大分県杵築市城下町における空き地・空き家の発生メカニズムに関する研究

2015/2/19 修論発表
大分県杵築市城下町地区における
空き地・空き家の発生メカニズムに関する研究
大分大学大学院 建築・都市計画研究室
修士2年 中島 範子
1.研究の背景と目的
近年,少子高齢化・人口減少に伴い,空き地・空き家が増加
全国の約7割の市町村で管理等の問題があげられている(平成20年度国土交通省)
全国的な問題として顕在化
伝統的な建造物が多く残存する地域
においても例外ではない
1.研究の背景と目的
≪大分県杵築市城下町地区≫
城下町の歴史的景観を活かした個性豊かなまちづくり
1981年~2007年
自動車と歩行者が錯綜して危険であったことから
町家が立ち並ぶ商店街を形成する都市計画道路の拡幅
整備前
整備後
1.研究の背景と目的
「杵築市旧町家地区地区計画」
1996年
商店街エリア5.3haの範囲で建築物等
の用途・意匠・高さ・壁面の位置等の制
限を行い、良好な住環境の形成と歴史
ある建造物の保存を図った
1.研究の背景と目的
「杵築市城下町地区地区計画」
2005年
旧町家地区を含む36.5haの範囲で、杵
築城下町にふさわしい景観の再生を
図っている
1.研究の背景と目的
一連の取り組みにより,地区の町並みは保全され,歩行空間はより安全なものに
一方で・・・
商業を営む住民は、店舗の立て替え等による生活空間の変化を強いられた
結果,空き店舗となった建物は空き地へと転換し,地区の大きな課題に・・・
1.研究の背景と目的
一連の取り組みにより,地区の町並みは保全され,歩行空間はより安全なものに
一方で・・・
杵築市城下町地区における
空き地・空き家の発生メカニズムの解明を行い,
今後空き地・空き家が発生・増加することを抑制するための
手がかりを得ると同時に,現在空き地・空き家となっている
土地の利活用の可能性についての手がかりを得ることを目
的とする
商業を営む住民は、店舗の立て替え等による生活空間の変化を強いられた。
結果,空き店舗となった建物は空き地へと転換し,地区の大きな課題に・・・
2.研究の方法
大分県杵築市城下町地区内の空き地・空き家を対象とする
現地調査
空き地・空き家の分布状況
空き地・空き家の現状
ヒアリング調査
発生時期
発生理由
管理状況
発生メカニズム
2.研究の方法
大分県杵築市城下町地区内の空き地・空き家を対象とする
現地調査
空き地・空き家の分布状況
空き地・空き家の現状
ヒアリング調査
発生時期
発生理由
管理状況
発生メカニズム
2.研究の方法
大分県杵築市城下町地区内の空き地・空き家を対象とする
現地調査
空き地・空き家の分布状況
空き地・空き家の現状
ヒアリング調査
発生時期
発生理由
管理状況
発生メカニズム
2.研究の方法
大分県杵築市城下町地区内の空き地・空き家を対象とする
現地調査
空き地・空き家の分布状況
空き地・空き家の現状
ヒアリング調査
発生時期
発生理由
管理状況
発生メカニズム
3.杵築市城下町地区の空き地・空き家の現状
城下町地区の空き地・空き家の分布状況と現状
を把握するために現地調査を行った
調査方法
○調査員の目視により,空き地・空き家を判断し,地図にプロット
○空き地9項目,空き家10項目の調査項目を調査票に記入
)
売
そ
却
の
郵
用 廃 他 不 便
の 屋 の 明 受
住
住
け
宅
宅
メ
タ
ー
賃
貸
用
の
住
宅
ー
二
次
的
住
宅
空き家判断項目
草
木
の
管
理
修
繕
共
階
必 表
住 同
数
要 札
宅 住
箇
宅
所
ン
ス
溝
そ
な
の
し
他
かつての建物用途
ブ
ロ
ク
フ
ェ
ァ
空き家種類
ク
フ
敷地境界線
ッ
前
敷 間 面
行
地 口 道
政
面 長 路
区
積 さ 幅
員
ブ
ロ
ェ
空
き
家
調
査
項
目
隣地境界線
ッ
土地の利用
舗装
敷地内の状態
前
ア
草 住
敷 間 面
行
ス
木 宅
地 口 道
駐 未 そ
そ
工 そ
政
基
花
フ 砂
砂 草
面 長 路 畑
車 利 の
土
の
作 の
区
壇
利
地 地
雑 礎
