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第 15 号
平成 27 年 10 月 26 日
● 編集発行
(一財)アジア農協振興機関
責任者:今野 正弘
東京都町田市相原町 4771
TEL: 042-782-4331
FAX: 042-782-4384
新 IDACA 理事長就任ご挨拶
2015 年 8 月 11 日開催の JA 全中臨時総会で第 14 代全中会長に
就任し、同年 8 月 20 日に IDACA 理事長に就任いたしました。
日本の農業・農村・JA を取り巻く課題が山積している中で重責
を担うこととなりましたが、2015 年 10 月の第 27 回 JA 全国大会
の開催を契機として、JA グループを挙げた「農業者の所得増大」
「農業生産の拡大」
「地域の活性化」を基本目標とする自己改革を
通じ、
「食と農を基軸として地域に根ざした協同組合」の確立に取
り組んでまいります。
また、海外の協同組合関係者からも多くのご支援をいただきま
したが、東日本大震災の復興につきましては、まだ道半ばの状況
であり、完全な復興が果たされるそのときまで、共助の精神にの
っとり、人と人の組織である協同組合の強みを最大限発揮し、
IDACA 理事長 奥野 長衛
被災地の目線に立った支援を継続していく考えです。
JA グループの国際協力活動を担う IDACA は、JA 全中の初代会長を務めた荷見安氏の尽力に
より、
「発展途上国の協同組合運動に従事する指導者のため、わが国の農協運動の中での学習機会
を設け、国際社会の中で連帯性を育む場」として、1963 年に設立されました。
IDACA は、これまで半世紀以上にわたりアジア地域を中心とした世界の協同組合関係者に対し、
日本の JA の事業や活動に関する研修機会を提供してきましたが、現在ではアジア地域だけでな
く、世界約 120 ヶ国から 6,000 名を超える研修員を受け入れるまでに至っております。IDACA
研修員の中には、政府の要人として、また農業協同組合運動の指導者として活躍されている方も
少なくなく、IDACA における人材養成研修は海外からも高い評価をいただいております。
今後とも IDACA として、協同組合運動を担う人材の養成によりアジアを中心とする途上国そ
して世界との共生に貢献していくとともに、研修員がわが国の農業・JA の良き理解者として育つ
ようさらに努めていく所存です。
≪目次≫
 新 IDACA 理事長就任ご挨拶 …………………………………………………… 1
 研修事業報告 ……………………………………………………………………… 2
(1) 2014 年度 第 2 回 ICA 中核リーダー育成研修
(2) 2015 年度 JICA 農業協同組合の組織化推進と事業運営能力の向上コース
(3) 2015 年度 ICA 農協事業強化研修
(4) 2015 年度 アセアン・キャパシティービルディング強化事業研修
 ミャンマープロジェクト中間報告 ……………………………………………… 6
 その他の出来事……………………………………………………………………… 8
 編集後記
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IDACA(イダカ)だより
第15号
2015.10.26
≪研修事業報告≫
(1) 2014年度 第2回ICA中核リーダー育成研修
農協または農家グループの中心を担うリーダ
を体験する機会にも恵まれました。
ー育成を目的とした本研修にはブータンを始め
兵庫県に加え山梨県では組合員農家の方々か
とした 6 ヵ国から計 10 名
ら直接話を伺うことができ、
が参加しました。
農業経営や農家にとっての
研修員は、3 週間のタイで
農協の役割について理解を
のプログラムを経て来日
深める絶好の機会となりま
し、3 月 16 日からの 20
した。
日間、農協運動や農協の
さらに、JA 神奈川中央会
事業、人材育成等につい
の教育センターでは、役職員
て学びました。
教育について話を伺い、研修
兵庫県では、JA 兵庫中
の多様性や指導方法、職員の
央会、JA 淡路日の出、JA
