相続税法 オリエンテーション レジュメ

相続税法
オリエンテーション
レジュメ
【講義を受講するに当たって用意するもの】
1.講義で使用する教材
⑴
テキスト(+Try it)
⑵
理論ナビ
2.購入参考図書
相続税法法規通達集
→
強制ではありません。自宅で復習する際使用すれば理解が深まります。
【年間予定】
9月8日~12月15日
1月8日~4月22日
5月10日~7月15日
(入門編・基礎編)
(応用編)
(直前編)
講義:26回
確認テスト:4回
教材:テキスト応用編
ゼミ応用編
改正セミナー:1回
直前まとめ講義:5回
過去問ゼミ:6回
的中答練:6回
とおる摸試:1回
8/?
本試験
講義:27回
確認テスト:3回
教材:テキスト入門編
基礎編
基礎編(問題集)
理論ナビ(理論集)
8月
【最近の出題傾向及び対策】
【学習目標】
1.計
算
個別論点:テキストの具体例、設問及び Try it(ダウンロード)を繰り返し解いて下さい。
総合問題:確認テストは最低3回は解いて下さい。
答練問題:3回以上(できる限り多く解いて下さい。)
過 去 問:2回以上は解いて下さい。
2.理
論
個別理論:直前期までに個別理論20題を暗記。これが第一目標となります。
応用理論:直前期に学習します。個別理論を充分に押さえていないと対応できませんので、個別
理論の題数を1題でも増やすことを心掛けて下さい。
1
【最近の出題傾向及び対策】
相続税法は国税の中でも比較的ボリュームの少ない科目です。したがって、学習方法さえ間違わなけ
れば初年度で合格することができる科目です。
以下、理論と計算に分けて学習するに当たってのポイントです。
⑴
理解して覚える
内容をしっかりと理解し、関連項目を確認しつつ理論を覚えることを心掛け
て下さい。
⑵
計算と理論を融合させる。
実体規定(計算規定)は、計算で学習した知識を最大限に活用し、計算の知識
を用いて理論を構築しても構いません。
理論学習方法
とかく、相続税法は条文どおり、一字一句正確に書かないと合格できないと
言われていますが、そんなことはありません。計算で押さえた知識を使って書
くことができれば覚える時間も短縮できますし、忘れにくいものとなります。
したがって、計算学習が終了したら、その計算部分の理論を押さえるよう心掛
ければ相乗効果も得られ一石二鳥となるわけです。
⑴
財産評価を徹底攻略する。
ここ数年の本試験問題は、財産評価の出来不出来が合否を左右しているとい
っても過言ではありません。財産評価を制してこそ合格を勝ち取ることが出来
ます。
合格に必要な問題は『テキスト』に入っていますので、とにかく反復練習し
て下さい。5分もあれば個別問題は解くことが可能です。すきま時間を有効に
計算学習方法
活用して下さい。
⑵
過去問を攻略する。
本試験の計算問題は、繰り返し出題される論点で20点近くあります。その論
点を確実に得点することこそが合格への近道となります。そこで、直近10年分
の本試験問題は必ず解き出題傾向を理解して本試験を受験するよう心掛けて下
さい。
2
【相続税法学習の必要性】
現在は亡くなった方の約4%ですが、平成27年度税制改正で申告割合が大幅に増
加する予定です。
相続の申告割合
≪遺産に係る基礎控除≫
平成26年12月31日まで
5,000万円+1,000万円×法定相続人の数
平成27年1月1日以降
3,000万円+600万円×法定相続人の数
今後は生前対策が主(事業承継対策)となります。
・
平成15年度に相続時精算課税制度が創設されました。
・
平成21年度に非上場株式等についての納税猶予が創設されました。
(税額の80%を猶予 → 免除)
事業承継対策等
・
平成24年度に山林についての納税猶予が創設されました。
(税額の80%を猶予 → 免除)
・
平成27年度より小規模宅地等の特例の限度面積(特定事業用等宅地等400㎡と
特定居住用宅地等330㎡が完全併用可能)が拡大されています。
<相続時精算課税>
→
相続税と贈与税の一本化を図るものです。
(納めた贈与税は相続開始時に精算します。)
60歳以上
の父母・祖父母
暦年単位課税
・
と
土地
20歳以上
有価証券
30,000千円
の子・孫
暦年単位課税の場合(特例贈与の場合)
(30,000千円-1,100千円)×45%-2,650千円=10,355千円
相続時精算課税
→
・
35%近くも税金として納付しなければなりません。
相続時精算課税の場合
(30,000千円-25,000千円)×20%=1,000千円
→
税金として納付するのは約3%です。
ただし、贈与者の相続開始時に30,000千円が遺産に加算されます。
3
【相続税法の概要】
≪相続税法の2大特徴≫
1.1税法2税目(贈与税は相続税の補完税)
←
平成25年本試験出題論点
相続税法という1つの税法に相続税と贈与税の2税目が規定されています。
氏
氏
5億円
氏
2億円
贈与税
甲
氏
3億円
丙
氏
税
丙
丁
続
5億円
贈与
相
<相続開始>
甲
5億円
2.財産課税
