Professional Firm

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生 涯 一 流 のススメ
CONTENTS
CONTE NT S
・OPEN ING ME SSAGE
・会社を選ぶのではなく、仕事を選ぶ
Careerselectability ®を目指して
の獲得を目指して
生涯一流=Jobselectability
「生涯一流」を目指す新入社員の覚悟
・LECTURE01 /社会は変わる
・LECTURE02 /進化し、成長し続けるビジネス
・LECTURE03 /エン・ジャパンの戦略
・LECTURE0 4 /全体験が成長資源になる
1
OPENING MESSAGE
OPEN I NG M E S SAGE
君たちは何を基準に企業研究をしているのだろうか。
いやそもそも君たちは何を目指しているのだろうか。
明確に目標を持っている人も、いない人もじっくり読んで欲しい。
そして人生を考える一助にして欲しい。
就職とは企業選びである前に人生の選択なのだから。
私たちの言う「一流」とは、一流の状態をいうのではなく、
常に一流であり続けようとする努力をも含んでいる。
いわば一流の生き方のことだ。決して立ち止まることなく、
常に新しいものを吸収し、自らを高めていく。
コンサルタントという職業がまさにそれなのである。
しかもキャリアを重ねるごとに能力に深みを増していく。
定年という概念がなく、生涯を通じて発揮できる能力でもある。
エン・ジャパンは「生涯一流」であろうとする者たちが集い、
切磋琢磨する場だ。しかし、最初に言っておく。甘くはない。
楽ではない。要求される事柄は多彩にして複雑。
ただ、挑戦的な失敗は許容される。
エン・ジャパンは実験を奨励する組織でもある。
エン・ジャパンは君たちに自らを高める機会を
豊富に提供することを約束しよう。
2
Careerselectability ®を目指して
会社を選ぶのではなく、仕事を選ぶ/生涯一流=Jobselectability
の獲得を目指して
会社を選ぶのではなく、仕事を選ぶ
Careerselectability
生涯一流=Jobselect
abi l ity ®を目指して
の獲得を目指して
社会人として必 要なもの、目指 すべき姿とは何か―。
生活の糧としてではなく、自分の成長につながる場だと
我々エン・ジャパンでは、
それを
「生涯一流」
であり続けよう
捉える考え方がそれだ。世界に誇れる非常に優れた思想
とする姿勢を持つことだと考えている。
だと考えている。人生の中で、大きな位置付けを占める
仕事。その仕事を、自らの成長ステージとして捉えるプラス
我々のいう「一流」とは、一流の状 態をいうのではなく、
思考の仕事観は、一流を目指す人にとって欠かせないもの
常に一流であり続けようとする努力をも含んでいる。決して
だと我々は考えている。
立ち止まることなく、常に新しいものを吸収し、自らを
高めていく。いわば一流の生き方のことだ。
エン・ジャパンは今まで大手上場企業からベンチャー企業
まで、多くの経営者、人事、ビジネスパーソンと【人】という
一 流 の人 材 は“どこでも活 躍 で きる人 材”と言える。
テーマで向き合ってきた。その中で、一流の人材が育つ
「どこでも活 躍できる」とは、例えば、多くの 企 業から
環境、
すなわち会社の特徴を明らかにしてきた。
「社内外の
来てほしいと言われ、多数の選択 肢から希望の仕事を
競争が激しく、成長している会社」
「若いうちからチャレン
自ら の 意 思で 選 べ るということ。我 々は、そ の 力を
ジングな仕事を与えられ、正当に評価される実力主義の
Careerselectability ® /仕事自己選択力®]
と表現している。
[Jobselectability
会社」
「本業による社会貢献を実感できる会社」の3つが
それにあたる。この特徴はエン・ジャパンにも当てはまる
ところで、
「仕事」とは本来楽しいものなのだろうか? だろう。
我々は決して楽しいものだとは思っていない。やりがいも
あるが、厳しさも多々あるからだ。〆切やノルマがある。
大手企業では、安心感はあるが、チャンスが貰えず冒険も
アイデアも枯渇するし、競争もある。自分のペースででき
できない。
逆にベンチャー企業は、
チャレンジングな仕事が
ない。一流のプロならば、当たり前のことなのだが。
できるが、資金力がなく不安である。当社は、大手企業の
安心感と、
ベンチャー企業のチャレンジスピリッツ、
両方の
プロと聞くと、スポーツ選手や芸能人、職人などを思い
特徴を兼ね備えている。
浮かべる人が多いだろう。しかし、サラリーマンも立派な
プロ。あることを本業としてお金をもらう人はすべてプロ
なのだ。結果を出せなければ交代もある。厳しい世界だ。
では、なぜそんな厳しい仕事を、皆一生懸命できるのか。
それは、日本 特有の仕事 観があるから。仕事を単なる
3
会社を選ぶのではなく、仕事を選ぶ/「生涯一流」を目指す新入社員の覚悟
「 生涯一流 」を目指す新入社員の覚悟
社会人として必 要なもの、目指 すべき姿とは何か ― 。
そもそも一流の定 義とは ― ?
