1 特別支援学校(知的障害) 第1学年 数学科学習指導案 日 時 平成26

特別支援学校(知的障害) 第1学年 数学科学習指導案
日
時 平成26年 月
日( )第 校時
○○:○○~○○:○○
対 象 高等部第1学年 ○グループ ○○名
学校名 ○ ○
授業者 ○
会場
特別支援学校
○ ○ ○ ○
校舎棟○階 高等部○○教室
1 単元名
金銭の計算
2 単元の目標
・金銭の計算(合計金額や釣銭の計算)を筆算で正確に行うことができる。
・計算機器を使って消費税を含んだ計算を行うことができる。
・数を四捨五入、切り上げ、切り捨てなど指定された方法を使って概数に表すことができる。
・概数を使った金銭の計算ができ、予算内で買い物の計画を立てることができる。
3 単元の評価規準
ア 関心・意欲・態度
イ 数学的な見方や考え方
ウ 数学的な技能
エ 知識・理解
①金銭の計算におい
①既習の計算や数の仕組
①加算、減算が筆算を使
①筆算や計算機器を
て、加法、減法、
みを基に、筆算を使って
乗法を適切に用い
答えを求めている。
ようとしている。
②合計金額の求め方を考
②計算機器の便利
え、加法だけでなく乗法
さ、正確さを知り
を用いて答えを求めて
必要に応じて計算
いる。
に用いようとして
ってしている。
②金銭の計算において、
を理解している。
計算機器を適切に扱っ
②消費税を含んだ計
ている。
③いろいろな数を概数で
表している。
算の方法を理解し
ている。
③概数、四捨五入、
④商品の値段を概数で表
切上げ、切下げの
を含んだ値段の求め方
したり、合計金額を計
意味を理解してい
を考え、筆算や計算機器
算したりして、予算内
る。
いた計算を目的に
を用いて答えを求めて
での買い物計画を立て
応じて学習や生活
いる。
る。
いる。
③概数や概数を用
の場面に活用しよ
うとしている。
③合計金額や釣銭、消費税
使った計算の仕方
④概数を使うことの便利
⑤目的に合った方法で概
さに気付いている。
④概数を用いると便
利な場面を理解し
ている。
数を用い、おおよその
合計金額を計算してい
る。
4 指導観
(1)単元観
特別支援学校学習指導要領[数学]の目標「生活に必要な数量や図形などに関する理解を深め、それら
を活用する能力と態度を育てる。
」を基に、本グループの生徒の実態に合わせ、次の年間目標を設定した。
①社会生活に必要な計算能力や数量、図形についての基礎的な知識を身に付け、それらを日常生活に生か
1
す力を付ける。
②主体的に学習に取り組み、集団の中で自分の意見を発表したり、人の話を聞いたりする態度を身に付け
る。
金銭を計算する力は、生徒の日常生活や将来の社会生活に不可欠であり、生徒のもっている基礎的な知
識や計算能力を活用しながら学習を進めることができる題材である。今回は、筆算や計算機器を使って
正確に計算する方法と、概数を使って計算する方法の二つの実践を行い、必要に応じて日常生活場面で
使い分けられる力を付けていきたい。
(2)生徒観
略
(3)教材観
本単元では、生徒が日々の生活で使用している加法、減法、乗法を金銭の計算という形で用い、生徒が
既に身に付けている計算の能力を活用するとともに、三桁以上の計算を正確に行うということも求め、計
算能力の補完を図る。また、社会生活で活用できる計算機器も用い、必要な時に適切に使うことができる
ようになるための実践を行う。さらに、金銭の計算に概数を取り入れ、より短時間で簡単に計算ができる
方法を身に付けていく。
教材には、スーパーの広告を使用する。広告は、生徒の現在の生活に馴染みのある物であるとともに、
企業就労を視野に入れる生徒の将来の生活を想定しても、活用し得るもの一つである。必要な物を予算内
で購入するために、商品の値段を暗算で計算しやすい概数にしてから合計金額を出すという課題を取り入
れ、実生活で活用できるようにしていく。
5 年間指導計画における位置付け
学習指導要領の内容の2段階
(1)生活に必要な数量の処理や計算をする。
