半導体レーザーによる接着芯地の接合

静岡県工業技術情報 No.76(2010)
平成21~22年度
一般共同研究
研究成果事例
半導体レーザーによる接着芯地の接合
素子冷却用ユニット
半導体レーザー光
アレイ型レーザー素子
接着芯地
樹脂粒
溶着布
樹脂のみを加熱し、溶かし圧着する
表布
レーザービーム
布押さえローラー
▲ 図1 熱プレス溶着に替わる半導体レーザー溶着
XYステージ
▲ 写真1 試作した接合装置
レーザー溶着用接着芯地
レーザー溶着用接着芯地
形状記憶布
ウレタンコーティング布
▲ 写真3 形状記憶繊維(弱熱素材)との接合
▲ 写真2 ウレタンコーティング布
(弱熱素材)との接合
接着芯地の製造において、半導体レーザーを利用すると、布地は加熱せずに
布の間に置いた接着剤のみを加熱することができます。基布の温度上昇が小さ
くなるので、熱に弱いウレタンコーティング布や形状記憶繊維などの機能性繊維
と接合でき、意匠性や機能性が低下しない服地ができることになります。
接着芯地は、洋服や衣料品に立体性を付
与し縫製作業を容易にするとともに着用や洗
濯による型崩れを起こさないようにするなど
の目的で、服地に貼り合わせて使われます。
ヒータの輻射熱を利用する従来のプレス接合
共同研究機関
日東紡績㈱
法では、素材全体に熱がかかるため、熱に弱
い素材は利用できませんでした。そこで、半
導体レーザーを利用し接着剤のみを加熱す
ることにより、熱影響が少ない接合方法を開
発しました。
お問い合わせ先 浜松工業技術支援センター
光科
電話 053-428-4157
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