入社3年目までのエン・ジャパンスタッフに訊いた。
[岡] 私 が 今目指して いるのは、常に俯 瞰しな がら
岡 愛子
物事を多面的に捉え、現状に甘んじない自分でしょうか。
Aiko Oka
学生時代は正直、自分に甘い人間でした。大学受験にも
2012 年入社
みると、自分の立ち位置や役割が明確に見えるように
失敗し、最後の詰めが甘いというか・・・。物事を俯瞰して
なります。そうすることで、常に自分自身に渇を入れて
京都大学
います。渇を入れ続けられることが一流へ近づくための
法学部 出身
第一歩だと考えています。
[沢柳] 一流とは、積み上げながら崩し続けられること
だと考えています。決して楽なことではありませんが、
沢柳 雄輔
どんなに良い成果が出ても、自ら否定する。見つめ直す。
Yanagisawa Yusuke
この繰り返しを徹底出来るかどうかだと思います。1つの
成功体験に囚われてしまうと可能性を狭めたり、リスクに
対して盲目になることにつながります。
とにかく人より早く多く
2013 年入社
を経験して、自ら積み上げ崩すことを楽しみたいですね。
慶應義塾大学 出身
[チョウ] 仕事に自信と誇りを持ち、
失敗を恐れないこと
が私の思う一流の条件です。
“ 働くこと”そのものを深く
考え、世の中に対して自分がどう役に立てるのか真摯に
チョウ ショユ
向き合い続けることが 重 要だと思います。如 何に素 晴
らしいサービスを産み出しても、世の中に受け入れられ
Chou Shoyu
なければ成功しないことを理解しているからこそ、自分の
仕事に自信と誇りが持てる。小さな変化にも敏感になる
2011 年入社
ことで、
失敗のリスクを最小限にすることが出来る。
仕事は
台湾大学 出身
自己実現の場であるとともに、世の中や誰かのために
恩を返す場でもあることを忘れずにいたいです。
4
会社を選ぶのではなく、仕事を選ぶ/「生涯一流」を目指す新入社員の覚悟
一流の人材は“どこでも活躍できる人材”と言える。
海外で働くため、多くの企業を見ました。そこで気になった
どこでも活 躍できる人 材とは、例えば多くの企業から
のは、エン・ジャパンが「人材」を「人財」と表現していた
来てほしいと言われ、多数の選択 肢から希望の仕事を
ことです。他の企業では「財」という漢字は使っていません
自ら の 意 志 で 選 べ るとい うこと。我 々はそ の 力 を
でした。私はこの言 葉 から、人が 企 業にとって重 要な
Careerselectability ® /仕事自己選択力®]
と表現している。
[Jobselectability
財産・資産であること、そしてエン・ジャパンが働く人を
大切にするということを読みとりました。そして、選考を
なぜ、数ある企業の中からエン・ジャパンを選んだのか?
通じて私が
「人財」
という言葉から解釈したことは間違って
いないと感じることができました。
入社後は更なる確信へと
[沢柳] とにかく、自分の頭で勝負したいと思っていま
変わっています。
した。決められたものではなく、自ら考えて形に出来る
そんな仕事がしたいと考え、比較的規模の大きなコンサル
[岡]
私は誰 でも知っている大手 企 業を中心に見て
系の会社を中心に受けていました。最終的な決め手は
いました。そのため、安定性や待遇、教育制度の充実など
圧倒的なチャンスの量とスピード感。入社後からアシス
の話をされることが多くありました。
どの企業も若いうちは
タントではなく、1人でプロジェクトを進めていくことが
下積み、しっかり育てると― ―。
出来る。
机上の空論ではなく、
目の前の経営者の方の役に
そんな中、下積みには圧倒的な“量”が必要だと明確に
立つためにトコトン頭に汗をかける。知識が“知識”で
伝えてくれたのがエン・ジャパンでした。そして、
「億単位の
終わるのではなく“使える知恵”に変わる瞬間が分かるの
失敗であれば20代は授業料だ」とも明言をしていました。
です。また個人的には新サービスを開発するための留学
就職活動を通して、若手にその環境を与える覚悟を持って
チャンスも掴みとり、想定した以 上に刺激 的な毎日を
いる企業は少ないことも分かりました。私は、悩み、今まで
送っています。良い意味で裏切られています。
の自分を振り返りました。そして、自分を変えるチャンスは
今しかないと思いました。
中途半端ではなく、
振り切ろうと。
[チョウ] 大学でグローバルビジネスを勉強していたため
のうのうと会社に託す人生を選ぶのではなく、自分自身に
「海外で働こう」と考えていました。母国語である中国語と
圧倒的な力を付けることを選ぼうと。
私にとっては大冒険の
ネイティブレベルの英語を活かしたいと考えていました。
選択でしたが、今はその判断を少し誇りに思っています。
日本語はまだ勉強中ですが、日本への留学経験があり、
日本の文化が好きでしたので、気付けば日本企業を多く
調べていました。
5
コンサルティング産業について
現代は高度知識産業の時代だ。
ハードではなく、ソフト。
知恵が価値を生む。
まさに、コンサルティング産業がそうである。
コンサルティング産業においては設備も原材料も不要だ。
必要なのは優秀な人材である。
コンサルティング産業を見れば現在、そして将来の
ビジネスが見える。コンサルティング産業の
現状、そして、その展望を考察する。
6
生涯一流を目指せるフィールドの条件
こだわりの理念
目先の利益追求ではなく、使命感に裏打ちされた理念があり、それを持ち続けているか。
ヒト理念、人間尊重から『人間成長 ®』へ
