表 4 ・ 1 タンパク質に含まれる標準アミノ酸の構造. 略号 , 名 称 三文字表記 一文字表記 非極性側鎖 アミノ酸 タンパク 中 の ( D)t 2 平均含量(%) t 3 5 7 . 0 coo 7 . 2 pK 1 pK 2 α COOH t4 α NH{t4 2. 35 9 . 7 8 侭1鎖 K"t4 一 名称、 構 三 文字表記 一文字表記 t古川『側鎖 ノ酸 A吋 V a l v 7 1 . 1 7 . 8 2 . 3 5 coo- Arg R coo- 2 . 2 9 」同 I 1 3 . 2 9 . 1 2 . 3 3 プ ロリン Asp D | |* I1 3 . 2 I I H-C 一一一一 C 5 . 3 2 . 3 2 Glu E CH2 CH3 H coo- 1 3 1 . 2 2. 2 2 . 1 3 ti 構造は pH t2 9 7 . 1 5 . 2 1 . 9 5 1 0 . 6 4 Hヲ coo- 1 4 7 . 2 3 . 9 2 . 2 0 9 . 3 1 1 8 6 . 2 1 . 4 2 . 4 6 9 . 4 1 -~~CH可均 Gln Q 6. 8 2 . 1 9 9 . 2 1 I 0I .I 5 . 9 2 . 0 9 9 . 1 0 システイン 6 . 0 4 1 . 9 9 9. 90 3 . 9 0 ( ( 3COOH) 1 2 9. 1 6 . 3 2 . 1 0 9 . 4 7 4 . 0 7 . (y COOH) 。 coo- ~-CHヲーC比一Cグ0 ~時 5 . 3 \ \0 7.0 におけるイオン型で示す(ヒスチジンは除く ) .グリシン以外の c . 原子および *印 をつけた原子はキラル 中心 で,構造を フ イツシャ ー ヒ スチ ジ ンの pKR は 7 .0 に近いので pH7.0 では中性型とプ ロト ン 化型の両方があ る. H-C 一一一 C-CH3 ~ c / I1 4 . 1 4. 3 2. 1 4 8 . 7 2 H-C -CH2 一 ~Hj ' N H 2 coo- H-~-CH2-CH2一Cグ0 | N同 coo H 1 2 8 . l 4 . 3 2 . 1 7 9 . 1 3 \ NH2 1 6 3 . 2 3 . 2 2 . 2 0 9 . 2 1 1 0 . 4 6 (フェノール基) ~ 町℃}oH cooH-C ー CH2-SH 山時 W i l l i a mC .Rose とトレオニンの発見 W i l l i a mC .Rose ( 1887 1985) 源として トウモロコシのタンパ ク,ゼインだけを 与 えたラ ッ トはア 然のタン パ クとその加水分解物の中には ミノ酸ト リプトファン とリ シン を補わないと成長しない. 当 時の代 何かもう 一つ 必須アミノ酸があると考え 謝の知識は動物やヒトに特定の食物を 与 えたとき尿中に出てくる化 合物を調べて得られたもの であ っ た.食べたものは他の化合物に変 えられる が何にでも変わ れ るわ け で、 は ない . Tこ. 究して いた.ラッ ト の成長 と 栄養の研究から , プ リンとピリ ミジ ン はアミノ 酸からできるが, これ ら は食餌の ア ミ ノ酸の代わりにはな bH coo- 1 W i l l i a mC.Rose は イリノイ大学で窒素化合物代謝の栄養学 を研 1 0 3 . 1 1 . 9 1 . 9 2 1 0 . 7 0 8 . 3 7 (- SH 基) 何年 かかか っ て彼はそのアミノ酸を発 見した. 1935 年 に Rose はこのアミノ酸 を他の 19 種のア ミ ノ酸に加えるとラ ッ トが成長すると発 表 ,こうして最後の 20 番 目の アミ ノ酸, トレオニンが発見された. れないこ とを知 っ ていた. そこ で彼は個キのアミ ノ酸が栄養に必須か否 かを調べるために, ち 10 種が栄養に必須であり,そのどの 一 つを除いても実験動物の タン パクを加水分解してアミ ノ酸とし,その中から特定 ア ミ ノ酸ゐ 成長が止まり,最後は死ぬことがわか っ た.他の 10 種のアミノ酸 選択的除去を試みた. その実験のーっとして牛乳のタンパク,カゼ インの加水分解物からア ルギニンとヒスチジンを除きラ ッ トに与え た.ヒ スチジンを補わない とラ ッ トは体重が減少し,アルギニンは ヒスチ ジンの代用になら な い .このことから Rose はすべてのアミ ノ酸に ついて必要性を調べる ことにし, シ ステイン,ヒスチジン, トリ プ ト ファンが他のアミ ノ酸では代替できないことを示した. タン パクの加水分解物か ら Rose は純アミノ酸の混合物に 実験を 切り 替えた. 当 時既知の 19 種のア ミ ノ酸のうち 13 種は精製, 6 種 N同 Cys c 9 . 3 3 1 1 5 . l タン パク構成アミノ酸の 同 定 は動物栄養の研究か ら生 じた. 20 8 7 . 1 coo- H I 1 , チロシン Tyr y 1 . 