大豆の予想開花期と病害虫防除

大豆情報
No.3
平 成 27 年 7月 23 日
大豆の予想開花期と病害虫防除
◎開花期は平年より1~2日早まると予想されます。
◎病害虫防除を適期に実施しましょう。
◎夏期はほ場の過度の乾燥に注意しましょう。
1
予想開花期
6月の気温が高く経過したことで、エンレイの開花期(半数以上の株で開花が見ら
れた日)は平年より1~2日程度早まると予想されます。
エンレイの予想開花期(7月 14 日現在)
は種期
予想開花期(平年)
5月 25 日
7月 17 日頃(7月 19 日頃)
6月1日
7月 20 日頃(7月 22 日頃)
6月5日
7月 24 日頃(7月 25 日頃)
※予想開花期は今後の気象によ
り前後することがあります。
2
雑草対策
中耕・培土作業は、開花期前に終わらせましょう。株間
に雑草が残るほ場では、雑草が大きくならないうちに除草
剤散布を行うとともに、大型の残草は手取りで結実前に除
去しましょう。
帰化アサガオ類が見られる場合は、薬剤散布や手取り除
草を行い、畦畔、農道を含めて確実に除草しましょう。
図1
つる化したマメアサガオ
3 病害虫防除
紫斑病と子実害虫防除に関しては、表1~3を参考にしてください。
(1)紫斑病防除 (必ず実施)
防除はほ場ごとに開花期を確認し、適期に散布しましょう。
(2)子実害虫防除 (必ず実施)
マメシンクイガ等の子実害虫を対象に、大豆の生育や開花期が異なっても8月末か
ら9月初旬にかけて防除を実施してください。薬剤により散布適期が異なるので確認
して散布しましょう。
【 表1
「アミスター20 フロアブル」を使用する場合の防除体系 】
下記のいずれかを選択
対象病害虫
紫斑病及び子実害虫
マメシンクイガ
マメシンクイガ
シロイチモジマダラメイガ
防除時期
開花4週間後
8月 26 日~9月5日
・アミスター20 フロアブル
薬剤
(殺虫剤を組み合わせて散布する) ・アディオン乳剤
(殺虫剤混合剤もある)
9月1日~9月 10 日
・トレボン乳剤
・スミチオン乳剤
【 表2 「アミスター20 フロアブル」以外の薬剤を使用する場合の防除体系 】
◎「開花 3 週間後と 4 週間後」に防除する場合
下記のいずれかを選択
対象病害虫
紫斑病
紫斑病及び子実害虫 マメシンクイガ
マメシンクイガ
シロイチモジマダラメイガ
防除時期
開花3週間後
薬剤
・Zボルドー
(液剤の場合) ・サンリット水和剤
開花4週間後
・マネージ DF
薬剤
・撒粉ボルドー粉剤 DL
(粉剤の場合) ・Zボルドー粉剤 DL
・ マ ネ ー ジ ト レ ボ ン 粉 剤 9月1日~9月 10 日
DL
・トレボン粉剤 DL
8月 26 日~9月5日 9月1日~9月 10 日
(殺虫剤を組合わせて散布) ・アディオン乳剤
(殺虫剤混合剤もある)
・トレボン乳剤
・スミチオン乳剤
【 表3 「アミスター20 フロアブル」以外の薬剤を使用する場合の防除体系 】
◎「開花 4 週間後と 5 週間後」に防除する場合
下記のいずれかを選択
対象病害虫
紫斑病及び子実害虫
紫斑病
マメシンクイガ
マメシンクイガ
シロイチモジマダラメイガ
防除時期
開花4週間後
開花5週間後
薬剤
・マネージ DF
・Z ボルドー
(液剤の場合) (殺虫剤を組合わせて散布) ・サンリット水和剤
8月 26 日~9月5日 9月1日~9月 10 日
・アディオン乳剤
・トレボン乳剤
・スミチオン乳剤
(殺虫剤混合剤もある)
薬剤
・マネージトレボン粉剤 ・撒粉ボルドー粉剤 DL
9月1日~9月 10 日
(粉剤の場合) DL
・Z ボルドー粉剤 DL ・トレボン粉剤 DL
※平成 27 年6月 24 日現在の登録状況である。
※フタスジヒメハムシの発生が少ない場合、開花4週間後の殺虫剤散布は省略可能である。
※防除時期は水稲早生品種の収穫時期に近接するため、飛散防止対策を徹底しまし
ょう。特に、子実害虫(マメシンクイガ)の防除時期は注意しましょう。
(3)ウコンノメイガ、アブラムシ (発生に応じて実施)
ウコンノメイガの防除は、7月 26 日~7月 31 日に畝1m当たりの平均葉巻数が 23
