第 33 号 2015 年 9 月 発 行 編集・発行/信楽園病院検査科 臨床検査技師 筒井 賢太 「脂肪肝」という単語は耳にしたことがあるでしょうか? 主に皮下に脂肪が溜まったものが肥満、肝臓に脂肪が溜まってしまったもの が脂肪肝と言われます。脂肪肝は動脈硬化を促進し、種々の恐ろしい動脈硬 化性疾患(心筋梗塞・脳梗塞など)を引き起こす原因となってしまいます。 肥満体型であるから脂肪肝、もしくは逆に痩せ型体型だか ら脂肪肝ではないとは限りません。肥満体型の方でも脂肪肝ではない方もいらっしゃいますし、 逆に痩せ型であっても脂肪肝である方もいらっしゃいます。それでは自分が脂肪肝であるのかと どうかというのはどうすれば知ることが出来るのでしょうか。参考となる検査を以下に示します。 血液検査 脂肪肝で異常値を示しやすい項目は主に以下のものになります。 AST・ ALT 種々の肝疾患で上昇します。 T-Cho 血中のコレステロール値の値を示します。 LDL-Cho 俗に悪玉コレステロールと呼ばれます。 高いと肝臓にコレステロールが溜まりやすくなります。 TG γ-GTP 血中の中性脂肪の値を示します。 お酒をたくさん飲まれる方で上がりやすい項目です。 注):血液検査だけでは脂肪肝を診断することは困難で、他の検査と併せて判断することが重要になります。 腹部エコー検査 お腹にゼリーをつけて、超音波を使うことによってお腹の種々の臓器を観察する検査です。 肝臓に脂肪が溜まってくると、超音波が脂肪で反射されてしまうため、肝臓が通常よりも白く観察されます。 脂肪が溜まると…. 正常の肝臓 脂肪肝 脂肪肝の主な治療方針は食事療法・運動療法です。 低カロリー、低脂肪食への食事の変更や、お酒をたくさん飲まれる方は減酒または禁酒が 必要となります。無理なダイエットは逆に肝臓に負担をかけてしまうので、主治医の先生と相 談しながら無理せず改善していきましょう。
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