平成 27 年度 中高理科教員研修 - 科学教育センター

平成 27 年度 中高理科教員研修 「授業に活用しよう‐テーマを選んで体験できる研究現場の科学実験」(主催:大阪教育大学科学教育センター) 「リフレッシュ理科教室‐現代テクノロジー講座」(主催:応用物理学会関西支部、大阪教育大学科学教育センター) 応募要領 ○ 日時 「授業に活用しよう‐テーマを選んで体験できる研究現場の科学実験」 平成 27 年 12 月 5 日(土)9 時 45 分~15 時 30 分、12 月 12 日(土)9 時 45 分~12 時 30 分 「リフレッシュ理科教室― 現代テクノロジー講座」 平成 27 年 12 月 12 日(土)13 時 30 分~17 時 20 分 ○ 場所 12 月 5 日(土)大阪教育大学柏原キャンパス・教員養成課程棟C2-202 講義室、他 (近鉄大阪線大阪教育大学駅前より徒歩約 15 分) 12 月 12 日(土)大阪教育大学天王寺キャンパス・西館 2 階第 3 講義室、3 階実験室、他 (JR 天王寺駅・地下鉄天王寺駅・近鉄阿部野橋駅より徒歩約 10 分、JR 寺田町駅より徒歩約 7 分) ○ 募集対象 大阪府下、兵庫県下他の中学校、高等学校、支援学校の理科教員 ○ 募集定員 12 月 5 日(土):40 名 12 月 12 日(土):午前 20 名、午後 30 名 (めやす、先着順) ○ 参加費 無料 (ただし掛捨て保険料一人 1 日 30 円程度を当日徴収させて頂きます。) ○ プログラム 【12 月 5 日(土)(柏原キャンパス)】「授業に活用しよう‐テーマを選んで体験できる研究現場の科学実験」 受付 9:15より集合場所にて 集合 9:45 柏原キャンパス教員養成課程棟C2-202 講義室 一回目研修 10:00~12:00-12:30 (テーマ毎に終了時間が若干異なります) 昼食休憩 二回目研修 13:00~15:00-15:30 (テーマ毎に終了時間が若干異なります) ※意見交換会 15:45~17:45 (自由参加、参加費 200 円(茶菓子代)) 【12 月 12 日(土)(天王寺キャンパス)】 午前「授業に活用しよう‐テーマを選んで体験できる研究現場の科学実験」 受付開始 9:15より集合場所にて 集合 9:45 天王寺キャンパス西館 2 階第 3 講義室 研修 10:00~12:00-12:30 (テーマ毎に終了時間が若干異なります) 午後「リフレッシュ理科教室― 現代テクノロジー講座」 受付開始 13:00より集合場所にて 集合 13:30 天王寺キャンパス西館 2 階第 3 講義室 講演 13:40~14:45、 14:55~16:00 実験講座 16:10~17:20 ※意見交換会 17:30~19:00 (自由参加、無料) 1
○ 申込方法 ・申込先:[Email] [email protected]、 [FAX(最終頁の申込用紙にて)] 072-978-3554 [電話]072-978-3402 ※ウェブサイト http://cse.osaka-kyoiku.ac.jp に申込フォームを用意しますのでそちらもご利用下さい。 ・12 月 5 日(土)、12 日(土)両日、どちらか一日、午前・午後のみの申し込み、いずれも可です。 ・申込期限:12 月 5 日(土)実施分は 11 月 24 日(火)、12 月 12 日(土)実施分は 12 月 7 日(月)。 ※締め切り前でも定員を越え次第募集を打ち切らせて頂きます。 ・「授業に活用しよう‐テーマを選んで体験できる研究現場の科学実験」: 12 月 5 日(土)は午前午後 2 テーマ、12 月 12 日(土)は午前に 1 テーマを受講します。申込時には ご希望テーマを、5 日開講分は第 4 希望まで、12 日開講分は第 2 希望までお知らせ下さい。選択テーマ 番号は、この書類の番号でお申し込み下さい。先着順にこちらで調整し、受講決定テーマを折り返しご 連絡します。※講習会に使用する各テーマのテキスト、およびテーマごとの申し込み状況を、順次セン ターのサイトに掲載いたしますのでご活用下さい。 