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ヤマワ・レポート
(平成 27 年 11 月 24 日号)
今週の株式相場見通し
*日経平均
19,600~20,200 円
TOPIX 1,500~1,530
*期待材料 国内外の政策対応 成長戦略の加速 企業ガバナンス改革
*不安材料 地政学的リスク 中国経済及び新興国経済の動向
・3 月期決算企業の第 2 四半期決算の発表が一巡した。7-9 月期に入り、中国経済の低迷を
示す経済指標の発表が続いた事や中国の株式市場の急落を受け、2Q の日本企業の業績動向
への注目度は非常に高かったが、総じていえば堅調と評価できる決算であった。金融を除く
東証 1 部上場の 3 月期決算企業の内、QUICK コンセンサスが集計可能な 749 社の 2Q 累計
経常利益実績は前年同期比 18.4%増益で、11 月 16 日時点における通期の会社予想経常利益
は同 9.8%増益となっている。749 社合計の 2Q 累計段階での通期に対する進捗率という観点
でも前年同期の 48.6%に対して今期は 52.4%予想と堅調な推移である。なお、通期の会社予
想経常利益の 9 月末時点の予想との対比では 0.6%の減額でほぼ横ばいを維持している。石油
精製、資源関連、さらに中国の設備投資に絡む企業では下方修正の発表が相次いだが、自動
車、電子部品、大手化学企業では上方修正の動きが目立った。QUICK コンセンサスによる
通期予想は、11 月 16 日時点の予想では 9 月末対比 1.6%の減額も会社予想に対しては 5.0%
の上方乖離(9 月末比 0.6 ポイント低下)となっている。ただ、決算発表後のコンセンサスの修
正には遅効性が見られる事を勘案すると、今後も会社予想との乖離は縮小する可能性も想定
し、現時点では全体業績の上方修正までは織り込まない方が無難な局面であると思われる。
上方修正期待は低下しつつあるが、決算発表を受けて過度な業績懸念も後退した事で、徐々
に下値が切り上がる展開を想定する。日経平均の PER の水準感としては、これまで同様に
14 から 16.5 倍程度を想定し、買い場としては近年の平均 PER である 15.5 倍以下での押し
目買いが望ましいと考えている。(11 月 19 日現在、多功 毅)
今週の予定
11/24(火)
国内
11 月日経日本製造業 PMI (10:35)
25(水)
26(木)
27(金)
海外
[独]11 月 IFO 企業景況感指数(18:00)
[米]7-9 月期 GDP 改定値(22:30)
[米]11 月消費者信頼感指数(24:00)
[米]10 月 PCE コア(22:30)
[米]10 月耐久財受注(22:30)
10 月全国 CPI(8:30)
出所はロイター、ブルームバーグより、時刻は日本時間(予定)
山和証券 本店営業部
TEL:3668-5412
本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに
記載させていただきました。ご確認の程、宜しくお願い致します。
1
今週の参考銘柄
V テクノロジー(7717)
決算期
14年03月
15年03月
16年3月予)
売上高
(百万円) 前年比(%)
13,263
262.2
16,456
24.1
30,000
82.3
東証 1 部
営業利益
(百万円) 前年比(%)
551
―
862
56.4
2,200
155.2
経常利益
(百万円) 前年比(%)
452
―
1,053
133.0
2,030
92.8
株価
当期利益
(百万円) 前年比(%)
236
―
533
125.8
1,040
95.1
11月19日
51
113
220
配当金
(円)
25.0
37.5
50.0
4,505 円
13週移動平均
株価(11月19日 ・円)
4,505
予想PER(16年3月期・倍)
20.8
売買単位(株)
100
業種
精密
担当者
松本 直志
EPS
(円)
26週移動平均
4,700
4,200
3,700
3,200
2,700
2,200
十
万
20
10
0
2014/12/13
2015/3/13
2015/6/13
2015/9/13
TV やスマートフォンなど向けフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造装置メーカー。研究開
発に注力し、工場を持たないファブレス企業。中国や日本向け売上の拡大や日本精工から買収し
た NSK テクノロジーの貢献により、上期決算は前年比 204.3%増収、黒字転換。上期の受注額は
前年比 2.5 倍、受注残は同 2.1 倍の 312 億円となり、ともに過去最高額を更新。受注好調に伴い
通期計画も上方修正している。中国では雇用対策に伴う公共投資の一環として FPD の大型投資が
積極化しており、中国向け売上は前年比 2.4 倍に拡大。FPD 分野を自国製造業の核とすべく中国
では設備投資計画が複数進行中で、2017~2018 年には堺ディスプレイプロダクト(SDP)の 10G
を超える 10.5G の TV 向け大型パネル工場の建設が計画されており、FPD 製造装置市場は 2019
年まで高水準の推移が続く見込み。日本では SDP 向けにフォトマスク検査装置を納入したこと
で、売上が前年比 4 倍に拡大。中国で液晶新工場の新設が本格化することで、マスクが不足する
ことを懸念した SDP のマスク内製化に伴う設備投資需要を取り込んだ。
大型、中小型パネル共に大画面化、高精細化、低価格化が同時進行しており、トレンドにあっ
