TJ ビタミン検査の強い味方 Freedom EVO® ワークステー ンプル調製に手間と時間がかかり、エラーも発生 Horst 博士は続けた。「リキッドハンドリングシス ションは、Reinier de Graaf 病 しやすかったのです。 当ラボは ISO 15189 の テムを自動化するのは初めてでしたので、市販さ 院のメディカルラボが実施する 認証取得済みですので、品質管理とプロセスの れているさまざまな装置を検討しました。 分析前 安全性はきわめて重要です。そこで煩雑な手作 の手順はアッセイごとに大きく異なるため、プラッ 業の工程をなくす方法を模索しました。自動化が トフォームには各サンプル調製プロトコールに適 解決策であることは明らかでした。ワークフローを 応できる高い柔軟性が必要でした。Freedom 高品質のビタミン検査サービス で不可欠の存在となっている。 この多用途ソリューションは、ビタ ミンの LC 解析でサンプル調製 ワークフローの大半を完全自動 合理化するだけでなく、トレーサビリティも向上し、 EVO ワークステーションは、明らかに汎用性の高 年間のサンプル処理能力が 2 桁増加すると予想 いシステムです。またオープンな構造のため、こ されました。」 れまで手作業で使用していた複数の装置をプラッ トフォームに統合できます。 当ラボの Freedom クロマトグラフィー部門マネージャーの Yolanda EVO 150 装置には、固定チップとディスポーザ 化し、手間とコストを大幅に削減 van Leusden 氏が話を引き継いだ。「自動化を ブルチップを組み合わせて使用できる 8 チャンネ するとともに同ラボのスループット 進めたおもな目的のひとつは、検査コストの削減 ルリキッドハンドリングアーム、Pick and Place でした。手作業に頼っていたサンプルの前処理 アーム、ロボットマニピュレータアーム、Te- 向上ニーズにも応えた。 工程は、すでにできる限り最適化していましたの Shake ™モジュール、Hettich 遠心機、およびカ で、これ以上既存のワークフローを改善すること スタム仕様の加熱モジュールとマイクロプレート移 は不可能でした。 同じ作業を繰り返すサンプル 動ラックが搭載されています。このフレキシブルな 美しい古都、デルフト市を拠点とする Reinier de 調製は、自動化に最適です。またこれで労働力 システム構成が、私たちの必要とする多様な個 を他の作業に回すことができるため、検査あたり 別サンプル処理工程を可能にします。自動化向 のコストが削減されます。さらに自動化には、多 けとして最初に選んだプロトコールは、最も頻度 くのプロトコールを 96 ウェルマイクロプレートにス の高いアッセイのひとつ、ビタミン B1/B6 の検 ケールダウンし、試薬のコストを大幅に削減でき 査ワークフローでした。手作業ではきわめて煩雑 るメリットもあります。」 な工程を経なければなりません。これは、私たち Graaf 病院のメディカルラボは、オランダの医学 診断サービスの主要サプライヤーである。 同病 院向けのサービス(臨床化学検査や血液検査、 血液バンク、免疫検査、薬剤検査、微生物検 査など)を日常的に担う一方で、他のラボや大学、 食品業界、オランダ法医学研究所などの団体に 対し高度診断サービスを提供するリファレンスラボ としても有名である。 同ラボのクロマトグラフィー部門は、これらの高度 検査サービスで重要な役割を果たしている。 臨 床化学検査を担当する Frans van der Horst 博 士はラボの業務を次のように説明した。「私たち は患者や同僚、外部顧客の皆さんに高品質の サービスを迅速かつ低価格でお届けする義務があ ります。 液体 / ガスクロマトグラフィー(HPLC/ GC)は、幅広いアナライトに対応できる高速で コスト効果の高い検査法ですが、分析前のサン プル調製は、これまで手作業でした。そのためサ 18 CLINICAL DIAGNOSTICS TECAN JOURNAL 1/2015 Tecan 導入チーム(左から) :Louwra Koolmees、Marion Pleunes、Yolanda van Leusden、Johan Hardin TJ の慣れ親しんだ検査法で Freedom EVO プラッ 同ラボは、ビタミン B1/B6 のプロトコールの完全 Tecan の臨床診断ソリューションに関する詳細は、 トフォームの性能を確認するチャンスとなりました。 自動化に成功した後、ビタミンアッセイの大半の www.tecan.com/clinicalsolutions 日常の作業に導入すると、スループットは予想よ 調製を Freedom EVO に移行した。Horst 博士 を参照してください。 り明らかに大きく伸びています。」 は次のように締めくくった。「この装置は、分注 やピペッティングといった基本操作はもちろん、タ Reinier de Graaf 病院に関する詳細は、 www.reinierdegraaf.nl を参照してください。 同ラボで自動化プロトコールの開発を担当したス ンパク質の沈殿、遠心分離、インキュベーショ タッフ、Louwra Koolmees 氏は、 次のように ン、固相抽出もできるよう設定され、個々のアッ 感想を述べた。「このシステムには使いやすい セイニーズに応じた幅広い操作を実行します。こ Freedom EVOware® ソフトウェアがインストール れまでのところ、すべてのビタミンサンプルの調製 されていますので、手作業の工程を簡単にプラッ プロトコールを自動化する上で、技術的な限界は トフォームに組み込むことができました。Tecan 見当たりません。次の目標は、液 - 液抽出プロト から必要なサポートを受けましたが、それも最小限 コールの自動化です。これは安価で安定した検 で済みました。」また同僚の Marion Pleunes 氏 査法ですが、技術的にはかなり複雑で自動化が も付け加えた。「基本的なスクリプトをセットアップ 困難です。 実現すれば Freedom EVO プラット した後は、すべての工程をバリデーションする作 フォームですべてのサンプル調製が実行できるよ 業に注力しました。特に多彩な試薬や体液を用 うになり、メディカルラボにとって大きなパラダイム いたピペッティングの再現性に注目し、高い品質 シフトとなるでしょう。」 ■この記事は2015年2月発行 Tecan Journal 1/2015 に掲載されているユーザーストーリーをテカンジャパ ンが日本語翻訳したものです。翻訳文の表現等に疑義 が生じた場合は、原文をご参照ください。 テカンジャパン株式会社 TEL. 044-556-7311/FAX. 044-556-7312 E-mail: [email protected] 基準を確保できるかどうか確認しました。その結 果、自動化プロトコールはこれまでの手作業工程 に優ることがはっきりと証明されました。」 準備 サンプルと試薬の分注 遠心分離 分注 培養 安定剤の分注 自動化 手作業 遠心分離 25 25 10 10 10 30 10 10 10 5 サンプル分注 バイアルのキャッピング / プレートのシール 0 20 30 10 40 60 20 30 80 100 20 120 10 140 20 160 5 180 時間(分) ビタミン B 抽出時間を手作業と自動化で比較。96 の血液サンプルでの抽出に手作業では 170 分かかったのに対し自動化では 120 分と、抽出時間全体で 30%の削減。さらに、現場 で立ち会う時間は 120 分からたったの 30 分に削減し、労働力を他の作業にまわすことができる。 は人的介在が不要な手順を示す。 CLINICAL DIAGNOSTICS TECAN JOURNAL 1/2015 19
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