サイト URL: http://cse.osaka-kyoiku.ac.jp ・「リフレッシュ理科教室― 現代テクノロジー講座」: 12 月 12 日(土)午後に、講演 2 つと実験1つを全員が受講します。先着順にお受付します。 講演、テーマの内容はこの書類の説明、およびセンターウェブサイトをご覧下さい。 ・お申込にはセンターより受付の返信をいたします。二、三日中に返信が届かない場合はお手数ですが 再送信いただくか、または 072-978-3402 までお電話頂きますよう様お願いいたします。 ※ご質問、お問い合わせは大阪教育大学科学教育センター・安積まで E-mail [email protected] TEL 072-978-3402 URL http://cse.osaka-kyoiku.ac.jp 2
【柏原キャンパスの地図】
C2 棟 2 階 202 講義室。
C1 棟 1 階入口よりお入り下さい。
近鉄大阪線 大阪教育大学駅
前より徒歩約 15
分(バスは土曜運
休です)
【天王寺キャンパス付近の地図】 3
平成 27 年度 中高理科教員研修 「授業に活用しよう‐テーマを選んで体験できる研究現場の科学実験 」テーマ一覧 (「リフレッシュ理科教室― 現代テクノロジー講座」の詳細は ページにあります) 12 月 5 日(土) 柏原キャンパス(20 テーマ) 1 液体窒素を用いた様々な演示実験 神鳥和彦 2 半導体の発光 中田博保 3 サイクリック・ボルタンメトリーによる金属錯体の酸化還元特性 横井邦彦 4 比色定量法による河川中のリン酸イオン濃度測定 久保埜公二 5 色調と化学 (新テーマ) 種田将嗣 6 光学異性体と旋光度 ~香料から液晶テレビまで~ 堀 一繫 7 フェノールフタレインとラインマーカに使用されている 色素の簡便な合成 谷 敬太 8 植物油脂の水素添加と酸化重合 安積典子 9 植物性食品に含まれるでんぷんの分別定量 井奥加奈 10 草木染めの実際と教材化 任田康夫 11 光合成色素から光合成生物の系統を探る-TLC を活用して(午前のみ開講) 畦 浩二 1 2 コ ム ギ の 進 化 教 材 の 作 製 向 井 康 比 己 13 プロイディアナライザーを用いた倍数性の検出 岡崎純子 1 4 共 焦 点 レ ー ザ ー 顕 微 鏡 に よ る 3 次 元 画 像 の 観 察 広 谷 博 史 15 きのこに含まれる酵素の検出 (新テーマ) 川村三志夫 16 PCRによる DNA の増幅 鵜沢武俊 17 シークエンサーによる DNA 塩基配列の決定 (午前のみ開講) 鈴木 剛 18 ダイヤモンドダストと雲を作る実験 小西啓之 19 音を見る (新テーマ)
(午前のみ開講) 垣本 徹 20 太陽撮像の方法と太陽周縁減光および太陽コロナの輝度分布測定(午後のみ開講) 福江 純 12 月 12 日(土) 天王寺キャンパス(4 テーマ) 21 走査型電子顕微鏡を用いた生物試料の観察 出野卓也 22 簡易法による DNA の抽出実験 秋吉博之 23 地震発生のシュミレーションモデルと教材化 岡本義雄 24 酵素免疫測定法入門 ~抗体・抗原反応の応用~ 片桐昌直 4
研修テーマの内容説明 12 月 5 日(土) 柏原キャンパス(20 テーマ) 1 液体窒素を用いた様々な演示実験 神鳥和彦 マイナス 196 度の液体窒素を用いて、様々な物質の状態変化に関する演示実験や、さらに気体や液体といっ
た物質の状態変化に関する演示実験について実習します。この実験を通じて、生徒に対しよりインパクトのある
授業の創成を図る事を目的とします。水が氷に変化するのは発熱反応であること、気体は温度によって大きく体
積を変化させること、気体はさらに冷やすと液体状態になること、空気を冷やすと液体空気となり酸素も液体に
なること、ニクロム線を液体窒素で冷やすと電気伝導度が上がることを学び、これらの知識を授業に反映させる
ことができます。 2 半導体の発光 中田博保 発光ダイオード(LED)として用いられる半導体の発光現象を調べます。市販の発光ダイオードのスペクト
ルを測定するとともに、多孔質シリコンや窒化ガリウムに紫外線レーザを照射して発光を観測します。観測を通
して、物質と光の相互作用の一例について学び、広く用いられている発光ダイオードの原理についても学習しま
