館
事業
松江市写真道場
H24/9/22
松江市
しいの実シアター
1名
22名
貸館
事業
ハムプロジェクト公演
「サンタどん」
H24/9/24
松江市
しいの実シアター
1名
56名
貸館
事業
松江地区高校演劇部合同公演
「ジンジャーエール」
H25/3/16~17
松江市
しいの実シアター
延べ
2名
160名
管理
ボランティアによるシアター草刈り
H24/6/3
松江市
しいの実シアター
20名
不特定
多数
管理
平原あしぶえ会による草刈りボランティア
H24/10/21
松江市
しいの実シアター
45名
不特定
多数
管理
ボランティアによるシアター落ち葉集め
H24/12/9
松江市
しいの実シアター
22名
不特定
多数
19
③
し
い
の
実
シ
ア
タ
ー
の
管
理
・
運
営
2
0
1
2
年
事
業
報
告
平成24年度
松江市芸術文化教育振興事業
「チップとチョコ」 人形劇団ひぽぽたあむ
概 要
日時
2012(平成24)年6月6日(水)~8日(金)
会場
しいの実シアター
入場者数
団体名
チケット販売数
いずれも、10:00~10:50
355名(1ステージあたり118.3名/入場率:109.5%)
松徳幼稚園 26名、宍道幼保園 56名、玉湯幼稚園 18名、大谷幼稚園 6名
古志原幼稚園 28名、八雲幼稚園 28名、八雲保育園 35名、ひよし保育園 23名
たけかや保育園 19名、NPO法人やくも・どんぐり 12名
314枚(販売率:96.9%)
制作スタッフ
園山土筆、有田美由樹、小岩崎里瑠、田中小百合
表方スタッフ
米田裕幸、須山佐智美、鳴尾朋子
ボランティア
白鹿弘子
後援
なし
補助
松江市芸術文化教育振興事業
券種
500円(当日同じ)
プレイガイド
合計3回
しいの実シアター
取 幼児へ優れた舞台芸術を提供する
組
幼児への「優れた舞台芸術にふれる機会」の提供とともに、高齢者の観客も誘客し、世
み 代間交流による「生きがい」を感じる機会とする。前回は、在宅親子を中心に「アートスタート」
①
として行った事業の2回目。今回は、在宅親子の他、市内幼稚園・保育園の年長児を中心
に団体観劇を推進、10団体約250名が観劇した。
成 大人も満足できる人形劇
果
人形を腕にはめて演じ、操作者が観客から見えない「片手人形」のみで上演しているのは、
「ひぽぽたあむ」唯一で、心情表現がとてもきめ細やかであり、子どもだけでなく大人も充
分に感動できる公演で、高齢者にも好評であった。
また、上演は園の保育時間の関係で連日午前中に限られるため、演者の午後の空いた
時間を利用して、松江市内の松徳幼稚園と津田幼稚園に出かけ、計2園100名の親子を
対象にした出張ワークショップ「紙封筒で、だれもみたことのない生き物をつくろう」を行い、
これも好評であった。
取 観客送迎事業を行いました
組
しいの実シアターは、公共交通機関の便が悪いため、自家用車がないと観劇に訪れること
み が難しい。そこで、気軽に観劇してもらえるよう、八雲町内のNPO法人「あすなろ」に委託し、
②
マイクロバスにて送迎を行った。
20
演劇を人々の暮らしの中へ
成 地元NPOとの連携も
果
交通の便の確保が難しい幼稚園、保育園には大変喜ばれた。また、地元の「NPO法人あ
すなろ」への依頼は、送迎事情や観劇中の待機などの状況を理解した上で業務を行っても
らうことができ、良好な連携がとれ、地域の活性化にもつながった。
平成24年度
松江市芸術文化教育振興事業
清水愼一氏講演会 「『女子力』を活かす」
概 要
日時
2012(平成24)年11月9日(金)
会場
島根県市町村振興センター(タウンプラザしまね)
講師
清水愼一氏(立教大学観光学部特任教授、元株式会社JTB常務)
参加者数
共催
参加費
15:00~16:30
98名
松江市人事課
無料
取 「女子力」 を 「松江の元気」 につなげていく
組
女性のパワーを活用して地域活性化を進めていくには何が必要かを知るため、清水愼一
み 氏を講師に招き、全国各地の事例紹介から参加者に刺激やヒントを提供し、「松江の元気」
につなげていく。
2012(平成24)年
11月20日付
山陰中央新報
21
③
し
い
の
実
シ
ア
タ
ー
の
管
理
・
運
営
2
0
1
2
年
度
事
業
報
告
文化庁 平成24年度優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業
「ラ・フェスタ」 イタリア・劇団ロディージオ
概 要
日時
2012(平成24)年7月21日(土)、22日(日)
会場
しいの実シアター
ボランティア数
入場者数
チケット販売数
いずれも、14:00~15:10
のべ45名
197名(1ステージあたり98.5名/入場率:92.1%)
209枚(販売率:96.8%)
制作スタッフ
園山土筆、有田美由樹、小岩崎里瑠、田中小百合
表方スタッフ
米田裕幸、須山佐智美、鳴尾朋子
ボランティア
取
組
み
荒川嘉代子、伊藤あきな、内田裕紀、小川寛子、加藤裕子、門脇礼子、上川愛美、川島輝紀、後藤英興
阪本成子、白鹿弘子、須山遥香、須山勝、須山美玲、松浦優海、三島拓生、三島秀子、三島操子
後援
島根県、島根県教育委員会、松江市、松江市教育委員会
補助
文化庁平成24年度優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業
券種
19歳以上2,500円、18歳以下800円(当日同じ)
プレイガイド
合計2回
島根県民会館総合インフォメーション、プラバホール、ビッグハート出雲、チェリヴァホール、
米子市文化ホール、ローソンチケット
海外作品に触れる機会を提供し、演劇に親しんでもらう
地方では、海外の演劇を観る機会は皆無といっても過言ではなく、海外の秀作を観劇し
て、演劇に親しんでもらおうと開催した。3年に1度開催している「八雲国際演劇祭」で、海外
作品をより楽しんでもらうため、演劇祭を開催しない年に開催している。
演劇愛好者だけなく、一般の観客にも海外作品に親しみを持ってもらうため、「作品理解」
に力を入れた。ロディージオから、「あらすじ」を送ってもらったが、DVD(実際の演技)とはか
け離れていたため、何度もやり取りを行い「劇の流れ」を観客に伝えられるようにした。
成 観客の作品理解がより深まった
果
①チラシでの作品解説、②上演前の解説、③上演後のアフタースピーチ、④終演後にロビ
ーで出演者との交流の場をつくることなどを行った結果、観客からは「作品がよくわかった」、