熱意に研修員一同が感銘を
兵庫南、女性起業グルー
受けていました。
プ、卸売市場等を訪問し、
研修の最後には、これらの
JA 神奈川中央会教育センター訪問
各訪問先の担当者やリー
経験を踏まえて研修員各々
ダーから貴重なお話を伺いました。また、県立フ
が行動計画書を完成させ、研修成果のまとめとし
ラワーセンター所長のお宅を訪問し日本の家庭
ました。
IDACAで広がる世界の協同組合ネットワーク
JA 兵庫南
福祉部長 野村 隆幸
私は IDACA の研修を毎年楽しみにしている一人です。今回は農協の組織化を
目指すリーダーの研修で、国に帰って農協を組織するという壮大な目標を持ち、熱
心に視察されました。現地での農協設立を心より願っています。
わが国で賀川豊彦ら先人が命がけで協同組合を社会に根付かせたことを思うと、ゼロから農協(と
いう制度)を創ることは並大抵ではないと考えます。
以前、研修参加者から「日本の農協はなぜこのように強大で、法律で守られているのか。」と聞かれ
たことがありました。その当時は農協法の下で総合農協という仕組みを当たり前と考えていましたが、
近年の農協改革の議論の中でその有難さを身にしみて感じることになりました。
個人そして国家レベルでの経済的格差が社会問題化し、
犯罪、テロそして戦争へと繋がっている現代こそ、世界
の協同組合が連携して平和的な経済的自立の道を提起
することが必要です。
研修で知り合った仲間たちと、いつの日か農産物の交易
をすることが私の夢です。〇〇農協で栽培したバナナを
直輸入し JA の直売所で販売、JA の特産メロンを現地の
農協で販売というような提携ができればおもしろいですね。
JA 綱領が高らかに謳うように「地域・全国・世界の協同
組合の仲間と連携し、より民主的で公正な社会の実現」を
目指すため、IDACA さん、その架け橋となってください!
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IDACA(イダカ)だより
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2015.10.26
(2) 2015 年度 JICA 農業協同組合の組織化推進と事業運営能力の向上コース
今年度の現地研修は、昨年の福島県に続き、
同じ東北地域の宮城県から協力をいただきまし
た。久しぶりの宮城県訪問となりましたが、特
に 2011 年の地震・津波での災害以降、益々力
強くなった農家の取り組み、JA の役割と存在感
を研修員は実感したようです。
アジア、アフリカ地域の国々、そして今回は東
欧からの参加も増え、16 か国から 17 名の研修
員が 5 月 10 日から 7 月 18 日までの研修に取り
組みました。
現地研修は宮崎県と長野県でも機会が設けら
れ、宮崎県の綾町での研修プログラムでは、JA,
行政が一体となった地域振興の取り組みにつ
いて、それぞれのリーダーから直接、説明いた
だくという貴重な時間を過ごすことができま
した。
綾町長とJA綾町の組合長とともに
IDACA 研修を終えて
JA 宮城中央会
営農農政部 安齋 嘉奈恵
初めは上司と IDACA との打ち合わせで書記を頼まれ、参加しました。その後交流会を経て、
気が付くといつのまにかメイン担当者の一人になっていました。
IDACA の中嶋部長と何度もやりとりし、様々な国、肩書、年齢の方が集まる中で、これで大
丈夫だろうかと色々な不安(主に食事について)がありました。
いよいよ研修当日。この日のために、部署の女性たちで歓迎の意を込めて鶴を作り、中にキ
ャンディーを入れて全員にプレゼントしました。皆さん大変喜ばれ、鶴のおかげで仲良くなる
ことができました。
研修は日替わりで職員が同行しましたが、わたしは
2 日間対応しました。被災地や直売所、いちご団地など
様々な場所を見学し、皆さん熱心に話を聞いて質問して
いた姿が印象的でした。宮城の農業を知り、興味を
持ってもらえたことをうれしく思います。
とても貴重な経験でしたが、英語がもっと話せたら
なぁ、と痛感した時間でもありました。