仲良し集団では人は成長しない。
「 小善は大悪に似たり 大善は非情に似たり」である。
「1+1>2」型組織づくり
一人一人のパワーをより大きなパワーに転化してこそ本来の組織の意味がある。
クライアントパートナー主義
“求められるものより、真に喜ばれるものとは何か”を考え、時には顧客と議論論争する姿勢を持つ。
独自性の追求
自社の存在価値を絶えず自問し、自社でなければできないことを追い求めているか。
スピード優先
完璧ではなく拙速でいい。市場の変化に追いついていくためには何事にもスピード優先。
イノベーションにつぐイノベーション
どんな成功も永続しない。創造的破壊のできない会社は時代から取り残されるだろう。
開かれた組織
外部との自由闊達な交流が創造的な知恵を生む。秘密主義では新しいものは生まれない。
地球の一員としての行動
自社の利益 優先のみではなく、地球市民の一員としての自覚を持っているか。
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LECTURE01 /社会は変わる
LE C TU R E 01 /社会は変わる
“ 人 ”がカギを握る時 代の到来
まず日本の企業が置かれている現状について考察する。
激しい変革の波にさらされている現 在の社会において、何がどう変わるのか、
何を捨て、何を堅 持しなければならないのか、冷 静に考えてみたい。
既成概念をうたがえ
人を育ててきた日本的経営
日本社会は今、
成熟化、
少子高齢化、
グローバル化、
情報化
かつての日本の高度経済成長を支えた日本的経営の特徴
という大変革の真っただ中にある。
として、
「終身雇用」
「年功序列型報酬制度」
「企業別組合」
が挙げられるが、
もはやこれら制度や慣行が企業経営に
かつては成 果をあげた仕 組み、制度、組 織 が、すぐに
合わなくなっていることは周知の事 実である。しかし、
マイナスの要因となってしまう。既存の大企業の体制は、
なにもそのすべてを否定することはなく、現代のビジネス
スピードとオリジナリティを要求されるこの時代について
社会にも通用する、
日本ならではの特長を探しだし、
ヒントに
いけないのだ。
することはできるだろう。
そこで改めて日本的経営とは何か、
ここで考えてみたい。
さらに経済活動に国境がなくなり、国内だけでなく世界
との競争も激化しているなか、既存の成功体 験にしが
日本的経営の根底には日本特有の労働観がある。欧米の
みついて、
安穏としているわけにはいかないのだ。
かつての
「労働は罪の償い」という労働観に対して、
「労働は美徳で
常識が通用しない時代に突入したのである。この流れ
あり、人格修行の場である」というものである。もちろん
はもはや誰にも止めることはできないだろう。
人間成長 ®のステージは多岐にわたり、人によって違う。
芸術や武道やスポーツで道を究めることもできる。しかし
では、新しい時代の産業や組織とは何か。またそのなか
労働という誰もが生活をしていくために必ずやらなければ
での働き方や個人のライフスタイルとはどのようなもの
ならないことを単なる生活の糧ではなく自らの成長の場と
なのか。まだ明確には見えてはこない。模索の段階だ。
してとらえ、前向きに取り組んできたのが日本人である。
しかし、少なくとも次のことは本質的に重要なことだと
生活のために仕方なく働くのと修行の場としてすすんで
言える。それは既成の価値観や考え方をまずうたがって
働くのとでは、人格形成やビジネススキルの向上、その
みる意志を持つこと。さらに、自分自身の目で見て、頭で
スピードなど、すべてにおいて雲泥の差がでることは自明
考え、確かめてみるという姿 勢を持 つことだ。従 来の
の理だ。
価値観は明らかに時代遅れになっており、既成概念に
そしてこのように懸 命に働く日本人に報いてきたのが
とらわれた判断ほど本質を見誤ってしまうからだ。
実は日本的経営だったのである。
8
LECTURE01 /社会は変わる
日本的経営の本質とは何か。
エン・ジャパンでは人に対する
職務記 述書どおりに仕事をするのなら、仕事の範囲は
考え方=「ヒト理念」の存在にあると捉えている。この観点
限定され、人は成長しない。また、詳細なマニュアルに
から日本的経営を見直すと次の3点の特徴が挙げられる。
従うことは自分で考えることを停止させる。人は幾通りも
の仕事をこなすなかで、仕事の幅を広げて、成長できると
いう労働観こそ日本的経営の本質であるといえるだろう。
1点目は日本が極めて平等な社会構造を持っていると
いうこと。日本は世界との比較を冷静に行うと意外と学歴
社会でも階層社会でもない。多くの人にチャンスが平等に
このようにヒト視点から見た日本的経営の特徴はいずれ
開かれている。
これによって階層に左右されずに能力のある
も人間の成長につながったり、生きがいにつながっている。
人に力を発揮する場が与えられる。欧米や一部のアジア
この良さは捨ててはならない大切なことだと考えている。
諸国のようにエリートの子はエリート、職人の子は職人と、
日本は、世界と比較すると極めて平等にチャンスがあり、
早期にコースが分かれることはない。
会社に入っても、
多くの
懸命に働けば多くの人が報われる社会である。
場合は現場からスタートし、食堂や制服で区別されること
もない。また累進課税制度の存在も固定的な富裕層を
生まない仕組みになっている。
2点目にはCS(顧客満足)
・ES(社員満足)を第一に考える
精神文化を持っていることが挙げられる。お客様のため
なら、
多少、