上演したロディージオの劇団員からは「しいの実シアターの観客は、他の劇場の観客とちが
い、反応がよかった」との感想が聞かれた。
22
演劇を人々の暮らしの中へ
アンケート回収結果
観劇者数 197名、回収 180枚、回収率 91.4%
■年齢層
■年代層
■地域別の来場者の割合
その他県内 県外
無回答
70代以上 7% 2%
男性
(雲南、大田、浜田)
10代以下 17%
32%
2%
6%
9%
22%
女性
30代
68%
11%
50代
40代
21%
12%
■公演を何で知りましたか
8%
(鳥取県、香川県)
20代
60代
その他
出雲市
5%
20%
松江市
(除八雲)
67%
■公演の感想
無記入 DM
9%
10% HP
2%
公共施設
のチラシ
八雲町
つまら
なかった
無記入
15%
1%
新聞
ふつう
7%
3%
10%
とても
よかった
44%
よかった
口コミ
37%
55%
■配ったあらすじは
役に立たず 無回答
9%
あまり役に 1%
立たず 1%
ふつう
7%
役に立たず
無回答
13%
40%
見たくない
1%
ふつう
とても
役立った
とても
役立った
4%
どちらでも
ない 4%
1%
無記入
9%
ぜひ
見たい
38%
43%
42%
役に立った
■また海外の作品を
■アフタースピーチは
見たい
役に立った
48%
39%
・ 英語の公演でわかるかなぁと思っていましたが、始まる前と、終わってからの説明でわかりやすく
てよかった。動きが激しくて、びっくりしました。(50代女性)
・今までに見たことのないような劇で、とても楽しかったです。あらすじを読みながら劇を見ていると、
よりわかりやすく楽しむことができました。(高校生男性)
・ 上演後の(俳優との)意見交換があって、緊張がほぐれ、理解も深まったと思う。(50代女性)
・初めて海外の劇団の舞台を観ました。息づかい、動き、演出、すべてが日本の物とはちがって、
刺激になりました。(高校生女性)
・始まる前のあらすじやチラシ、終演後のスピーチで、内容がより理解出来ました。とてもエネルギ
ッシュでダイナミックな演技に感動しました。(40代女性)
23
③
し
い
の
実
シ
ア
タ
ー
の
管
理
・
運
営
2
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1
2
年
度
事
業
報
告
④ 八雲国際演劇祭の運営に関わる事業
この事業の目標
「八雲国際演劇祭」で人づくり・まちづくりを
社会の現状
近年、「国際化」という言葉に代わって、「グローバル化」という言葉が
使われるようになってきました。国と国との関係が深くなるという意味の
「国際化」に対し、「グローバル化」は、個々の国や大陸、民族という枠を
超え、地球を「ひとつの単位」として見る意味が含まれているからです。
経済的にも、アメリカのファストフード店や日本の衣料小売店が世界中に
進出し、私たちの身の回りはさまざまな国の製品で埋め尽くされています。
このようなボーダレス 時代の中で、言葉や文化、習慣の異なる人々が
一緒に暮らしていくことは大変なことです。
取組み
「八雲国際演劇祭」は、演劇のフェスティバルですが、実は、「開催目的」や
ボランティスタッフ用の「活動の指針」はもちろんのこと、運営の進め方は、
グローバル化していく時代でも通用する内容に作成されています。
ですから、「演劇祭」に参加するすべての人が、「開催目的」や「活動の指針」
をしっかりと理解し、演劇祭の準備・開催・振り返りを丁寧に行うことで、言語
の違いや文化の違いを受け入れ、共に暮らしていけるようなまちづくりが
できると考えています。
2012(平成24)年度は、「第5回八雲国際演劇祭」の開催前年に当たって
いましたが、主会場のひとつである「アルバホール」が、 「八雲社会福祉
センター」の増改築に伴って使用できなくなったため、演劇祭の1年延期が
決定しました。
24
演劇を人々の暮らしの中へ
④
実施日時
活動
草加叔也氏 演劇祭会場アドバイス
H24/4/7
H24/5/25
実施場所
従事者
の人数
受益者
の人数
3名
不特定
多数
5名
50名
松江市
アルバホール
「八雲国際演劇祭」の主会場であるアルバホールを、いかに多様に使用できるかを、
建築家としての専門的な視野からアドバイスを受けました。
講演会
園部友里恵氏講演会
「八雲町と八雲国際演劇祭」
H24/5/13
松江市
しいの実シアター
「国際演劇祭」の稀有なボランティア活動を研究発表するため、東京・八雲を往復すること14回、
滞在日数56日の園部友里恵さんの講演会を開催しました。
PR
中海カナダ協会総会出席
H24/5/26
鳥取県米子市
米子全日空ホテル
1名
約50名
3名
-
5名
-
のべ
81名
-
中海圏域の各市長、企業、個人が加盟する協会で、カナダから来日するコーパス「ひつじ」と
「八雲国際演劇祭」について、詳しく情報発信しました。
事業
YITFポスターコンペ
H24/8/8
松江市
しいの実シアター
「第5回」の記念演劇祭をいかに情報発信するか、新しい感覚のポスターを作成するために
コンペを行いましたが、演劇祭が1年延期となったため考慮中となっています。
視察
沖縄キジムナーフェスタ2012
H24/8/2~4
沖縄市
子ども対象では国内最大級の国際演劇祭である沖縄キジムナーフェスタのボランティア活動を
視察するとともに、優秀劇団と出演交渉を行いました。
会議
YITF会議
(9回開催)
H24/4~H24/8
松江市
しいの実シアター
「第5回」の開催目的の見直し、課題等について話し合いましたが、開催延期に伴って、中断しています。
会議
ボランティアマネージャー会議
H24/9/11
松江市
しいの実シアター
3名
-
「第5回」の課題について、マネージャー会議を開催しましたが、開催延期のため、中断しています。
事業
株式会社さんびる 教育合同研修
「コミュニケーションワークショップ」
(第5回演劇祭寄附のお礼ワーク)
H24/8/8
松江市
まつえテルサ
1名
18名
1名
80名
10万円以上の演劇祭寄附を受ける返礼として、さんびる社内研修の講師として出かけ、
大変喜ばれました。
講演
日本演出者協会主催
演劇CAMP in中津川
H24/10/19、20
岐阜県中津川市
馬籠ふるさと学校
「岐阜県中津川でも国際演劇祭を開催したいので、八雲国際演劇祭のボランティア活動について
講演をしてほしい」との依頼があって出かけました。
講演
ひろしま文化振興財団文化施設職員研修
