「担保物権法講演会」報告書

平成 27 年 7 月 9 日
北洋ビジネスサービス株式会社
融資事務部 担保評価センター
課長 佐藤聡彦先生
「担保物権法講演会」報告書
北星学園大学 経済学部 経済法学科
3 年 企画リーダー 後藤あい
文責 猪早愛利
平成 27 年 6 月 29 日に開催しました「担保物権法講演会」の結果をご報告致します。
記
1.
開催日時:平成 27 年 6 月 29 日(月)14:40〜16:10
2.
開催場所:北星学園大学 A408
3.
講演者:北洋ビジネスサービス株式会社 融資事務部 担保評価センター 課長
佐藤聡彦先生
4.
対象者:経済法学科専門科目「担保物権法」履修者ほか
5.
講演者:北洋ビジネスサービス株式会社 佐藤聡彦先生
6.
演題:「リノベーション住宅における抵当権の効力~リノベーションから考える担保物
権法~」
7.
企画メンバー
後藤(企画リーダー)、猪早、中村、井上、紀井、小林、近藤、杉澤、斗澤、堀内、南、
吉田(桃)
、吉田(亘)
、吉田(萌)
(14 名)
8.
ご講演内容
(1) 銀行法務における担保物権法の知識の運用,不動産鑑定士の業務
(2) 学生の取組みに対しての講評
(3) 学生生活についてのアドバイス
9.
アンケート結果
講演会を受講した学生を対象に行いましたアンケート結果をご報告致します。
来場者数:38 名
1
(1) 学年
① 1 年生:3 名
② 2 年生:6 名
③ 3 年生:19 名
④ 4 年生:10 名
(2) 参加理由
① 講義履修のため:19 名
② 講義内告知:2 名
③ 知人の紹介:8 名
④ その他(足立ゼミ生、足立先生の紹介)
:8 名
⑤ 未回答:1 名
(3) 事前講義の難易度
① わかりやすい:10 名
② ややわかりやすい:5 名
③ どちらでもない:9 名
④ やや難しい:5 名
⑤ 難しい:3 名
⑥ 未回答:6 名
2
(4) 事前講義の理解度
① 身についた:21 名
② どちらでもない:11 名
③ 身につかなかった:1 名
④ 未回答:5 名
(5) (4)の回答理由
・丁寧な解説だったので身についた。
・それぞれの観点に分かれた説明がとてもわかりやすく理解できた。
・例を挙げて説明していてわかりやすかった。問題がたくさんあり、整理するのが
大変で難しく完璧には理解できなかった。
・様々な面から考えるべき事例だったので頭を使った。
・内容は難しかったが参加できて良かった。
(6) 講演会全体の難易度
① わかりやすい:17 名
② ややわかりやすい:13 名
③ どちらでもない:1 名
④ ややわかりにくい:1 名
⑤ わかりにくい:3 名
⑥ 未回答:3 名
3
(7) 学生の取り組み(事前講義の確認)
① わかりやすい:24 名
② ややわかりやすい:8 名
③ どちらでもない:0 名
④ ややわかりにくい:0 名
⑤ わかりにくい:3 名
⑥ 未回答:3 名
(8) 学生の取り組み(シンポジウム)
① わかりやすい:19 名
② ややわかりやすい:11 名
③ どちらでもない:2 名
④ ややわかりにくい:1 名
⑤ わかりにくい:2 名
⑥ 未回答:3 名
4
(9) 佐藤先生のご講演
① わかりやすい:19 名
② ややわかりやすい:12 名
③ どちらでもない:1 名
④ ややわかりにくい:0 名
⑤ わかりにくい:3 名
⑥ 未回答:3 名
(10) 佐藤先生のお話で印象に残っていること
・業務内容としてではなく、社会人になるために様々な経験が必要だが、それはど
うしてなのかが具体的に分かって良かった。
・抵当権侵害にあたるかどうか自分では判断できなかったが、実務ではどう扱われ
ているのか説明があり納得した。
・パターン化された考えは社会でやっていけない。
・現段階で取扱われていない問題があり、発生していること。
・実務ではどのように解決しているのか、侵害と訴えるのではなくリノベーション
住宅を完成させること。
・アイゼンハワーの原則は社会人になる自分のためになった。
(11) 講演会を通じてご意見、感想
・シンポジウムがわかりやく、立ち位置も考えられていて、視覚的にわかりやすか
った。
・事前課題を早く行い、内容を反映させた討論をすると多様な意見が出て面白いと
思ったが難しいと思う。
・貴重な機会で、学生の取組、先生のお話とともに自分の知識がもっとあればと思
