戦争法案の廃案、辺野古の新基地建設反対、安倍内閣の退陣を求める決議 戦争法案をめぐる参議院での法案審議が山場を迎えている。安倍内閣は9月18日にもふ たたび採決を強行する方針だと伝えられており、情勢は緊迫の度合いを増している。さらに、 世論の批判に押されて一時中断してきた沖縄辺野古の新基地建設工事も再開する方針だとい われている。 戦争法案は、日本が集団的自衛権の名において自衛隊が海外において戦争に参加できるよ うにすると同時に、後方支援という名目で米軍等に武器・弾薬等を輸送する活動を可能にす るものである。辺野古の新基地建設は、普天間基地の移設に名をかりて、そのための最前線 基地をつくろうとするものである。 しかし、戦争をくりかえすことで世界支配を維持し、資本主義経済の行き詰まりを先送り してきた、アメリカを中心とする、いわゆる先進諸国の政策がもはや限界にきていることは 明らかである。巨大資本とひとにぎりの金持ち層の欲望と利益のために、大多数の民衆のい のちと尊厳を蹂躙(じゅうりん)し、地球環境をも破壊して恥じることのない戦争政策の破 たんは、泥沼化した中東やアフリカの現状をみれば明白である。その戦争政策の一員にいま さら加わろうとする安倍内閣の野望は史上最悪の愚行というほかない。 戦争法案については、大多数の憲法学者、歴代の内閣法制局長官、日本弁護士連合会が「憲 法違反」だとして明確に反対している。民衆のたたかいはかつてない規模で広がり、8月3 0日には国会と霞が関周辺に雨の中を12万人ものひとびとが集まって抗議の声を上げ、全 国300カ所以上で廃案を要求する行動にたちあがった。 私たちは、労働組合の存立と民主主義社会を破壊する重大な挑戦と位置づけて、この間、 廃案にむけた活動に全組織をあげてとりくんできた。辺野古基地建設についても、沖縄県民 と連帯して絶対に許さないとの決意をもって、現地闘争団を派遣するなどしてとりくんでき た。戦争と人権、戦争と民主主義、戦争と団結権が絶対的に相容れないものであることは、 歴史がはっきりと示している。 国会は自民・公明の与党が絶対多数かもしれないが、市民社会においては、戦争法案、辺 野古基地建設、さらには原発再稼働など、安倍内閣の政策に反対する声が多数派である。そ れにもかかわらず、採決を強行する反民主主義的な政治手法、この強行採決を批判して内閣 不支持が支持を大きく上回ると「支持率を気にして政治をやっているわけじゃない」(安倍 首相)と開き直る政治姿勢、そして、あきらかに政権によって強まる一方の言論統制を、こ れ以上許すことはできない。 私たちは、本日の大会をあらたな出発点と位置づけて、さらに運動を強化して、安倍内閣 の退陣、16年夏の参議院選挙闘争勝利、憲法改悪の野望粉砕、戦争のない東アジアと世界 という時代を切り開くことを目標として、次の通り行動する。 1.来る9月11日、戦争法案の廃案、安倍内閣退陣を求め、全国統一ストライキ行動に 立ち上がる。 1.辺野古基地建設阻止闘争にひきつづき現地闘争団を派遣する。 1.16年参議院選挙の闘争体制をただちに確立する。 1.組合員の政治意識を高めるために、全支部・職場において情勢学習を強化する。 以上、決議する。 2015年9月7日 全日本建設運輸連帯労働組合第32回定期大会
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