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ヤマワ・レポート
(平成 27 年 11 月 9 日号)
今週の株式相場見通し
*日経平均
18,700~19,400 円
TOPIX 1,520~1,580
*期待材料 国内外の政策対応 成長戦略の加速 企業ガバナンス改革
*不安材料 地政学的リスク 中国経済及び新興国経済の動向
・中国景気減速の影響を受けた企業を中心に通期業績予想の下方修正を発表する企業が多い。
一方でインバウンド需要を捉える内需系企業や好調な米国経済の恩恵を受ける企業には上方
修正の動きが見られるなど、ここまでの決算発表では企業間で大きく業績見通しが分かれる
内容となっている。中国経済については 10 月の中国財新製造業 PMI は 48.3 と 8 ヵ月連続
で判断の分かれ目となる 50 を割ったものの、9 月の改定値 47.2 からは改善を示した。中国
は 10 月 23 日に追加金融緩和を発表しており、下げ止まりの兆しを見せ始めた景況感に対し
て追い風となる事が期待され、今回の決算発表で高まった中国経済悪化に伴うつるべ落とし
的な今後の企業業績の悪化懸念も和らぐ事が期待される。また、欧州では ECB のドラギ総
裁が 12 月の追加金融緩和を強く示唆している。さらに日本においては、新聞等の報道によ
ると政府は 15 年度補正予算を 3 兆円規模とする方向で調整に入ったとしたうえで、11 月 16
日に公表される 7~9 月期の GDP 速報値で景気実態が悪ければ予算額の積み増しも検討する
としている。欧州、中国、日本でそれぞれ金融緩和策、財政出動策が実施、検討される事で
米国の利上げに向けた環境整備は着々と進行し、米国利上げの世界経済に与える過度な懸念
が後退する事が期待される。低迷する新興国経済に加えて米国以外の先進国経済が減速傾向
を強める中で円安効果が一巡する場合、日本企業の来期の利益牽引役が見当たらない状況と
なっていたが、日、中、欧で景気対策が打たれる中で、米国利上げに伴い日米金利差拡大か
ら円安方向への推移となるなら、来期の業績見通しについても明るい展望が描きやすくなる。
日本株は今後、徐々に下値を切り上げる展開を期待する。リスク要因として指摘したいのは
南シナ海問題の今後の動向。10 月 30 日の読売新聞は中国共産党関係者の話として、習氏も、
軍を含む強硬派の間に「弱腰批判」が高まることを警戒し、内部では「タイミングをとらえ
反撃も検討する」との見解を示しているとされる、と報じている。決定的な衝突に至る可能
性は低いとは考えているが、今後も注視が必要である。 (11 月 5 日現在、多功 毅)
今週の予定
11/9(月)
10(火)
11(水)
12(木)
13(金)
国内
9 月毎月勤労統計(10:30)
10 月景気ウォッチャー調査(14:00)
10 月マネーストック(8:50)
9 月機械受注(8:50)
海外
[中]10 月消費者物価指数(10:30)
[中]10 月小売売上高(14:30)
[中]10 月鉱工業生産(14:30)
[欧]9 月鉱工業生産(19:00)
[米]10 月小売売上高 (22:30)
出所はロイター、ブルームバーグより、時刻は日本時間(予定)
山和証券 本店営業部
TEL:3668-5412
本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに
記載させていただきました。ご確認の程、宜しくお願い致します。
1
今週の参考銘柄
エムスリー(2413)
決算期
14年03月
15年03月
16年3月予)
売上高
(百万円)
前年比(%)
36,759
41.3
51,346
39.7
63,000
22.7
東証 1 部
営業利益
(百万円) 前年比(%)
13,738
47.8
16,061
16.9
19,000
18.3
税前利益
(百万円) 前年比(%)
13,927
44.7
16,174
16.1
19,000
17.5
株価
当期利益
(百万円) 前年比(%)
8,415
50.3
9,759
16.0
11,300
15.8
11月5日
13週移動平均
株価(11月5日 ・円)
2,300
予想PER(16年3月期・倍)
65.9
売買単位(株)
100
業種
サービス
担当者
松本 直志
EPS
(円)
配当金
(円)
26
30
35
7
8
未定
2,300 円
26週移動平均
3,100
2,800
2,500
2,200
1,900
十
万
200
100
0
2014/11/29
2015/2/28
2015/5/31
2015/8/31
医療従事者専門サイト m3.com を核に医師向け転職支援サービスや治験、調査、電子カルテ、
海外事業など周辺領域に事業を拡大させ、継続的に売上、利益を拡大させている。中核事業の
m3.com の国内医師会員は約 25 万人を有し、日本全国の医師数約 29 万人の 9 割が会員になって
いる。収益源は製薬会社向けマーケティング支援サービス「MR 君」で、製薬会社の MR の代わ
りに医師に医薬品などの情報提供を行うことで広告収入を得ている。医師はインターネットを医
療情報の収集に最も多く利用しているものの、製薬企業の営業費用の約 92%は MR の人件費など
が占めており、インターネットを活用したマーケティング費用は全体の営業費用の約 1%しかな
く、ネットを利用したマーケティング市場の拡大余地は依然として大きい。「MR」君以外の事業
も医師会員基盤の活用や M&A を行うことで飛躍的に事業規模が拡大している。特に治験事業は、
m3.com に登録している医師に働きかけることで、治験に必要な症例を同業他社に比べて各段に