自己を犠牲にしてでも役に立とうとする。
欧米の
ように契約としてではなく、他人への親切、思いやりを
自然に発揮できるわけだ。
また、
経営者は業績が悪化した
場合、
自分の報酬を下げてでも社員の雇用を確保しようと
する。
経 営者も社員も利他の精神(Altruism)を発揮し、
人間成長®につなげていくのだ。
そして3点目が「一人二役三役」の姿勢を持っていること。
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LECTURE01 /社会は変わる
人材が鍵を握る高度情報化社会
日本的経営の良さを見失っている日本の大企業とは逆に、
価値を生む情報化社会であり、価値ある情報を生み出す
アメリカはかつて、日本的経営を徹底的に研究し、その
のは人間の知恵であるからだ。資本の大きさ、設備の
エッセンスと最新の情報技術を組み合わせることに成功
巨大さ、
人の多さだけではこれからは価値を生まない。
した。こうしてアメリカの企業は蘇えったのである。なぜ
個々人の知恵こそが価値を生む。そのためには、いかに
日本の大企業は、日本的経営の良さに気付かなかったの
価値ある知恵を生み出せる人間を育てるか、
職務や組織の
だろうか。そこには日本人の2つの問題が存在すると考え
壁を越えて、いかに自由に議論し恊働して新しい知恵を
られる。
生み出せる環境や仕組みを作るか。それが企業経営の
鍵を握るのである。
ひとつは欧 米崇拝。学問でも文化でも、欧 米のものが
いいものであるという明治以来の考え方から残念ながら
企業の規模ではなく、人材の質が業績を左右するという
抜けきっていない状況がいまだに続いていると思われる。
状況が現在の社会なのである。
だから足元の良さに気付け ず、気付いたとしてもなか
なか取り入れることができない。
では、どのようにすれば優れた人材を育成し、能力を発揮
する仕組みが作れるのか。ここにこそ、ヒト視点から見た
次に日本人は言語 化が 苦手であるということ。島国で
日本的経営の特徴、平等社会、CS・ES、
「 一人二役三役」
同質の人材があうんの呼吸で仕事をするという習慣に
という考え方が生きてくるのである。
慣れきっているため、ことさら自分たちの考え方や方法を
論理化して相手に伝える必要がなく、自分たち自身を
対象化することができない。よって、その良さを自覚する
ことが難しいと言えるだろう。
しかし私たちは日本的経営の根底にあるヒト理念、
労働観、
そして人間成長 ®という視 点は日本企業にとってのみ
ならず、これからの世界の企業にとって重要であると
考える。なぜなら、これからの社会はモノではなく情報が
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LECTURE02 /進化し、成長し続けるビジネス
LECTURE02 /進化し、成長し続けるビジネス
日本的経 営を世界に向けて
激 動の企業 社会にあって、経 営者の羅 針 盤となり、指 針を提 示するのが
コンサルティング会社の使命である。このように重要な社会的 役 割を担っている
コンサルティング産業について、その 全体像および展 望をここで概観する。
重要度が増すコンサルティング業界
コンサルタントは知的で高度な専門職として知られて
根本的に「知識勝負の時代」なのである。ハードを持つ
いるが、残念ながらその全体像が理 解されているとは
もの、資本を持つものではなく、知識を持つものが社会を
いいがたい。また弁護士や公認会計 士、医者のように
動かすのである。
国家資格を必要とせず、極端なことをいえば誰でも「コン
サルタント」と名乗れることや、大規模な企業から個人
では、
どのようにすれば知識は生まれるのだろうか。
社内の
事務所まで存在するほど企業規模格差が大きいことが、
同質の人材、
同質の経験、
同質の情報では独創的な知識や
その全体像をわかりにくくしている。
画期的なアイデアは生まれない。それぞれの専門分野で
経験と知識を幅広く蓄積し、しかも従来の固定概念や
コンサルティング業界の全世界の推定市場規模は、現在
慣習にとらわれない人材との恊働作業において、異質と
およそ20兆円と言われ、そのうち米国の市場規模が10
異質がぶつかり、視点が変わり、新たな発想が生まれる。
兆円と大半を占めている。日本の推定市場規模は、現在
ここにコンサルティング産業が知識産業として活躍する
30 0 0 億円程度と言われている。
舞台がある。
コンサルティング業界は今や産業の高度化、専門化を
背景にますます需要が増え、市場も拡大する傾向にある
と言える。リーマンショック以降リストラや事 業再編と
いった後ろ向きの改革を行ってきた日本企業であるが、
ほとんどの企業でその手の改革は完了しつつある。
未来の
収益のために積極的な事業拡大や投資を行うフェーズに
入っている。
さらに将来にわたって高度情報社会における知識産業
として、ますますその存在価値が高まってくる。成熟化、
高齢化、グローバル化、情報化という波に対応するには
旧来の手法による経営では通用しなくなっている。
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LECTURE02 /進化し、成長し続けるビジネス
コンサルティング業界の構造
コンサルティングを定義すれば、
ある特定の分野において、
現在、
日本で活動しているコンサルティング会社を分類する
専門的知 識と経 験を有する者 が、顧客の 持 つ問題に
と次のようになる。
