【連載】図書館より(第4回) 目録システム講習会に参加して

コラム
【連載】図書館より(第4回)
目録システム講習会に参加して
図書館 本田 登美江
本年度、図書館職員の研修の一環として国立情報学研究所 /National Institute of Informatics(以下
NII)主催の「目録システム講習会(図書コース)
」に参加した。
ここでいう目録とは、ある資料を特定するために必要な本のタイトルや著者、出版者等の情報を記し
た「書誌情報」とその資料の配架場所を明記した「所在情報」を記したものである。
サレジオ高専では、NII の NACSIS-CAT というオンラインの総合目録データベースシステムを利用
しており、その総合目録は全国の参加機関による共同分担入力方式により作り上げられている。例えば
「A」という本の目録を作成しようとするとき、参加機関の中で一番最初に登録する図書館が「A」の
書誌を作成し、それ以降に登録する図書館は既に作られた書誌を利用し、所蔵情報を登録する仕組み
である。また、一度作られた書誌に対しても各参加機関から都度オンラインで情報の修正や追加が可能
で、書誌情報が充実且つ正確なものになり、品質の高いものになっていく。しかも登録作業が効率的で
あり、自館の資料だけでなく全国の参加館の資料の検索や利用 (ILL/ 学術資料の相互間利用 ) が可能で
ある。
このシステムを利用するにあたって、正確な書誌情報を作る為には、全ての目録作成担当者が同じ概
念のもとで、統一されたルールで書誌を作成する必要がある。この度の講習会はその概念やルール等を
修得する目的で実施されているものである。
講習会は集合学習が2日半とそれ以前に講習会参加者の知識レベルを統一させておくための事前学
習に Web ラーニングを約 5 時間と修得確認テストがあり、期日までにテストで合格点を取ることが集
合学習への参加条件だったため緊張しつつ学習を始めた。真面目に勉強した甲斐あってテストも無事合
格し、集合学習に参加する権利を得た。
集合学習には 32 名の受講者が参加し、遠方は東北や九州から受講していた。やはり地方ではこのよ
うな講習会も少ないと聞き、自分が恵まれた環境にいることも実感させられた。
参加者は大学図書館職員が多数を占めていたが、高専図書館からも自分以外に 1 名、他にも研究所
や博物館など多岐にわたっていた。昼食時には情報交換したり、それぞれの図書館事情など、普段な
かなか知りえないことを忌憚なく語り、休憩時間も有意義なものとなった。
更に講習会は全て座学なので、途中睡魔に襲われるのではと心配していたが、講義のテンポも早く、
眠気など感じている余裕も無く、必死に取り組んだ結果、無事修了することができた。
現在もまた図書館業務に関わる別の研修に取り組んでいる。この研修はインターネットによる遠隔研
修のみだが、やはり、期日までにテストで合格点を取ることが修了の条件となっている。
機会あるごとに可能な限り知識や技術を深めようと思う。そして、講習会や研修で得たものを日々の
業務に生かし、先生方や学生たちの研究、学習の一助となるようにしていきたい。
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