早く集めることができ、売上規模が急拡大している。海外の医師会員数は米で約 60 万人、英国が
約 20 万人、中国では約 130 万人、全世界で医師会員数は 300 万人を超える規模に拡大しており、
製薬会社向けマーケティング支援サービス中心に海外売上も拡大している。海外でも日本と同様
に、事業範囲を広げていくことで売上規模の拡大を目指す方針。
上期決算は前年比 23.9%増収、22.1%営業増益。製薬会社の大口客が MR 活動を一時的に休止
したことや米国でエムスリーの e メールサーバーがスパム送信に使われていると誤解を受ける事
態が発生し、広告収入が減少したことで 6 億円程想定外の減益要因が発生したが、会社計画を上
回る利益を確保。治験事業では好調な受注、順調なプロジェクト進捗により上期の利益は前年比
2.8 倍に拡大し、全社業績の拡大を牽引。海外事業では、中国で医師会員数増大に伴い製薬会社向
けマーケティング支援サービス、調査サービスが順調に伸び、中国での上期の売上、利益はとも
に前年比 2.3 倍に拡大した。
MR のネット化や治験などの周辺ビジネス、海外事業の拡大に加えて、各ビジネスの売上規模
を拡大させるため、
「MR 君」では成功報酬型の料金体系を一部導入。治験では新薬開発を行う会
社に出資し、効率的に治験を行い早期に新薬を開発することで、投資リターンを獲得するという
取り組みも行っており、エムスリーの業績拡大余地は依然として大きいと思われる。
本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに
記載させていただきました。ご確認の程、宜しくお願い致します。
2
説明会より
銘柄
(コード)
市場
株価(11/5)
売買単位
コーエーテクモ
(3635)
東証 1 部
1,823 円
100 株
日立国際電気
(6756)
東証 1 部
1,702 円
1,000 株
本多通信
(6826)
東証 2 部
947 円
100 株
村田製作所
(6981)
東証 1 部
19,120 円
100 株
SPK
(7466)
東証 1 部
2,302 円
100 株
東京
エレクトロン
(8035)
東証 1 部
7,524 円
100 株
コメント
上期決算は前年比 5.9%減収、24.8%営業減益だが、会社計画は超過。デ
ッドオアアライブで、追加アイテムや衣装などのダウンロード販売が伸
び収益性向上に寄与。アジアでは大航海時代など日本のコンテンツに対
する人気が上昇しており、上期のアジア売上は前年比 75.9%増収。マル
チプラットフォーム展開の一つとしてスマートフォン(スマホ)を使える
ように、ゲームエンジンを新たに開発。マルチプラットフォーム型のス
マホゲームを来期投入予定。(松本 直志)
上期決算は前年比 23%増収、94%営業増益になり上期として過去最高益
を更新。半導体製造装置で下期からの前倒し受注や技術の世代交代に伴
う装置のグレードアップ修理の需要が拡大。下期への経費の期ズレもあ
り、営業利益は会社計画を大きく超過。4Q の半導体市況がまだ見えない
ため、下期は慎重な計画になっているが、来期に向けて 3D-NAND 向
け設備投資の拡大が見込まれ、業績は高水準で推移するものと思われる。
(松本 直志)
車載カメラ用コネクタは新規顧客向けが貢献し引き続き高い伸び。一方
で、相対的に高収益な FA 向けが中国の設備投資減速の影響を受け、通信
基地局向けが新機種切り替え前の在庫調整で落ち込んでおり、製品構成
悪化から 2Q 利益伸は悩み。3Q に関しては、さらなる製品構成の悪化か
ら売上、
利益ともに 2Q 対比でもう一段の減速が見込まれる状況。
ただし、
FA の受注は 10 月に入り反転しているうえ、通信も新規案件の貢献によ
り 11 月から反転見通しとし、4Q での巻き返しに期待。中期長期的なス
タンスで車載、ADAS 関連銘柄として注目。(多功 毅)
中国系スマホの高機能化シフト、米系新型スマホ向けビジネスの拡大、
これに伴うスマホ一台当りの当社製部品金額の上昇が業績を牽引。通期
業績を上方修正したが、下期は期初予想をほぼ据え置きの内容。通期営
業利益は再度増額の可能性が高いものと思われる。来期も中国系スマホ
の高機能化シフト、さらに米系スマホも大幅モデルチェンジの年になる
事が見込まれ、増益基調継続の可能性が高いものと思われる。(多功 毅)
2Q 決算は計画線での増収増益で着地。主力の国内卸は新規商材の開発・
販売等が貢献、海外は中国、ロシアが苦戦も円安効果に加えて中東、中
南米の伸びでカバー、工機部門も着実増加。通期計画の達成にも自信を
示す。中計で掲げる 2 期後の売上高 433 億円計画は M&A も活用し社内
目標としては 500 億円を目指していると。安定業績が見込める連続増配
企業として引き続き注目。(多功 毅)
2Q の半導体製造装置の受注は 1Q 比 22%減もほぼ想定通りで着地し、
3Q、4Q と少しずつ改善する見込みで、通期計画を若干上方修正。ロジ
ックで投資計画が出てきており、3D-NAND では新しい工場の建設計画
が進んでいることから、来期の半導体の設備投資も今期並みか少し増加
すると見込んでいる。IoT 時代になると旧式の半導体への需要の拡大が見
込まれており、中古装置のメンテナンスや改造、修理、パーツの提供な
どのサービス売上は市況に左右されない成長が期待される。(松本 直志)
本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに
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3
やまわ
■
■
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発行 山和証券調査室