しまなみ農業だより [PDFファイル/760KB]

アザレアの
栽培管理
○ア ザ レ ア と は
アザレアは、中国南部原
産の シ ナ ノ サ ツ キ ( 暖 地 性
常緑 ツ ツ ジ ) と 日 本 原 産 の
サツ キ と の 交 配 に よ っ て 産
まれ た 常 緑 の ツ ツ ジ 科 の 園
芸品 種 で 、 主 に ベ ル ギ ー で
品種の改良が行われまし
た。 別 名 、 西 洋 躑 躅 ( セ イ
ヨ ウ ツ ツ ジ )、 阿 蘭 陀 躑 躅
(オランダツツジ)とも言
いま す 。
アザレアは、ほとんどが
大輪 の 八 重 咲 き で 、 花 色 は
赤や 白 、 ピ ン ク が あ り 、 そ
の花 の 咲 き 方 に よ っ て 、 9
月~ 月 に か け て 開 花 す る
四 季 咲 き の も の と、 早 生、
中生 、 晩 生 の 4 つ の タ イ プ
に分 か れ ま す 。
本来の性質から言えば4
しまなみ農業だより
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月~5月頃に開花する植物
ですが、栽培技術の発達に
より冬に開花するよう栽培
管理されたものが花屋さん
で 販 売 さ れ る よ う に な り、
今では2月がアザレアの最
盛期となっています。各地
の植物園でも「アザレア展」
が開催されるなど、人気と
なっています。
○アザレアを 育 て る ポ イ ン ト
先述したように、アザレ
アは花屋さんなどで販売さ
れている段階では、矮化剤
やジベレリンを使った促成
栽培によって冬に開花する
よう開花調節がされていま
す。この開花調節の効果は
翌年には切れますので、そ
の後はアザレアが本来持っ
ている自然開花の性質に戻
ります。
アザレアは、自然条件の
下では8月に花芽をつく
り、秋の低温や短日条件で
休眠に入ります。そして冬
の 低 温 で 休 眠 か ら 目 覚 め、
4月~5月に花を咲かせま
す。そのため、アザレアを
上手に育てるためには、ア
ザレアが本来持っている自
然開花のサイクルに合わせ
た管理が必要になります。
○アザレアの上手な育て方
アザレアの根は、土に空
気が多く存在する条件を好
みますので、やや酸性の水
はけの良い土で元気よく育
ちます。
その一方で、水切れにも
弱いという性質があります
ので、夏の高温下では日よ
けをして、土の乾燥に十分
注意します。日よけは、葉
焼けを防ぐ効果もありま
す。
【用土・肥料】
園芸店で専用の土を買う
か、自分で配合する場合は
鹿沼土とピートモスの割合
が6:4になるように調整
し、そこに用土1㍑あたり
3㌘程度の緩効性肥料を元
肥として加え、同じ配合で
1年おきに植え替えを行い
ます。
追肥は、開花中はアンプ
ル剤などの液肥を月に2回
程度、暑くなる6月から7
月にかけては、月に1回程
度の置き肥を施します。
【整枝】
花が終わった後の6月上
旬ごろ、整枝(徒長枝の切
り落し)を行います。新し
く伸びた枝についた葉を
2、3 枚 程 度 残 し て、 そ こ
から先を枝ごと切り落とし
ます。同じようにして、他
の枝も全体のバランスを見
ながら整枝します。
幹の同じ部分から何本か
の新しい枝が伸びて混み
合っているようなら、方向
の良い枝を2本残して、そ
れ以外は元から切り落とし
ます。また、株元から伸び
ている徒長枝は、放置する
と樹形が悪くなりますの
ます。
で、これも根元から切り落
・
ベニモンアオリンガ
とします。
5 月 か ら 9 月 に 発 生 し、
【水やり】
幼 虫 が 新 芽 を 食 害 し ま す。
アザレアは水を欲しがり
初夏には新芽が食害されま
ます。水を切らすと花が萎
すが、7月以降は花芽が食
れ ま す の で、 2 日 に 1 度、 べられます。花芽を食べら
たっぷりと与え、鉢皿にあ
れた株は春になっても花は
ふれた水は捨てます。
咲きません。花の咲かない
【花がら摘み】
原因はほとんどがこの虫が
盛りを過ぎた花は、花び
原因です。
らだけでなく子房ごとこま
・ツツジグンバイムシ
めに摘みとり、次に咲く蕾
相撲の軍配の形をした翅
のための場所を開けてやり
を持つ成虫とその幼虫が葉
ます。こうすることで蕾に
の裏から汁液を吸収するた
日光が当たり順調に育ちま
め、 葉 が 白 っ ぽ く 汚 れ ま
す。
す。葉裏には虫の排泄物が
【置き場所など】
付着し、黒くタールのよう
暖房の効いていない涼し
になります。4月~9月ま
い場所の方が花が長保ちし
で数回発生することもあり
ます。4月中旬以降は戸外
ます。
に出し日に当てて管理しま
・ツツジコナジラミ
す。夏場は半日陰の風通し
アザレアにほぼ1年中発
の良い場所で日焼けに注意
生する白い翅の小さな虫
して管理します。
で、
「すす病」という病気
月上旬くらいまでは戸
を発生し見苦しくなりま
外で霜にあてないよう管理
す。
【葉焼けに注意】
し、その後5度以上の日当
1度焼けた葉は元へは戻
りの良い室内に取り込みま
りません。葉焼けさせない
す。うまく低温にあててや
ことが大切ですが、焼けて
ると、花芽がついて毎年美
しまった葉は、こまめに取
しい花が楽しめます。
り除きましょう。新しい葉
【病害虫対策】
が出てきます。春先も意外
アザレアには、ハダニや
に紫外線が強く、油断する
グンバイムシといった害虫
と葉が焼けます。明るい光
がつきやすくなりますの
線は必要ですが、日差しの
で、それぞれの病害虫の防
強い時期・時間帯は鉢を半
除に効果のある薬剤などを
日蔭に移動します。
使って、予防と対策を行い
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2015年 2 月 16