相続税は取得した財産に対して課税が行われます。(財産の約45%が不動産等)
(⇔法人税・所得税は収益等に対して課税が行われます。)
財産課税であるがゆえに国税の原則納付方法である金銭一時納付が困難な場合が考えられます。
納付の特例として延納(分割納付)及び物納(取得した財産そのもので納付)が認められています。
4
■
民法の概要
「相続税法は民法の借用規定」
→
相続税法は民法の規定を借用して規定が成り立っている部分があります。つまり、相続税法の
学習においては民法の知識が必要となってきますが、そのほとんどを1回及び2回講義で学習し
ます。
《相続及び遺贈》
控
除
格
産
課税標準
納 付 す べ き 相 続 税 額
額
価
財
債務控除
税
非課税
税
税
遺言で
財産取得
算 出 相 続 税 額
課
課
納 税 義 務 者
相続で
財産取得
相続により財産を取得する者:相続人→相続人の判定≒納税義務者の判定
遺贈により財産を取得する者:受遺者
遺贈のパターン(遺言書への記載)
被相続人甲
⑴
通常の遺贈(特定遺贈):配偶者乙に有価証券10,000千円を与える。
⑵
包括遺贈:遺産全体の4分の1を弟丙に与える。
⑶
停止条付遺贈:子Aが20歳に達したならば有価証券10,000千円を与える。
⑷
負担付遺贈:(甲の)銀行借入金5,000千円を負担することを条件に、有価証券10,000千円を与え
る。
⑸
死因贈与:(甲が)死亡したら有価証券10,000千円(相続開始時
12,000千円)
を与える。
→遺贈に含めて相続税の課税
12,000千円(相続開始時)
5
1.財産評価(宅地等の評価)
⑴
倍率方式による評価
倍率方式とは、固定資産税評価額に国税局長が一定の地域ごとにその地域の実情に即するよ
うに定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する方式をいい、路線価方式により評価す
る宅地以外の宅地について適用されます。
基本算式
固定資産税評価額×倍率=×××(自用地としての価額)
なお、登記簿上の地積と実際の地積とが異なる場合は、固定資産税評価額を実際の地積に
対応する金額に修正したものを基に評価します。
縄のびが生じている場合
基本算式
固定資産税評価額×
実際地積
×倍率
台帳地積
<具体例>
次の宅地の評価額を求めなさい。
⑴
宅地の固定資産税評価額
⑵
倍率
1.2倍
⑶
土地課税台帳上の地積
250㎡
⑷
実際の地積
280㎡
≪解
12,000千円
答≫
12,000,000×
280㎡
×1.2=16,128,000円
250㎡
6
⑵
路線価方式による評価
路線価方式とは、その宅地の面する路線に付された路線価を基にして評価する方式をいい、
市街地的形態を形成する地域にある宅地について適用されます。
路線価とは、宅地の価額がおおむね同一と認められる一連の宅地が面している路線ごとに設
定した1㎡当たりの価額のことをいいます。
基本算式
①
路線価×奥行価格補正率 (注)
②
①×地積=×××(自用地としての価額)
(注)
奥行価格補正率
一方のみが路線に接する宅地の価額は、路線からの奥行が深くなるにつれて低
下すると考えられるため地区区分ごとの奥行距離を基に「奥行価格補正率表」に
より求めます。
奥
行
距
離
間口距離
路線価
××千円
<具体例>
次の宅地の評価額を求めなさい。
宅地(300㎡)
普通住宅地区に所在
路線価
200千円
奥行価格補正率
間口距離20m
10m以上24m未満
奥行距離15m
≪解
答≫
⑴
200×1.00=200千円
⑵
200×20m×15m=60,000千円
200×1.00×20m×15m=60,000千円
7
1.00
2.財産評価(上場株式の評価)
⑴
概要
上場株式とは、金融商品取引所に上場されている株式、すなわち金融商品取引所を通じて市場
価格が形成されている株式をいいます。
⑵
原則評価(評通169⑴)
次に掲げるもののうち最も低い価額により評価します。
⑴
課税時期の最終価格
⑵
課税時期の属する月以前3ヶ月間の毎日の最終価格の月平均額
基本算式
⑴
課税時期の最終価格
⑵
課税時期の属する月の毎日の最終価格の月平均額
⑶
課税時期の属する月の前月の毎日の最終価格の月平均額
⑷
課税時期の属する月の前々月の毎日の最終価格の月平均額
⑸
⑴~⑷のうち最も低い価額
(注)
2以上の金融商品取引所に上場されている場合
➡
納税義務者が選択した金融商品取引所によります。
納税者有利の選択により、1株当たりの金額が最も少なくなる方を選択します。
<具体例1>
次の評価資料により株式の評価額を求めなさい
上場株式
10,000株
⑴
課税時期(平成28年4月15日)の最終価格
1,500円
⑵
平成28年4月の最終価格の月平均額
1,450円
⑶
平成28年3月の最終価格の月平均額
1,380円
⑷
平成28年2月の最終価格の月平均額
1,250円
≪解
⑴
答≫
1,500
⑵
1,450
⑶
1,380
⑷
1,250
1,250×10,000株=12,500,000円
8
∴
1,250円