った。
・銀行実務は法律の知識とその応用ができない場面があり、臨機応変に考える習慣
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が必要だと感じた。
・銀行実務で他にどのような問題があるのか興味を持った。
・銀行実務にもたくさんのことが必要で、自分で考えることが大切だと感じた。
・難しい内容だがパワーポイントと話し方で理解できた。
(12) 「担保物権法講演会」企画のまとめ
担保物権法講演会は、2 月中旬から約4ヵ月半にわたり活動してきました。打ち
合わせは 50 回以上行いました。
試行錯誤してきたこの約4ヵ月半は、あっという間に過ぎ去り、講演会当日を迎
えました。事前講義では当初、グループディスカッションを行おうとしましたが、
思うように進まず迷走しました。グループディスカッションからパネルディスカ
ッションに変更してからも、講演会本番との関連づけ、方向性も定まらないまま時
間だけが過ぎ、焦りと緊張感ばかりが募りました。毎日、担保物権法について勉強
し、先生や先輩からの指摘について考え、原稿を練り直す日々でした。事前講義を
終えて反省会を行ってからは、メンバー全員が一体となって活動できたと感じて
います。
講演会当日に行ったシンポジウムでは、
「登記」手続きと「抵当権の効力が及ぶ
か」をメインの論点として扱いました。登記手続きの論点では、登記の流用の可否
について議論し、抵当権の効力の論点では、実務的な視点と法的な視点から主張を
展開し、議論しました。シンポジウムの論点を何にするかは、1 週間前まで決まら
ず、方向性を見出せずにいました。講演会に向けての価値観と知識がメンバー全員
で共有できていなかったことが要因でした。先生、先輩方にご指摘をいただいて、
このままではいけないと気づき、ようやく自分たちのやりたい方向性を見出すこ
とができました。方向性が決まってからは、事前講義組が裏方の仕事を担ってくれ
たこともあり、当日組はシンポジウムの原稿検討とリハーサルに打ち込むことが
できました。講演会を終えて、メンバー各人思うところがありますが、講演会自体
の出来としては、佐藤先生に講評していただいたことやアンケートの結果を見る
限り、私たちの目標としていたところに到達することができたと感じています。
しかし、講演会を通じて、チームとしての課題や仕事への取り組み方はまだまだ
だと痛感しました。昨年からの課題でしたが、企画が始まってからも、メンバーの
価値観がバラバラで、チームとして動くことを意識することなく進んでいきまし
た。その結果が、事前講義の物足りなさでした。その出来に自分たちでも納得する
ことができませんでした。これがきっかけとなって、自分たちの在り方について見
直し、チームとしての結束が生まれました。
佐藤先生のご講演から、銀行は担保があるから融資するのではなく、融資先にど
れだけ返済能力があるかを調査して融資すること、担保を考えていく上では、法的
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にカバーされる面と、価値的にカバーされる面の両方で見ていく必要があること
を学びました。また、講演会のテーマである「リノベーション住宅における抵当権
の効力」については、担保には履行の強制という機能が含まれているので、リノベ
ーション住宅が完成すれば何ら問題は起こらず、銀行としても、内部評価を下げる
等の対応で問題を解決していることを知りました。
佐藤先生との企画を通じて、社会人の仕事の仕方を私たちは初めて経験しまし
た。仕事の優先順位や、多面的に物事を見る大切さを教えていただきました。アン
ケート結果を見ても、講演会を聞いた学生も、大学生活ではあまり聞くことのでき
ない社会人としての在り方、仕事のやり方を聞くことができたとの回答も多くあ
りました。
私たちは、個人としてもチームとしてもまだまだ至らない点ばかりですが、この
講演会で学んだことを、今後の学生生活、就職活動に活かしていきます。
お忙しい中、何度もご来校いただき、ご指導ありがとうございました。今後とも、
私たち、そして本学学生をよろしくお願いいたします。
以上
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