はじめに 網走市の産業別人口(平成 12 年国勢調査)をみますと、第一次産業の人口 2,392 人は、平成 12 年の 総人口 43,395 人の 5.5%であり、農業人口 1,563 人は 3.6%、漁業人口にいたっては 1.8%に過ぎま せん。しかし、それぞれの生産額を平成 16 年数値で見ますと、農業が 254 億円、漁業が 107 億円、 そして水産加工業が 150 億円となっており、商品販売額の 112 億円、工業出荷額 364 億円に比較した 場合、生産額に対する人口比率から見ますと、農林水産業が網走市の経済等に与える影響とその占め る位置は非常に大きいといえます。 特に、漁業は、水産加工業を加えますと、その生産額は農業に匹敵します 257 億円となり、水産業 は、網走市の基幹産業として、網走市の地域振興の根幹をなす「まちづくり」の一翼を担う立場にあ ると言えます。 このように網走の基幹産業と位置づけられます水産業の振興について、網走市は、網走市総合計画 (昭和 63 年 3 月)、新網走市総合計画(平成 10 年 3 月)の中で基本的な振興方向を示すとともに、 水産業についての振興対策は、網走市水産振興基本計画(平成元年 3 月)、網走市水産振興実施計画 (平成 2 年 3 月)、第二次網走市水産振興実施計画(平成 10 年 3 月)を策定し、現在に至っておりま す。 しかし、近年の水産業を取り巻く社会環境の変化は大きく、これまでの振興対策の主体となってい ました資源と漁業生産の増大及び流通対策の拡大による漁業経営の安定を図る等の視点から、地域振 興としての「まちづくり」を担い、自然環境を保護し、市民とともに生活を共有する地場産業として の水産業となることを求められております。 したがって、この「新網走市水産振興計画 06」の策定にあたっては、これまでの水産振興計画の 策定経過に見られます「水産業に限定された振興計画」ではなく、総人口 41,000 人の地域社会であ る網走市の存続と発展を目指すために、水産業がどのように主体的に参画し、その役割を担うかとい う視点と意識に基づく水産振興計画を策定することをコンセプトとして検討を進め、ここにまとめる ことができました。 また、この振興計画の策定にあたりましては、17 名の委員から構成されます「新網走市水産振興計 画 06 策定委員会」が設置され、元角委員長(網走合同定置漁業事務局長)の下で 5 回の委員会が開催さ れ、熱心な議論とご意見そしてご指導をいただきました。ここに、厚く感謝を申し上げます。 平成18年3月 網走市長 大 場 脩
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