た製品の需要が増大している。液晶 TV の画質・品質向上に貢献する光配向用露光装置が、競合
のウシオ電機を抑えて国内外の大手液晶パネルメーカー2 社へ量産試作機として導入が決定。中
小型パネル用では既に数多く採用されているが、TV 向け大型パネルでも導入本格化が見込まれて
いる。低価格化により 4K テレビの出荷数量が増加しているが、パネルの高精細化と大型化によ
りパネルの欠陥発生率が上昇しており、V テク製の修正装置の需要が増加している。コスト対策
としては、中国などでの人件費高騰に対応するためモジュール自動検査装置の売り込みを強化し
ており、9 月には中国の大手液晶パネルメーカー向けに 40 億円の大型受注を獲得。今後 3~4 年
で相当規模の売上貢献を見込んでいる。高精細露光装置ではニコンに対して苦戦が続いていたが、
生産コスト引き下げのため、重要工程以外ではニコン製の半分のコストで高精細露光を実現する
V テク製の露光装置への需要が韓国、中国、台湾で高まっており、今後の受注獲得が期待される。
上期末で受注残が 312 億円と過去最高水準にあるうえ、11 月には海外大手パネルメーカーから
カラーフィルター露光装置を総額約 110 億円で受注。中国の設備投資積極化を追い風に、シェア
アップや新製品の売上増により、来期も増収増益の可能性が高いものと思われる。
本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに
記載させていただきました。ご確認の程、宜しくお願い致します。
2
説明会より
銘柄
(コード)
市場
株価(11/19)
売買単位
キッコーマン
(2801)
東証 1 部
4,110 円
1,000 株
白鳩
(3192)
東証 JASDAQ
577 円
100 株
トヨタ
(7203)
東証 1 部
7,620 円
100 株
マツダ
(7261)
東証 1 部
2,531.5 円
100 株
富士重工
(7270)
東証 1 部
5,131 円
100 株
トプコン
(7732)
東証 1 部
2,015 円
100 株
コメント
上期決算は前年比 13.4%増収、37.8%営業増益。国内で消費税増税後の需
要減の反動や原材料価格の低下などにより営業利益が前年比倍増。いつ
でも新鮮シリーズの売上が継続的に拡大し、焼肉のたれやうちのごはん
の売上も増加。海外は北米、欧州、アジア・オセアニアでしょうゆなど
の販売が伸び、実質売上で前年比 7.5%増収と順調に成長している。海外
事業の堅調な伸びや国内事業の生産性の改善施策の効果で、来期も増収
増益の確度が高く株主還元の強化も期待される。(松本 直志)
15 年 8 月期決算は商品の欠品や競争激化、メーカー品の販売増によるミ
ックスの悪化、人員増強による販売管理費の増加で計画未達になったも
のの、中国の EC サイト天猫と楽天の海外部門での売上は前年比 3.6 倍の
3.22 億円に拡大。11 月 11 日の独身の日は前年比 5 倍以上に拡大する勢
いで予約注文が入っているとしており、今期は中国向け越境 EC 売上の
拡大が期待される。前期下方修正になったことで今期は慎重な計画を設
定しており、超過達成の可能性があるものと思われる。(松本 直志)
堅調な先進国での販売、原価低減効果、対ドルを中心とした円安効果に
より堅調な決算。例年、原価低減の前提にバッファーを残す傾向が強い
が、今回はこの点は妥当との印象。一方で為替前提を下期は対ドル 115
円としており、業績の下ブレ懸念は小さい。TNGA 第一弾となる新型プ
リウスによる収益性改善効果が決算数値上で確認された場合、今後の継
続的な車種構成の改善期待から株価評価も高まる事を想定する。
(多功 毅)
研究開発費の計上タイミングが下期へズレた事もあって上期決算は上ブ
レ着地だが、この特殊要因を除くベースでも評価出来る好決算。国内外
でのスカイアクティブ車の拡販効果、さらにコストダウンも想定以上に
発現している。下期から海外で投入される大型車 CX-9 も現在の北米市
場の動向を踏まると販売を伸ばせる環境にもあり、今回の増額修正後の
業績予想も最低線と思われる。(多功 毅)
北米での拡販、対ドル円安効果の計画以上の発現に伴い中間期は上ブレ
着地となるとともに通期も増額修正。絶好調の北米の販売動向、下期の
ドルレートが 118 円である事を含めて保守的計画と思われ、再増額に期
待。来期については北米での生産能力増強の前倒し、新型プラットフォ
ーム第一弾となるインプレッサの投入による業績拡大に期待。また、今
回の決算発表時に従来未定の配当についても年間で 144 円とする事を発
表。成長性と共に株主還元の面でも注目したい。 (多功 毅)
上期決算は前年比 5.9%増収、21.8%営業減益になり売上、利益ともに計
画未達。IT 農業の不振が続いたが、建機向け ICT 自動化施工の売上が欧
米で拡大。国内では国交省による普及促進施策もあり ICT 自動化施工シ
ステムの売上が前年比 30%増加。アイケア事業も新製品の販売が伸び前
年比 41%営業増益と好調。人員削減など販売管理費削減や原価低減、為
替前提の変更により通期の利益計画は据え置き。IT 農業の不振で業績は
踊り場だが、中長期的成長余力は依然大きいと思われる。(松本 直志)
本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに
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3
やまわ
■
■
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発行 山和証券調査室