す。光が示す多くの性質の内で重要な現象である発光についての理解を深め、また基本的な光学部品である鏡や
レンズの使用の練習にもなります。 3 サイクリック・ボルタンメトリーによる金属錯体の酸化還元特性 横井邦彦 鉄(II)イオン錯体の酸化還元反応の進みやすさが、配位子の種類に応じて変化することを実験によって確か
めます。鉄(II)イオンが o-フェナントロリンと錯体を生成した場合とシアン化物イオンと錯体を生成した場合で、
炭素電極上での酸化還元反応がどの様に進行するのかを実験で確かめます。標準酸化還元電位が配位子の種類に
応じて変化することを実験的に認識します。鉄(II)イオンが同じでも、結合する配位子が変われば酸化還元特性
が変わることが見られる良い実験例です。高等学校の教科書ではイオン傾向として定性的に記されている内容で
すが、酸化還元電位としてとらえれば定量的な意味があらわれることを知ることのできる内容です。イオン化傾
向で「鉄」と言えば酸化還元反応の進みやすさが変化しないように思いがちですが、共存する配位子に応じて酸
化還元反応の進みやすさが理解できる好例です。 4 比色定量法による河川中のリン酸イオン濃度測定 久保埜公二 大学周辺の河川水中のリン酸イオンの濃度を比色法、並びに光度法により測定し、国が定める環境基準値と
比較することで、人間の活動と地球環境とのかかわりについて考察します。比色法は簡便な方法であり、目で見
て対象となる成分の量を判断することができることから、演示実験として複数の河川水のリン酸イオン量を簡単
に比較することができます。これによって生徒の環境保全に関する興味や知識を広げることができます。また、
濃度測定に関する実験は滴定法が一般的ですが、比色定量法は滴定法以外の方法として教材開発に応用可能です。
なお、学校やご自宅近隣の河川水(100 mL 程度)をペットボトル等に入れてお持ちいただければ、その中のリン
酸イオンの濃度を測定することができます。 5 色調と化学 (新テーマ) 種田将嗣 化学実験で印象深いものの一つに、色調変化を伴う実験が挙げられます。無色の溶液が赤に変化したりする
様子は、子供の記憶に残りやすいものです。ところで、そもそも溶液が無色であったり赤色であったりするのは、
どういう現象なのでしょうか?実際の実験手法を確認しつつ、色というものを化学の観点から考えてみましょう。 5
6 光学異性体と旋光度 ~香料から液晶テレビまで~ 堀 一繁 高校化学の学習内容である「光学異性体」の基本的性質を、旋光計・パソコン・分子模型・融点測定器を用
いて視覚的に理解できるように実習し、「光学異性体」が医薬品・香料・食品添加物などの身近な物質だけでは
なく、現代社会を支えるハイテク素材にも応用されていることを理解します。本テーマは、高校化学の学習内容
である「光学異性体」の性質について、学校現場で比較的容易に手に入る、砂糖・メントール・リモネン・偏光
板・液晶シート・ノートパソコンなどの液晶モニターを用いて実習を行うテーマです。これにより、授業内容を
視覚的に理解させることができると同時に、授業内容と現代社会での応用との繋がりに関しても講義できます。
このことは、近年問題となっている学生の理科離れ対策の一助となることも期待できます。 7 フェノールフタレインとラインマーカに使用されている色素の簡便な合成 谷 敬太 無水フタル酸とフェノール類から、酸塩基指示薬で有名なフェノールフタレインやラインマーカに使用され
ている黄緑色の蛍光色素を合成します。表題化合物の合成を通じて、基本的な実験器具の取扱いと実験操作につ
いても説明します。本実験で行う溶液の色の変化を通して化学に対する理解を深めるとともに科学的な考え方を
養います。合成に使用する器具は試験管、試験管はさみ、ガラス棒、目安ピペット、ロート、ろ紙、メスシリン
ダーとアルコールランプだけなので、理科室で十分に生徒が実験することができます。この実験は劇的な色の変
化に大学生でも興味を示すほどなので、中学生や高校生にとってはより一層強く印象に残る実験と言えます。 8 植物油脂の水素添加と酸化重合 安積典子 天然物由来の油脂は、食品、化粧品、塗料など、用途に合わせてさまざまに改質、加工されます。この研修