(2)長さ・重さ・量などの測定方法を理解し、工夫する。
(3)様々な図形、表やグラフを理解し、工夫して使う。
(4)生活に必要な金銭や時計・暦などを工夫して使う。
に基づき、年間指導計画に以下の単元を設定した。
(1)金銭の計算 (2)暦、時計と時間・時刻 (3)生活の中の数量単位と計測(4)図形
(5)表とグラフ (6)割合
高等部に入学してから初めての単元である(1)金銭の計算では、生徒の計算能力を確認するとともに、
概数や計算機器を活用する。計算については、本単元以外にも(2)暦、時計と時間・時刻で時間の経過
を求める際や、
(3)生活の中の数量単位と計測で量や長さなどの合計、差を求める際、
(4)図形で面積を
求める際、
(5)表とグラフで数値の合計や差を求める際などで学習を進めていく。また、概数については
(3)生活の中の数量単位と計測で、おおよその長さ、量を計測するという形でも学習を深める。さらに、
計算機器は(6)割合で、割合を様々な方法で表す学習を進める際に再び活用する。
上記の年間指導計画は全ての単元について、生徒が興味や関心をもって取り組めるよう生徒自身の現在
の生活に関わる教材を活用するようにし、将来の社会生活に生かせる内容設定を行うよう意識している。
2
6 単元の指導計画と評価計画(5時間扱い)
第1時
ねらい
学習内容・学習活動
学習活動に即した具体的な評価規準・(評価方法)
・問題の意味を理解
・筆算を使っての金
ア-① 金銭の計算において、加法、減法、乗法を
して立式し、加法、
銭の計算(合計金
適切に用いようとしている。(文章題に即して立式で
減法、乗法を適切
額やおつりの計
きているか観察する。)
に用いて計算す
算)を行う。
イ-① 既習の計算や数の仕組みを基に、筆算を使
る。
って答えを求めている。
(計算方法の発表場面を設定
し、生徒の発表を聞きながら板書し、確認する。
)
第2時
・計算機器を用いて
・消費税を含んだ金
ア-② 計算機器を計算に適切に用いている。
(消費
消費税を含んだ計
額の求め方を知
税を含んだ値段を求める際に必要に応じて計算機器
算ができる。
り、計算機器を用
を利用しているか観察する。
)
いて計算する。
エ-② 消費税を含んだ計算の方法を理解してい
る。
(立式を発表する場面を設定し、確認する。)
第3時
第4時
(本時)
・いろいろな数を概
・概数、四捨五入、
エ-③ 概数、四捨五入、切上げ、切下げの意味を
数で表すことがで
切り上げ、切り下
理解している。
(ノート上での計算の様子で確認す
きる。
げの意味を理解す
る。
)
る。
ウ-③ いろいろな数を概数で表している。
(いろい
・いろいろな数を求
ろな数を概数で表す課題を設定し、求められた方法
められた方法で概
で正しく表せているか観察するとともに、発表場面
数に表す。
で確認する。
)
・概数を用いておお ・値段を概数に表し、 ア-③ 概数や概数を用いた計算を目的に応じて学
よその合計金額を
概数を使って計算
習場面に活用している。(合計金額の計算時に概数
計算し、予算内で
をする。
を使って立式しているか観察し、発表場面で確認す
の買い物計画を立
・予算内に収まるよ
る。)
てることができ
うに商品を選択し
イ-④概数を使うことの便利さに気付いている。
(実
る。
て、値段を概数で
際の値段の合計金額とおおよその値段の合計金額を
表し、合計金額を
比較する課題を設定し、二つの金額に大きな差がな
計算する。
いこと、おおよその値段の合計金額の計算の方がよ
り簡単にできたことを発表場面で確認する。)
ウ-④ 商品の値段を概数で表したり、合計金額を
計算したりして、予算内での買い物計画を立ててい
る。(概数に表す表に正しく記入できているか、合
計金額が予算内に収まっているかを観察する。)
3
第5時
・概数や概数を用い
・目的に応じて値段
ウ-⑤ 目的にあった方法で概数を用い、おおよそ
た計算を目的に応
を概数に表し、概
の合計金額を計算することができる。
