P-19 第14回 新 潟 医療福 祉 学会 学術 集 会 頸椎疾患患者 の睡眠時における頸椎負担軽減を 目的 とした頭部包み込み枕の開発 1)新 潟 医療 福祉 大 学大 学院 (REM:Rapid Eye Movement)時 間,中 され た 割 合 の デ ー タ を 抽 出 し た.ま 途 覚 醒 時 間 か ら算 出 た,睡 眠時 の 中途覚 醒 回 数 ・体 動 頻 度 に つ い て もデ ー タ 抽 出 を行 っ た.そ れ ぞ れ の デ ー タ は 計 測 した3日 間 の 睡 眠 時 の 計 測 結 果 を 平 均 した も の で 義 肢装 具 自立支 援学 分野 2)株 式 会社 大井 製 作所 あ る. 3)京 都 大学 大 学院 医学研 究 科 4.統 計 方 法:ウ ィ ル コ ク ソ ン順 位 和 検 定(Wilcoxont-test) 感 覚運 動系外 科 学講座 整 形外 科 学 を 用 い た. 大井 博 司1・2),大井 和子1,2),峯 松亜 由美2),山 藤 智 基2), 藤 林 俊介3),阿 部 薫1),笹 本嘉 朝1) 【 背景】 昨今,睡 眠 に関 わ る寝 具市 場 にお いて,機 能的 特徴 を持 つ 枕 に高 い付加 価値 が付 け られ,ニ ー ズが 高ま っ てい るが,枕 の形 状 は頭部 を支 え る頸 椎 に大 きな影 響 が ある と考 え られ て い る.頸 椎疾 患 を有 す る患者 の多 くは疼痛 ・手 の痺 れ な ど, 何 らか の トラブル を抱 えて い る.こ れ らの症 状 に よ り睡眠 時 にお い て 「 よ く眠れ ない 」 「 肩 こ りが ひ どい」な ど,不 適合 な 枕 が原 因 と考 え られ る問題 も多 い.人 は寝 て い る問,沢 山の 寝返 りを打 つが,痛 みや 痺れ の症 状 がひ どい と寝 返 りを打 つ たび に痛 み で 目が覚 めて しま う.そ のた め,睡 眠 時 に必要 な 体位 変換 をス ムー ズに行 うこ とが難 しくな り,睡 眠 の質 に大 き な影 響 を与 える. 今 回,寝 返 りな どの体位 変 換動 作 に対 し,頭 部 を包 み込 む 独創 的 な形状 に よ り,体 位 変 換動 作 のサ ポー トがで き るこ と を考 慮 した形 状 で頸椎 へ の負 担 を軽減 す る こ とので き る枕 の 開発 を 目的 とした. 【 方法】 1.被 験 者:頸 椎 疾 患 症 状 を 有 す る患 者6名(男 2名,平 2.頭 性4名,女 性 均 年 齢32.5±4.4歳) 部 包 み 込 み 枕:開 発 した 頭 部 包 み 込 み 枕(図1)は,寝 返 りの 際 に 頸 椎 を 支 え る こ との で き るU字 軟 質 ポ リ ウ レ タ ン フ ォ ー ム(KJG)を 形 状 と し,素 材 は 使 用 した.枕 の 高 さ に つ い て は 先 行 研 究 に よ り,男 性 平 均7.2cm,女 睡 眠時 の 中途覚 醒及 び 中途覚 醒 回数 が有意 に減 少 した こ と 性 平 均5.5cmで 良 好 な 結 果 が 出 て お り,そ の 数 値 を参 考 に い くつ か 試 作 した 結 果,枕 の 形 状 を 維 持 で き る6cmの 【考察 】 につ いて は頭 部包 み込 み枕 の使 用 に よって 頸椎 へ の負担 を減 少 させ,頸 椎 疾患 由来 の症 状 が軽減 した もの と推 察 され た. 高 さ と し た. また,中 途 覚 醒 と中途 覚醒 回数 が有 意 に減少 した こ とで睡 眠 中の覚 醒 が減少 し,良い眠 りに繋 が ってい るこ とが示 唆 され, 頭 部包 み込 み枕 の効 果 が確認 され た. 【結語 】 頭部 包 み込 み枕 の有 用性 が確 認 され たが,被 験者 が使 用 し た際 の主観 的評 価 は 「 高 さが良 い」 「 装 着感 が 良 くな った」な どの 良い意 見 と 「 寝返 りした際 にず れ る」「 起 きた時 に枕 が頭 図1.頭 部 包 み込 み枕(右 は枕 カバ ー装 着 時) 3.測 定 方法:TANITA睡 眠計 ス リー プス キ ャンSL-501を 用 い て,被 験 者 に普段 使 いの枕 と頭 部 包み 込み 枕 の2種 類 を それ ぞれ3日 間使 用 して も らい計 測 を行 った.計 測 項 目は1日 の 全 睡眠 時間 を100%と して,睡 眠 を構 成す る ノン レム睡眠 の 深 睡 眠 時 間 ・浅 睡 眠 時 間 と レ ム 睡 眠 で あ る急 速 眼球 運 動 ― 43― か ら外 れ てい た」 とい っ た今後 改 善 を要 す る意 見 もあ った. 今 回製 作 した 枕 はすべ て がオー ダー メイ ドで あ り,均 一 な も の を製 作す る こ とは難 しい.そ の た め,均 一 な製 品を作 るた めの製 作方 法 に検討 を加 え るこ とが今後 の課題 とな る.
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