高精細画像によるコンクリート調査システム 「FOCUS」

FOCUS
Fine Optical Crack Survey System
高精細画像によるコンクリート調査システム
(コンクリート構造物のクラック自動抽出システム、NETIS登録:KT-130046-V)
①高精度で撮影した画像から、クラック幅・長さを
最小0.1mm単位で自動抽出する。(自社開発専用ソフト使用)
②正確なクラックの状況と画像から、浮き・剥離箇所を検知可能。
③遠方(最大70m)から撮影できるため、接近が困難な場所でも検査可能。
④自動抽出は作業員の能力に依存せず、経年変化の確認に利用できる。
⑤画像情報も得られるので、凍害等の劣化も確認できる。
2015/10/15
画像からのクラック自動抽出
オリジナルソフトを使用、抽出処理時間約30秒。(2400万画素画像1枚当たり)
ガウス型ラプラシアンフィルター
2値画像に変換
汚れとクラックの分離。(画像輪郭の先鋭化)
クラックと思われるすべてのデータ作成。
孤立点除去
連続しない点はクラックではないので除去。
膨張・収縮
断続する線がつながればクラックとし、それ以外は除去。
ベクターデータ変換
クラックを線分のデータ形式に変換し、終了。
※上記の各段階で変換の閾値等を選択して試行し、結果を見て最適値を選べば、あとは自動処理。
クラック自動抽出の原則
①カメラの1画素(ピクセル)を設定精度に合わせて撮影する。
<0.2mm精度の場合>
使用カメラNikon D7100/2410万画素→6,000×4,000ピクセル
撮影範囲→6,000×0.2mm、4,000×0.2mm=1.2m×0.8m
デジタルカメラ
画素
抽出精度
撮影範囲
データサイズ
1620万画素
4928×3280
0.2mm
0.98m×0.65m
7.9MB
2410万画素
6000×4000
0.2mm
1.2m×0.8m
12MB
3680万画素
7360×4912
0.2mm
1.47m×0.98m
16.3MB
設定精度
幅別区分
色別表示
クラック長さ集計
0.1mm
0.1, 0.2, 0.3, 0.4, 0.5mm以上
任意の5色
0.1mm単位
0.2mm
0.2, 0.4, 0.6, 0.8, 1.0mm以上
〃
0.2mm単位
0.3mm
0.3, 0.6, 0.9, 1.2, 1.5mm以上
〃
0.3mm単位
②レーザーポインターで撮影範囲を指定して撮影する。
撮影計画
大阪府のコンクリート斜張橋での撮影計画。(アナログカメラ使用。)
約97m
上の図で、赤い四角がコンクリート製の主塔。
主塔各面を撮影する位置を8点選出した。
2015/10/15
撮影距離:約70m
Nikon F4, 800mm/ f5.6
テレコンバーター
撮影距離、仰角による歪
撮影距離
2410万画素カメラ
レンズ
精度0.1mm
精度
精度0.2mm
精度
精度0.3mm
精度
精度0.4mm
精度
200mm
3.3m
6.7m
10.0m
13.3m
300mm
5.0m
10.0m
15.0m
20.0m
400mm
6.7m
13.3m
20.0m
26.7m
500mm
8.3m
16.7m
25.0m
33.3m
600mm
10.0m
20.0m
30.0m
40.0m
800mm
13.3m
26.7m
40.0m
53.3m
水平距離
10m
m
高さ
カメラからの高さ
仰角
見かけ圧縮度
10m
8.5m
40.36
0.76
9m
7.5m
36.87
0.80
8m
6.5m
33.02
0.84
7m
5.5m
28.81
0.88
6m
4.5m
24.23
0.912
5m
3.5m
19.29
0.94
4m
2.5m
14.03
0.97
3m
1.5m
8.53
0.989
2m
0.5m
2.86
0.999
撮影距離:
撮影する対象物との距離は、
抽出精度と使用するレンズに
よって変わるので
現地の状況に合わせて
適宜選定する。
なおレンズ歪の問題から、
レンズは標準以上の
焦点距離を選ぶ。
仰角による歪:
撮影する角度によって、
見かけ上対象物は垂直方向に
圧縮されるので、
仰角は小さいほうがよいが、
必要に応じて補正すればよい。
(表では三脚上のカメラ高さを1.5
(表では三脚上のカメラ高さを1.5m
1.5m
としている。)
適用例
国土交通省技術公募
テーマ:「コンクリートのひび割れを遠方より検出できる技術」
2015/10/15
点検対象
点検対象
分類
全長
高さ
型枠ピッチ
コンクリート擁壁
コンクリート擁壁
重力式
15.3m
15.3m
3.47m3.47m-5.14m
0.9m
クラック抽出精度
デジタルカメラ
画素
抽出精度
撮影範囲
データサイズ
1620万画素
4928×3280
0.2mm
0.98m×0.65m
7.9MB
2410万画素
6000×4000
0.2mm
1.2m×0.8m
12MB
3680万画素
7360×4912
0.2mm
1.47m×0.98m
16.3MB
2015/10/15
今回適用
撮影方法
・撮影範囲:1.2m×0.8m (6000×4000px)
・撮影距離:約20m
・撮影方法:上から下(0.1mのオーバーラップ)
端まで取り終えると、横方向に移動
・撮影位置:レーザーポインターで指定