8 0 ( イ ミダ ゾール基) 世紀の初頭,物理化学者(生化学 という 言葉 はまだなか っ た) は食品 H-C -CH2 一 OH アス パ ラギ ン t s グルタミン ts 2 . 3 には栄養として十分でない ものもあることを知 っ た.たとえば窒素 coo- トレオニン Asn N 1 3 7 . 1 H | Box4 ・ coo- NHj Thr T ニ ウム基) 叶 問。 極性無電荷側鎖セリン S e r s (グア ニ ジ NH! H-~-CHヲーCグ0 H 1 2 . 4 8 き は 三文字表記では Gl x , 一文字表記では z. 標準アミノ酸以外のアミノ酸 は 一 文字表記で は X で表す. H ア ミ ノ酸 8. 9 9 残基質量は中性型の値とする . 遊離アミノ酸の分子質量を求めるには H20 の分子質量 18.0D を 加 える .側 鎖だけの質量を求めるにはペプチド 部分 t6 N時 w 1 . 8 2 o fP r o t e i nS t r u c t u r ea n dt h eP r i n c i p l eso fP r o t e i n Conformation ,” ed. b yG .D .Fa sma n, P l e n u mP r es s( 1989)より . t4 出 典: R.M.C . Dawson,D . C .E l l i o t t,W . H .E l l i o t t,K. M.Jones,“Data f o rB i o c h e m i c a lR e s e a r c h( 3r dEd .),” p l ~ 31 , O x f o r dSc i e n c eP u b l i c a t i o n s ( 1 98 6) . ts アスパラギンかアスパラギン 酸の区 別 ができないときは 三 文字表記で は A sx , 一 文字表記では B , グ ル タミンかグルタミン酸の区 別 ができな いと ]H2 トリ プ トフ ァン Trp 5 . 1 の値, 56.0D を引く. t 3 重複しないよう選んだタンパクの合計 300,688 残基から計算. デー タは R F .Doolittle,“Predictions 2 Phe F 1 0 . 5 4 投影式 ( §4·2) で示す.複素環式化合物には有機化合物命名法による番号をつけた. 9 . 2 8 H-C-CH2-CH2 S CH3 C<甲/「ノ、.~ι2 1 5 6 . 2 CH ー9 ー CHゥーー NH-C、 coo- グルタミン酸行 9 . 7 6 NH2 2-~t+ NHj coo- CH3 フ ェ ニ ル ア ラ ニン 9. 06 H-CI -CH ヲ アスパラギン酸行 9 . 7 4 N同 P r o p 2 . 1 6 pKR 側鎖t 4 (εNH{) coo- H i s H N同 メH3 1 H-C -CHoー ヒスチジン t 6 9 . 7 4 H-T -CH2一守c NHj H 3 メチオニン 5. 9 / t:H N時 Met M 6 . 6 H-C-CH イソ ロイ シン I l e I 9 9 . l coo/cH ロイ シン Leu L 1 28. 2 pK 2 αCOOH t 4 α NH{ t 4 H C -CH2 ー CH2 ー CH2-CH2-N 同 アルギニン 9. 8 7 CH3 ~Hj pK1 タン パ ク中 の ( D) t 2 平均含量(%) t3 coo リシン Lys K N同 パリ ン 残基質量 造式 t 1 N同 cooH一 C 47 表 4 ・ I (つづき) H-C- H アラニン Ala A 残基質量 構造式ti グ リ シン Gly G タンパク中の含量, および解厳基の pK 値 lま合成し た.しかし こ れら 19 種のア ミ ノ酸を与えたラ ッ トの体重 は減少し た.アミノ酸の比がよくないとも 考 えられたが Rose は天 その後 20 年に及ぶ実験でタン パ ク中にある 20 種のアミノ酸のう は動物が必要量をつくることができるので “ 非必須” である. 続 く実験で Rose は院生を被験者としてヒトのア ミ ノ酸要求を調 べた.ヒトの正常な栄養にどのアミノ酸がどれだけ要るかがわかれ ば異 なる種類の食料タンパクの栄養価を知ることができる . この発 見は静脈注射による栄養補給の指標とな っ た. R. H .McCoy,C . E .Meyer,W.C.Rose,F e e d i n ge x p e r i m e n t sw i t hm i x t u r e s c i d s .V I I I .I s o l a t i o nandident1自 cation o fanew o fh i g h l ypuri 白ed aminoa J .B i o l .Chem.1 1 2 ,283-302( 1 9 3 5) .[ h t t p : / / w w w . e s s e n t i a laminoa c i d, j b c . o r g]
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