では、植物油に多く含まれる不飽和脂肪酸の二重結合に水素を添加して、マーガリンのように硬化させる実験を
行います。添加された水素の量をガスビュレット法で測定し、二重結合が還元された度合いを調べます。並行し
て、酸素添加により油脂を重合させ、塗料の被膜のような硬化膜を作る実験も行います。 9 植物性食品に含まれるでんぷんの分別定量 井奥加奈 でんぷんには大きく分けてアミロースとアミロペクチンがあります。ヨウ素でんぷん反応において、化学構
造の違いによりアミロースとアミロペクチンの発色が異なることを利用して、機器分析によりアミロース含有量
を求めてみましょう。アミロース含有量が異なることで、食品の品質や特性にどんな違いが出るのか、もコメを
例にとって考えてみたいと思います。 10 草木染めの実際と教材化 任田康夫 タマネギ、および蘇芳を用いて、布(大型ハンカチ)、紙(障子紙、濾紙)に草木染めを行います。また、
タンニン酸と塩化第一鉄によりブルーブラックインクを作り、インクとして使用できることを確かめます。草木
染めの媒染剤の役割とブルーブラックインクの塩化第一鉄の役割が類似したものであることを実験的に認識し
ます。本格的な布への草木染は時間がかかりますが、使用した紅茶ティーパックの包み紙は、薄い塩化鉄(Ⅲ)
溶液で明瞭に発色します。また、あらかじめタマネギやログウッドに浸しておいた障子紙は、薄い媒染液に浸す
だけで簡単に発色し染色模様を作れます。これらは草木染めにおける媒染剤の効果を現場の教室で簡単に演示で
きる一つの方法です。 11 光合成色素から光合成生物の系統を探る-TLC を活用して(午前のみ開講) 畦 浩二 光合成生物の細胞内に含まれる光合成色素の種類は、これらの生物の系統を知るうえで重要な手がかりとな
ります。そこで、光合成生物 5 種類:緑色植物・緑藻類・褐藻類・紅藻類・藍藻類について、その光合成色素を
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TLC で定性分析することを通して、これらの生物の系統関係を考察していきます。中学校や高等学校での探究活
動にも活用できる内容です。 12 コムギの進化教材の作製 向井康比己 「生物の進化」を実験的に検証することは困難であり、教材としても適切なものが少ないようです。写真等
の教材はあるものの、生徒が直に見たり、さわったりできる標本の入手は難しいです。コムギは各種系統が揃っ
ており、ゲノム、倍数性、進化を理解するのに格好な教材です。本研修では、コムギの進化の道筋がわかる植物
の穂の乾燥標本をもちいて、教材用のパネルを作ります。2、4、6倍体を比較することで倍数化の重要性を、
野生種と栽培種を比較することで栽培化の意味を知ることができます。また、パンやうどんをつくるパンコムギ
はパスタ用のコムギとタルホコムギから進化してできたことを実験で証明できることを解説します。 13 プロイディアナライザーを用いた倍数性の検出 岡崎純子 植物には倍数体形成による種の分化が知られています。染色体数のカウントは数の少ないものだと比較的容
易ですが基本数の多いものなどはプレパラート作成が難しく、また栽培して発根させるのも容易ではありません。
このような倍数性の検出には葉を材料として倍数性を検出できるフローサイトメータのひとつであるプロイデ
ィアナライザーが有効です、本実験では栽培タバコの2倍体種と倍数体種の葉を用い核 DNA 量の定量から倍数性
の検出実験を行います。 14 共焦点レーザー顕微鏡による3次元画像の観察 広谷博史 花粉管の伸長の様子を、共焦点レーザー顕微鏡によって3次元画像を撮影して観察します。 15 きのこに含まれる酵素の検出 (新テーマ) 川村三志夫 生物の体では様々な酵素が働いています。この実験では、身近な生物材料としてマイタケを取り上げます。
マイタケに含まれるプロテアーゼや β-グルコシダーゼなど、複数の酵素を検出してみましょう。 16 PCRによるDNAの増幅 鵜沢武俊 PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法とは、DNAポリメラーゼと言う酵素を用いて連鎖反応的にDNAを増
幅させる方法であり、その開発は生命科学の幅広い分野に大きな影響を与えました。本研修では、最近本学に導