撮影使用機材の詳細
・カメラ:Nikon D7100
・レンズ:AF-S VR Nikkor
70-300mm
・高輝度グリーンレーザー 1台
※撮影距離:約20m。
2015/10/15
業務フローと成果物
擁壁撮影
画像データ整理
クラック自動抽出
クラック幅、長さの整理
成果品作成、報告書作成
2015/10/15
結果の通知
・設置:8分
・作業:45分
・撤去:3分
(いずれも2人)
・発見率:100%
(当社通知。公表内容は異なる。)
※全結果については
NETISホームページの
NETISホームページの
維持補修サイトで公表中。
(発見率数値は未公表)
2015/10/15
※当社への通知表より。
成果物の例(アスファルト舗装面)
画像からのクラック自動抽出
②クラック抽出
①撮影画像
ソフトでの処理によって、クラックの幅が色別に表示される。
またクラック長さも、幅別に0.2
またクラック長さも、幅別に0.2mm
0.2mm単位で計測される。
mm単位で計測される。
拡大
FOCUS-T
Fine Optical Crack Survey System for Tunnel
トンネル覆工コンクリート調査システム
2015/10/15
適用例
国土交通省技術公募
テーマ:「道路トンネルの覆工コンクリートのうき・はく離を検知する新技術」
新技術名:画像から自動抽出したクラック分析による浮き・剥離の検知
調査状況
カメラ
施行箇所
延長
試行
工法
完成
トンネル①
875m
252m
NATM
1991年
トンネル②
621.5m
252m
在来工法
1978年
実施協力:日之出産業株式会社
2015/10/15
業務フロー
トンネル内面撮影
・撮影枚数:10,080枚
・画像総容量:約161.3GB
縮小画像作成
画像データ整理
クラック自動抽出
写真接合
クラックデータと画像の統合
浮きとはく離箇所の検討、特定
成果品作成、報告書作成
青線 : 0.2-0.4mm幅クラック
黄線 : 0.4-0.6mm幅クラック
赤線の囲み:浮きの箇所
撮影方法
①抽出精度を「0.2mm」として撮影する。
Nikon D7100/2410万画素→6,000×4,000ピクセル
撮影範囲→6,000×0.2mm、4,000×0.2mm=1.2m×0.8m/1ピクセル:0.2mm
デジタルカメラ
画素
抽出精度
撮影範囲
データサイズ
1620万画素
4928×3280
0.2mm
0.98m×0.65m
7.9MB
2410万画素
6000×4000
0.2mm
1.2m×0.8m
12MB
3680万画素
7360×4912
0.2mm
1.47m×0.98m
16.3MB
今回適用
②精度を確保するためにレーザーポインターを使用し、静止状態で撮影する。
・①の撮影範囲をレーザーポインターで照射して撮影する。
・走行しながらの撮影では、時速30kmで1秒間に約8.3m進むため、1/5000秒のシャッ
ターでも、約1.66mmの移動が発生し、抽出精度が保てないため、当社の方式では静止状
態で撮影を行う。
今回のトンネル試行では、15台のカメラで全周を撮影、70cm進んで停止して撮影というパ
ターンを繰り返し、撮影速度は1時間に50~70mである。
(照明4基44万ルーメン、ASA感度3200、絞りF8以上、シャッター速度1/500秒以上)
クラック抽出精度について
デジタルカメラ
画素
抽出精度
撮影範囲
データサイズ
1620万画素
4928×3280
0.2mm
0.98m×0.65m
7.9MB
2410万画素
6000×4000
0.2mm
1.2m×0.8m
12MB
3680万画素
7360×4912
0.2mm
1.47m×0.98m
16.3MB
今回適用
デジタルカメラの配置
・15台のカメラを扇状に配置し、187.5度の範囲を1回で撮影、2台のノートPCで制御する。
・カメラの位置決定にレーザーポインターを使用する。
レーザーポインター
ノートPC : Core-i7,3.2GHz ,RAM/16GB
撮影使用機材の詳細
・カメラ:Nikon D7100 15台
・レンズ:AF-S VR Zoom Nikkor 70-300mm 15台
・高輝度グリーンレーザー 32台
※上記を専用の架台に設置して搭載。(右写真)
照明用機材の詳細
・バルーン投光器 4台(1台当たり11万ルーメン)
・投光器用発電機 4台
カメラ装置
バルーン投光器
バルーン投光器
・撮影速度:50~70m/h
・車線規制:1車線のみ。(走行は片道1回)
画像からの浮きの検知
※浮きの検出条件
①画像から抽出したクラックが閉じているか、もしくは狭い角度で分岐(交差)している。
②①で選定した部分の画像で、クラックの内側と外側に段差による影がある。
→上記2点を満たす場合は浮きと判定する。
影ができる
影ができる
画像からの剥離の検知
※はくりの検出条件
①基本的に「浮き」が剥離に進展すると考えられるので、「浮き」の条件に当てはまる個所を選定する。
②その部分の画像から直接「剥離」を確認する。
※試行の結果から、目視に比べても見落としなく十分な精度で確認できる。
2015/10/15
公表評価
一部抜粋(全文は「NETIS 新技術情報提供システム」でご確認いただけます)
2015/10/15