daily コラム 〒810-0001 2015 年 2 月 23 日(月) 福岡市中央区天神 2-8-49 税理士法人かさい会計 TEL 092-771-4421 FAX 092-771-1417 Email 思いもよらぬ贈与税等の課税が! 第三者割当は時価発行で! 第三者割当増資は時価発行で! 会社が資本金を増やすことを『増資』と いいます。この『増資』の中でも新株主か ら金銭等の払込みを受けるものを『有償増 資』といい、その新株主の募集範囲の違い から『公募』『株主割当』『第三者割当』の 三種類に区別されます。このうち『第三者 割当』による増資を同族会社が行うときは、 『時価』で発行しないと、思いもよらぬ贈与 税等の課税が生じる場合があります。 課税の理由『株主価値の移転が生じる』 なぜ『時価』でない場合に贈与税等が課 税されるかというと、株主間で経済的価値 が移転してしまうからです。例えば 1 株当 たりの株価(ここでは時価純資産価額)@ 100 円で発行済株式総数 20 株(株主 A・B が各 10 株保有)の会社が、新株主 C から時 価の 1/2 の@50 円で 5 株の増資を引き受け たとしましょう(いわゆる『有利発行』)。 増資前@100 円 株数 時価総額 A 10 株 B 10 株 C ― 計 20 株 増資@50 円 ヒューリック福岡ビル 7 階 [email protected] この増資が行われた後の 1 株当たりの株 価(時価純資産価額)は、 (増資前 2,000 円 +増資額 250 円)÷増資後株数 25 株=@90 円となり株価が下がります。A・B は何もし ていないのに 1 株当たりの株価が▲10 円下 がり、C は@50 円の支払で@90 円の価値が ある株式を取得している状況になります。 ①増資後@90 円 ②移転前 移転分 株式 時価総額 時価総額 ①-② A 10 株 900 円 1,000 円 ▲100 B 10 株 900 円 1,000 円 ▲100 C 5株 450 円 250 円 +200 計 25 株 2,250 円 2,250 円 0 結果として、A と B から、それぞれ C に 100 円の経済的価値が移転してしまうので す。この C への移転分 200 円((@90−@50) ×5 株)について、C が A・B の親族である 場合には、贈与税課税、親族以外である場 合には、一時所得・給与所得等の課税対象 となります。この課税リスクは、①既存株 主が平等に増資を引受けない場合、かつ② 時価発行増資でない場合に起こります。 『第 三者割当』の場合には、①は当然充たさな いため、時価発行増資でなければ、課税リ スクが避けられないことになります。 株数 払込金額 1,000 円 ― ― 第三者割当増資に 1,000 円 ― ― は株価計算が必要 5株 250 円 です! 5株 250 円 ― 2,000 円
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