入されたDNA観察システムを用いて、その実際を体験します。 17 シークエンサーによる DNA 塩基配列の決定 (午前のみ開講) 鈴木 剛 DNA の塩基配列(アデニン, A; グアニン, G; シトシン, C; チミン, T)の並びをシークエンサーを使用し
て決定します。材料には植物の DNA をベクターに組み込んで大腸菌にクローニングしたものを利用します。当日
は、サンガー法(ジデオキシ法)により反応させながら蛍光を取り込ませたサンプルを、シークエンサーという
機械にかけます。シークエンサーではサンプルを電気泳動しながら 1 塩基ずつの並びを蛍光検出により明らかに
できます。受講者は先端のテクノロジーに触れつつ「DNA 配列はどのようにして決定するのか」を体験でき、ゲ
ノム時代の塩基配列決定がサンガー法と蛍光自動シークエンサーにより行われてきた背景を理解し、授業に役立
てることができます。 18 ダイヤモンドダストと雲を作る実験 小西啓之 雲粒やダイヤモンドダスト(氷晶)の発生および成長など降水形成過程を理解するために、簡単な実験装置
を用いた水の蒸発、水の凝結・凍結、水蒸気の昇華凝結など水の相変化を示す実験を行います。これらの水の相
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変化の過程は、見た目の状態の変化だけでなく同時に熱のやりとりもあることを実験から学び、降水過程が地球
の熱循環にも大きな影響を与えていることを学びます。実験はこれまで出前授業や出張授業でも行い、児童や生
徒が興味を持つ内容です。使用する実験器具は、既に学校にある器具やホームセンターなどで安価で購入できる
物品からできていますので、各学校で容易に使うことが出来ます。 19 音を見る (新テーマ) (午前のみ開講) 垣本 徹 音波をマイクで検出してオシロスコープで観察します。また音のパルスを用いて音の速さを測定してみます。 運動会のピストルを使ってグランドの端から音と電気の時間差を測定する、オシレータを使ってリサージュ波形
を書く、などのたのしい実験を予定しています。 20 太陽撮像の方法と太陽周縁減光および太陽コロナの輝度分布測定 (午後のみ開講) 福江 純 天文(地学)というと、望遠鏡+夜の星というイメージが強く、取り扱いが苦手な人が多いのですが、
昼間に見える太陽も重要な天体であり、研究的にも奥が深い天体です。まず最初に、手軽なデジタル一眼レ
フカメラで太陽を撮像する実習を行います。そして自分で撮像したデータを用いて(曇った場合は用意した
データを用いて)、太陽面の観察を行い、黒点や周縁減光を確かめます。さらに、データ処理ソフトを使っ
て、太陽周縁減光の明るさ分布などを測定します。また皆既日食時の太陽コロナのデータを用いて、太陽コ
ロナの輝度分布を計測します。 12 月 12 日(土) 天王寺キャンパス(4テーマ) 21 走査型電子顕微鏡を用いた生物試料の観察 出野卓也 走査型電子顕微(SEM)で撮影された写真は教科書や資料集でしばしば取り上げられていますが、光学顕微
鏡と違って SEM は中高の教育現場にほとんど普及していません。そこで、こちらで用意した生物試料、あるいは
受講生が観察を希望する試料をこちらで作製し、当日(SEM)を用いて実際に各自に観察してもらい、受講生の知
見を広げてもらいます。生徒に電子顕微鏡での観察を実際に体験してもらうのは一般に難しいですが、今回は昨
年暮れに導入された可搬型 SEM を用いますので、将来的には教室への出前 SEM も可能になると考えております。
なお、観察対象は生物試料以外でも可能です。 22 簡易法による DNA の抽出実験 秋吉博之 中学校学習指導要領解説理科編(平成 20 年 9 月)には「(略)遺伝子の本体が DNA という物質であることに
も触れる。」と示されました。本実験では,
「エタノール沈殿」による DNA の抽出実験を行います。これは DNA が
エタノールに対して溶解度が低いことを利用した方法です。DNA はリン酸に由来する負の電荷を持つため,お互
いに反発し沈殿ができにくいので,塩化ナトリウム等により DNA の電荷を中和した後,エタノールを加えて沈殿