(どんな方法を
じて学習や生活の
数を使って計算を
用いて概数で表しているか観察し、発表場面で確認
場面に活用しよう
する。
する。
)
とする。
エ-④ 概数を用いると便利な場面を理解してい
る。
(概数を利用できる具体的な生活場面を確認す
る。
)
7 単元に関する個々の生徒の実態と本時の目標
略
8 配置図
J
I
H
G
B
C
D
E
F
入り口
K
A
T1
黒
板
9 指導に当たって
・基本的な学習態度が身に付いていて、どの生徒も意欲的に学習に取り組むことができているが、自分な
りの方法を変えることが難しかったり、途中で集中が途切れてしまったりする生徒がいるため個別に適
宜言葉掛けをする。
・基本的な計算能力・技術を身に付けているものの計算間違いが多い生徒がいるため机間指導の際、見直
しをするように言葉掛けをする。
・発表場面では、自主的な発言と指名しての発言の両方を取り入れている。間違ったことを発表してしま
うことで自信喪失につながらないよう、机間指導の際に解答を確認しておく。
10 本時(5時間中の第4時間目)
(1)本時の目標
・スーパーの広告から指定された商品を選び、設問に従って立式することができ、合計金額や釣銭を正
確に計算することができる。
・商品の値段を概数で表したり、合計金額を計算したりすることができる。
・指定された料理に必要な商品を選択し、指定された方法で値段を概数で表したり、合計金額を計算した
りすることができる。合計金額が予算内に収まるよう商品を選択することができる。
4
(2)本時の展開
時間
導入
(3 分)
学習内容・学習活動
指導上の留意点
生徒への配慮など
評価規準
(評価方法)
・学習内容、ねらいを理解し、 ・使用する教材を提示、配布して
見通しをもつ。
期待感がもてるようにする。
・スーパーの広告を見て、どん ・表裏両面をよく見るよう言葉掛
な物が載っているかを知る。 けする。
・広告に関わる質問をし、生徒の
生活と広告の関わりについての
情報を得るとともに興味を引き
出すようにする。
商品の合計金額を計算しよう。(第1時の復習)
・指定された商品を選んで、立
式し合計金額を計算する。
(設問 1~4)
・商品を探すのが難しい場合は、
広告のどこに商品があるかを伝
える。
・正しく立式できているか、答え
の単位が記入できているかを机
間指導で確認する。計算間違い
があった場合は、計算をもう一
度行うように言葉掛けする。
・設問2、設問4については乗法
を使うことを説明する。
・式と答えを発表する。
(設問
1~4)
・発表したい人を尋ね指名する。
・発表された式、答えを板書し、
生徒が自分の解答と比べられる
ようにする。
・指定された商品を選んで、商
品の値段を表に書く。
(設問5①)
・商品を探すのが難しい場合は、
広告のどこに商品があるかを伝
える。
展開
(44 分)
・商品の値段を使って立式し、
合計金額を計算する。
・式と答えを発表する。
・発表したい人を尋ね指名する。
(設問5①) ・発表された式、答えを板書し、
生徒が自分の解答と比べられる
ようにする。
・生徒D、生徒Jが課題
に取り組んでいるか
確認し、適宜言葉かけ
する。
・生徒A、生徒Eが計算
間違いをしていない
かを確認し、確かめを
促すようにする。
・生徒Kが落ち着いて計
算できるよう言葉掛
けをする。
・生徒D、生徒Jが課
題に取り組んでいる
か確認し、適宜言葉
かけする。
・机間指導の際、必要に
応じて生徒D、生徒J
に個別に説明をする。
・生徒A、生徒Eが計算
間違いをしていない
かを確認し、確かめを
促すようにする。
ア-① 金銭の計
算において、加法、
減法、乗法を適切
に用いようとして
いる。(文章題に即
して立式できてい
るか観察する。)
イ-① 既習の計
算や数の仕組みを
基に、筆算を使っ
て答えを求めてい
る。(計算方法の
発表場面を設定
し、生徒の発表を
聞きながら板書
し、確認する。)
およその合計金額を計算しよう。
