ICT教育研究会① 報告書 「小学校の教室から」 聖学院小学校 2015.7.2 2015 年 7 月 21 日 法人 ICT 委員会 1.はじめに 学校法人聖学院のICT教育を考えるときに、まず法人諸学校の教育現場を見る こと、知ること、理解することが非常に重要であると考えます。今回、聖学院小学校 ICT研究授業を3教諭の授業実践を通して学ぶことができました。心から感謝して ご報告いたします。 私が感動したことは、学年に関係なく児童の皆さんが積極的に参加し、授業を楽し んでいることでした。そこには「自ら学ぶ力」 「伝える力」 「友達とつながる力」が感 じられました。私たち大人はややもすると、ICTツールで遊んでしまうのではない か?授業に集中しないのではないか?と心配します。しかし、実際そのようは心配な 要素は全く見られず、自由にしかも上手に使いこなす様子を拝見することができまし た。更にその授業を笑顔で十分な準備のもとに進める先生方の取り組みの様子は、見 学をしている私たち一同に大きな感動と刺激を与えてくれました。 今回の聖学院小学校の公開研究授業を通して、多くのことに気付き学ばせていただ きました。準備されました村山校長先生はじめ3人の先生方には特に感謝を申し上げ ます。また、お忙しい中、阿久戸理事長先生はじめ約 30 名の方々にご参加いただき 感謝を申し上げます。 ここに当日の報告・記録をお配りいたします。お読みいただければ幸いです。 2015年7月21日 委員長 清水広幸 ■委員会の実績と今後のスケジュール 開催日 時間 場所 備考 ・ 1月23日(金) 16:00-18:00 新館2階 定例委員会 ・ 2月26日(木) 16:30-18:30 小学校 〃 ・ 4月16日(木) 16:30-18:30 男子中高 〃 ・4月30日−5月1日 ICT 先進事例視察:甲南大学・同志社小中高 ・ 5月19日(火) 16:30-18:30 女子中高 ・ 7月 2日(木) 9:55-13:00 小学校 ・ 7月21日(火) 16:30-18:30 大学 定例委員会 ・ 9月 8日(火) 16:30-18:30 未定 〃 ・10月13日(火) 16:30-18:30 未定 〃 ・12月 1日(火) 16:30-18:30 未定 〃 ・ 16:30-18:30 未定 〃 2月16日(火) -1- 定例委員会 ICT 研究発表会(公開授業) 法人 ICT 委員会 法人 ICT 委員会主催 第1回 ICT 教育研究会 公開授業 小学校の教室から 法人 ICT 委員会では、ICT 教育の先進的な事例を紹介、また情報交換の場を持ちたく、 ICT 教育研究会を開催することといたしました。 第1回目の今回は、昨年末に新校舎を建築したのを機に、4 6年生児童全員に iPad を配布した小学校から、3名の先生方にご参画いただき、授業を公開していただきます。 他学ではなく、身内である本学院各校の現場から紹介することで、ICT 教育への誘いと し、私もやってみよう!私にもできた!の広がりに期待するところです。 ご多用とは存じますが、お繰り合わせの上、奮ってご参加いただければ幸甚です。 ■場所:聖学院小学校 ■時間 ■開催日 2015 2 7/ ①2時間目( 9:55 10:40)5年 1 組 算数 宮原 献 4年 1 組 総合 濱住 聖史 Thu. ②3時間目(11:00 11:45)3年 1 組 国語 池内 ③情報交換会(12:00 清 13:00) お申し込みは、必要事項をご記入の上、本紙での FAX、もしくは E メールにてお送り下さい。 FAX:048-726-2962 ■第1回 ICT 教育研究会参加申込 お名前 ご所属 情報交換会 (昼食付) □参加する □参加しない お問い合わせ:法人 ICT 委員会事務:管理局総務部 ICT 担当 Email:[email protected] -2- 鈴木純、清水佳人 TEL:048-781-0768 -4- -5- 授業風景①:5年 1 組 算数 宮原先生 -6- -7- -8- -9- 授業風景②:4年 1 組 総合 濱住先生 -10- -11- 授業風景③:3年 1 組 国語 池内先生 -12- 情報交換会①:発表者コメント要旨 ■池内 ・今回は3名の教員が発表することから、事前に話し合いの上、ICT 機器を使うことは 共通にするものの、それぞれ違ったスタイルで授業を展開してみようということにした。 ・宮原先生は iPad がノート代わりのような使用方法での講義形式授業。濱住先生は TED 形式による iPad を使ったグループでのプレゼン。 ・私はワークショップというスタイルで授業をした。