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(3)2015 年度 ICA 農協事業強化研修
本研修はある程度農協が発展した東南・南アジア
の中進国が対象の研修であり、今年度が第 2 回目の
実施(実施期間:2015 年 7 月 15 日~8 月 8 日)と
なります。今年は新たにモンゴルを加えた 4 か国 8
名の協同組合関係者が参加し、JA の営農・販売事
業、信用・共済・厚生事業などを包括的に学びまし
た。
都内近郊では JA 全農の全農青果センター㈱ (神
奈川センター)や営農・技術センター、東京みるく工
房ピュアや雪印メグミルク海老名工場を視察しま
した。7 月中旬には静岡県を訪問し、JA 静岡中央会、
JA 静岡経済連の大井川肥料工場、JA 静岡厚生連の
清水厚生病院、JA 遠州中央、JA 大井川、浜松市中
央卸売市場などを訪れ JA 静岡グループの取り組み、
県下の厚生事業や高齢者福祉事業の実情、JA の購
買事業(肥料)の概要、単協の農業振興策、卸売市
場のしくみ等を学び、自国の農協の活性化に繋がる
様々なアイデアを頂きました。特に、研修員は視察
受入先の関係者や講師の方々の真摯な態度や温か
JA遠州中央関係者の皆様と
いおもてなしの精神に感じ入ったようで、さらなる
高みを目指して自国で協同組合運動を展開してい
く勇気を頂いたと喜んでおりました。研修員は本研
修で得た有益な知見を基に自国の農協組織の事業
強化に資するアクションプランを完成させ、8 月 8
日に帰国いたしました。
世界に広がる『協同活動』
JA 静岡中央会 総務部
副部長 杉山 直人
ある日のこと。
「副部長、イダカ(?)とおっしゃる方からお電話です」こ
れが今回の視察受入の始まりでした。
電話の主旨は本会に対する外国の研修員の視察受入と県内 2JA・2 連合会への視察の仲介依頼。1JA
には業務多忙を理由に断られてしまい多少難儀をしたものの、何とか調整できました。
私自身、他県からの視察対応の経験はありましたが、外国の方を受け入れる視察は初めてのことでし
たし、資料の準備や満足いただけるような対応ができるか確信もありませんでしたので一抹の不安があ
ったことは事実です。ただ、お相手は ICA の関係者とのこと。協同組合の基本的価値を共有する方々
の視察ですから何とかなるだろうと思い“初体験”を楽しみにしていました。
そして研修当日。研修員はインド、マレーシア、モンゴル、フィリピンの協同組合に勤務する役職員
10 名ほど。通訳の方を介した説明や意見交換は
2 時間半にも及びましたが、決して長くはありませ
んでした。
協同組合活動の基本は「仲間づくり」だといわれ
ます。協同の仲間を世界に広げていただき、また
ワールドワイドな協同活動の機会を与えてくださった
IDACA の皆様には心より感謝申し上げます。
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(4) 2015 年度 アセアン・キャパシティービルディング強化事業研修
アセアン・日本キャパシティービルディング強
組合としてのまとまった取組が必要です。
化事業による日本での研修「フードバリューチェ
本研修では、我が国の経験として農業の 6 次産
ーン構築における農業協同組合の役割」コースが
業化の進め方、JA グループにおけるフードバリュ
2015 年 8 月
ーチェーンの構
16 日より 8 月
築について、米、
29 日まで開催
畜産、園芸につい
されました。
て紹介し、卸売市
この研修はア
場の役割や JA の
セアン事務局
農産物直売シス
が JA 全中に
テム、農産加工に
委託した事業
ついて講義と視
察を通じて紹介
のうちの一つ
JA 全農営農・技術センター訪問
しました。研修員
で、IDACA が
はアセアン加盟 10 ヵ国のうちシンガポールを除
研修の運営・実施を担当しました。アセアン経済
く 9 か国から合計 24 名が参加しました。
統合を控え、商品としての農産物の品質向上、鮮
現地研修は群馬県で実施され、群馬県農協中央
度保持や付加価値をいかにつけて農家の所得向上
会、全農群馬県本部、前橋市総合卸売市場、㈱群
に結び付けるかがアセアン加盟国の緊急な課題で
