「広島県・四川省・国際協力銀行~連携の足跡と未来~」(PDFファイル)

広島県・四川省・国際協力銀行
∼連携の足跡と未来∼
「四川省長江上流地区生態環境総合整備事業」
を通じて
(四川省)
(広島県)
2005 年 5 月
広島県・四川省・国際協力銀行の連携
四川省長江上流地区の生態環境の悪化は深刻化しています。
(四川省の荒れた山々。土砂が崩れ長江の洪水の原因になっている)
こうした状況を踏まえ、国際協力銀行(JBIC)は、2005 年 3
月、中国政府からの要請に応えて、四川省の植林・植草、植林
保護等に対する取り組みを支援するため、「四川省長江上流地
区生態環境総合整備事業」に対する借款資金約 65 億円を限
度とする貸付契約に調印しました。
一方、広島県は 1984 年に四川省と友好提携を締結して以来、
林業や環境問題等、広範な分野にわたって四川省との交流と協
力を行ってきました。特に林業分野においては、過去、同県の植
林事業に取り組み、成功を収めた経験を活かした協力を行って
います。
そこで、上記円借款事業の準備段階においても、広島県の専
門家が JBIC の調査団に同行し、広島県の治山・植林のノウハ
ウについて中国側の事業関係者に説明を行いました。
今後、上記円借款事業を実
施する段階においても、広島
県による四川省実施機関職員
の研修の受け入れ、同県の技
(広島県専門家が植林技術等を紹介)
術の活用が予定されており、
これらを通じ、本事業の更なる効果発現を図りたいと考えていま
す。
広島大学との連携
2004年7月、JBICは広島大学の知見・ノウハウを
円借款業務に活用するために協力協定を結びました。
2004年秋、広島大学は首都師範大学内に北京研究センターを開設し、同センタ
ー新施設開所式には、JBIC北京事務所も参加しました。また、式典と併せて北京
で開催された広島大学主催の国際シンポジウムにも協力しています。
このように、JBICは大学の国際交流活動や学術研究の支援等を通して広島大
学を含めた日本の幾つかの大学と積極的に連携を図っています。
国際協力銀行(JBIC)とは
国 際 協 力 銀 行 ( Japan Bank for International
Cooperation:JBIC)とは、日本の対外経済政策・経済協力の
遂行を担う政策金融機関です。JBIC の海外経済協力業務では、
日本の政府開発援助(ODA)のうち、有償資金協力(円借款等)
を担っています。円借款は経済・社会基盤の整備を進める開発
途上国に対して、低金利で返済期間の長い資金を提供し、開発
途上国の「自助努力」による経済発展、経済的自立を支援する
ものです。
JBICと中国
JBIC は中国に対し、1979 年から現在に至るまで、運輸、電
力・ガス、農林水産、環境保全、人材育成等の分野を対象とし
て 346 件(注:借款契約ベース)、総額約 3 兆円の円借款の承
諾をし、中国の経済・社会基盤の整備を支援してきました。
四川省には近年では、「人材育成事業」(2002 年 3 月、約 61
億円)に対し借款供与を行い、同省における高等教育の量的・
質的改善を図るほか、日本の大学へ研修生を派遣するなど、人
的交流も図っています。
なお、JBIC の四川省に対する貸付承諾実績は以下の表の
通りです。
(単位:百万円)
承諾年月
案件名
承諾額
1988 年 8 月
12,580
四都市上水道整備事業
1989 年 5 月
5,349
1996 年 12 月 広州−昆明−成都光ケーブル建設事業
7,293
2000 年 3 月
成都市上水道整備事業
2002 年 3 月
四川省人材育成事業
2005 年 3 月
四川省長江上流地区生態環境総合整備事業
6件
6,131
合計:
6,503
37,856
「四川省人材育成事業」におい
て建設される予定の四川農業
大学教学棟
JBIC と地方自治体
開発途上国の国際協力に対するニーズが増大しつつある公
衆衛生や環境問題、教育、地域振興等の分野では、地方自治
体の他、地域の各種団体や NGO などにその経験とノウハウが
蓄積されつつあります。
JBIC が実施する開発途上国支援に関連した各種調査など
への参画を契機に、地方自治体の国際協力活動を推進し、地
域住民や地域団体を巻き込みながら地域が一体となって取り組
むことで、国際協力が地域社会に根付いたものとなり、更なる地
域の活性化を促すことが期待されます。
こうした背景を踏まえ、中国向け円借款業務では、プロジェク
トの形成から実施・評価の段階にかけて、我が国の地方自治体、
大学等との連携を通じた我が国の経験・知見の活用等、JBIC
ならではの知的協力・技術支援に取り組む方針になっていま
す。
JBIC は中国において、これまでに広島県以外にも、幾つも
の地方自治体と連携を図り、プロジェクトの形成、実施の段階で
協力をしてきています。