ツ ア ー 会 社 は 、い つ も 世 話 に な っ て い る ア ル ろ問題があったが最終十一名で実行する。 加者はは十∼十二人必要で、メンバーはいろい 一般ツアーでなく、特別にツアーを組むため参 登れるのではないかと昨年末から計画を始める。 今から思うと、高所登山の場合は、高齢者 六 しむだけでも良いと決断する。 麓からキリマンジャロを眺めてサファリーを楽 抱えての実行であるが、行けるところまで行き、 肺機能が衰えていると診断される。不安材料を の吐くスピードと量の値が普通人より少ない。 回復した。また、健康診断の呼吸器の検査で、息 片 井 巌 今回のキリマンジャロ登山は十一名参加して パインツアー社に依頼する。このツアーは、一般 十五歳以上 になれば三ヶ月前、 強いて言えば ﹁キリマンジャロ登頂﹂失敗談 六 名 が 登 頂 し た 。六 十 歳 以 上 の 高 齢 者 グ ル ー プ 募集では七十歳以上の方は断っているが、MR 五ヶ月ほど前から調製とトレーニングをして、 平成十七年六月二十六日∼七月八日 としては大成功である。 C単独グループだということで、七十歳以上が 十 分 な 体 調 に し て お か ね ば な ら な い 。私 の 場 合 ( しかし私としては、風邪気味の体調不良とは 二名参加するが特別に受けて貰った。 ている内に七十二に歳になり、今年が最後の ル・ド・モンブラントレッキングと、時間を使っ 年にカナデイャンロッキー、平成十六年にツー 六 0 0 0 m を 目 指 そ う と 思 い な が ら 、平 成 十 三 ヤのカラパタール︵五五五0m︶に登った。次は 五年前の十月に加茂さんがリーダーでヒマラ であると言える。 て歩く体力があれば、後は高山病との闘いのみ 高度な登山技術は必要なく、一日に十時間続け キリマンジャロ登山とは、一口で言うなれば、 るので、参考になれば幸と思い書きました。 苦しい、悲しい、残念な事のドラマがたくさん有 得ないなと思ったが、二週間前ごろから少しず 十日前頃で良くならねば、キャンセルもやむを 死に治療にこれ勤める。しかし中々良くならず、 MRCの例会と、飲み会は全てキャンセルし、必 で一月足らずで、これは大変と毎週医者に通い、 五月末に不覚にも風邪を引いてしまう。出発ま ハードな旅行を強行する。その疲れのせいか? ら 二 十 五 日 ご ろ ま で に 、二 回 の 登 山 と 、 二 回 の んしていたので、今回もそのつもりで、五月初か それまでは山も、旅行も、ウォーキングもどんど 約一ヵ月ほど前からトレーニングと調整をして、 アルプス例会、海外トレッキングなどの時は、 ︻体の調整、トレーニングについて︼ と何とか良い方法が無いかと考える。 だが、おそらく使うのは今回一度きりだ、と思う しかないので、冬用の羽毛寝袋を買えばいいの 分 で 用 意 し な け れ ば な ら な い 。私 は 夏 用 の 寝 袋 は現地でレンタルできたが、アフリカは全て自 寝袋と防寒衣の用意が大変である。ネパールで 夏の物から、厳冬期の物まで準備が必要で、特に 十度以下になる時がある。したがって衣類は真 下がり、四七00mのキボハットではマイナス 袖で充分であるが、高度を上げるたびに気温が 装 備 の 準 備 も 大 変 で 、低 地 で 昼 は T シ ャ ツ 半 ︻装備の準備について︼ は、事前の調整、準備が不十分だったと強く反省 チャンスだと思い、正直言って体力の衰えを感 つ良くなり、一週間目で完全ではないが、かなり している。 じ 始 め て い る が 、キ リ マ ン ジ ャ ロ な ら ば 何 と か まった。しかし今までにない体験の中に楽しい、 ) いえ四七00mで敗退という大失敗をしてし 目 次 > 前文書 > 次文書 「道標」平成13号 梅田の登山用品店に相談したりした結果イン 水腫 肺に水が溜まる 、悩浮腫 脳に水が溜ま ( ) ( る になり死亡につながる危険な病気である。 ) いうことではなく、特に高齢者は抵抗力が減退 しているため、特に高齢の旅行者は発病しやす く 死 亡 率 も 高 い の で 必 ず 受 け る 必 要 が あ る 。た も凌げるだろと準備する。結果後でこの三重の て着込みホカロンを使うとマイナス十度以下で む。 めに利尿剤 ダイアモックス を毎日1錠ずつ飲 飲んで 一 日 に 二 L 多く尿を排泄する。 そのた 我々のグループには必ず受けるよう呼びかけた。 には必ず受けるよう指導すべきである。よって だツアー会社によっては受けなくても入国出来 シラフが大変労力を使う羽目になる。 さらに四000m以上では深呼吸を頻繁して ︻行動について︼ ころがある。これは間違いで、特に高齢の旅行者 るため、旅行者には受ける必要が無いと言うと 又、飛行機に預ける荷物重量制限二0kgに 酸素をより多く吸い込む。 行動については、他の人が詳しく書いてくれ 対策は、ゆっくり高度を上げ 一日に四00m ( まで できる限り運動量を少なくする。水を沢山 ) 収めるために荷造りの獅子奮闘は今になれば笑 以上の対策を忠実に実行したつもりであるが、 ると思うので、簡単にポイントのみ書きます。 高山病に掛かる。老若男女の別、登山経験のある 色々な障害が出る。高所においては殆どの人が 肺から血液に送られる酸素量が減り、身体に なくなり︵五000m付近では五0%に減る︶ が大切である。過去は、アフリカ全土が黄熱病の などであるが、一番死亡率の高い黄熱病の対策 要。まず黄熱病、マラリア、コレラ、他の風土病 ア フ リ カ に 入 る に は 、色 々 な 病 気 の 注 意 が 必 ︻黄熱病対策︼ 球、人類の原点を見ている様である。 着 て 草 原 で 狩 を し て い る 情 景 が 目 に 浮 か び 、地 いる姿を見る。五00万年前の猿人が、獣の皮を サイの男が身にカラフルな布を纏い牛を追って の草原、蟻塚がたくさん目に付く。その草原をマ ンナーの草原を走る。行けども行けども地平線 ) い話である。 残念ながら四七00mの小屋 キボハット ︶で ( な し に は ま っ た く 関 係 な く 発 病 す る 。症 状 は 個 予防注射を受けなけれ入国できなかっが、今は その日は、ケニヤとタンザニアの国境近くの ( 要 す る に 装 備 は 全 て 、行 動 が ス ム ー ズ に 楽 に 夜中に症状がひどくなる。 人差が大きく、特に其のときの体調が大きく影 一部の国では予防注射をしなくても入国出来る アンボセリ国立公園のロッジで泊まる。その夕 ) 行えるよう工夫し、又惜まず良い物を買い求め おそらく、高齢でしかも体調が悪いための発 約二十四時間の飛行機のたびでやっとケニヤ 響する。最近老人の場合は、抵抗力が弱り突然発 ようになった。今回入国するケニヤ、タンザニア 方と明日の朝にサファリを楽しむ。午後から国 ( て万全を期する事だと痛感する。 病だと思う。矢張り高齢者は、体調を完璧な常態 のナイロビー空港に着く。これだけでかなり疲 病する事がある︵今回のツアーリーダーの言︶症 は無くても入国できるが、病気にかからないと れる。そこからは、チヤターバスで約四時間サバ 状は、頭痛、吐き気、嘔吐、下痢、更に進むと肺 高山病とは、高所で、空気中の酸素の濃度が少 ︻高山病対策︼ にする事が大切だと痛感した。 ぽ代わりにする。更に寒いときは、着込める物全 シ ラ フ カ バ ー を 被 せ て 、水 筒 に 湯 を 入 れ 湯 た ん ナー 寝袋の中に着る物 とシラフと、 その上に ( ) 目 次 > 前文書 > 次文書 「道標」平成13号 マンダラハットから朝夕二回、パルスオキシ 0m︶までは約4時間かけて森林地帯を行く。 