「文化ボランティアとコーディネーター
基礎講座」
H24/11/29
広島県広島市
鯉城会館
1名
「八雲国際演劇祭」のボランティアスタッフのすばらしい活動を紹介してほしい、との依頼があって
講演しました。
25
40名
サポート会の活動
2012(H24)年度のサポート会員は個人・団体合わせて338名/団体でした。
その中のメンバーでつくる「サポート会事務局」で、毎月話し合いを行い、
さまざまな活動を展開しています。
▼ ▼ ▼
サポート月例会
日時 毎月第1月曜日 19:30から2時間程度
会場 しいの実シアター
メンバー 会社員、公務員、主婦など20代から70代まで
年齢、職種ともさまざまな女性11名、男性2名の合計13名。
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内容 サポート活動についての話し合いが、和気あいあいと賑やかに行われています。
2012(H24)年度のサポート月例会開催日
2012(平成24)/4/23(月)
2012(平成24)/5/7(月)
2012(平成24)/6/4(月)
2012(平成24)/7/11(月)
2012(平成24)/9/3(月)
2012(平成24)/10/1(月)
2012(平成24)/12/3(月)
2013(平成25)/2/4(月)
2012(平成25)/2/18(月)
公演当日のサポート
 2012(平成24)年7月
「ラ・フェスタ」しいの実シアター公演
 2012(平成24)年10月~11月
「安寿と厨子王」しいの実シアター公演
2012(平成24)年度は、上記公演の表方や駐車場などのサポート活動を行いました。
新しくボランティアサポートメンバーとして参加される方も増えてきました。また、小中学
生のボランティアメンバーもアンケート配りやグッズ販売などで活躍しています。
シアター草刈り
 ボランティアによる草刈り:2012(平成24)年6月18日(日)
 平原あしぶえ会とボランティアによる草刈り:2012(平成24)年10月21日(日)
多くの新しいボランティアのみなさんにもご協力いただき、初夏と秋にシアターの
草刈りを行いました。ご協力、ありがとうございました。
落ち葉集めエコ活動
 ボランティアによる落ち葉集め:2012(平成24)年12月9日(日)
ボランティアのみなさんのご協力で、シアター敷地内の落ち葉集めを行いました。集めた落ち葉
は松浦造園さんのご協力で、堆肥にして樹木に施肥されます。
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演劇を人々の暮らしの中へ
「幸せの黄色いレシートキャンペーン」 にご協力いただき
ありがとうございました
このキャンペーンは、イオン株式会社の環境・社会貢献活動としておこなわれている
ものです。毎月11日の「イオンデー」に買い物をしたお客さまが、黄色いレシート
を「寄附したい」団体へ投函します。そのレシートの合計額の1%が、イオンからそ
の団体へ寄贈されるというものです。
2012(平成24)年度下期は、あしぶえに
250万円分のレシートが投函され、2万5千
円分の寄贈をいただき、さっそく写真のよう
な事務用品を購入させていただきました。
(左下より、デジタルスケール、テプラ、ホチキス、
コインカウンター、テープカッター)
※なお、あしぶえにご投函いただけるのはイオン
松江店のみになります。
グッズの売り上げが、あしぶえの活動資金に
あしぶえでは「同じ売るなら、おいしく、健康にいいものを」と、お客さまに喜んで
いただける、こだわりのグッズを販売しています。この販売利益が、あしぶえの活動
資金の一部になっています。どうぞ、お買い求めください。
あぐに
『粟國の塩』 650円(250g)(下)
奥出雲在住の、料理研究家 中村成子先生もご推薦。
沖縄・粟國島周辺の化学製品は一切使用していない
お塩です。料理の食材を引き立てます。
『あしぶえせんべい(蜂蜜・黒豆)』 各300円(上)
塩味のきいたそら豆がくせになる「蜂蜜せんべい」と
やわらかい黒豆がアクセントの「黒豆せんべい」。
ちょっとした差し入れなどにもピッタリです。
『塩コショウ』 500円(下)
体に優しい「植物ミネラル塩」は、無機物の塩に
カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄分を
多く含んで、お料理に「うま味」が出ます。
『ざらめ糖』 720円(700g)(上)
鹿児島・種子島産。南の島の強い太陽と風土育ちの
さとうきびからつくられるざらめ糖は、風味豊かで
甘みが穏やか。家庭料理の味の決め手に。
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会
の
活
動
法人全体の運営と事業
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2012(平成24)年3月31日現在、
あしぶえの正会員は個人79名、団体8件、創造活動会員15名、
そして、あしぶえを応援してくださるサポート会員は個人242名、団体9件です。
会員のみなさまのお名前を掲載させていただいております(58ページ)。
北海道から九州まで、日本全国の方に支えられ、応援していただいていることに、
改めて厚くお礼申し上げます。誠にありがとうございます。
● 「第7回通常社員総会」を開催しました
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2012(平成24)年5月13日(日)15:00~17:00
しいの実シアターで開催。2011(平成23)年度の事業報告、決算報告、会費報告、
2012(平成24)年度の事業計画、収支予算等についての承認を行いました。
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● 理事会を開催しました
第54回 2012(平成24)/4/27(金)
第55回 2012(平成24)/5/8(火)
第56回 2012(平成24)/8/6(月)
第57回 2012(平成24)/11/7(水)
臨時理事会 2012(平成24)/12/8(土)
第58回 2012(平成24)/12/19(水)
第59回 2013(平成25)/1/15(火)
第60回 2013(平成25)/3/4(月)
理事11名で、計8回の理事会を開催し、NPO運営について活発な議論を行う、重要事項に
ついて審議しました。
..