対して相談に応じたり、
助言を行うことを言う。
この定義に
従うと建築設計や技術開発、コンピュータソフトウェア
●国内総合コンサルティング会社
設計などもコンサルタントに含まれるが、ここではコンサル
日本能率協会、社会経済生産性本部、船井総合研究所、
ティング分野を企業経営に限定して考えたい。企業経営と
タナベ経営、野村総合研究所、
いっても分野は広く、さまざまな方向から専門知識をコン
日本総合研究所、三菱総合研究所など
サルティング会社が提供している。ここでそのおおまかな
見取り図を描いてみよう。
●外資系総合コンサルティング会社
アクセンチュア、マッキンゼー・アンド・カンパニー、
そもそもコンサルティングはアメリカにおいて生産性の
ボストン コンサルティング グループ、デロイト トーマツ
改善や、
収益の改善など企業のオペレーショナルな分野に
コンサルティングなど
おいてIE
(インダストリアル・エンジニアリング)
やOR
(オペ
レーションズ・リサーチ)の手法を使って解決することから
●人事コンサルティング会社
スタートした。この手法が第二次世界大戦後、日本に導入
・総合/エン・ジャパン
された。その流れをくむのが日本能率協会や社会経済
・報酬系/産労総合研究所、
賃金管理研究所、
ヘイグループ、
生産性本部、
あるいはQCの日科技連である。
その後、
製品
ワトソンワイアットなど
市場戦略、事業戦略から全社戦略へとコンサルティングの
・教育系/ビジネスコンサルタント、ウィルソン・ラーニング
分野は拡大し、また対象も現場の各部門から経営者層へ
ワールドワイドなど
と変化していった。
日本に1960年代から70年代に事務所を
開いたアメリカのコンサルティング会社がそれにあたる。
●その他特化型コンサルティング会社
こうして日本に根付き、現在では期待される役割も当初の
・業界特化型/シンプレクス・ホールディングスなど(金融、
専門知識を有する技術的専門家から問題解決者、さらに
ITなどに特化をした会社)
長期ビジョンの作成や構造改革など企業変革の推進者と
・業務特化型/ドリームインキュベータ―、リヴァンプなど
しての役割期待までへと高度化している。
(ベンチャー支援、
M&A、
企業再生などに特化をした会社)
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LECTURE02 /進化し、成長し続けるビジネス
人材総合コンサルティングが会社を変える
多角化、海 外進出、M&Aなど企業の成長 拡大 路 線に
立場で制度を立案し、判断することは極めて難しいから
乗り、バブル経済期に華々しく活躍した総合コンサル
である。ここにも他のコンサルティング会社と人事コンサル
ティング会社は、バブル崩壊とともに方向 転 換を余 議
ティング会社の違いがある。
人事分野についてはどこまでも
なくされた。またひとつの手法に特化したコンサルティング
内製化できない部分が存在するのである。
会社は、ブームが 去り、現 在次の展開を模索中である。
それらに対して、今後とりわけ重要な役割を果たすのが
さらに有望なのは人事コンサルティングばかりではない。
人事コンサルティング会社だと言われている。
人材ビジネス全体が活況を呈しているなか、労働人口の
減少の流れもあり、人材ビジネスはこれからも成長分野だ。
高齢化、成熟化というなかにあって、余剰人材のアウト
人材紹介、人材派遣、あるいは社員教育、専門学校など
プレースメント(再就職支 援)
・再配置や再 教育、社内
多様な人材ビジネスへの需要は今後ますます高まって
組織の見直しや活性化が企業にとって緊急課題である。
くると予想される。この領域は今後もビジネスチャンスに
また従来の年功型報酬制度から能力型報酬制度への
溢れているのだ。
転換、それにともなう評価制度の確立が求められている。
さらに長期的に見ても、急激に進む少子高齢化による
労働力人口の減少に対応する必要がある。加えて女性の
活用、外国人の採用など新卒人材採用(ストック人材)の
多様化、パート・アルバイトを含めた人材の確保(フロー
人材)とその活用手 段の確立も求められているからで
ある。
現在、日本企業が直面しているそれらの問題に対して、
人事コンサルティング会社が活躍する場面は多い。しかも
このような人事制度の抜本的変革は社内の人事部や経営
企画室では成しえない。
なぜなら、
評価、
報酬は人事担当者
自身の利害に直接からむ問題であり、客観的かつ公正な
13
LECTURE02 /進化し、成長し続けるビジネス
世界へ発信
先のコンサルティング会社一覧を見ると、外資系が多い
ことに気付く。コンサルティング 産 業 が アメリカから
スタートし、またポートフォリオマネジメントやエクスペリ
エンスカーブなど革新的な企業経営の手法もアメリカで
開発され、日本に導入されてきたことを考えれば仕方が
ないのかもしれない。しかし、もはや海外の目新しい経営
理論を日本にあてはめるだけで通用する社会ではなく
なっている。企業経営そのものがグローバル競争にさら
されているとき、モノマネの経営手法ではとうてい太刀
打ちできないからだ。
さらに突き詰めて考えてみれば、
社会性を重んじる日本的な
経 営の 倫理観はそもそも世界に先 駆けている部分を
持っている。日本で開発された経営手法でも、アメリカの
コンサルティング会社で言語化され、
日本に逆輸入されて
いる。
これは本来、
日本のコンサルティング会 社の 役 割
だったといえないだろうか。
日本独自の経営手法を生み出し、世界の企業へ発信して
