︵株式会社ディスコ︶ディスコ大森保育ルーム ∼保育所は「働きやすい会社づくり」の一つ∼ 性別にとらわれない人材登用保育所設置の経緯やねらい∼本社の新棟建設を機に保育所も設置∼ ●平成17年に育児と仕事の両立支援制度が全面的に見直しになりました。ただ、当時は子どもを連れた電車通勤による負担面などを考え、保育所の設置ではなく短時間勤務等の制度と送迎を配慮した保育所補助手当を新設しました。しかし、平成 20年に新棟建設が決まった際に、レイアウトの段階で「保育所があるといいな」という声がありました。そこで従業員が安心して働くことができるように、また、今後増加が予測される育児休業取得者の職場復帰を円滑にするためにトップダウンで設置の方針を固めました。開所までの道のり∼新棟建設に合わせた短期間での調整∼ ●保育所の開所までに最も苦労したことはスケジュールの調整でした。新棟の建設開設平成21年4月定員数／児童数 14名／6名保育時間 8時00分∼19時00分（延長：∼20時00分）休園日と同時進行するため、助成金の承認基準に合わせた調整を短期間で行わなければならなかったからです。まず、平成20年6月にコンサルタントおよび保育事業者をコンペで決定しました。そこで重視したことは「安心感」があることや「保育所運営のノウハウ」があることでした。その後、10月の着工に向けて決定した保育事業者に保育所内の設備等のアドバイスを受けながら準備を進めました。着工後はインテリア等備品の購入や保育所の運営に向けての準備等を行い、平成21年2月に保育所が完成し、4月に開設することができました。保育所の運営方針や基本理念∼車通勤OK＆フレックスで満員電車も回避∼ 会社休日・年末年始 ●保育面では質の高い保育にするため、保育スタッフは全員保育士資格所持者です。食保育料 ●企業内保育所を利用している従業員には車通勤を優先的に認めており、電車通勤の 0∼2歳：5万円 3∼5歳：3万円保育従事者利用児童に応じて配置運営方法委託補助金等の活用設置費：事業所内保育施設支援事業補助経費（東京都）運営費：事業所内保育施設支援事業補助経費（東京都） 34 事面では社内の栄養士チームがメニューを考え、毎食手作りで提供しています。場合もフレックスタイムによりラッシュを回避することができます。保育所設置の効果∼最後の砦としての大きな安心感∼ ●地域の保育所の方が良いという意見が多く、実際に職場復帰する従業員の多くが自宅のある地域の保育所に子どもを預けています。ただ、保育所を利用しながら職場復帰する女性は年々増加しており、「保育所に預けることができなかったらどうしよう」という不安を誰もが感じています。しかし、企業内保育所があることで、いざとなったら会社の保育所に預けることができるという安心感を持つことができ、実際に地域の保育所に入れなかった従業員も保育所を利用しています。 ● 「保育所がある」からだけではなく、保育所以外にも様々な視点から見て「従業員を大切にしている社風がある」ということで応募する人が多くなっています。収支の状況及び考え方∼保育所は福利厚生費及び広告費∼ ●現在東京都の助成金を受けています。設置費は約1,500万円（設置費用総額は約 3,000万円）、運営費は毎年平均300万円の助成を受けています。しかし、年間 1,200∼1,300万円の持ち出しが発生しており、企業内保育所で採算をとれるとは考えていません。福利厚生費や広告費として考えることができるかどうか、経営者の理解や思いが必要だと思います。社内の両立支援制度∼男性の育休取得者も増加∼ ●従業員が仕事と家庭を両立し、より安心して働くことができるように独自の育児支援制度を導入しています。特徴的な制度としては「妊産婦健康管理休業」「出産準備休業」「育児両立支援休暇」などがあり、制度の導入後は男性の育児休業取得も増えています。制度を利用しながら働き続ける風土づくりに力を入れています。 ●平成19年には両立支援の実績が認められ、「次世代認定マーク（くるみん）」を設定開始初年度に取得しています。その他∼性別にとらわれない人材登用∼ ●近年、女性従業員の割合が増加しており、従業員の3割が女性従業員となっています。性別は判断材料とせず、良い人材を採用・登用しています。今後も格差のない多様な人材の活用ができるような両立支援を推進します。株式会社ディスコ事業内容精密加工装置の製造ならびに販売従業員数 2,855名（男性1,713名女性1,142名）本社所在地東京都大田区 35