「認定NPO法人あしぶえ」になりました
2013(平成25)年3月5日付けで、あしぶえは「認定NPO法人」となりました。
「認定NPO法人」とは、広く一般から支持を受けているか、活動や組織運営が適正
に行われているか、多くの情報が公開されているか、など、NPO法人の中でも一定
の要件を満たしていることを、所轄庁(あしぶえの場合は島根県)から「認定」して
もらったNPOです。
「認定」されることによって法人の信用度がアップし、税制の優遇措置が与えられま
す。個人が寄附した場合には寄付控除、法人が寄附した場合には損金算入の拡大、相
続での寄附の場合は相続税の非課税対象など、寄附をされた方が優遇措置を受けられ
ます。詳しくは、次ページをご覧ください。
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演劇を人々の暮らしの中へ
認定NPO法人あしぶえへ直接寄附
しまね社会貢献基金を通して寄附
「しまね社会貢献基金」の「団体希望寄附」であしぶえ
内
容
口座引落、送金、集金などで、あしぶえに直接ご寄附
をご指定いただき、ご寄附いただく方法です。基金を
いただく方法です。
管理している島根県からあしぶえに対して寄附金額の
あしぶえ入金まで、即日~数日を要します。
95%が助成されます。事務手続き上、あしぶえに入金
報告があるまでに1~3ヶ月を要します。
所得税
所得税
確定申告時に次のいずれかの優遇措置が受けられます
確定申告時に次の優遇措置が受けられます
①寄附金控除(所得控除)
①寄附金控除(所得控除)
※②といずれか選択
その年の認定NPO法人への寄附金の合計額 -
2,000円 がその年の所得分から控除できます
その年の認定NPO法人への寄附金の合計額 -
2,000円 がその年の所得分から控除できます
所得から控除される金額に所得税率をかけた金額が税
制優遇(減税)相当額です
所得から控除される金額に所得税率をかけた金額が
税制優遇(減税)相当額です
(例)所得税率10%の人が1万円寄附した場合
税制優遇(減税)相当額は800円
(例)所得税率10%の人が1万円寄附した場合
税制優遇(減税)相当額は800円
②寄附金特別控除(税額控除)※①といずれか
(その年の認定(仮認定)NPO法人に対する
寄附金の合計額 - 2,000円)×40% が
その年の所得税額から控除できます
個
(例)1万円を寄附した場合、所得税率に関わらず
減税相当額は3,200円
人
の 住民税(道府県民税・市区町村民税)
場
合 確定申告又は住民税の申告で、③基本控除の優遇措置が
受けられます
(例)所得税率10%の人が1万円寄附した場合
税制優遇(減税)相当額は800円
住民税(道府県民税・市区町村民税)
確定申告又は住民税の申告で、③基本控除と④特例
控除、両方の優遇措置が受けられます
(例)所得税率10%の人が1万円寄附した場合
税制優遇(減税)相当額は7,200円
③基本控除(税額控除)
③基本控除(税額控除)
(その年の寄附金の合計額 - 2,000円)×
最大10% が寄附した翌年度の住民税の控除が
受けられます
(その年の寄附金の合計額 - 2,000円)×
最大10% が寄附した翌年度の住民税の控除が
受けられます
寄附される方の住所地によって、優遇割合(10%)
の数値が異なります。詳しくは、市区町村の税務
担当課へお問い合わせください。
寄附される方の住民票所在地に関わらず、10%の
控除が受けられます。
相続税
相続した財産を寄附した場合、相続税の課税価格に算入
されず、相続税の課税対象とはなりません
④特例控除(税額控除)
(その年の寄附金の合計額 - 2,000円)×
(90% - 所得税率)が寄附した翌年度の住民税の
控除を受けられます
法人税
法人税
確定申告で、一般寄附金の損金算入限度額とは別に、
特別損金算入限度額の範囲内まで損金算入することが
できます
確定申告を行うことで、地方公共団体への寄附扱いと
して、資本金等・所得の金額に関わらず、寄附金全額を
損金算入することができます
法
人
の 特別損金算入限度額
場
(資本金等の額×0.375%
合
+所得の金額×6.25%)×1/2
「しまね社会貢献基金」の優遇措置の
内容が4月以降、一部変更になりました。
(例)資本金1000万円、所得1000万円の法人は、
最大約33万円まで損金算入できる
→50万円寄附をした場合、33万円まで損金算入
詳しくは、島根県NPO活動推進室まで
お問合せください。TEL0852-22-6099
税制優遇の詳細については、詳しくは税務署または市町村税務担当課へお問い合わせください。
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たくさんの方のご参加、誠にありがとうございました
「創立45周年記念感謝の大パーティ」を開催しました
2012(平成24)年7月14日 ホテル一畑
当日は、市内、県内はもとより、県外は東京、大阪、京都、兵庫、和歌山などから、
総勢200名の方がご出席くださいました。顔ぶれも、地元八雲の皆さん、演劇関係者、
行政、一般企業の方と多種多様でした。
会では、最初に「あしぶえの歩みとこれから」と題し、約9分間の映像を上演。
45年間の紹介と、20年後のあしぶえの夢についてご覧いただいた後、理事長の園山
土筆があいさつをしました。
そして、伊藤修二島根県環境生活部長による溝口善兵衛島根県知事からのメッセージ
代読や、松浦正敬松江市長、女優・草村礼子さん、藤岡大拙あしぶえサポート会会長
からのご祝辞をいただき、丸磐根山陰合同銀行特別顧問の乾杯のご発声で、異業種大
交流会が始まり、みなさんが親睦を深められ、とても盛りあがりました。
溝口善兵衛島根県知事からの
「お祝いのメッセージ」を
代読くださった
伊藤修二環境生活部長
ご祝辞をいただいた
松浦正敬松江市長
ご祝辞をいただいた
藤岡大拙あしぶえ
サポート会会長
ご祝辞をいただいた
女優の草村礼子さん
乾杯のご発声をいただいた
丸磐根山陰合同銀行
特別顧問
「あしぶえ流五本締め」の
ご発声をいただいた
藤原義光ふるさと島根
定住財団理事長
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演劇を人々の暮らしの中へ
ごあいさつ (当日のスピーチより抜粋)
理事長 園山 土筆
皆さん、ようこそお出掛けくださいまして、誠にありがとうございます。
45年間、今日まで続けてくることができましたのも、皆様方、また劇団員や家族、
理事、サポート会のみなさん、ご近所やご友人など、いろいろな方にお世話に
なって、犠牲もたくさんあったと思いますが、45年間応援してくださった皆様に
心から厚くお礼を申しあげます。ありがとうございます。
先日、とてもいいお話を聞きました。石見銀山・群言堂の松場登美さんのお嬢
さんが、「私は両親から、石見銀山はとてもいいところだ、と聞いて育ってきたの
で、ずっと、石見銀山はいいところだ、と思ってきた」と言っておられました。
考えてみますと、私の父も「芸術はすばらしいものだ」と言っておりました。情操
教育がどんなに大事かをいつも言い、私にいろいろな演劇を見せてくれました。
ですから私自身も、子どものときから「芸術はすばらしいものだ」とそう思ってきま
した。けれども、この45年間、そう思ってくださる方は少なかったのです。
今、私たちは、「演劇によるまちづくり」を進めていますが、「この街のここがこの
ようにすばらしい」「芸術はすばらしい」と、私たちがみんなで子どもたちに伝えて
いけば、この地域や日本は、絶対によくなると思います。
「自分たちの地域にはなんにも無い」という言葉は今日で終わりにして、明日
から自信を持ってみんなでこのすばらしい地域を、このすばらしい日本を伝えて
いきたいと思います。
あしぶえはこれから20年かけて、仲間たちと気持ちを合わせて、確かな成果を
出していきます。どうぞ、末永いご支援を切にお願いいたします。
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全
体
の
運
営
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ブログにご掲載いただいたパーティの様子を、一部ご紹介させていただきます。
園山という山に小さいけれども情熱あふれる
土筆が芽生えました。今日まで地域に根差した
『地域演劇』を目指して、いかなる苦労にも耐え
て、たくさんの土筆仲間が育ち、多くの共鳴者や
サポーターが育ったのです。
常に演劇は観客と共につくるものであるという
ことを意識し、多くのフアンや応援者に恵まれ
一歩一歩前に進まれたのです。
受付前では手づくり看板がお出迎え
創立 45 年を期して『あしぶえ 20 年計画』が
スタートするそうです。誠に楽しみです。
最初に、45年を振り返っての映像が流され
これからもますます発展されることをお祈り
ましたが、よくぞここまでやっていらっしゃった
しますし、協力していきたいと思います。
ものだと改めて感嘆!