積 さ 幅
場 用 他
他
物 他
ル
草 残
員
ト
存
(
空
き
地
調
査
項
目
ン
ス
溝
そ
な
の
し
他
建物種類
旅
小
店 単 住 複
小
館 娯
飲 事
学 神
規 そ
舗 独 居 数
売
・ 楽
病
食 務
校 社
模 の
階 店 併 店
商
ホ 施
院
店 所
他 他
工 他
店
テ 設
舗 用 舗
場
ル
店
舗
の
み
3.杵築市城下町地区の空き地・空き家の現状
城下町地区の空き地・空き家の分布状況と現状
を把握するために現地調査を行った
調査方法
○調査員の目視により,空き地・空き家を判断し,地図にプロット
○空き地9項目,空き家10項目の調査項目を調査票に記入
土地の利用
修
繕
共
階
必 表
住 同
数
要 札
宅 住
箇
宅
所
ン
ス
溝
そ
な
の
し
他
かつての建物用途
ブ
ロ
ク
フ
ェ
タ
草
木
の
管
理
ク
フ
敷地境界線
ッ
メ
ブ
ロ
ェ
売
そ
却
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郵
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の 屋 の 明 受
住
住
け
宅
宅
隣地境界線
ッ
賃
貸
用
の
住
宅
草 住
木 宅
工 そ
基
作 の
雑 礎
物 他
草 残
存
)
二
次
的
住
宅
敷地内の状態
(
面
道
路
幅
員
ー
敷 間
行
地 口
政
面 長
区
積 さ
ー
空
き
家
調
査
項
目
行
政
区
前
土地の利用
舗装
前
ア
敷面間 面
ス
地道口 道
駐 未 そ
そ
駐
未
花
フ そ
砂
砂 草
面 長 路 畑花 車 利 の
土
の
壇
利
地 地
積路さ 畑
幅
場車用 他
他
利
ル の
員
壇
幅
場 用ト 他
空き家種類
空き家判断項目
員 前
ァ
空
き
地
調
査
項
目
ン
ス
溝
そ
な
の
し
他
建物種類
旅
小
店 単 住 複
小
館 娯
飲 事
学 神
規 そ
舗 独 居 数
売
・ 楽
病
食 務
校 社
模 の
階 店 併 店
商
ホ 施
院
店 所
他 他
工 他
店
テ 設
舗 用 舗
場
ル
店
舗
の
み
3.杵築市城下町地区の空き地・空き家の現状
城下町地区の空き地・空き家の分布状況と現状
を把握するために現地調査を行った
調査方法
○調査員の目視により,空き地・空き家を判断し,地図にプロット
○空き地9項目,空き家10項目の調査項目を調査票に記入
隣地境界線
かつての建物用途
共
階
住 同
数
宅 住
宅
ブ
ロ
ク
フ
ェ
ン
ス
溝
そ
な
の
し
他
敷地境界線
ッ
ク
フ
ェ
ブ
ロ
ッ
)
賃 売
そ
二
貸 却
の
空き家判断項目
次 空き家種類
他 不修
賃用
売 用そ 廃
二
草
的
貸 却
の
郵 メ
繕
次
木明
の
の
屋
の
用
用
廃
他
不
便
必 表
住
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の住
の 屋
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札
住住
住 管 要
住
住
住
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宅
宅
宅宅
宅 宅宅
宅 理 所
ー
敷
行
地
政
面
区
積
前
面
道前
間
路面
口 道
幅路
長
さ 幅
員員
(
空き家種類
ー
空
き
家
調
査
項
目
土地の利用
舗装
敷地内の状態
前
ア
草 住
敷 間 面
行
ス
木 宅
地 口 道
駐 未 そ
そ
工 そ
政
基
花
フ 砂
砂 草
面 長 路 畑
車 利 の
土
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作 の
区
壇
利
地 地
雑 礎
積 さ 幅
場 用 他
他
物 他
ル
草 残
員
ト
存
ァ
空
き
地
調
査
項
目
ン
ス
溝
そ
な
の
し
他
建物種類
旅
小
店 単 住 複
小
館 娯
飲 事