させます。ブロッコリーの花芽,バナナ,魚の白子等は細胞数が多く,DNA を多く含んでいます。これらをすり
つぶして細胞をばらばらにします。これに中性洗剤を加えると,中性洗剤に含まれる界面活性剤の作用により,
細胞膜や核膜の脂質は破壊され,細胞の核内に含まれる DNA が抽出できます。抽出した DNA は,エタノールに対
して溶解度が低いので,境界面で白く濁って現れます。 23 地震発生のシュミレーションモデルと教材化 岡本義雄 大きな地震はめったに生じませんが、小さな地震は日々数多く生じます。地震のサイズと個数分布のこのき れいな関係は Gutenberg-Richter 則と呼ばれており、地域や時間によらず成立している不思議な経験則です。こ れが、最近では自然界における「べき乗則」の発端になった現象として注目されています。この関係を説明しよ 8
うとした格子モデルの1種である「碁石モデル」
(大塚、1971)、
「砂山モデル」
(Bak ほか、1987),そして「バネ -ブロックモデル」(Burridge & Knopoff,1967)などについて、教材化したゲームやアナログモデルを高校で の実習教材として紹介し、実際に体験していただきます。またこれらのモデルからなぜ地震予測の困難性が出て くるのかを考えます。時間があれば発展として、「べき乗則」の身近な様々な例について簡単に触れます。 2 4 酵 素 免 疫 測 定 法 入 門 ~ 抗 体 ・ 抗 原 反 応 の 応 用 ~ 片 桐 昌 直 酵素免疫測定法(EIA)とは、抗原抗体反応の特異性や親和性の高さを利用して、病原体を含むタンパク
質の微量定量を行う方法で、臨床検査で実際に使われている測定方法です。さらに近年では農薬や金属などの低
分子の検出が出来る様になり、環境測定分野でも使われています。この測定法方は、上述の様に抗原抗体反応を
利用しているため、逆に抗体というタンパク質や抗原抗体反応の理解にも役立つ方法となっています。そこで今
回の実験講習は、バイオラッド社のEIAキット(生徒用に開発されたもの)を用いて、この測定法の原理およ
び抗原抗体反応の理解を深めて頂く予定です。 9
12 月 12 日(土) 「リフレッシュ理科教室‐現代テクノロジー講座」講演、実験テーマ説明 講演1 13:40~14:45 「太陽電池-基礎から最新技術まで-」 三菱電機株式会社 時岡秀忠氏 講演2 14:55~16:00 「家庭用燃料電池の開発」 パナソニック株式会社 伊藤靖彦氏 実験講座 16:10~17:20、 「色素増感太陽電池」 大阪教育大学 辻岡 強 17 時 30 分より学内にて意見交換会を開催します。お時間のある方は是非ご参加下さい(無料)。 10
平成 27 度 中高理科教員研修 「授業に活用しよう‐テーマを選んで体験できる研究現場の科学実験」 「リフレッシュ理科教室‐現代テクノロジー講座」 参加申込用紙 (該当する□にチェックをお願いします。折り返し本用紙にて受付をお知らせいたします。) 申込日 平成 27 年 月 日 ご氏名 ご勤務校 ご連絡先 FAX 電話 Email □ 12 月 5 日(土)のプログラム参加希望 □1日 □午前のみ □午後のみ □意見交換会 希望テーマ番号とタイトル(応募要領の番号でお申込み下さい) 第 1 希望 第 2 希望 第 3 希望 第 4 希望 □ 12 月 12 日(土)午前のプログラム参加希望 希望テーマ番号とタイトル(応募要領の番号でお申込み下さい) 第 1 希望 第 2 希望 □ 12 月 12 日(土)午後のプログラム参加希望 □ 12 月 12 日(土)意見交換会参加希望 様 平成 27 年度 中高理科教員研修のご参加を以下の通りお受付いたしました。 □ 12 月 5 日(土) □午前 受講テーマ: □午後 受講テーマ: □意見交換会 □ 12 月 12 日(土) □午前 受講テーマ: □午後 □意見交換会 (事前のキャンセル、希望テーマの変更等は、お早めに下記までご連絡頂きますようお願いいたします。) 平成 27 年 月 日 大阪教育大学科学教育センター Tel:072-978-3402 E-mail:[email protected]