いくこと。ここに日本のコンサルティング会社のこれから
の課題、あるいは発展の可能性がある。エン・ジャパンは
その役割を担うつもりである。
14
LECTURE03 /エン・ジャパンの戦略
LECTURE03 /エン・ジャパンの戦略
10 年先を見据えて布石を打つ
人材総合コンサルティング会社として独自のポジションを有し、世界を視 野に活動しているのが
エン・ジャパンだ。採用・教育・評 価を一 体 化してとらえ、課 題 解 決を図るという、
日本 初のシステムを開発した。ここではその歩みから将 来ビジョンまでを詳 述しよう。
現状に安住せず、つねに前へ
独自のコンサルティング手法「3Eメソッド®」
エン・ジャパンの 歩みは 挑 戦と創 造 的 破 壊 の 連 続で
「3Eメソッド® 」とは、求 め る人 材 を 採 用し、教 育し、
あったと言える。しかも決して単なる市場環境適応では
納得性の高い評価システムで処遇することで、
人・組織の
なく、当初から一貫した意志に基づいた長期的な視点の
活性化と業績向上をはかる手法のことだ。3つの「E」は
もと、着実に手を打ち、実現してきた。
採用(EMPLOYMENT)、教育(EDUCATION)、評価
(EVALUATION)の頭文字を意味している。個別に考え
エン・ジャパンは最初から人材総合コンサルティング会社
られがちな採用・教育・評価を一体化・統合化するエン・
としてスタートしたわけではない。当初は求人 広告の
ジャパン独自のシステムである。
代理店から出発したのである。1983年、現在の代表取締
役会長である越智が大阪で求人広告代理業を開業。ほど
“企業は人なり”という言葉の通り、事業のあらゆることを
なく取り組 んだのが 採 用の 総合 化 である。中途 採 用、
担うのは「人材」だ。この先に「人を必要としない」テクノ
新卒採用、パート・アルバイト採用とどのような顧客の
ロジーがどんなに発達したとしても、その仕組みを考える
採用ニーズにも対応できるようにすることだった。また、
のも「人」そのものなのである。知識 社会では、経 営は
求人情報を用いた採用支援ばかりではなく、
高度な技術や
ますます
「人」
の知恵に依存し、
「人材戦略」
の位置付けは、
専門知識を有した経営管理者や技術者の人材紹介事業を
より重要性を増していく。我々は独自の「3Eメソッド®」
開始。顧客のより高度な人材ニーズにも対応できるよう
で向き合っていくつもりだ。
にした。
就職活動している大学生から見ると、
エン・ジャパンは就職
そして、
採用した人材の教育事業、
社内組織の活性化事業、
サイトの会社という風に映るだろう。しかし、それはエン・
評 価・報 酬コンサルティングと次々と拡 大していった。
ジャパンの一面にしかすぎない。
その一面が、
非常に大きく、
それらの集大成がトータル人事システム「3Eメソッド®」
社会的にインパクトある事業を行っているというのが、
エン・
(スリー・イー・メソッド)である。
ジャパンであるとも言えるのだが。
例えば、企業の即戦力採用において重要な役割を担う
[en]社会人の転職情報や、
日本全国の転職コンサルタントが
集う[en]転職コンサルタントといった各求人メディアは、
15
LECTURE03 /エン・ジャパンの戦略
企業の採用戦略において、必要不可欠とも言えるポジ
広げている。
エン・ジャパンは、
今、
“世界が認めるグレート
ションを獲得している。
カンパニー”へと進化しようとしているのだ。既に中国、
(上海、
北京、
香港)、シンガポール、オーストラリア、韓国、
こうした強力な自社メディアを保有することは、コンサル
ベトナム、タイといった複数の海外拠点を開設。直近でも、
ティング品質の向上に大きく役立っているのである。
多数の
さらに複数の新しい国への展開を予定している。
学生や転職希望者とリアルな接点を持っている事によって
圧倒的なマーケティング力を保有することになるからだ。
求人 広告 代 理 店から出 発したエン・ジャパンは、求人
サイトの企画・運営により業績を急拡大させナスダック・
採用のインターネット化にいち早く対応し、現在では日本
ジャパン市場に上場した。そして、同時に、グローバル
トップクラスの求人サイトの開発・運営により上場を実現
展開を加速化させた。人材総合コンサルティング会社と
したエン・ジャパンだが、現在はそのフィールドを世界へと
して、独自の方法で、着々と成長の道を歩んでいる。
求人情報サイトの運営と人材紹介を主力事業として、
採用
企業の雇用問題を解決。人材と企業の大規模な
Employment
データベースでミスマッチのない採用を実現。
入社後の活躍・定着視点を大切にしています。
®
[3Eメソッド]
3E
人事評価は、人材育成の目的をあわせ持つ、
人材戦略上の要。オープンで納得性の
高い評価制度の運用は、社員の志気を
高めるための重要な鍵。教育と
連動させた給与・評価システムを構築し、
評価
m et h o d
Evaluation
集合型研修から企業の内部研修まで、
教育
Education
組織の活性化とさらなる業績向上を
ただの学びで終わらない、現場で
活かせる実践型研修を提案。
プロ意識と主体性あふれた人材を開発し、
ビジネスパーソンのスキルアップと
企業風土づくりを実現しています。
もたらしています。
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LECTURE03 /エン・ジャパンの戦略
人事面から会社を変える