学 神
規 そ
舗 独 居 数
売
・ 楽
病
食 務
校 社
模 の
階 店 併 店
商
ホ 施
院
店 所
他 他
工 他
店
テ 設
舗 用 舗
場
ル
店
舗
の
み
3.杵築市城下町地区の空き地・空き家の現状
空き地・空き家分布状況
空き地・・・76件
空き家・・・43件
3.杵築市城下町地区の空き地・空き家の現状
空き地 土地の利用
土地の利用
45
40
40
35
30
27
25
20
15
10
8
4
5
0
畑
花壇
駐車場
未利用
半数以上の空き地が駐車場として利用されているが,およそ3割の空き
地は未利用であった。これより,利活用の可能性のある空き地が
およそ3割存在していると考えられる
3.杵築市城下町地区の空き地・空き家の現状
空き地 土地の利用
土地の利用
45
40
40
35
30
27
25
20
15
10
8
4
5
0
畑
花壇
駐車場
未利用
半数以上の空き地が駐車場として利用されているが,およそ3割の空き
地は未利用であった。これより,利活用の可能性のある空き地が
およそ3割存在していると考えられる
3.杵築市城下町地区の空き地・空き家の現状
空き家 種類
空家種類
30
26
25
20
15
9
10
6
5
0
0
2
二次的住宅 賃貸用の住宅 売却用の住宅
廃屋
その他の住宅
廃屋となっている空き家が9件,賃貸用または売却用とその他の
空き家は34件。地区内には利活用の可能性がある空き家
が多く存在していると考えられる
3.杵築市城下町地区の空き地・空き家の現状
空き家 種類
空家種類
30
26
25
20
15
9
10
6
5
0
0
2
二次的住宅 賃貸用の住宅 売却用の住宅
廃屋
その他の住宅
廃屋となっている空き家が9件,賃貸用または売却用とその他の
空き家は34件。地区内には利活用の可能性がある空き家
が多く存在していると考えられる
4.ヒアリング調査からみる空き地・空き家の現状
現地調査により確認された,空き地・空き家を対象に
ヒアリング調査を行う
調査方法
○所有者にヒアリングを行うことを基本とする
○「発生理由」と「今後の意向」については,所有者のみ回答
ヒ
調
ア
査
リ
項
ン
目
グ
ヒアリング
対象者
所有者
について
可
ヒ
能
周
所
そ
所
ア
氏
か
辺
有
の
在
リ
名
ど
住
者
他
地
ン
う
民
グ
か
直前の用途
旅
館
共 小
飲 事
住 同 売
・
食 務
宅 住 商
ホ
店 所
テ
宅 店
ル
小
娯
学 神
規
病
楽
校 社
模
院
施
他 他
工
設
場
日頃の
手入れ
発
生
管 管
そ 時 管
理 理
の 期 理
頻 内
他
者
度 容
仲介者について
仲
い介
なさ
いれ
て
今
発
後
所
生
周
そ 理 の
有 事
辺
の 由 意
者 業
住
向
他
本 者
民
人
4.ヒアリング調査からみる空き地・空き家の現状
現地調査により確認された,空き地・空き家を対象に
ヒアリング調査を行う
調査方法
○所有者にヒアリングを行うことを基本とする
○「発生理由」と「今後の意向」については,所有者のみ回答
ヒ
調
ア
査
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項
ン
目
グ
ヒアリング
対象者
所有者
について
可
ヒ
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周
所
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所
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共
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仲介者について
仲
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所
有 事
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人