講義形式の一斉授業、学習発表、ワ ークショップ型授業とそれぞれ異なった授業形式でも iPad が活用されているところを 見てもらいたい。目指すのは、写真と言葉を使って俳句など一つの作品を仕上げてい くことである。 ・iPad は非常に直感的な操作が可能なので、教員が教えなくても、自分で見つけ、ま た隣同士で教えあっている。教員の知らない機能を見つけてしまう猛者もいる。 ■宮原 ・ICT 教育のトレンドと言えばワークショップ型だが、今回は敢えて従来型(問題解決 型)の授業において iPad をどのように使うかという視点を追求してみた。 ・中高生と異なり、投げかけを少なくして能動的にさせることだと思う。ポイントは念押し をすること。 ・始めは受け身だがすぐに能動的になっていく。子どもは機械をいじるのが大好きだから すぐにそのような変化が現れる。 ・問題は、教員の話を聴くことと iPad をいじることの切り替えが子どもにとって難しいという 点だ。ただ、iPad を使うことが日常的で当たり前のことになってくれば、そのような難点 も解消されるだろうと感じている。 ■濱住 ・子どもは自分達で何かを創っていくことが大好きだ。その意味で、ワークスペースが多 い新校舎は素晴らしい。 ・iPad の利用は、デジタル教科書というよりも、ノートと筆箱と iPad という捉え方が良い のではないか。一つの道具ができたことになる。子どもたちも、そして私も iPad が大好 きである。 ・このような道具が日常的なツールとして当たり前に使われるようになった時、それがどん な姿なのか、いろいろ想いを巡らせている。 ・学年末に保護者に向けたプレゼンの場を設定する予定である。その際は「TED」スタイ ルで演じてみたい。 -13- 情報交換会②:Q & A 等 Q 子どもたちが授業にとても集中していた。これは iPad の効果? A ・iPad が興味を惹くツールだからであろう。ICT 教育だからという訳では無いと思う。 ・あとは、公開授業ということで緊張していたという面も否めない(笑) Q 聖学院で統一した電子教材等ツールを作っていくのはどうだろうか A ・ピンポイントで作成するツールはすぐに陳腐化してしまう。汎用性の有るアプリを使うこと が肝 心 と 思う 。そ の 意 味 で 「 ロ イロ ノ ー ト 」 は秀 逸 で あ る。 今 回 使用 し た アプ リ は E-REPORT COMP という新聞作成アプリである。現在唯一縦書きの出来るアプリであ る。 Q 児童が iPad を使えるようにまでにはどれぐらいの時間と手間がかかったか A 大体 10 時間程度で特に苦も無く使用できるようになった。 Q 他の教員が作成した教材は自分の授業で利用できるか? A 十分可能である。また汎用性がある教材を作るよう心掛けている。 Q 児童の課題はどのようにして回収しているか。 A 無線 LAN 環境があれば「ロイロノート」を使って回収できる。 -14- Q iPad 導入・運用に際しての問題点など A ・1−3年生は学校所有、4−6年生は買い取りという制度にしているが、学校所有 分については、前に使用していた児童のデータが消えない等の問題が、一方、買い 取りについては、自分のモノとして気軽に使うので破損などの問題が生じた。 ・いずれにせよ、保護者に対しては丁寧な説明を心がけた。 ・片付けなど iPad の利用ルールについては、児童たちの児童会委員会の中に設置し た ICT 委員会で約束事を決めている。例えば iPad 保管のラックは、溝に iPad を入れ ていくスタイルなので片付けが集中すると混乱する。時間差をつけてバラけるようにして いる。 ・ICT 委員会は、5−6年生で構成(1クラス3∼4名)されおり、情報モラルについての 勉強会なども行っている。 etc. 感想(参観者から) ・日々試行錯誤の中で授業をしている。いかに書かせるかが、その最たる課題だ。PC を使わせてみたり、「ポメラ(*)」を使ってみたりしているがなかなかうまく進まなかった。 ・今回の公開授業を見て、iPad がこの問題を解決してくれる、つまり書くことのハードル を下げてくれるツールとして利用できると確信した。そのハードルが下がると自由な発想 が出てくる。学び合いが自然にできている。 ・このような ICT 教育を実践できている背後に有る、教員各位の実績の積み重ねに敬 服したい。 (*)デジタルメモ http://www.kingjim.co.jp/pomera/ -15-
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