「景山俊太郎のはつらつブログ」より抜粋
主宰する園山代表のお話がとても印象的
でした。来賓の皆様のスピーチもとっても
市長、教育長をはじめ200人ものそうそうたる
ステキでした。さすが劇団の演出でした。
参加者。僕はまだこの劇団に関わってたった2年
次の20年。きっと、地域の発展を大きく
ですが、本物とは何なのか・・・いつも学ばせて
担ってくださるものと思います。20年後、生きて
もらっています。それにしても45年続けてこられた
見届けたい、いや、五本締めで祝いたい。
というのは、その歴史の重みにただただ脱帽です。
「三島おさむの県政つうしんブログ」より抜粋
園山土筆さんとの出会いは、僕の人生を
変えました。全てが本気。嘘がない。上っ面で
ない。全身全霊で、芸術としての演劇を追究
錚々たる出席者の顔ぶれに少々ひるんだものの
される園山さんの生き方は本当にカッコイイ。
多くの方々と交流でき新たな出会いもあり
僕も音楽家として園山さんのような筋の通った
楽しい時間を過ごすことができました。
生き方がしたいと思います。
最後のシメも独特でとても印象的でした。
「Blog Cimbalmos」より抜粋
「あしぶえ流五本締」は、
最初はささやくような小さな声と拍手から始まり
だんだんと声を大きくして
最後には大合唱の大声量になります。
普段とはひとあじ違う「熱」のある雰囲気に
あしぶえさん「らしさ」を感じました。
「Node blog」より抜粋
ご出席いただきましたみなさまに、厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。
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演劇を人々の暮らしの中へ
島根県職員 「NPO法人短期派遣研修」 を受け入れました
島根県総務部人事課職員の川島輝紀さんが研修に来られました。これは、県職員が県
内のNPO法人の業務を体験することで、NPOに対する理解を深める目的で行われて
いるものです。川島さんには、公演の表方業務やワークショップなどに参加していた
だきました。下記に、研修の感想の一部を掲載します。
事前研修で説明を受けた際、演劇に対する強い思いに圧倒されて、自分も気分が
高揚して帰ったことを覚えています。研修に訪れるたびに、最後は元気をもらって帰るこ
とになりました。
研修を通じて一番印象的だったのは、新作公演の稽古見学でした。舞台で演じる役
者、照明や音楽のスタッフに対し、演出の厳しい指摘が飛びます。
今思うと不思議なのですが、私はその時まで、演劇というのは脚本のとおりに台詞を
読んで手足を動かせばできるのではないかと簡単に考えていました。しかし、よく考えて
みれば、様々なことを考えて自分で理解していなければ、素晴らしい演技はもちろん、照
明や音楽のスイッチを入れることさえできないのです。そしてこれは、県の仕事にも通じる
ものがあると思いました。
それ以来、仕事の際に、自分はあしぶえのみなさんのように真剣に取り組んでいるか、
自分に問いかけるようになりました。
公演やシアターの草刈りには、毎回必ずボランティアの方々が参加され、子どもから
大人まで、それぞれ主体的に、責任感を持って仕事をされていたのが印象的でした。
あしぶえが、長年の活動を通じて、地域に根ざし、そこから演劇の魅力が確実に広ま
っていることに、非常に感銘を受けました。
県職員も、自治体職員として、地域とともに歩んでいかなければならないし、そうでな
ければ存在する意味がないと感じました。
松江市職員 「NPO法人派遣研修」 を受け入れました
「市民と行政の協働を考える」ということで、松江市職員で松江歴史館学芸員の小山
祥子さんが研修に来られました。「しいの実シアターと歴史館に共通する、演劇や歴
史の「楽しさを伝える」という活動を、公共施設でどう行っていくかを探る。また、
しいの実シアターでの体験を通して、歴史館におけるサービスのあり方を考える」と
いう研修目的で、公演の表方業務やワークショップなどに参加していただきました。
「准認定ファンドレイザー」の資格を取得しました
2012(平成24)年9月1日、職員の田中小百合がNPO法人日本ファンドレイジング
協会の「准認定ファンドレイザー」として認定されました。今後のNPO運営におい
て、ファンドレイザーとしての大きな役割を果たしていくことが期待されます。
※ NPO等非営利団体が、活動資金への寄附、会費、助成金、補助金などを集める行為を『ファンド
レイジング』といい、その資金を集める人を『ファンドレイザー』と言います。
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2012(平成 24)年 12 月 6 日付
山陰中央新報
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演劇を人々の暮らしの中へ
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記
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2012(平成 24)年 11 月 1 日付
山陰中央新報
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記
事
2012(平成 24)年 8 月 12 日付
山陰中央新報
2012(平成 24)年 9 月 14 日付
山陰中央新報
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演劇を人々の暮らしの中へ
新
聞
記
事
2012(平成 24)年 7 月 21 日付
山陰中央新報
2013(平成 25)年 1 月 4 日付
山陰中央新報
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簿
ありがとうございます!