4.ヒアリング調査からみる空き地・空き家の現状
空き地ヒアリング対象者
76件中35件で,約半数の所有者に
ヒアリングすることができた
ヒアリング対象者
40
35
35
35
30
25
20
15
10
5
5
0
所有者
空き家ヒアリング対象者
所有者にヒアリングできたのは43件
中9件であり,約2割であった
周辺住民
その他
ヒアリング対象者
30
26
25
20
15
10
9
5
5
0
所有者
周辺住民
その他
4.ヒアリング調査からみる空き地・空き家の現状
空き地発生理由
空き地発生理由
17
18
16
14
14
12
10
8
6
3
0
0
0
その他
0
固定資産税が増えるから
そのまま
0
撤去費用が捻出できない
0
賃貸借り手なし
0
他の収入もあるため
店を続ける必要がない
1
別荘として購入したまま
経営上の問題
後継者不足
1
売り出しているが買い手なし
0
一時的な転勤その後戻る
0
所有者の病気
所有者の高齢化
所有者の死亡
転居・
移転
道路拡幅
0
2
親から相続したまま
1
2
災害
4
3
内訳
○老朽化
(9件)
○空き地
(2件)
○不明
(6件)
その他が17 件で最も多く,その他の内訳は,老朽化(9 件),もとから空き地(2
件),不明(6 件)である。次いで道路拡幅が14件と多かった。これより,道路拡
幅事業が空き地の発生の大きな理由となっており,建物の老朽化も共通した発
生理由として挙げられる
4.ヒアリング調査からみる空き地・空き家の現状
空き家発生理由
空き家発生理由
4
3
2
1
1
1.5
1
0
0
その他
固定資産税が増えるから
そのまま
撤去費用が捻出できない
賃貸借り手なし
売り出しているが買い手なし
一時的な転勤その後戻る
経営上の問題
災害
親から相続したまま
別荘として購入したまま
他の収入もあるため
店を続ける必要がない
0
道路拡幅
転居・
移転
所有者の死亡
所有者の高齢化
所有者の病気
後継者不足
0
0
0
2
2
2
2
2.5
3
3
3.5
0
0
0
0.5
4
4.5
転居・移転が4 件で最も多く,次いで所有者の死亡,賃貸として売りに出している
が借り手がいないが3 件で多い結果となった。
4.ヒアリング調査からみる空き地・空き家の現状
空き地今後の意向
今後の利用について
20
19
18
15
16
14
12
10
7
8
5
6
4
2
このままの予定
希望があれば
売る予定
希望があれば
貸す予定
身内で使用予定
0
このままの予定と回答した人は5件にとどまっており,身内で利用が19 件,次い
で希望があれば売る予定が15 件で多かった。これより,賃貸や売買を含め,何
らかの利用を考えている所有者が多い傾向にあることがわかる
4.ヒアリング調査からみる空き地・空き家の現状
空き家今後の意向
今後の利用について
6
4
3
3
このままの予定
希望があれば
売る予定
希望があれば
貸す予定
身内で使用予定
7
6
5
4
3
2
1
0
希望があれば売る予定が6 件で最も多く,次いでこのままの予定
が4 件で多い結果となった
5.空き地・空き家の発生メカニズム
現地調査 ・ ヒアリング調査
空き地・空き家の発生に関係があると考えられる5項目
○「立地場所」
○「敷地面積」
○「空き地・空き家になる直前の用途」
○「空き地・空き家発生時期」
○「空き地・空き家発生理由」
空き地・空き家発生メカニズムに用いる指標
5項目は調査結果をもとにそれぞれカテゴライズする
5.空き地・空き家の発生メカニズム
「立地場所」
建物の特徴
土地の使われ方
札の辻
西新町
西上区
北台
天満区
仲町
エリア
谷町
南台
町家エリア
屋敷エリア
行政区
札の辻
西新町
西上区
天満区
仲町
谷町
南台
北台
5.空き地・空き家の発生メカニズム
「敷地面積」
対象
空き地
空き家
カテゴリー
1:~383.66㎡
2:~969.55㎡
3:~1952.43㎡
1:~76.19㎡
2:~194.84㎡
3:~466.63㎡
件数
53
18
5
20
16