すでに述べたようにコンサルティング会社には、外資系
人 が 変われ ば会 社も変わる。企 業 経 営において最も
企業をはじめ、多くの競合企業が 存 在している。では
重要な経 営資源である人の分 野に絞り、採用・教育・
エン・ジャパンはどのような戦略を描いているのだろうか。
評 価を一 体 化してコンサルティングすること、これが
エン・ジャパンの戦 略である。エン・ジャパンが「人事
まずコンサルティング分野を人事系に絞っていることが
コンサルティング会社」ではなく、
「 人 材総合コンサル
挙げられる。これは次のような理由による。そもそもエン・
ティング会社」と自己規定しているのも、ここに理由が
ジャパンでは経営に関する総合的なコンサルティングは
ある。単に人事全般を扱うのではなく、人事の諸課題を
非常に難しいと考えている。実際に企業経営を行なって
トータルに一 体 化、総合化して捉え、経 営戦 略と連 動
いる経 営者以上に、企業経 営に必要なあらゆる知識を
して解 決を図ること。それによって企業の業績向上を
身に付け、適切なコンサルティングを行うことは不可能に
もたらすこと。これがエン・ジャパンの考え方である。
近い。そこでエン・ジャパンでは専門分野を絞っているの
である。で は、な ぜ人事 系に 絞って いるの か。評 価・
そのため、エン・ジャパンでは独自の育成プログラムを
報酬を専門にする会社、教育を専門にする会社、採用を
開発し、コンサルタントを自ら内部で育てている。多くの
専門にする会社はすでに存在する。また、これらのコン
会社はコンサルタントのアシスタントからスタートする。
サルティング分 野を複数かかえている会社も存在する。
しかし、それではコンサルタントが育成できないとエン・
しかし、
こ の 採 用・教 育・評 価 を 一 体 化 してとらえ、
ジャパンでは 考えている。先 輩の 手法を学 ぶだけ で
トータルにコンサルティングできる企業はエン・ジャパン
終わってしまうからである。
アシスタントというより、
言葉は
をおいて、他にないと自負している。ここに大きな特 徴
悪いが 鞄持ちで終わってしまう。
がある。さらにエン・ジャパンが人事にターゲットを絞っ
ているのは、企業経 営とはつまるところ、
「 人」にほかな
また、資 料 のリサ ー チ からスタートする会 社もある。
らないと考えているからである。どのように画期的な戦略
しかし、経営理論は勉強できても現実を見ることはでき
を策定しても、それを実行するのは人である。優秀な人材
ない。頭でっかちのコンサルタントを生むだけである。
を採 用し、教 育し、そして適 切に評 価、処 遇しなけれ
そこでエン・ジャパンでは営業からスタートさせ、小さい
ば、どんな緻密な戦略も「絵に描いた餅」に終わってしま
規 模でもマネジメントを経 験させる。数十 年をかけて、
うのだから。
現 実 の 企 業 経 営の中 で、自ら 体 験し、考えるなかで
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LECTURE03 /エン・ジャパンの戦略
育っていくという独自の体 験 型育成プログラムを開発
知識を担保にしていては時 代についていけない。また、
しているのである。
中途 採用を中心としてコンサルタントを採用している
会社では、個人コンサルタントの共同事務所という性格が
このようにして成長したコンサルタントが組織的に活動
強く、組織的な活動に弱い。人材の流動性も激しいこと
する。ここにもエン・ジャパンの強みがある。エン・ジャパン
だろう。しかし、エン・ジャパンでは、組織的に活動する
には「1+1>2」という組織の強みを活かしていこうという
ことにより、さまざまな 情 報 や手法を常に学べ、コン
考えが基本にある。個人で開業しているコンサルタントの
サルタント同士が協力しあいつつ、切磋琢磨する環境が
場 合、変化の激しい 企 業 経 営にあって過 去の経 験や
生まれるのだ。
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「生涯一流」であり続けるための人材の条件
主体変革性
現状に満足せず、自ら学習や自己研鑽に努め、主体的に自己変革に挑戦している。
目標必達志向
常にチャレンジングな目標を掲げ、達成に強い執着心を持っている。
利他志向
自分自身のみならず他人の利益・幸せに配慮し、世の中全体の改善に関心をもっている。
Enjoy-Thinking
仕事を前向きに面白くとらえ、楽しもうとしている。
発想力
多様な分野や事象にも意識的に興味関心をもち、
既成概念に縛られず、物事を見る力を持っている。
複数の視点から、アイデアを豊富に生みだすことができる。
論理的思考力
状況を定量的・定性的に分析し課題を抽出し、多くの仮説を立て、検証する力を持っている。
相手が納得できるように表現できる。検証した成果を汎用化すること、
また相手が納得できるように表現することができる。
対人関係力
社内や社外の組織や個人に主体的に働きかけ、気持ちよく協力を得る力を持っている。
日々どんな人にもわけへだてなく接し、お互いの成長のために
葛藤を恐れずに率直に進言やアドバイスをすることができる。
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LECTURE04 /全体験が成長資源になる
LECTURE04 /全体 験が成長資源になる
エン・ジャパンでは毎日が実 践研修の場だ。