・商品の値段を四捨五入で 100
の位までの概数に表し、表に
書く。
(設問5②)
・商品の値段、おおよその値段
を発表する。
(設問5②)
・四捨五入で 100 の位の概数にす
るためには、どの位の数字に注目
すればよいかを説明する。
・発表されたおおよその値段を板
書する際、注目した数字、四捨五
入した数字を説明しながら記入
する。
・商品のおおよその値段を使っ ・問題の意味を説明してどんな式
て立式し、合計金額を計算す
になるかを考えさせる。
る。
・発表したい人を尋ね指名する。
・式と答えを発表する。
・発表され答えを板書し生徒が自
(設問5②)
分の解答と比べられるようにす
5
・机間指導の際、必要に
応じて生徒D、生徒J ア-③ 概数や概
に個別に説明をする。 数を用いた計算を
目的に応じて学習
場面に活用してい
る。(合計金額の
・生徒A、生徒Eが計算 計算時に概数を使
間違いをしていない
って立式している
かを確認し、確かめを か観察し、発表場
促すようにする。
面で確認する。)
・生徒D、生徒Jに板書
・実際の値段の合計金額とおお
よその値段の合計金額を比
較し、二つの値段に大きな差
がないことを知る。
・実際の値段の合計金額とおお
よその値段の合計金額の計
算のどちらが早く簡単にで
きたかを発表する。
・概数を使った計算の便利さを
知る。
る。
・板書を示して①と②の答えを比
較するように伝える。
に注目するよう言葉
掛けする。
・生徒自身が記入したワークシー
トの①と②を見るように伝え、ど
ちらの計算が早く簡単にできた
かを尋ねる。
・机間指導の際、必要に
応じて生徒D、生徒Jに
個別に説明をする。
商品を選んでおよその合計金額を計算し、予算内に収まっているかを確認しよう。
・商品を選んで、商品の値段を
表に書く。
(設問6)
まとめ
(3分)
・どんな材料が必要かを考えさせ
るように言葉掛けする。表には材
料を 1 個分の値段を書くように伝
える。
・商品の値段を 100 の位の概数 ・切り上げて 100 の位の概数にす
に表し、表に書く。
(設問6) るためには、どの位の数字に注目
すればよいかを説明する。
・商品のおおよその値段を使っ ・設問5と同様に立式すれば合計
て立式し、合計金額を計算す
金額を計算できるということが
る。
理解できているかを確認する。
・合計金額と予算額を比べるよう
・合計金額が予算を超えていな
に言葉掛けする。合計金額が予算
いかを確かめる。
(設問6)
額を超えていた場合は、どの商品
を買わないか選び直すように伝
える。
・机間指導の際、生徒がどんな商
品を選んだか確認しておき、違う
・式と答えを発表する。
商品を選択している生徒を指名
(設問6)
する。一つの設問につき、2名ず
つ指名する。
・予算内で商品を選べたことを称
賛する。
・宿題があることを知る。
・設問6と同じ方法で宿題に取り
組むことを伝える。
・本時の学習内容、概数と概数 ・値段を概数にすることで計算が
を使った合計金額の計算に
簡単になったことを再度話す。
ついて振り返る。
・次時の学習内容を知る。
・次回も概数を使った合計金額の
計算をすることを伝える。
6
・生徒A、生徒Eが計算
間違いをしていない
かを確認し、確かめを
促すようにする。
イ-④概数を使う
ことの便利さに気
付く。(実際の値
段の合計金額とお
およその値段の合
計金額を比較する
課題を設定し、2
つの値段に差が大
きな差がないこ
と、およその値段
の合計金額の計算
が簡単にできたこ
とを発表場面で確
認する。)
ウ-④ 商品の値
段を概数で表した
り、合計金額を計
算したりして、予
算内での買い物計
画を立てることが
できる。
(概数で表す表に
正しく記入できて
いるか、合計金額
が予算内に収まっ
ているかを観察す
る。
)
(3)板書計画
①
②
設問1
設問3
式
式
答え
設問5
①
答え
設問2
設問4
式
式
答え
式
答え
設問6
式
答え
式
答え
③
式
②
答え
7
答え