TLCキッズランド ︵京葉流通倉庫株式会社︶ ∼従業員確保のために保育所設置を決断∼ ママ友の口コミで応募してくる人も 保育所設置の経緯やねらい∼周辺の保育所が満員だったために保育所設置を決断∼ ●平成17年4月に近隣の7営業所を統合した 「戸田ロジスティクスセンター」 が完成し ました。当時最も大きな営業所で人員が200名程必要でしたが、従業員がなかな か集まらない状況が続いていました。 そこで、 地域の保育所に預けるための費用負 担を考えましたが、周辺の保育所は満員で預け先自体がないことが判明しました。 そのような中、結婚退職した従業員から「職場復帰を考えているのですが、子ども を見てもらえませんか」 という話もあったため、 平成19年4月に社長のトップダウン で人員確保のために保育所の設置を決定し、 同年8月にオープンしました。 開所までの道のり∼保育事業者の選定に苦労∼ ●保育事業者を探すことが一番の苦労でした。保育についての知識が全くなかった 開設 平成19年8月 定員数/児童数 20名/13名 保育時間 8時30分∼17時30分 (延長:∼19時00分) 休園日 土・日・祝・12/31∼1/4 保育料 3歳未満:23,000円 3歳以上:18,000円 保育従事者 保育スタッフ2名(常勤2名) 運営方法 委託 補助金等の活用 なし 12 ため、企業内保育所を持つ企業に問い合わせをしたところ、 「委託業者を探して業 務委託をすれば間違いないでしょう」というアドバイスをもらいました。それから インターネットや雑誌等で探した10数社に問い合わせをしたところ、四国で企業 内保育所の運営を専門で行っている保育事業者が東京に進出するタイミングで あったことからこの会社に決定しました。 ●設置にあたって、行政の補助金は利用しませんでした。国の補助金は面積基準を クリアすることが難しかったことと申請に時間がかかることから断念しました。ま た、県の補助金は地域児童の受け入れが必要という当時の条件がクリアできな かったので利用しませんでした。 ※現在、埼玉県の補助制度には地域児童受け入れの条件はありません。 保育所の運営方針や基本理念∼会社全体で親子を支援∼ ●子どもの具合が悪くなった場合等の緊急時は、 他の従業員がカバーすることにより、 母親は子どもの元へすぐに駆けつけられるように配慮しています。 1人ですべての業務 を行うのではなく、 複数の従業員で協力しながら業務を進行しているため、 日頃から 支え合いの意識を持つことができています。 ●七夕まつりやクリスマス会など季節ごとにイベントを企画しています。 保育所設置の効果∼ママ友の口コミで応募して来る人も∼ ●採用面では、 「働きたいけれど預け先がない」という女性が応募してくることが多 くなりました。また、 「あそこだったら働きやすいよ」とママ友の口コミで応募して くる人もいるため、募集費用をかけずに採用ができ、また、会社のイメージアップ にもなります。 ●生産性の高い若い女性が多くなり、定着率は確実に良くなっています。子どもが6 か月を過ぎてから保育所に預けて職場復帰し、継続して働く女性が多くなってい ます。 収支の状況及び考え方∼保育所は「福利厚生」のひとつ∼ ●人件費だけでも年間850万円程度の費用がかかっています。さらに水道光熱費 や消耗品費などを含めると年間で1,000万円超の支出が発生します。保育料はも らっていますが、支出の大半は会社負担となっており、保育所は福利厚生と位置 づけています。 ●福利厚生費は営業所ごとに負担するため、大きな営業所でないと保育所の運営が 困難です。そのため、現状では戸田ロジスティクスセンター以外での保育所設置 は難しい状況です。 保育所の課題と今後の展望∼保育士の安定確保∼ ●保育士が足りないのが最大の課題です。 保育士を確保するのに苦労しており、 同じ保育 士が継続して保育に携わることができる環境整備が課題となっています。 また、 そのため 0歳児の受け入れが困難になっており、 採用にも影響している状況です。 地域との関わり∼学生ボランティアとの交流∼ ●近隣の学生と交流を持っており、 ボランティアで太鼓等の楽器の演奏をしてもらっています。 京葉流通倉庫株式会社 事業内容 物流システム開発・販売等 従業員数 1,300名 (男性400名 女性900名) 本社所在地 埼玉県戸田市 13
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