個以上の場合は早急に行いましょう。アブラムシ類は、発生動向に注意し、多発傾向
が見られたら速やかに薬剤散布を行いましょう。紫斑病と子実害虫防除に用いる薬剤
の使用回数を考慮して、薬剤を選定してください。
防除作業のポイント
・莢や葉裏に薬剤が届くよう、つり下げノズルやモンガレホースを使用し、散布速
度やノズルの方向を調節しながら、ていねいに薬剤散布を行う。
・周辺への飛散防止対策を講じる。
【各薬剤の使用基準(適用作物:だいず)】
平成 27 年6月 24 日現在の登録内容
◯紫斑病
薬剤名
使用方法
使用時期
希釈倍率
使用量
使用回数
アミスター20 フロアブル
散布
収穫7日前まで 2000~3000 倍 100~300 ㍑/10a 2 回以内
無人ヘリ
〃
16~24 倍
800 ミリリットル/10a
Z ボルドー
散布
-
500 倍
100~300 ㍑/10a
-
サンリット水和剤
散布
収穫 14 日前まで 1000~2000 倍 100~300 ㍑/10a 2 回以内
撒粉ボルドー粉剤 DL
散布
-
-
3~4kg/10a
-
Z ボルドー粉剤 DL
散布
-
-
3kg/10a
-
マネージ DF
散布
収穫 30 日前まで
3000 倍
100~300 ㍑/10a 2 回以内
無人ヘリ
〃
24 倍
800 ミリリットル/10a
マネージトレボン粉剤 DL
散布
収穫 30 日前まで
-
3~4kg/10a
2 回以内
◯子実害虫(マメシンクイガ)
薬剤名
使用方法
使用時期
アディオン乳剤
散布
収穫7日前まで
無人ヘリ
〃
トレボン乳剤
散布
収穫 14 日前まで
トレボン粉剤 DL
スミチオン乳剤
散布
散布
無人ヘリ
◯ウコンノメイガ
薬剤名
サイアノックス粉剤
スミチオン乳剤
使用方法
散布
散布
無人ヘリ
トレボン乳剤
散布
カスケード乳剤
散布
プレバソンフロアブル 5
散布
希釈倍率
使用量
3000 倍
100~300 ㍑/10a
24 倍
0.8 ㍑/10a
1000 倍 100~300 ㍑/10a
使用回数
3 回以内
2 回以内
収穫 14 日前まで
-
4kg/10a
収穫 21 日前まで 1000 ~ 1500 100~300 ㍑/10a
倍
〃
8倍
800 ミリリットル/10a
2 回以内
4 回以内
使用時期
収穫7日前まで
収穫 21 日前まで
〃
収穫 14 日前まで
収穫7日前まで
収穫7日前まで
使用回数
2回以内
4回以内
希釈倍率
-
1000 倍
8倍
1000 倍
4000 倍
4000 倍
使用量
4kg/10a
100~300 ㍑/10a
800 ミリリットル/10a
100~300 ㍑/10a
100~300 ㍑/10a
100~300 ㍑/10a
2回以内
2回以内
2回以内
農薬は登録内容を確認し使用しましょう。使用基準を守らないと農薬取締法違反となり、その農産
物を出荷又は販売できません(にいがた食の安全・安心条例)。
4
乾燥対策(開花期以降は特に注意してください)
干ばつによる根へのストレスは、莢数や粒数の減少、しわ粒、莢先熟等の発生要
因となることから、下記の対策を実施しましょう。
特に初作ほ場では干ばつによる影響を受けやすい状態にあるため注意しましょう。
(1)本暗きょが施工されているほ場
開花期以降は、基本的に暗きょを閉めておきましょう。
(2)排水条件が整ったほ場
周囲明きょが整備済で1日以内に地表水の排出が可能なほ場では、次により畝間
かん水を実施しましょう。
〇時期:開花期以降に 1 週間程度降雨のない日が続き、大豆の上位葉が反転す
るようになった頃
○方法:ほ場に水が行き渡ったら水尻、暗きょ栓を開け、速やかに排水する。
※水口付近に長く水がたまると根腐れを引き起こしたり、立枯れ性病害の発生
を助長するので注意しましょう。
5
北陸地方1か月予報(新潟地方気象台 7月 16 日発表)
・期間の前半は、太平洋高気圧の張り出しが強まるため、向こう1か月の気温は高く、
降水量は少なく、日照時間は多い見込みです。
<大豆情報 No.4「収穫・乾燥・調製」は、9月下旬発行予定です>
<この情報紙についてのお問い合わせ先 → 025-526-9406 上越農業普及指導センター作物担当 >