7
敷地面積値をGISの地図上におとし,
自然分類(Jenks)でそれぞれを3つにわけた
5.空き地・空き家の発生メカニズム
「空き地になる直前の用途」
直前の用途選択肢
1.住宅
2.共同住宅
3.小売商店
4.飲食店
5.事務所
6.ホテル,旅館
7.娯楽施設
8.学校等
9.神社等
10.病院
11.小規模工場
12.その他
空き地になる直前の用途
カテゴリー
空き地数(件)
1:住宅
26
2:店舗
21
3:店舗併用住宅
5
4:空き地
11
5:その他
11
5つにわけた
5.空き地・空き家の発生メカニズム
「空き家になる直前の用途」
直前の用途選択肢
1.住宅
2.共同住宅
3.小売商店
4.飲食店
5.事務所
6.ホテル,旅館
7.娯楽施設
8.学校等
9.神社等
10.病院
11.小規模工場
12.その他
空き家になる直前の用途
カテゴリー
空き家数(件)
1:住宅
34
2:店舗
4
3:店舗併用住宅
2
4:その他
1
4つにわけた
5.空き地・空き家の発生メカニズム
「空き地の発生時期」
空き地発生時期
16
14
14
15
13
12
12
10
7
8
8
6
4
3
3
5
0
年
以
上
前
2
0
1
~
4
1
2
0
年
前
3
0
年
前
4
0
年
前
5
0
年
前
~
3
1
~
2
1
~
1
0
年
前
1
1
~
道
路
拡
幅
不
明
城下町地区で行われた道路拡幅工事
平成8~19年(18~7年前)
→道路拡幅と回答した空き地は
同一分類に
カテゴリー
1:1~20年
2:21~40年
3:41年以上前
空き地数(件)
41
14
7
20年ごとを区切りとし,
3つにわけた
5.空き地・空き家の発生メカニズム
「空き家の発生時期」
空き家発生時期
20
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
19
11
9
3
~
1
0
0
5
0
年
以
上
前
4
1
2
0
年
前
3
0
年
前
4
0
年
前
5
0
年
前
~
3
1
~
2
1
~
1
1
~
1
0
年
前
1
不
明
カテゴリー
1:1~10年
2:11~20年
3:21年以上前
空き家数(件)
18
10
4
全ての空き家が1~40年前に発生していることから,
10年ごとを区切りとし,3つにわけた
5.空き地・空き家の発生メカニズム
「空き地発生理由」
発生理由選択肢
1.道路拡幅
カテゴリー
空き地数(件)
2.転居・移転
14
A:道路拡幅
3.所有者の死亡
B:高齢化
5
4.所有者の高齢化
C:老朽化
10
5.所有者の病気
6.後継者不足
D:単純な転出
3
7.経営上の問題
11
E:その他
8.災害
9.親から相続したまま
5つにわけた
10.別荘として購入したまま
11.他も収入もあるため店を続ける必要がない
その他の内訳
12.一時的な転勤その後戻る
13.売り出しているが買い手なし
○老朽化(9 件)
14.賃貸借りてなし
○もとから空き地(2件)
15.撤去費用が捻出できない
○不明(6 件)
16.固定資産税が増えるからそのまま
17.その他
5.空き地・空き家の発生メカニズム
「空き家発生理由」
発生理由選択肢
1.道路拡幅
2.転居・移転
3.所有者の死亡
4.所有者の高齢化
5.所有者の病気
6.後継者不足
7.経営上の問題
8.災害
9.親から相続したまま
10.別荘として購入したまま
11.他も収入もあるため店を続ける必要がない
12.一時的な転勤その後戻る
13.売り出しているが買い手なし
14.賃貸借りてなし
15.撤去費用が捻出できない
16.固定資産税が増えるからそのまま
17.その他
カテゴリー
A:高齢化
B:老朽化
C:転出
D:その他
空き家数(件)
8
1
2
5
4つにわけた
その他の内訳
○老朽化(1件)
○住人の死亡(1 件)
5.空き地・空き家の発生メカニズム
空き地発生メカニズム指標
指標
エリア
敷地面積
直前の用途
発生時期
発生理由
カテゴリー
空き地数(件)
町家
50
屋敷
26
1:~383.66㎡
