厚真高等学校 卒業式 祝辞

厚真高校第3学年 33 名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
そして、保護者の皆様、学校長を始め諸先生の皆様、重ねてお祝いを申し上げます。
まだまた寒い日が続いていますが、間もなく新しい門出、旅立ちにふさわしい春が訪れ
ます。卒業生の皆さんは、その日を心待ちにして心躍る気持ちだと思います。
皆さんは、この 3 年間に厚真高校の生徒として、学生の本分である勉強に、クラブ活動
に、或いは生徒会活動に情熱を注ぎ、青春の血をたぎらし、たしかな友情を深めあったと
思いますが、その他にボランティアやイベントへの協力、学校行事などを通して、本町に
明るい話題を沢山提供していただきました。改めて心からお礼を言います。
3年間は早いものです。入学式では、どことなく幼さが残る皆さんに、夢や希望をもつ
大切さ、人間の絆の大切さ、高校3年間という時間の大切さについて話をさせていただき
ました。そして何より意欲を持って行動することをお願いしましたが、皆さんがこうして
大きく成長し、今日という卒業式を無事迎えられたことを大変うれしく思います。
先ほど授与された卒業証書の末番号は 2110 号だったと思いますが、厚真高等学校が 60
年を超える歴史の中で輩出してきた卒業生の数となります。皆さんも多くの卒業生と同じ
く、伝統或いは歴史の一ページを立派に飾ることになりました。皆勤賞を受賞された皆さ
んにも、改めておめでとうと言います。やり遂げることの難しい中、大変立派なことであ
り、大いに自信を持っていただきたいと思います。
皆さんはこの厚真高校で、得難き時を過ごし、得難き沢山の友と出会ったと思いますが、
いよいよ明日からは、甘えの許されない厳しい現実が待っています。これまで多くの方々
から多くのものを与えられてきた皆さんですが、これからは自分の力で、勇気と智慧と努
力で未来を切り拓いていかなければなりません。その為にも新たな目標をしっかり持つこ
とが大事です。それでも紆余曲折があり、希望と違う道を歩むことになる場合もあるかと
思います。そういう場合でも決した逃げ出すことなく、自分が置かれた境遇を素直に受け
入れ、その場所で最善を尽くすことが大切です。どんなときも自分らしさを見失うことな
く、強い信念を持っていれば、自分の進むべき道は必ず見つかります。意志あるところに
道ありです。
昨年のノーベル平和賞を受賞したパキスタン人のマララ・ユスフザイさんは、皆さんと
同世代です。彼女は自分の命が脅かされている中で、子どもたちの権利、女性の権利、人
間の尊厳を守るために、武力によることなく暴力や抑圧と戦っています。その背景を詳し
く知りませんが、その勇気は素直に讃えたいと思いますし、私たちも同じ時代を生きてい
ることを自覚しなければなりません。
皆さんの進むべき道も、決して平たんではありませんが、皆さんには大勢の理解者がい
ます。固い意志と困難に挑戦する勇気をもって、多くの出会いと一つひとつの努力の積み
重ねを大切にしてください。いつか必ず大きな実を結ぶことになると信じています。
結びに皆さんの未来に幸多かれと祈念し、保護者の皆様、諸先生方のご労苦に感謝申し
上げ、厚真高校のご発展を祈念して、祝辞と致します。本日は誠におめでとうございます。
平成 27 年3月1日
厚真町長 宮坂尚市朗