< 大会宣言 > - 国労東日本本部

< 大会宣言 >
私たち国労東日本本部は、8月24・25日の2日間、埼玉県さいたま市に於いて第29回大会を開催し、
この1年間の運動の総括から、当面する運動方針を代議員の真摯な討論により確立した。
とりわけ、喫緊な課題である、組織強化・拡大については多くの代議員発言で、より肉付けされた方針と
なった。私たちは、06年の一括和解以降○○○名、昨年の大会以降では○○名の国労加入を勝ち取ってき
た運動に自信と確信を持ち、引き続き全力を挙げなければならない。
同時に、この2年間で○○名のグループ会社の仲間たちにも国労加入の選択をしていただいた。JR会社
の進める業務委託化は、今後も経営戦略として拡大していくことは容易に推測されるだけに、グループ会社
社員の目線に立った柔軟な運動の展開が求められている。
今年は、残念ながら5人の死亡と32人の負傷者を出した、2005年12月25日の羽越本線脱線事故
から10年目の節目を迎える。
「グループ経営構想Ⅴ」の中でも、安全を最優先に掲げ、昨年の2月には「グ
ループ安全計画2018」を策定するものの、その矢先には京浜東北線川崎駅構内での回送電車の脱線、4
月には山手線神田・秋葉原駅間での電化柱の倒壊と東北新幹線の架線切断、さらには今月4日には京浜東
北・根岸線での架線切断と、重大事故が相次ぎ、JR東日本の安全に対する姿勢が問われている。
改めて、インフラを始めとした設備機器などの「ハード」面と、教育や技術継承、人材育成といった「ソ
フト」面からの、今までの対策に死角や無理な業務委託化がなかったのか検証を求めるものである。
一方、JR貨物に於いても、昨年度から実施している「中期経営計画2016」のもとに「鉄道事業部門
での黒字化」に向け、あらゆる部門での効率化が進められている。しかし、抜本的な改善の無い中で、人件
費を抑え込むことで乗りきっている実態であり、構造矛盾の解消に向けた闘いが求められている。
政治の面では、
「国民の生活・命を守る」とうそぶき、危険な「道」にひた走る、安倍政権の暴走が止ま
らない。
戦後70年、原爆投下から70回目を迎えた、広島・長崎の平和祈念式典では、「戦争法案」に対する多
くの怒りの声が示された。9日、田上長崎市長は、
「憲法の平和の理念が揺らいでいるのではないかという
不安と懸念が広がっている」と「平和宣言」で指摘をしているように、今や、この「法案」の危うさは誰の
目にも明らかである。加えて、
「労働法制改悪法案」を衆議院で可決し、非正規労働の恒久的運用を可能に
する法整備も急ぐとともに、
「残業代ゼロ」制度の動き等、さらなる雇用破壊・悪化を目論んでいる。
さらに、東日本大震災から4年5カ月、被災地復興の歩みは遅く計画は遅々として進んでいないが、福島
の現実から目を背けるように、事故後約2年で「原発ゼロ」社会を終了し、8月11日に九州電力川内原発
一号機の再稼働に踏み切った。この蛮行は断じて許されるものではない。
私たちは、「戦争する国」に突き進む、安倍政権を断じて許す事は出来ない。脱原発、民主主義擁護、反
TPP、年金・医療・教育、労働法制改悪を許さず、職場・地域から全力を挙げなければならない。
国労東日本本部は、本日「労働条件に関する協約改訂要求」を決定した。同時に、契約社員の正社員化、
エルダー社員を始めとした、JRグループに働く全ての仲間の労働条件改善に向けた運動方針も確立した。
安全やサービスの低下を許さず、
「安全・安定輸送」の確立の向けた、
「仕事・安全総点検」運動など、全て
の闘いを組織強化・拡大へと集約し全力で奮闘する決意である。
以上、宣言する。
2015年8月25日
国鉄労働組合東日本本部第29回定期大会