TJ 新たなバイオ燃料の開発 スペインのエネルギー関連企業、Repsol 社は、代替エネルギー源の 開発に 2 台の Freedom EVO® リキッドハンドリング プラットフォームと ネスティ ド ディスポーザブルチップを利用している。同社にとって長時 間の自動運転は不可欠である。 世界的なエネルギー企業、Repsol 社のマドリッド 次のように述べた。「新たなバイオ燃料を開発す 結果が得られるか確認しなければなりません。こ 技術センターは、化石燃料の代替となる高性能 るには、多様な微生物の突然変異体を大量にス の作業で最適の候補を特定して実験を進めるに バイオ燃料などを開発する研究機関である。 同 クリーニングし、最も効率の良い候補を選択して は、ハイスループットスクリーニングが必要です。 センターでは、安全性や効率性の高いクリーンな 次段階の研究に進めなければなりません。この その後、何度かの指向性進化-つまりプロテイ エネルギーモデルを提供するため、400 人以上 多様な変異体を多数試験するには、ハイスルー ン エンジニアリング-と再スクリーニングによっ の研究者が技術革新によるエネルギーチェーン プットスクリーニングの自動化が重要です。」 て、事業化が可能な製品へと徐々に近づけるこ とができるのです。」 の価値向上を目指し、協力して研究を進めてい る。同社は、この研究をさらにパワーアップする 「まず特定の分子に標的を定め、ラボ内で標準 ため、コロニーピッキング用と酵素アッセイ用に 的な微生物学的手法によってこれを生産します。 「自動化はこの作業に欠かせません。Freedom ® 2 台の Freedom EVO プラットフォームを導入し 並行して情報処理チームがさまざまな計算を行い、 EVO ワークステーションには、コロニーピッカー た。ネスティド(積み重ね型)ディスポーザブル 想定しうるすべての変異を検討し、選別した酵素 (SciRobotics 社 製 Pickolo ™ )やロボットマ チップを利用することで、不可欠だった自動運転 や生物学的パスウェイを改変して収量を最大化で ニピュレータ(RoMa)アーム、リキッドハンドリ 時間の拡大に成功した。バイオテクノロジー事業 きるモデルを確立します。この結果をラボに反映 ング(LiHa)アーム、ネスティド 350 µl ディス 部の Jose Miguel Seoane 研究員はその過程を させ、大量のクローンを作製した後、予測通りの ポーザブルチップ(Tecan Sterile) 、プレートシー バイオテクノロジー事業部は Freedom EVO プラットフォームを中心に研究を行っている 20 BIOPROCESSING TECAN JOURNAL 2/2015 TJ ラー、ペトリプレート用カローセル(SciRobotics 社製)が搭載され、クローンを自動で分離します。 コロニーの入ったペトリ皿はカローセルに収納され、 コロニーピッカーが変異株を採取します。変異株 をマイクロプレートに移し、一晩インキュベーショ ンして個々のプレートウェルでそれぞれ培養した後、 2 台目の Freedom EVO システムで酵素アッセ イを行います。このシステムには RoMa アーム、 MultiChannel Arm ™ 96、200 µl ディスポー ザブルチップ(標準型とネスティド型、Tecan テスト使用もきわめて良好でした。Tecanはサポー トも充実しています。プラットフォームにコロニー Sterile) 、3 台の Teleshake(INHECO 社製) 、 ピッカーが搭載され、処理能力が高いことも魅力 Te-VacS ™、プレート 10 枚を収納できるプレー でした。 トホテル、Tecan Carousel プレート用ホテル および Infinite 200 PRO マイクロプレートリー ® ダーが搭載されています。標的タンパク質を抽出 した後、変異導入によって変化が生じたか否か を酵素アッセイで確認します。」 Seoane 研究員は続けた。「私たちは Freedom EVO を選択する前に他社のシステムもいくつか 検討しました。しかし私は前の研究所で Tecan のシステムを使い慣れ、その性能に満足していま 特に興味を引いたのは、ネスティド ディスポー ザブルチップです。 私たちは 1 週 間 に最 高 10,000 株のコロニーを培養するため、長時間 の自動運転は絶対に譲れないポイントです。20 分ごとに手作業でチップをデッキにセットする必要 「 特に興 味を引いたのは、 ネスティド ディスポーザブル チップです。 私たちは 1 週 間に最高 10,000 株のコロ ニーを培養するため、長時 間の自動運転は絶対に譲れ ないポイントです。」 があるのなら、自動化に投資する意味がありま せん。積み重ね型のチップは不可欠な要素です。 のサポートは抜群でした。システムを熟知した 新しいネスティド 350 µl ディスポーザブルチップ フィールドエンジニアがすばやく対応してくれるの は、各トレイの間にフレームが組み込んでありま で、おおいに感謝しています。サポートがなけれ す。トレイはフレームにぴったり収まり、積み重ね ばプロジェクトが数週間、もしくは数か月遅れた可 した。また Freedom EVO は実績に定評があり、 ても全く位置が乱れないため、チップの装着に失 敗することもありません。ワークフローがより確実 能性もあります。Tecan と一緒に取り組めたこと は幸いでした。」と Seoane 研究員は締めくくった。 かつ効率的になり、自動運転の時間も希望通り Tecan のネスティド ディスポーザブルチップに関 拡大しました。」 する詳細は、www.tecan.com/lihaditi を参 照してください。 「Freedom EVOシステムを使い始めて約 1 年に なりますが、賢い選択でした。この作業は複雑を きわめ、手作業ではほぼ不可能です。また自動 化することで精度がはるかに向上し、バーコード によるトレーサビリティの確保でプロセス全体の管 理も可能です。 私たちは Freedom EVOware® 向けに信頼性の高いスクリプトを開発しました。こ れは使い方も簡単で、酵素アッセイを一晩でラン して翌朝にはサンプルを次の作業に回せるため、 ネスティド 350 µl ディスポーザブルチップ – 自動化対応の 5 段トレイ Repsol 技術センターに関する詳細は、www. repsol.com を参照してください。 ■この記事は 2015 年 6 月発行 Tecan Journal 2/2015 に掲載されているユーザーストーリーをテカンジャパ ンが日本語翻訳したものです。翻訳文の表現等に疑義 が生じた場合は、原文をご参照ください。 テカンジャパン株式会社 TEL. 044-556-7311/FAX. 044-556-7312 E-mail: [email protected] 10 ~ 12 時間の短縮になります。また Tecan BIOPROCESSING TECAN JOURNAL 2/2015 21
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