NPO法人あしぶえは、北海道から九州までの下記のみなさまに応援していただいております。
厚くお礼申しあげます。今後とも、変わらぬご支援のほど、よろしくお願いいたします。
誠に勝手ながら、敬称は略させていただいております。2012(平成24)年4月1日~2013(平成25)年4月30日現在。
お申し出によりお名前を載せていない方もあります。
ご寄附
認定NPO法人あしぶえの目的に
賛同して、ご寄附くださった
方です
長根山研二
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有田義之
石田不二男・啓子
倉橋勝二
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丸磐根
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清原茂治
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藤原義光
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和泉憲子
内村豊・直子
岩崎幸夫
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吉山治
田中明子
岸本正
北尾篤子
小岩崎薫
五島朋子
品川勝造
田川淳子
田坂裕嗣
錦織裕司
平本弘子
福島律子
サポート会員
認定NPO法人あしぶえの
目的に賛同して物心両面から
活動を支えてくださる団体と
個人の方です
団体
山陰合同銀行株式会社
地域振興部
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
林谷工業株式会社
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NPO法人
おやこ劇場松江センター
医療法人釜瀬クリニック
中村ブレイス株式会社
株式会社はらぶん
平原あしぶえ会
有限会社松崎製菓
まるなか建設株式会社
株式会社山口商店
福田龍太
福間敬明
持田香代子
森洋子
森末寿子
・・・・・・・・・・・・
河野圭志
・・・・・・・・・・・・
松崎政弘
・・・・・・・・・・・・
伊藤あきな
長岡愼
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青島純四郎
安食ちはる
安達義人
池渕美津子
石倉俊之
石倉知樹
石倉義朗
石田範子
石原洋一
個人
門脇みとせ
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市場千恵
糸原公子
糸原博厚
今堀邦子
大前珠己
岡本美智江
岡本義弘
加藤智治
岸田京子
黒田徹
桑原洋介・佳子
込山郁子
小柳正寛
実藤逑
白藤高士・璋子
高橋久子
田中美子
永瀬美穂
仲田雅彦
中村寿夫
鳴本敬一郎
野津好正
野々内誠
畑正恵
菱本淳子
平井勇
平井和雄
藤井寿美枝
古用尚子
前島泰
前原俊信
前原信子
丸本智運
三上義昭
三角邦男
南山以津子
森田倫子
森山信雄
矢内高太郎
やまいち
行友典子
吉長義親
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若林幸雄
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竹内陽子
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小豆澤沢子
足立眞治
安達文夫
飯塚逸子
石倉富雄
石倉寛美
石倉百合子
泉宏佳
泉玲子
伊藤誠
稲田忠徳
植木和夫
後山悦子
大田和子
岡部貴和
小澤晶子
尾添大介
小田川祐子
恩田淳子
恩田照満
恩田久志・弘子
景山聡子
勝部朗
勝部峯伴
加藤久美子
門脇健一
門脇節子
門脇稔
金築久美子
河野初恵
五絛小枝子
小谷典子
後藤裕美子
近藤佳郎
佐伯正人
坂本佐土美
阪本滋郎
坂本哲夫
佐藤朋子
澤アツ子
清水和人
昌子均
庄司浩
白鹿倭文
須山二生
須山勝
清老敦子
妹尾秀子
高橋悦子
田代光子
田中順子
津田恵一郎
出川泰子
寺本好徳
堂端明美
中島香織
中島恵子
中村公恵
西本朋子
野村みさ子
花本加代子
原勉
原田勉
平本映子
福田理恵
福庭義明
福間弘子
福村梅次郎
藤田次枝
北郷素子
益田祐子
松谷親枝
万徳良男
三島一恵
三島長子
演劇を人々の暮らしの中へ
三島幸晴
稲根克也
反田皓二
安来久恵
新見綾子
三島律夫
井畑美代子
高根育枝
柳川健一
杉原司朗
三宅阿子
今岡洋
多久靖
山尾一郎
寺岡由紀
三宅克正
岩崎敦
竹内修二
山城純子
長峯尚子
持田康史
榎了二
田中とも江
成相紫乃
本常信代
小倉俊久
田中洋子
矢野節
小立森高
谷川順子
脇本純子
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秋浜孝子
山崎征爾
落合美恵子
冨岡正治
池尾修子
平石恵子
錦織瑞枝
石倉正枝
藤田壽恵
野津勝昭
岩崎敬承
藤原文雄
木村敏子
秦澄江
大田一成
細田保
熊野喜美子
林和博
太田由美
真野弘子
福田正明
小川正光
三島純子
福庭治子
恩田学
三島剛実
三好ふみ子
吉田佳子
吉長民江
渡部幸義
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浅野素子
安達淳子
小野妙子
門脇洋一
小岩崎透
小谷玲子
難波修二
樋口忠三
石倉てる子
後藤さつき
福本善巳
勝部万里子
石田治
小早川富夫
堀江久世
加藤裕子
山田三雄
三島勝己
苅田運三郎
山田洋子
石田尚
小松泰夫
井手野下恵子
新宮久子
三島弘子
酒井董美
稲川磨貴子
杉原咲子
三好久美子
白鹿千寿
正会員
認定NPO法人あしぶえの
目的に賛同した団体と個人の
方で、年次総会などに出席
して活動に参加し、NPOの
社員として事業を推進します
団体
アクト彩楽
足立石材株式会社
熊野大社
さつきクリニック
野坂歯科医院
松浦造園株式会社
有限会社八雲自動車
有限会社八雲石油
(以上50音順)
個人
浅野俊雄
清水愼一
三木隆子
園山土筆
石倉清己
鈴谷清嶺
三島橘郎
有田美由樹
石倉貞昭
角智子
三輪利春
荒川嘉代子
石倉徳章
園山茂
村岡重幸
金津あや子
石原貞子
高橋孝之
村上克巳
小岩崎里瑠
石原征
田部真孝
村上茂
阪本成子
石原久江
田村節美
森末耕太郎
白鹿弘子
石原元雄
津田久美子
森田雅子
須山佐智美
磯田謙一
渡加裕三
安田和平
須山美玲
稲田道則
戸田稔子
山崎正幸
原敬彦
岩崎幸夫
内藤寿恵
吉岡太佑
三島秀子
大石正憲
仲野誠
吉長裕教
三島操子
大久保邦子
那須正幹
