愛の形と恋

A325b
愛の形と恋
藤田技術士事務所
藤田嘉美。
倫理論から幸福論、仏の教え、人の一生と六道輪廻、迷界と天界と疑問の解消を続けており、今
回の研究テーマが「愛の形」となった。図1が多くの文献で愛について語られている内容を筆者が
追記、整理したもので、ジョン・アラン・リ−氏(カナダの社会学者)の言う六つの愛の形を六角形
の内側に記述し、その外側に自分と他人(相手)の関係を追記してみた。リ−氏は、愛の形は六つ(図
1.真上から反時計回りに列挙)で、1)遊びの愛(ルダス)
、2)狂気的な愛(マニア)
、3)情熱
的な愛(エロス)
、4)自己犠牲の愛(アガペ)
、5)友情型の愛(ストルゲ)
、6)利己的な愛(プ
ラグマ)だと報告している。
追記の最初は漢字の成り立ちから述べられており「恋という字は下に心、愛という字は真ん中に
心」なので、片方に心がある、つまり相手を一方的に愛しているのが「恋」で、図 1 の右上にある
状態、つまり、他人から愛されている自分[遊びの愛(ルダス)
]と他人を愛する自分[利己的な愛
(プラグマ)
]の二つの状態が「恋」に相当するものだと言える。残りの四つは、自分の心を相手に
受け入れてもらっている(相思相愛)ことから漢字の愛に相当する形態だと言える。追記の二番目
は格言の、
「愛とは、ためらわないこと、悔やまないことである」で、図1の左上や左下の状態だと
考えられる。最も長続きする愛の形と言われているのが、右下の友情型の愛(ストルゲ)で、
「幸せ
な他人(相手)を見ることが自分自身にとっても幸せ」という理想的な愛がこれだと考えられる。
追記の3番目が、熟語(英語)で見る愛の形を併記したもので、自己愛( narcissism )が利己的
な愛(プラグマ)と同義語で、現在新聞紙上で話題となっているストーカー事件に繋がる愛の形だ
と考えられる。友愛(fraternity , friendship)は、友情型の愛(ストルゲ)そのものであり、狂
気的な愛(マニア)と真逆なものといえる。最後に、図 1 真下の博愛(philanthropy , charity)
は、自己犠牲の愛(アガペ)と同義語と位置付けられ、仏教でいうところの現世(迷界)を超越し
た天界における「自身より他人の幸せを願う菩薩界」の鏡地そのものだが、分類したリ−氏自身がこ
のキリスト教的な愛の形は現実社会での愛の形としては存在せずと記述しているのが興味深い。六
道輪廻の世界に生きる生身の人間には難しい愛の形なのだろうか。筆者も日々懺悔(自己反省)
。
図 1. 愛の形(対面にあるものが最も遠い愛の形)
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