馬県食肉市場、JA 前橋市、JA 佐波伊勢崎、JA あ
す。小規模家族経営が中心であるアセアン各国の
がつま、JA 甘楽富岡などを訪問しました。
農家にとってフードバリューチェーンを単独で構
築することは難しく、生産者グループや農業協同
アジアの人材育成に関われた喜び
JA 群馬中央会
教育部長 小見
耕一
2014 年 10 月の ICA 中核リーダー研修、2015 年 8 月のアセアン研修と、二度
の研修受入を担当して、IDACA の事業内容を知り、職員の方々を知ることができました。特にアジア各
国で自国の農業協同組合発展に関わるであろう方々に対して、それなりに人材育成に関われたことが、と
てもうれしかったです。
2014 年は農協改革議論が始まった時期で、中央会廃止の意見もありました。納得できない日々でした
が、こうした取り組みこそ大切だと、主に県内 2JA の各施設を 4 日間、案内しました。
ICA は協同組合が未発達な 6 か国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム、ネパール、ブータ
ン)からの 10 名の受入でしたが、アセアンはシンガポールを除く 9 か国からの 24 名でした。テーマが
「フードバリューチェーン構築における JA の役割」とあり、
IDACA からの視察先希望も含め、自分なりにテーマに沿った
内容が見聞できる企画を考えました。結果、4JA と青果市場、
食肉市場を 4 日間にわたり案内しました。自分自身にとって
も改めて市場の活動や JA の取り組みを知ることができ、有意
義でした。
個人的なことですが、曾祖父が「群馬の協同組合の父」と
いわれた清水友衛で、彼は二十歳の時に仲間二十数名と協同
活動を始め、その後、産業組合長として活躍しました。100 年
前のことです。研修に来られた方々には、ぜひ、協同組合の
先駆者になってほしいと願っています。
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≪ミャンマープロジェクト中間報告≫
ミャンマーからの報告
IDACA ミャンマー事務所
所長 氣賀澤忠文
1. 本邦研修へ向けて参加者の選考
本邦研修の参加者の選考については、村の選
考会議で十分に議論して選ぶことができまし
たが、ウンドゥウィンの村では、選考に僧侶の
意見が反映されて貴重な体験をしました。それ
からもう一つの村のヤンゴンパーでは女性を
本邦研修に参加させるのを男たちが拒否し、長
い議論をした末、女性の参加が認められたので
した。
IDACA講義室にて開講式
シンマカウ村の今年度の参加は準備が間に
合わず、見合わせることにしたので、参加者は 2 つの村の農民各 3 人、フィールド・オフィサー各 1 人、
全国協同組合中央会(CCS )1 人、IDACA ミャンマー事務所のスタッフ 2 人、合計 10 人です。
2.協同組合ワークショップと MoU(了解覚書)締結
8 月 4 日から 7 日まで、ネピドーで協同組合
ワークショップを行いました。これは本邦研修
を効果的にするために日本の協同組合のこと
を事前に学習するということが目的でした。協
同組合省から「ミャンマーの協同組合の現状と
課題」、CCS から「中央会の組織と活動」の講
演をしてもらいました。参加者はミャンマーの
協同組合の現状を理解し、ロッチデールの話や
二宮尊徳の話に自分たちの将来を見ることが
ネピドーのホテルにて「協同組合」を学ぶワークショップ開催
できた、日本の JA の歴史を知ったというよう
な感想がでて、この国の農民の置かれている現状を知ることができました。嬉しいことにワークショッ
プ最終日に、ようやく MoU を締結することができました。
3.本邦研修の開催、金次郎の故郷へ
研修は 8 月 24 日から 29 日まで行われました。二宮
尊徳の誕生の地、小田原市の桜井では農業機械の共同
利用を始めた農家から話を聞き、尊徳記念館で金次郎
の生涯と業績に触れ、金次郎が植えた酒匂川堤の松の
木や捨て苗の田に稲が育っているのを見て感慨を新た
にしました。JA かながわ西湘、JA グループ神奈川
二宮尊徳資料館訪問