米山道雄
岡本愛和
錦織靖雄
和田千鶴子
奥村太喜代
原美江
和田亮介
米田裕幸
・・・・・・・・・・・・
伊藤寿子
小沢秀多
肥和野邦夫
(以上50音順)
景山俊太郎
藤岡大拙
門脇礼子
木谷幸江
藤田丈
後藤英興
来海美恵子
藤原誠
田中小百合
坂本悦子
藤原義光
中島洋子
坂本恵子
松本峯太郎
長見好行
篠原栄
丸磐根
松浦夕美
小川寛子
三木卓二
39
名
簿
あ
し
ぶ
え
の
あ
ゆ
み
「ありがとうございます 46年」
年
歩
~あしぶえのあゆみ~
み
1966年
(昭41)
・園山土筆ら20歳を年長とする5人で「松江演劇同好グループ」(仮称)を結成。
1969年
(昭44)
・正式名を「劇団葦笛」とし、1982(昭57)年に「あしぶえ」に変更。劇団員は30人以上に。
1970年
(昭45)
・園山土筆が転勤で広島市へ。以後24年間、中国各地から通う。この遠距離通団が好例し、他
1978年
(昭53)
・東京一極集中に疑問をもち、全国の劇団、作家、演出家を訪ね、「地域演劇」を足で学ぶ。
1979年
(昭54)
・東北の中学生の生活を描く「かげの砦」を上演。手話通訳を取り入れる。50人の聴覚障がい者
1980年
(昭55)
・「奇跡の人」を上演。鬼気せまる稽古のすえ、大成功間違いなしと思っていたが、照明の仕込
・旗揚げ公演の掲載広告をもらいに行き、「劇団なんて!」と塩をまかれる。
の団員も広島、鳥取、岡山、金沢、埼玉、仁摩、大田などから通い、外から見る目が養われる。
の発する声なき声が、600人の観客を引き込み終演後も立ち上がれないほどの感動が広がる。
みに手間取り散々な結果となり、スタッフ育成の必要性を痛感。広島、福岡など県外からの観
客が来場。
1983年
(昭58)
・退団者が相次ぎ、わずか5人に。「新生・あしぶえ」として、サークル集団からの脱皮をはかり、
大作「狐とぶどう」に挑戦。演出・美術プランを専門家に依頼したが、大道具づくりに時間を取ら
れ、松江、出雲市公演とも不本意な舞台で、涙をのむ。専門性を高めることの重要性を自覚。
創立3年目に塩をまかれて以来、試行錯誤し、その悔しさはいつしか、<演劇を認められるもの
にしたい>という<夢>に変わっていく。
1984年
(昭59)
・「狐とぶどう」の失敗を教訓に、初めて小さな劇場(250席)で「キューポラのある街」を4回公演。
小劇場での観客との濃密な交流が生まれ、<演劇は観客とともに創るもの>と改めて知る。
・土地を購入し、稽古場兼劇場を造るという「あしぶえ村構想」(後の劇場建設構想)を話し合う。
1985年
(昭60)
・夢の実現のため、団員積立の「もってけ貯金」を始める。以後、10年7ヶ月、127回続ける。
1986年
(昭61)
・「ブレーメンの音楽隊」広島公演は大盛況。家族連れで観劇できる作品づくりの必要性を強く
認識。創立後初の黒字に。借金を加え200万円で松江市砂子町の12坪の劇団事務所を改装
し、客席50席の劇場を造る。以後、<演劇を人々の暮らしの中へ>の活動が本格的に始まる。
1987年
(昭62)
・「あしぶえ50人劇場」杮落しとして園山土筆作「落ちこぼれの神様」を上演。以後、東京、広島、
出雲市公演を行い、合計37ステージ上演。この作品は、福岡、大阪、名古屋、伊丹、鶴岡、和
歌山、宇部、黒石、沖縄、豊中の地域劇団でも上演された。
1990年
(平2)
・宮沢賢治原作「セロ弾きのゴーシュ」の1年間ロングラン公演。当初は、「わからない」「つまらな
い」と言われ観客がわずか4人のときも。しかし、千穐楽が近づくにつれ評価も高まり、とうとう46
ステージを完演。日本アマチュア演劇史上初と報道され、観客は東京から鹿児島まで広がる。
・「100人劇場」の土地探しを始める。劇団名の葦にこだわって宍道湖のほとりを歩くが見つから
ず。その後、2年間に渡って平田市、玉湯町、宍道町、斐川町と歩くが見つからず。
40
演劇を人々の暮らしの中へ
年
1992年
(平4)
歩
み
・造形作家の藤田丈さんの紹介で八雲村の村長室を訪ね、石倉徳章村長に会う。その日のうち
に平原の丘の上の土地を見せてもらい、「ここだ!」と決める。その後、安く購入したいと村長室
を訪ねるうち、「村で応援したいと思いますがどうですか」と言われる。2年間の土地探しで初め
て本気で考えてくださる方に出会って、受けることに。劇場の基本設計に参画。
1993年
(平5)
・「島根県文化奨励賞」受賞。創立26年目にして島根で演劇が認められたと皆で喜ぶ。
1994年
(平6)
・劇場の実施設計に参画。あしぶえも3,000万円を集めることになり、劇団員は10年7か月の積立
・「国民文化祭いわて93」に参加し、岩手県湯田町「銀河ホール」で「セロ弾きのゴーシュ」上演。
金のほかに追加資金の準備に入り、家族や全国のファンの人たちにもカンパを依頼する。
・「セロ弾きのゴーシュ」をもって「第2回アメリカ国際地域演劇祭」に参加。言葉と文化の壁に阻
まれ、大ハプニングの末、世界11ヶ国の中で、思いがけなくも最高賞の「第1席」、園山土筆が
「演出賞」、長見好高が「舞台美術賞」を受賞。ウィスコンシン州の人口9万人の町の演劇祭。ホ
ストファミリーやボランティアの活躍を見て、「国際演劇祭」の意義を強く認識する。
・「地域文化功労賞文部大臣表彰」を受賞。
1995年
(平7)
・108席の「しいの実シアター」が完成。「国内初の公設民営劇場」として全国から注目される。
・オープン記念に西日本規模の「星降る里の演劇フェスティバル」(全日本リアリズム演劇会議主
催)をあしぶえが主管。全国36劇団のアマ、プロの演劇人が八雲村に集う。
・中国新聞社から「中国文化賞」を受賞。山陰信販株式会社から「山陰信販地域文化賞」を受
賞。いずれも、演劇団体の受賞は初めて。
・「阪神大震災」が起き、カンパ活動を中断する。
1996年
(平8)
・劇団員の力の結集で、とうとう3,000万円が集まり、八雲村役場へ寄付金として納める。
・園山土筆が、ソロプチミスト日本財団「社会貢献賞」を受賞。
・韓国の「劇団馬山日本公演」をプロデュースする。
1997年
(平9)
・サントリー文化財団「第19回サントリー地域文化賞」を受賞。
・「文化庁・文化のまちづくり事業」に申請、村規模では全国初の採択、3年間の事業を開始。
「演劇楽校」「シンポジウム」「国際演劇祭」のプランを練り、採択されたい思いで作った盛りだく
さんの企画。だが、以後3年間の活動がどんなに大変なことになるかは、後になって気づく。
・新作「ブラボー!ファーブル先生」ロングラン公演で初めて、発売10日でチケットが完売に。
1998年
(平10)
・カナダ「リバプール国際演劇祭」で「ゴーシュ」を上演。ラストは観客総立ちで、13劇団の中から
「観客が選ぶ作品賞」、ゴーシュ役の三木卓二が「主演男優賞」を受賞。人口3,000人の演劇
