H27病害虫防除速報№8 野菜・花き編-1

平成27年度
発表日:平成27年7月13日
病害虫防除速報 №8 野菜・花き 編-1
岩手県病害虫防除所
オオタバコガのフェロモントラップへの誘殺数が増加し、産卵も
確認されています。早期発見に努め若齢幼虫のうちに防除しまし
ょう。
現在の状況
1 農業研究センター内に設置しているオオタバコガフェロモントラップの誘殺数が、7月第2半旬に増加した
(図1)
。
2 農業研究センター内予察圃のミニトマト(無防除)において、6月第5半旬には産卵が確認され、7月第2半
旬には産卵数が増加、幼虫も確認されている(写真1)
。
3 現地に設置してあるフェロモントラップでも7月第1~2半旬にかけて誘殺が見られた(図2)
。
4 オオタバコガは広食性害虫であり、ナス科やキク科、アブラナ科など多くの作物を食害することから、今後
トマトやキク等、多くの作物で被害が多くなる可能性がある。
40
北上(農研・予察圃) H27
誘殺数(頭)
30
北上(農研・予察圃) 平均(H23-26)
20
10
0
5-1 5-2 5-3 5-4 5-5 5-6 6-1 6-2 6-3 6-4 6-5 6-6 7-1 7-2 7-3 7-4 7-5 7-6 8-1
月-半旬
図1 予察圃(北上市)フェロモントラップによるオオタバコガの誘殺状況
写真1 予察圃(北上市)のミニトマトへの産卵(左)と幼虫(右)
西和賀・りんどう
岩手町・キャベツ
誘殺数(頭)
15
20
岩手町一方井 キャベツ H27
10
西和賀 りんどうH27
西和賀 りんどうH26
岩手町一方井 キャベツ H26
15
誘殺数(頭)
20
10
5
5
0
0
6-1 6-3 6-5 7-1 7-3 7-5 8-1 8-3 8-5 9-1 9-3 9-5 10-1 10-3 10-5
月-半旬
6-1 6-3 6-5 7-1 7-3 7-5 8-1 8-3 8-5 9-1 9-3 9-5 10-1 10-3 10-5
月-半旬
図2 現地におけるフェロモントラップによるオオタバコガの誘殺状況
防除対策
1 オオタバコガ幼虫は、生長点付近の茎葉や果実、花蕾などを加害するので、その周辺を中心に観察し、被害
の早期発見に努め、防除効果の高い若齢幼虫を対象に薬剤散布を行う。
2 レタスでは、オオタバコガ幼虫が結球内部に食入すると、その後の防除が困難になるので、結球期前の防除
を徹底する。
3 薬剤を散布する際は、薬液が葉裏にもよくかかるよう丁寧におこなう。
4 また薬剤抵抗性の発達が懸念されるため、同一系統の薬剤は連用しない。
5 施設栽培では、開口部や出入口を防虫ネット(4㎜以下)で被覆すると、成虫の侵入を防ぐことができる。
6 次世代成虫の発生時期等は、アグリベンチャーネットに掲載するフェロモントラップの誘殺状況等、今後の
情報を参考にすること。
【利用上の注意】
・農薬は、使用前に必ずラベルを確認し、使用者が責任を持って使用しましょう。
・農薬使用の際には、(1)使用基準の遵守(2)飛散防止(3)防除実績の記帳 を徹底しましょう。
【情報のお問い合わせは病害虫防除所まで】
TEL 0197(68)4427
FAX 0197(68)4316
☆この情報は、いわてアグリベンチャーネットでもご覧いただけます。
アドレス http://i-agri.net/