ネパール地震緊急支援事業

2015 年度「いのちの水」事業
ネパール地震緊急支援事業提案書(Concept Note)
■今期通常事業の背景と本事業の趣旨:
国連ハビタット福岡本部では、2014 年度より「いのちの水事業~ネパールの水を救
え!」キャンペーンを開始し、首都カトマンズを中心に複数の自治体において生活貯水
池や河川の浄化改善を行う事業を実施してまいりました。
2015 年事業におきましても、前年度から更に拡大する形で地元福岡の民間企業によ
る環境技術を活用しながら、カトマンズ、ポカラなどの都市において、コミュニティお
よび地元 NGO と連携しながら湖、河川、貯水池、浄化槽などの浄化・改善に取り組ん
でまいりました。
4 月に発生したネパール大地震を受け、本事業を「ネパール緊急支援事業」に切り替
え、ハビタット研究会への従来からのご支援に加えて、地元九州を中心に企業や一般市
民の皆様より寄せられた寄付金 9,943,494 円を「ネパール地震緊急支援事業」として改
めて事業化する運びとなりました。
■事業予算:
82,000 米ドル(約 9,912,160 円)*国連 2015 年 9 月換算率(@120.88
円)に基づき算出。
■実施方法:
国連ハビタットが現在実施しているネパール地震復興事業の対象地区において、女性
世帯あるいは高齢者や病人・障がい者を抱える世帯、ダリットとよばれ,、カースト制
度の中で最も弱い立場とされる人々など、地震の被害が甚大でかつ最も支援を必要とす
る脆弱な世帯を対象に緊急支援事業を実施します。特に気温が急速に下がる 10 月以降
を睨み、トタン屋根の仮設住宅や避難住宅においても冬が越せるよう、断熱マット(床
面の上に敷いて、地面からの直接の湿気や冷気の侵入を防ぐもの)及びクッキング(調
理)ストーブを供給します。
従来、ネパールの貧困コミュニティでは薪を燃やして調理を行っておりましたが、女
性や子どもたちの重労働であった日々の薪の調達が地震後はさらに困難になったこと
や、市場価格も上昇していること、また薪を室内で直接燃やすことによる健康被害も指
摘されていました。このクッキングストーブによって、薪の消費量が約 6~7 割に削減
できること、またストーブの煙突から直接煙が室外に排出されることから、吸引の心配
もなく、住居全体を暖めることができるなど、様々な側面からで女性の負担軽減が期待
されます。
クッキングストーブは、受益者が恒久住宅に移行する際にも移設し長期利用が可能で
あり、森林保護の観点からストーブの活用を奨励しているネパール政府の方針とも合致
するものです。
1
カ トマンズや
や周辺自治体
体の協力の
のもと、ネパ
パール環境 NGO であ
ある Cente
er for
grated Urban Develop
pment や地元
元女性コー
ーポラティブ
ブと連携して
て事業を実施
施しま
Integ
す。ま
また、断熱マ
マットおよびストーブ
ブはカトマン
ンズ近郊の製
製造工場より
り直接購入し
し、地
域経済にも資す
することを目指します。
施場所:カトマンズ周
周辺を中心に
に、シントウ
ウパルチョウ
ウク、ドルカ
カ、ラリトプル、
■実施
バクタプルの地
地区における
る合計 700 世
世帯(予定)
。
015 年 9 月末
末~11 月末
末(予定)
■事業期間:20
写真
真下・右:室内
内で薪を焚く伝
伝統的な調理方
方法
写真左・下:暖房を兼ねる
る安全な調理ス
ストーブ
2
仮
仮設住宅床に断
断熱・防水シー
ート(上)を配
配布
■本事業は受益
益者および関
関係者の安全
全に配慮し、状況や気候
候の変化によ
よって実施場
場所や
実施スケジュー
ール等を変更
更することが
があります。
■事業予算は、資材購入費
費、技術提供
供、旅費、広
広報費用、A
AOS 等を含
含みます。
■特 に広報につ
つきましては
は、ネパール
ルのメディア
アを通じた周知や各種
種ツール(広
広報資
料・ス
スティッカーなど)の活用を通じ
じて、受益者
者を含む幅広
広い市民を対
対象として、本事
業が 福岡を中心
心とした市民
民や企業から
らの募金によ
よって実施される事業
業であるなど
どの広
報活動
動を行います。
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