祭は、ボランティアの手づくりで、町の人々が心から演劇を楽しんでいたことが強く印象に残る。
・しいの実シアターが「しまね景観賞一般建築部門優秀賞」受賞。
1999年
(平11)
・住民、行政、劇団の三者が一体となって、3ヶ国5劇団参加の「99八雲国際演劇祭」を開催。学
校訪問や学校公演も実施。完全無償ボランティア数276名。国内外からの参加者71名はホー
ムスティ。総経費1,450万円の実験的な演劇祭は、成功裡に終了した。
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年
歩
み
2001年
(平13)
・5ヶ国7劇団参加の「第1回八雲国際演劇祭」開催。総経費2,600万円。ボランティアスタッフ314
2002年
(平14)
・文化庁・河合隼雄長官が「しいの実シアター」を視察。「アットホームな感じがすばらしく、あしぶ
名。ボランティアも観劇チケットを購入する姿が多く見受けられた。
えの活動や施設もとてもユニーク」と評価される。
・八雲小学校3年生対象で年間20時間の表現授業がスタートし10年間継続。
2003年
(平15)
・カナダ・ハリファックスで開催された「2003世界演劇会議とフェスティバル」に「ゴーシュ」をもって
参加。「視覚的舞台表現最優秀賞」を受賞。
・国際交流基金「地域交流振興賞」(現・「地球市民賞」)を受賞。
2004年
(平16)
・「第2回八雲国際演劇祭」を開催。8ヶ国9劇団が上演。中学生のボランティア41名も参加。
・演劇祭が島根ふれあい環境財団21から「島根ふるさとづくり賞優秀賞」を受賞。
・ボランティアリーダースキルアップで、フィンランド「クーサンコスキー国際子ども演劇祭」参加。
2005年
(平17)
・3月31日、八雲村は合併して松江市になる。
2006年
(平18)
・演劇祭実行委員会が「島根県文化奨励賞」、国土交通省地域づくり表彰「国土交通大臣賞」
2007年
(平19)
・「第3回八雲国際演劇祭」開催。世界40ヶ国81劇団からの問合せがあり、9ヶ国10劇団が上演。
12月、法人認定を受け、「特定非営利活動法人あしぶえ」となる。
受賞。
・NPO法人あしぶえがしいの実シアターの指定管理者となる。
・演劇祭実行委員会が総務省「地域づくり総務大臣表彰国際化部門」受賞。
2009年
(平21)
・JAくにびきから15周年を記念して「地域活動支援金」を受ける。
・NHKラジオ「おはよう中国」に園山土筆が出演し、「もっと演劇を身近に」と様々な話題を提供。
以後毎月1回3年間務める。
・しいの実シアターが、財団法人地域創造から「JAFRAアワード(総務大臣賞)」受賞。
2010年
(平22)
・演劇祭のボランティアリーダーらが「沖縄キジムナーフェスタ」に参加。運営を学ぶ。
2011年
(平23)
・3月11日、東日本大震災起こる。4月、チャリティコンサート開催。
2012年
(平24)
・創立45周年記念感謝の大パーティ」をホテル一畑で開催し、200人の大交流会となる。
2013年
(平25)
・「あしぶえ20年計画」がスタート。
・「第4回八雲国際演劇祭」開催。「3歳から楽しめる演劇祭」を目指す。
・12月4日で創立45周年となる。「セロ弾きのゴーシュ」が上演150回を数える。
・島根県より「認定NPO法人」として認定を受ける。
42
演劇を人々の暮らしの中へ
あしぶえ(受賞)
1993(平成5)年
島根県「島根県文化奨励賞」
1994(平成6)年
「第2回アメリカ国際演劇祭」「第1席」「演出賞」「舞台美術賞」
文部省「地域文化功労者文部大臣表彰」
1995(平成7)年
中国新聞社「中国文化賞」
山陰信販株式会社「山陰信販地域文化賞」
1997(平成9)年
サントリー文化財団「サントリー地域文化賞」
1998(平成10)年
第4回リバプール国際演劇祭(カナダ)「観客が選ぶ作品賞」「主演男優賞」
2003(平成15)年
2003世界演劇会議とフェスティバル(カナダ)「視覚的舞台表現最優秀賞」
国際交流基金「地域交流振興賞」(現・地球市民賞)
八雲国際演劇祭(受賞)
2004(平成16)年
島根ふれあい環境財団21「島根県ふるさとづくり賞」
2005(平成17)年
島根県「島根県文化奨励賞」
2006(平成18)年
国土交通省地域づくり表彰「国土交通大臣賞」
2007(平成19)年
総務省「地域づくり総務大臣表彰」
しいの実シアター(受賞)
1997(平成9)年
島根県「第5回しまね景観賞優秀賞」
2008(平成20)年
財団法人地域創造「2008年JAFRAアワード(総務大臣賞)」(現・地域創造大賞)
ロングラン公演の記録
作品名
原作・演出
上演数
上演場所 (上演当時の町村名で記載しています)
[島根県] あしぶえ50人劇場、しいの実シアター、松江市
セロ弾きのゴーシュ
宮沢賢治 原作
園山土筆 脚色・演出
おこんの初恋
北條秀司 作
園山土筆 演出
61
落ちこぼれの神様
園山土筆 作・演出
37
ブラボー!
ファーブル先生
平石耕一 作
園山土筆 演出
35
二十二夜待ち
木下順二 作
園山土筆 演出
28
八雲村、出雲市、浜田市、平田市、美保関町、大社町
掛合町、西郷町、多伎町、広瀬町、仁多町、西ノ島町
五箇村
[広島県] 広島市、大和町
[兵庫県] 大屋町
[茨城県] 水戸市
[岩手県] 湯田町
[アメリカ] ウイスコンシン州ラシーン
[カナダ] ノバ・スコシア州リバプール
ノバ・スコシア州ハリファックス
[島根県] あしぶえ50人劇場、しいの実シアター、松江市
[広島県] 広島市
[島根県] あしぶえ50人劇場、出雲市
[広島県] 広島市
[東京都] 文京区
150
[島根県] しいの実シアター、出雲市、八雲村
[島根県] しいの実シアター、八雲村、斐川町、多伎町
[広島県] 広島市
[鳥取県] 鳥取市
彦市ばなし
木下順二 作
園山土筆 演出
27
安寿と厨子王
森鴎外 作
園山土筆 演出
8
[島根県] しいの実シアター、出雲市、大社町
[島根県] しいの実シアター
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あ
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ぶ
え
の
あ
ゆ
み
特定非営利活動法人あしぶえ
2012(平成 24)年度 事業報告書
〒690-2105 島根県松江市八雲町平原 481-1
TEL(0852)54-2400 FAX(0852)54-2411
ashibue@yitf.org http://www.yitf.org
ashibue©2013
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