すべての体 験が最良の教育になるシステムを確立している。
人材教育の基本は
「OJT」
(On the Job Training )
、
つまり、
考えていこうという、言わば思想の実践で、一定の基準を
現場実践教育である。エン・ジャパンではこの「OJT」を
満 たした社 員が 何らか の 理 由で 退 職しても、将 来に
あらゆる研修の基 軸に位置付け、長期にわたって継続
わたって社外協力者として良好な関係を保っていこうと
される。もっとわかりやすく言えば、社内のあらゆる業務
いうものだ。エン・ジャパンには出会いを尊重する「縁」
体 験がそのままOJTなのだ。プログラムはまさにエン・
重視の考え方が根付いているのだ。
ジャパンのオリジナリティの結晶。
仕事を深めること自体が
経営人事コンサルティング・ノウハウを身につけるシステムに
なっている。これは、社外の人々に語る仕事の内容が受け
売りにならないよう、まず自らが体験して実証することを
徹底するためである。したがって、エン・ジャパンにおける
人材教育とは、そのまま外部の企業へ提供する教育プロ
グラム(人材研修など)と基本的に共通していると言って
いい。それだけに人材教育は日常的に行なわれるもので
あり、極めて重要な意味を持つ。
また、エン・ジャパンでは「何のために仕事をするのか」を
常に明確化できるよう、あらゆる機会を通じて企業理念に
即した行動を確認し、企業理念の骨子自体が昇格基準で
あるプロセス評価項目となっている。
Careerselectability ® /仕事自己
「Jobselectability
具体的には「人間成長®」
選択力®」をどれだけ自分のものにしたか、さらに細分化
された行動ガイドラインに沿って職位職格が決定される
仕組みである。
さらにユニークな制度として「パーマネント
アソシエイト」
Welcomeback制度
がある。これはエン・ジャパンと結んだ「縁」を大切に
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LECTURE04 /全体験が成長資源になる
新入社員教育
階層別、職能別教育
内定後から教育はスタートする。まずは、入社前に
コンサルタントの育成のために、
独自のプログラムを
当社の社員として必要な能力を身につけることを
開発しており、
年間を通して様々な研修が行われる。
目的としている「en-College youth」の受講をして
その一部をここで紹介しよう。
もらう。一部ではあるが、ここでその内容を紹介
しよう。
●採用プロセス立案トレーニング
●評価・教育連動型 AD研修
新卒採用選考プログラムの立案を体験。優れたプログラムが
主体性を重んじたオリジナルのカリキュラムとなっている。
360度
生 み 出され た 場 合 は、実 際 の 選 考 プ ログラムとして 起 用
評価や上司からのフィードバックを受け、
自分自身の強みや弱み、
される。
現在の課題をあぶり出す。
その上で、
100以上の厳選した教育講座
の中から自分の課題に対応した受講プログラムを選択していく。
●研修プログラム立案トレーニング
内定者向けの研修プログラムの立案∼実施までを体験。ただの
●プロフェッショナルセールス研修
学びで終わらせないために、その後の効果測定までを行う。
時にはクライアントに苦い薬を飲んでもらうこともある。その
ために、提案力や交渉力などのスキルは必要不可欠。定期的に
●発想力強化トレーニング
スキルをブラッシュアップするためのトレーニングを行う。
ビジネスに限らず、多様な分野や事象にも意識的に興味関心を
もち、発想力を高めるためのインプットを行う習慣付けをする
●サクセスケーススタディ
ことが狙い。既存のサービス・システム・商品などにも疑問を
各個人が様々な企業での成功事例を分析して情報の共有化を
持ち、新たなアイデアにつなげる力を養う。
図る。それ により、直 接 経 験したことがない業 界や手法に
ついても疑似体験をすることができる。
●グローバル人財育成プログラム
入社前に海 外に語学留学をし、語学の習得と異文化理 解を
●経営者塾
深め、今後の海外展開の仕事につなげる。
創業者である越智が講師となり、新規事業の研究会やマネジ
メントの基礎など、経営者としてのノウハウを継承していく。
●その他
(ビジネスマナーなどの社会人基礎 各種)
●EOP café(English Only Policy cafe)
社員専用ラウンジで英語のみで会話をする時間を定期的に
設定し、社員交流と語学向上の場としている。
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事 業理念
「人」、そして「企業」の縁を考える
エン・ジャパンの 存 在 価 値 は 、社 会 正 義 性と独自性 である 。
収 益 性を忘 れず 、新しい商 品・サ ービスを開 発し 続 けよう 。
クライアントからのロイヤル ティが 私 たちの 仕 事 の成 果である 。
“ 求 められ るものより 、真 に喜 ば れ るもの ”とは何か を考え 、
クライアントパートナ ー主 義 に 徹しよう 。
“ 人の成 長 ”が 私 たちの 最 大の 資 産 である 。
“ 1+1>2 ”の 視 点 で 、個 人も組 織も絶 えず 進 化し 続 けよう 。
本社 東京オフィス
〒163 - 1335 東京都新宿区西新宿6 - 5 - 1 新宿アイランドタワー
TEL:03 - 33 42 - 3386 FAX:03 - 33 42 - 332 4