講義資料

休講について
6月25日(木):マクロ経済学Ⅰ
⇒ 休講
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前回の復習
マクロ経済を見るうえで、貨幣の動きを見ることは重要!
・ マネーサプライ(貨幣量):
経済に流通している“現金”と“預金”の総量
流動性が高い預金
⇒ 当座預金、普通預金
流動性が低い預金
⇒ 定期預金
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前回の復習
マクロ経済学を分析する際に用いられる貨幣量の指標
・ M1 : 現金と要求払い預金(当座預金、普通預金など)
・ M2 : M1 + 定期性預金
民間銀行が中央銀行に預ける資金
⇒ 中央銀行預け金(リザーブ)
⇒ 日銀は 「銀行の銀行」
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前回の復習
銀行は一般預金者の預金の一定割合を中央銀行
にリザーブとして預けなければならない。
⇒ 法定預金準備率
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4.4.ハイパワード・マネー
ハイパワード・マネー(マネタリー・ベース):
世の中に出回るお金の総額(マネーサプライ)の基となる通貨
⇒ ① 現金通貨 ② リザーブ
ハイパワード・マネー 増加
⇒
マネーサプライ 増加
⇒ 経済全体のマネーサプライ決定に重要な役割
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4.4.ハイパワード・マネー
ハイパワード・マネー増減には、3つの方法
① 民間金融機関への貸し出し
② 公開市場操作による市中との債券の売買
③ 外国為替市場への介入
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4.4.ハイパワード・マネー
① 民間金融機関への貸し出し
手持ちの国債・債券・手形などを担保にして、中央銀行か
ら資金を借りる。
⇒ 中央銀行から“リザーブ”に資金が振り込まれる
公定歩合: 中央銀行の貸出金利
⇒ 2006年に名称変更 「基準割引率および基準貸付利率」
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4.4.ハイパワード・マネー
② 公開市場操作による市中との債券の売買
・ 買いオペレーション: 中央銀行が債権を買う
(買いオペ)
⇒ ハイパワード・マネー増加
・ 売りオペレーション: 中央銀行が債権を売る
(売りオペ)
⇒ ハイパワード・マネー減少
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4.4.ハイパワード・マネー
③ 外国為替市場への介入
中央銀行はたくさんの外貨(ドル、ユーロなど)を保有している
⇒ 「外貨準備」
中央銀行は外貨準備を用いて為替レートに影響を与える
⇒ 「為替介入」
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4.4.ハイパワード・マネー
・ 手持ちのドルを売って、円を買う
⇒
円高ドル安
⇒ ハイパワード・マネー減少
・ 市中からドルを購入して、円を放出
⇒
円安ドル高
⇒ ハイパワード・マネー増加
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4.5.信用乗数
ハイパワード・マネーの増加によって、マネーサプライがどの
くらい増えるのか?
⇒ “信用乗数”
信用乗数は4つの基本式で表される
M = C + D
(1)
H = C + R
(2)
M : マネーサプライ、
H : ハイパワード・マネー、
C : 現金、
D : 銀行預金
R : リザーブ
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4.5.信用乗数
C = αD
(3)
R = λD
(4)
α: 現金預金比率、
λ: 預金準備率
(3)、(4)を (1)、(2)に代入する
M = αD + D
(1)’
H = αD + λD
(2)’
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4.5.信用乗数
(1)’÷(2)’
1 
M 
H
 
1 
: 信用乗数
 
⇒ マネーサプライは、ハイパワード・マネーの一定倍
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1 
M 
H
 
4.5.信用乗数
例: α = 0.4、 λ = 0.1、 H = 100
1.信用乗数の大きさは?
2.マネーサプライの大きさは?
答. 信用乗数:2.8、
M=280
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