マ ラ ン グ ゲ ー ト か ら マ ン ダ ラ ハ ッ ト︵ 二 七 三 山が始まる。 ゲートに付く。そこで現地のガイドと対面し登 楽しみながら、約二時間で登山口のマラング キリマンジャロの遠望 登頂ルートの反対側 を ( ) ルーシャのホテルで泊まる。翌朝、ハイウエーを 境を越えて、キリマンジャロの麓にある街ア 三 回 目 の 小 便 の と き に 胸 が 悪 く な り 嘔 吐 し 、下 が高山病を促進させたのではないかとお思う。 しなくてはならない状態になる。今思うとこれ 業 で 疲 れ 、二 回 目 か ら は 息 切 れ し て 途 中 で 休 憩 シラフカバーと三枚着たり脱いだりで、この作 シラフへの出入りが大変で、インナー、シラフ、 時間おきの小便で睡眠が取れない。小便のとき 就寝する。ダイアモックスが効いてきたのか、一 は 十 二 時 か ら で 、す ぐ 夕 食 を と り 六 時 半 ご ろ に りだろう。四時半頃小屋についた。頂上への登頂 アーは終わった。 降り立ち、十三日間のキリマンジャロ登山ツ は又十一時間の空路で時差ぼけをもって関空に わせで、市内観光と洒落る。アムステルダムから ル ダ ム へ 、ア ム ス テ ル ダ ム で は 七 時 間 お 待 ち 合 リを楽しみ、キリマンジャロ空港からアムステ 出来る。ロッジで一泊しまたまた早朝のサフア へは行けないので年中平均して動物を見る事が 積でその中に約十種類の動物が生息しており外 得たと喜んでいる。 ングが出来た。いい思い出と、たくさんの教訓を と、四七00mまでのキリマンジャロトレッキ 私自身は、登山は失敗に終わったが、サフアリ メーターで酸素量のチエックとダイアモックス 痢もともない完全に高山病の症状が出る。 下痢も血の混じった下痢で心配であったが、 半 錠 ず つ 服 用 を 始 め る 。マ ン ダ ラ ハ ッ ト か ら ホ ロンボハット︵三七二0m︶までは森林地帯を抜 帰 国 し て 医 者 に 見 て も ら う と 、痔 の 出 血 で 高 山 張り三年∼五年早く実行するか、年相応の体の け草原地帯を、アフリカの珍しい綺麗な花を見 この状態ではこれから上九00mの急坂の登 調整、装備の準備をすべきであった、今になって しかし正直言ってキリマンジャへの挑戦は矢 その日はホロンボハットで泊まり、 翌朝約四 頂はとても無理で、迷惑をかけるのは目に見え 病の一症状だそうで安心した。 時間かけて高度順応のため近くのクレーターま 思うと、キリマンジャロ登頂に対する考え方が 地帯から砂礫地帯に変わり、キリマンジャロの の朝に車で、ンゴロンゴロ国立公園のクレー 下山後は、アルーシャのホテルで泊まり、明日 甘かったと痛感する次第です。 ているので登頂を諦める。 後は、下山ごとに体調は嘘のように良くなり、 アルーシャのホテルでは、登る前と同じ状態に 雄 姿 が 目 の 前 に 現 れ る 。そ れ を 前 方 に 眺 め な が ター 噴 火 口 の 跡 でサファリーを楽しむ。 この までに回復していた。 ら砂礫地帯を登り約七時間ほどでキボハット クレーターは世界6番目に大きなクレーターで、 ) ︵四七00m︶に着く。このあたりから息が少し 深さ六00m,面積六五00kmの広大な面 ( 苦しくなる。今から思うとこれが高山病の始ま ホロンボハットから約二時間ほど登ると草原 一種 がたくさん生えている。 ) フリカ独特のジャイアントセネシヲ サボテンの ( でハイキングをする。ホロンボハット付近は、ア ながら登る。右にはマウンエッジ峰が見えてくる。 目 次 > 前文書 > 次文書 「道標」平成13号
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