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教育センター、JA はだの及び管内農家を視察先とし
て訪問しました。鎌倉市農協連即売所を早朝から視察
し、その歴史と独特の運営方法、農家のビジネスマイ
ンドの必要性などたくさんのことを実際の現場で教
えていただきました。ご協力いただいた方々には、こ
の紙面を借りて心からお礼を申し上げたいと思いま
す。
4.俺も村の金次郎になる
帰国してから研修員たちは各村で報告会を行い、さ
桜井生産組合の小沢さんから
機械化導入の説明を受ける
らにタウンシップ(郡)での報告会においては農民た
ち 120 人が参加しました。本邦研修に参加した農民は
このプロジェクトの目的と協同活動の必要性をはっ
きりと理解して、現在取り組んでいる貯蓄活動に積極
的になりました。そして、日本の協同組合の先駆者で
ある二宮金次郎を、自分たちの精神的指導者のように
語る農民たちは、自分たちを金次郎に重ね合わせて、
貧困や教育のなさや様々な困難を克服していくこと
でしょう。
5.農民の本事業に対する認識の高まり
本事業の対象となる村の小規模・貧困農家は経済的
JAかながわ西湘管内農家訪問
な貧しさゆえに、単独での農機の購入が不可能という
状況にあります。しかしながら、初年度の様々なワー
クショップや本邦研修、帰国後のシェアリングワーク
ショップなどへの参加を通じて農民たちは共同で資
金を蓄積して農機を購入し、共同利用するという仕組
みの重要性に気づいてきました。したがって、①農機
の導入による生産コストの削減や、②米の作付け時や
収穫時の農作業時間の短縮などにより、グリーングラ
ム(豆類)などの換金作物を適切な時期に作付けでき
鎌倉市農協連即売所の加藤さんから
直売所の歴史についての説明を受ける
ることによって、農業所得の増加を図りながら、そこ
から生み出される経済的余裕や余剰時間を有効に活
用して生活向上を実現する、という本事業の目的につ
いての認識が農民の間に深まっています。
報告会のプレゼンテーション用
資料作成に励む研修員
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≪その他の出来事≫
消防訓練の実施
2011 年 3 月の東日本大震災以降、防災意識が高まり、IDACA でも備蓄用
食料の見直しや帰宅困難者用の備品の整備等を行っています。また、宿泊施
設をともなう建築物は消防法に基づき、定期的に自衛消防訓練を実施するこ
とが定められています。研修員を交えた消防訓練は、2015 年 3 月に町田消防
署から署員の方々にお越しいただき実施しました。実際に火事が起きたことを想定して、各自の部屋
から非常口を経由した避難訓練や消火器の使い方訓練など研修員は真剣に取り組んでいました。最後
に防火服を試着させていただき、消防署員の方々と記念写真も撮らせていただきました!
消火器訓練をする研修員
防火服を試着した研修員
編集後記
アフリカからの研修員が多く参加した研修の期間中、少し遅れて食堂に行った
時のこと、炊飯器を開けると中は空っぽ。キッチンから食堂チーフの困ったような、
喜んでいるような「皆さん日本のご飯がお好きなようでたくさん召し上がるんです。
」
との声。主食のコメはセルフサービスなので好きなだけよそえるが、ふと見ると大食いコンテストか
と思うほど山盛りにしている研修員がいた。日本では米の消費量は減少傾向にあるが、アジア、アフ
リカの国々ではまだまだ主食であるコメや麦類、トウモロコシ粉などを大量に消費しているようだ。
私たち日本人は日本のコメは世界で一番美味しいと思っているが、国が変われば嗜好も変わり、タ
イ人はタイ米が一番だと思っているだろうし、インド人はインド料理にはインディカ米だと信じて
いる。でも IDACA のあの大きな炊飯器を空にしてしまうのだから、やはり
日本のコメは美味しいことに間違いない。
新米の季節、大変な思いをして作ってくださっている農家の方々に感謝
しつつ、世界で一番の日本の新米をいただきます!
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