作文 - 和歌山県立田辺工業高等学校

進路について
和歌山県立田辺工業高等学校
機械科 平 山 智 章
私が高校卒業後の進路を考え始めたのは中学三年生のときでした。進学よりも「就職をしたい」という
思いが当時からあり、中学校の先生や、両親に意見をもらいました。就職をしたいと言っても「ここの会
社で働きたい。
」という明確な目標がなかったため、どうしようか迷っていたとき、父に、
「就職まではまだ時間があるから、高校三年間の中で見つけられたらそれで十分だと思う。今は、勉強や
部活動を頑張って選択肢を広げていけばいい。
」
と言われ、それが決め手となり、高校を田辺工業高校に決めました。
トヨタ自動車に就職したいと考えるようになったのは、二年生の冬でした。部活動の先生から勧めても
らったのがきっかけです。
「僕なんかが、本当にトヨタ自動車に行けるのかな。
」と尻込みしていましたが、
先生に、
「これまでの成績と今まで以上の頑張りがあれば行ける。
」
と言っていただき、
「チャンスがめぐってきたんだから、頑張りたい。
」と真剣に目指すことを決意しまし
た。このときに、
「就職したい」という漠然とした意思が、
「トヨタに就職したい」という明確な目標とな
ったのです。
「トヨタ自動車に就職したい」と目標を定めてからは、その実現のために会社のホームページを見たり、
図書室を利用したりして、まず会社のことを調べることから始めました。三年生の五月ぐらいから進路指
導室に行って、受験報告書やパンフレットをコピーしていただき、就職試験に向けての勉強に力を入れて
いきました。私が受ける生産関係職は、面接と一般常識、国語と数学の筆記試験があるということでした
ので、SPI の問題を中心に勉強し、夏休み中に行われる補習にも参加し、準備を進めていきました。就職
対策の中で最も苦労したことは、自己PR文の作成です。これを書くためには自分を客観視して、長所や
短所を理解し、これから自分はどうなっていきたいかを簡潔にまとめなければいけません。周りの人に自
分はどんな人間なのかを聞きながら、
時間をかけてやっと作ることができました。
二学期に入ってからは、
時間を見つけては、先生方に面接練習をしていただき、就職試験に臨みました。
試験は、クレペリン検査、適性検査、面接、筆記テストの順で行われました。内容が受験報告書に書か
れていたこととほぼ同じだったので、対策はできていましたが、緊張のせいもあり、思っていたよりも余
裕がなく、
「対策をしていなかったら、全く何もできていなかったな。
」と私は準備することの大切さを実
感しました。試験終了後、会社の人から、
「結果が出るまではリラックスして、あまりこうすれば良かった、ああすれば良かったなど後悔をしない
ようにして過ごして下さい。
」
とアドバイスをいただきました。私は、
「落ちたらどうしよう。
」と心配し、ネガティブになりがちでした
が、先生方のご指導もあり、試験に合格することができました。合格通知をいただいたときは、胸のつか
えが取れたみたいでホッとしました。今は残り少ない高校生活を充実させ、四月からはいち早く仕事を覚
え即戦力となり、仲間やお客様から信頼されるトヨタマンになれるよう努力していきたいです。また安全
で安心な自動車づくりを目指し、自分が作った車を世界中の人々に提供し、より一層トヨタ自動車の発展
に貢献していきたいと考えています。
皆さんの中で、まだ自分の目標が決まっていない人は、今は勉強やクラブ活動を頑張って、自分の進路
を考える上での選択肢を広げてください。そうすることで今まで考えることのなかった道ができ、それが
本当にやりたいことに繋がると思います。また、進路について迷ったときには先生に相談してみるといい
と思います。先生方は、就職のことについて真剣に考えてくださっています。私も先生方始め、両親や、
友達などたくさんの人に助けられたからこそ、今の自分があると思っています。皆さんには時間がたくさ
んあります。焦らず、ゆっくり自分の進路について考えて下さい。
最後に私の夢の実現と成長のためにご指導、ご支援くださった先生方に感謝します。