NewsLetter Nikon Glass News Spring 2015 優れた光学性能を持つフッ化カルシウム(蛍石) ● 広い波長領域で透過率が高く、分散も小さい 「蛍石(ほたるいし、 けいせき) 」は、 フッ化カルシウム(CaF2)を主成分とする鉱物(結晶)で、 古くから知られているものです。微量のレアアース(希土類元素)を不純物として含む蛍石は、 その名のとおり、 紫外線を当てると蛍光を発します。古代エジプトでは装身具や彫刻に使われ、 また熱に溶けやすいことから製鉄などの融剤としても利用されてきました。蛍石は非常に 優れた光学特性を持っていますが、天然の鉱石では不純物が多く、大きさの問題もあるため、 工業的にはすべて人工の蛍石が使われています。 その蛍石を品質面から見ると、2 つのタイプに分かれます。1 つは、カメラの望遠レンズなど G CaF2 に使われているものです。蛍石は赤外領域から紫外領域まで広い波長領域にわたって優れた 透過特性を示し、しかも分散(波長による屈折率の違い)が極めて小さいという優れた特性 を持っています。そのため、通常の光学ガラスと組み合わせることで、色収差を最小限に抑 i A&M えることができます。さらに、光学ガラスに比べて比重も小さいため、レンズ本体の軽量 コンパクト化が図れます。 もう 1 つは、半導体露光装置の投影レンズなどに使われる、 品質や耐久性を極限まで追求した最高品質のものです。 半導体のパターンの微細化に伴って短波長の光源が使 わ れ ま す が、蛍 石 は 真 空 紫 外 域 に お い て も 優 れ た 透過特性を発揮するため、最適のレンズ素材として 利用されています。 ● 人類史上最も精密な機械と称される半導体露光装置 フッ化カルシウムのリーディング・サプライヤー ニコンは、大型で高品質なフッ化カルシウム単結晶のリーディング・サプライヤーです。 超高純度原材料の選定と管理、結晶育成プロセスの最適化などにより、不純物濃度を極限まで 低減。優れた屈折率均質性を達成し、高品質な大口径フッ化カルシウム単結晶の育成を実現 しています。 ニコンのフッ化カルシウム「NICF シリーズ」は、厳しい精度と耐久性が必要な半導体露光装置 などのために、長年研究開発されてきました。自社で半導体露光装置を開発製造してきた強み を最大限に生かして、お客様のご要望にも柔軟にお応えしています。 また、紫外用途だけではなく、可視・赤外領域での用途に品質を最適化した単結晶フッ化カル シウムもご提供します。納期やコストなどのカスタマイズにも幅広く対応し、デジタルカメラ フッ化カルシウム(蛍石)の単結晶 やビデオカメラ、天体望遠鏡、各種光学計測機器など、さまざまな用途にお使いいただけます。 ひとこと用語解説 【色収差】レンズを透過した光が、波長ごとに屈折率が違うために 1 点に集まらず、色ズレが発生すること。結像位置が 前後にずれる軸上色収差と、画面周辺部に発生する倍率色収差がある。 【レーザ耐久性】高出力レーザなどに長時間さらされることによって、レンズが曇ったり微少なクラックが入って、 透過率が低下する場合がある。半導体露光装置などの高出力レーザ向けレンズ素材として用いられる場合は、高い レーザ耐久性が求められる。 T O P I C S 右記の会場のニコンブースでお待ちしております。 製品およびニュースレターのお問い合わせ先 OPIE 15 レンズ設計・製造展 LASER World of PHOTONICS 2015 年 4 月 22 日(水)∼24日(金)会場:パシフィコ横浜(神奈川) 2015 年 6 月 22 日(月)∼25日 (水)ミュンヘン見本市会場(ドイツ) 株式会社ニコン ガラス事業室 営業部 〒100-0004 東京都千代田区大手町 2-2-2 NTT DATA 大手町ビル 5F TEL. 03-6265-1882 e-mail:[email protected] ホームページ:http://www.nikon.co.jp/glass/ ※ホームページからもお問い合わせできます。 NGN vol.18
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