アロニアの新規加工食品の開発 (Hー4)

平成 14年 度事業報告 。平成 15年 度事業計画 試 験研究 31
ア ロニ ア の 新 規加 工 食 品 の 開発
(H14)
発酵食品部調味食品科
田村 吉 史
発酵食品部
田 中常雄
富永 一 哉 濱 岡直 裕
発酵食品部発酵食 品科
研究 の 目的 と概要
ア ロニ アはアン トシア ニ ンな どの機 能性成分 を多 く含 んでお り、 ロ シアでは 「
黒
い 実 のナナ カ マ ド」 と呼ばれ てい る こ とな どか ら、道 内でナナ カ マ ドを郷 上の本 と
して い る市町村 か ら商品化 が希望 され て い る。 大滝村 は全道 で最 大 のア ロニ ア産地
で あ りそ の食 品加 工に対す る取 り組み も先進地 で ある。 ア ロニ アは生食 には向か な
いた め加 工食 品 と しての利 用が重 要 である。 この よ うな背 景 か らア ロニ アを用 いた
加 工食 品 を検討 した。今 回は特 に、ア ロニ ア果汁 を使 った ポ リフェ ノー ル を多 く含
む赤 い色 の食酢 の検討 を行 った。
予定 され る成果 】
【
・ア ロニアを原料 とす る食酢 の製造
・ア ロニア果実の有効利用
試験研究 の方法
ア ロニ ア 果 実 を
図 1 に 示 した よ う
に 搾 汁 し、 三 種 類
の搾 汁液 を得 た。
各 搾 汁液 に アル コ
ー ル 、酵母 エ キ ス 、
ポ リペ プ トン 、 グ
ル コー ス 、 硫 酸 マ
グ ネ シ ウム を 配 合
し 、 良好 に 酢 酸 発
凍結ア ロニア果実 3kg
+水 300m
残査
+ 水( 残査等量分)
残査
+ 水 ( 残査等量分)
S
尋
尋
磨砕
磨砕
磨砕
最
S
減圧濾過
減圧濾過
減圧濾過
畢
尋
S
尋
一番搾り
二番搾り
二番搾 り
酵 を行 う条 件 を 検
討 した 。 試 料 の ポ
図 1 ア ロニ アの 搾 汁方 法
ー
ー
リフェ ノ ル 量は フォ リン ・デ ニ ス 法 を用 い タンニ ン酸 を標 準液 として検量線 を
作成 しタン ニ ン酸相 当量 と して定量 した。 D P P H ラ ジカル 消 去活 性 ( 抗酸化 活性 )
の測 定は 0 5 m M の D P P H 含 有 エ タ ノー ル 溶液 にエ タノー ル 2 m l と 0 1 M 酢 酸 ナ ト
リウム緩衝液 2 m l を 加 えた反応液 を 3 7 ℃ で 3 0 分 間イ ンキュベ ー トした後 、 5 1 7 n m
の 吸光度 を沢1 定した。試料 は酢酸緩衝液 に添加 して測定に供 したし
実験結 果
各搾 汁液 を希釈 せ ず に用 い て酢酸発酵 を行 つた ところ、 いずれ も発酵 は進 まなか
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平成 14年 度事業報告 ・平成 15年 度事業計画 試 験研究 31
つ た が 、 これ は p H
の影 響 で は な く ポ リ
フ ェ ノー ル 含 有 量 が
原 因 で あ つ た。また 、
酢 酸 発 酵 を 良好 に進
ませ るた め に は 酵 母
エ キ ス と、 グル コー
・
白ワインヒネが―
りんご酢
玄米 酢
米酢
穀物酢
アロニア vinegar
1234
ス の 添 加 が必 要 で あ
つた 。 これ ら成 分 を
添加 して も一 番 搾 り
は ほ と ん ど発 酵 が
進 ま ず 二 番 搾 り、
二 番 搾 りで 発 酵 が
起 こ った が 、搾 汁
酢酸酸度( 1 )
図 2ア ロニアビネガー と市販酢 の 酢酸酸度
アロニアビネガー
白ワインピネガー
リンゴ酢
玄米酢
米酢
液 の色 、果 実 の有
穀物酢
アロニアニ番搾 り
効 利 用 等 の観 点 か
アロニアニ 番搾り
アロニア ー番 搾リ
ら二 番 搾 りの 6 0 %
希釈 液 に酵母 エ キ
ス と グル コー ス を
各 01%添
加 して酢
酸 発 酵 させ る こ と
100
図3
200
300
400
500
000
・
ホリフエノ, ルi l ( m g / : 0 0 m l )
700
800
900
1000
アロニアビネガーなどのポリフエノール量
・ ・
アロニアヒネカ―
が 良好 と判 断 した 。
こ の 配 合 に よ り酢
酸 発 酵 を行 つ て 作
成 した ア ロ ニ ア ビ
ネ ガ ー の酢 酸 酸 度 、
ポ リフェ ノー ル 量 、
DPPHラ
ジカル 消 去
活 性 を 図 2, 3,
米酢
・ ・
白ワインヒネカ―
穀 物酢
・
ンコ酢
リ
0
4に 示 した 。 市 販
食 酢 と比 較 す る と、
同程 度 の酸 度 で あ
10
20
30
40
50
60
D P P H ラジカル 消 去 活 性 ( % )
図4ア ロニアビネガー のラジカル消 去活性 (抗酸 化性 )
★
各パーに記載の数値は測定溶液中の試料濃度
るが、 ポ リフェ ノー ル 量及 び DPPHラ ジカル 消 去活 性 は格段 に高 い もので あ る こ
とか示 され た。 この よ うに 、市販酢 と比較 して機 能性 の高 い食酢 が製造 で きた。
要約
ア ロニ アか ら食 酢 の製造 を検討 した。 ア ロニ ア搾 汁液 として 二番絞 りを用 い 酵母
エ キ ス とグル コー ス を添加 す るこ とに よ り食酢 とす るこ とが 出来 た。 出来 上が った
ア ロニ ア ビネガ ー は高 いポ リフ ェ ノー ル含 有量 と、DPPHラ
て い た。
ジカル 消去活性 を有 し
(共同研 究機 関 大 滝村 )
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