53
2:~969.55㎡
18
3:~1952.43㎡
5
1:住宅
26
2:店舗
21
3:店舗併用住宅
5
4:空き地
11
5:その他
11
1:1~20年
41
2:21~40年
14
3:41年以上前
7
A:道路拡幅
14
B:高齢化
5
C:老朽化
10
D:単純な転出
3
E:その他
11
空き家発生メカニズム指標
指標
エリア
敷地面積
直前の用途
発生時期
発生理由
カテゴリー
空き家数(件)
町家
16
屋敷
27
1:~76.19㎡
20
2:~194.84㎡
16
3:~466.63㎡
7
1:住宅
34
2:店舗
4
3:店舗併用住宅
2
4:その他
1
1:1~10年
18
2:11~20年
10
3:21年以上前
4
A:高齢化
8
B:老朽化
1
C:転出
2
D:その他
5
5項目の組み合わせによって
空き地・空き家発生メカニズムを明らかにする
5.空き地・空き家の発生メカニズム
空き地・空き家の
発生メカニズムの特定を行うにあたって
フローチャートを作成
5.空き地・空き家の発生メカニズム
空き地α
場所の特性
エリア
発生に直接関係
屋敷
町家
敷地面積
1.~383.66㎡
2.~969.55㎡
3.~1952.43㎡
直前の用途
1.住宅
2.店舗
3.店舗併用住宅
時期
1.1~20年前
2.21~40年前
理由
1.1~20年前
A.道路拡幅
B.高齢化
立地場所
敷地面積
直前の用途
発生時期
発生理由
C.老朽化
D.単純転出
E.その他
→町家エリア
→大程度(~1952.43㎡)
→店舗
→21~40年前
→老朽化
空き地αの発生メカニズムのパターン
フローチャートの末端が「発生理由」である(5項目全てがそろってい
る)パターンのみを空き地・空き家発生メカニズムとする
5.空き地・空き家の発生メカニズム
パターン
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
空き地発生メカニズム
エリア 敷地面積 直前の用途 発生時期 発生理由 空き地数
町家
1
1
1
B
1
町家
1
1
1
C
3
町家
1
1
1
D
2
町家
1
1
2
C
1
町家
1
2
1
A
7
町家
1
2
1
B
1
町家
1
2
1
C
1
町家
1
2
1
D
1
町家
1
2
3
B
1
町家
1
3
1
A
4
町家
1
4
2
E
1
町家
1
4
3
E
1
町家
1
5
2
C
1
町家
1
5
1
C
1
町家
2
2
1
A
1
町家
2
3
1
B
1
町家
2
5
1
A
1
町家
2
5
1
C
2
町家
2
5
2
E
1
町家
2
5
3
E
1
町家
3
2
2
A
1
屋敷
1
1
1
E
2
屋敷
1
4
3
E
1
屋敷
3
1
2
B
1
屋敷
3
4
1
E
1
5.空き地・空き家の発生メカニズム
5
10
パターン
1
2
3
家
4
5
町家
6
7
8
9
10
町家
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
空き地発生メカニズム
エリア 敷地面積 直前の用途 発生時期 発生理由 空き地数
町家
1
1
1
B
1
町家
1
1
1
C
3
町家
1
1
1
D
2
町家
1
1
2
C
1
町家
22
1
7
1 1
1 A
町家
1
2
1
B
1
町家
1
2
1
C
1
町家
1
2
1
D
1
町家
1
2
3
B
1
町家
33
1
4
1 1
1 A
町家
1
4
2
E
1
町家
1
4
3
E
1
町家
1
5
2
C
1
町家
1
5
1
C
1
町家
2
2
1
A
1
町家
2
3
1
B
1
町家
2
5
1
A
1
町家
2
5
1
C
2
町家
2
5
2
E
1
町家
2
5
3
E
1
町家
3
2
2
A
1
屋敷
1
1
1
E
2
屋敷
1
4
3
E
1
屋敷
3
1
2
B
1
屋敷
3
4
1
E
1
立地場所
→町家エリア
敷地面積
→小程度(~383.66㎡)
直前の用途 →店舗または店舗併用住宅
発生時期
→1~20年前
発生理由
→道路拡幅
A
7
A
4
5.空き地・空き家の発生メカニズム
パターン
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
家
21
22
屋敷
23
24
25
空き地発生メカニズム
エリア 敷地面積 直前の用途 発生時期 発生理由 空き地数
町家
1
1
1
B
1
町家
1
1
1
C
3
町家
1
1
1
D
2
町家
1
1
2
C
1
町家
1
2
1
A
7
町家
1
2
1
B
1
町家
1
2
1
C
1
町家
1
2
1
D
1
町家
1
2
3
B
1
町家
1
3
1
A
4
町家
1
4
2
E
1
町家
1
4
3
E
1
町家
1
5
2
C
1
町家
1
5
1
C
1
町家
2
2
1
A
1
町家
2
3
1
B
1
町家
2
5
1
A
1
町家
2
5
1
C
2
町家
2
5
2
E
1
町家
2
5
3
E
1
町家
3
2
2
A
1
屋敷
11
1
2
1 1
1 E
屋敷
1
4
3
E
1
屋敷
3
1
2
B
1
屋敷
3
4
1
E
1
立地場所
→屋敷エリア
敷地面積
→小程度(~383.66㎡)
直前の用途 →住宅
発生時期
→1~20年前
発生理由
→その他
(駐車場,相続したまま)
22
E
2
5.空き地・空き家の発生メカニズム
パターン
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
空き地発生メカニズム
エリア 敷地面積 直前の用途 発生時期 発生理由 空き地数
町家
1
1
1
B
1
町家
1
1
1
C
3
町家
1
1
1
D
2
町家
1
1
2
C
1
町家
1
2
1
A
7
町家
1
2
1
B
1
町家
1
2
1
C
1
町家
1
2
1
D
1
町家
1
2
3
B
1
町家
1
3
1
4
1
3
1 A
町家
1
4
2
E
1
町家
1
4
3
E
1
町家
1
5
2
C
1
町家
1
5
1
C
1
町家
2
2
1
A
1
町家
2
3
1
B
1
町家
2
5
1
A
1
町家
2
5
1
C
2
町家
2
5
2
E
1
町家
2
5
3
E
1
町家
3
2
2
A
1
屋敷
1
1
1
E
2
屋敷
1
4
3
E
1
屋敷
3
1
2
B
1
屋敷
3
4
1
E
1
10 町家城下町地区の空き地の発生において, A
4
道路拡幅事業は大きな影響を与えていると考えられる
立地場所
→町家エリア
敷地面積
→小程度(~383.66㎡)
直前の用途 →店舗
発生時期
→1~20年前
発生理由
→道路拡幅
5.空き地・空き家の発生メカニズム
空き家発生メカニズム
パターン エリア 敷地面積 直前の用途 発生時期 発生理由 空き家数
1 町家
1
1
2A
1
2 町家
1
2
2A
1
3 町家
1
3
1A
1
4 町家
2
1
2A
1
5 町家
2
2
1A
2
6 町家
2
3
2C
1
7 町家
3
4
3B
1
8 町家
3
1
1C
1
9 町家
3
1
1D
1
10 屋敷
1
1
1D
1
11 屋敷
1
1
2D
1
12 屋敷
1
1
3D
1
13 屋敷
2
1
2A
1
14 屋敷
2
1
2D
1
空き家数が偏ったパターンは見受けられなかった
城下町地区の空き家の発生メカニズムは空き家によって異なる
6.総括
城下町地区には空き地25パターン,空き家14パターンの発生メ
カニズムが確認でき, 空き地・空き家の発生に関する知
見を得た
また,土地を手放してもよい所有者(17.6%),土地は所有した
ままで貸してもよい所有者(8.4%),自ら土地を活用する予定
の所有者(19.3%)も確認することができた
利活用を行う際は, 所有者の意向に合わせた活用方針
を検討する必要があると考えられる
具体的な空き地・空き家の発生・増加を抑制するアクションプ
ランの検討と現在空き地・空き家となっている土地の利活用
方法についての検討を行う必要があると考えられる
ご清聴ありがとうございました