2015年7月16日 NEWS RELEASE No.C1532 活力ある高齢社会にむけた乳酸菌飲料の活用 乳酸菌飲料<希釈タイプ>は 高齢者の継続的な水分摂取を促すとともに、 残便感 *1 が軽減することを確認 ∼高齢者のQOL*2 改善に役立つ可能性∼ 第15回日本抗加齢医学会総会(5月29日∼31日/福岡)にて発表 カルピス株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:岸上克彦)発酵応用研究所は、カルピス社保有の乳酸菌と酵母 からつくられる乳酸菌飲料<希釈タイプ>を朝晩コップ1杯飲むことは、高齢者にとって水を飲むことよりも 続けやすく、 さらに排便回数の増加と、 残便感が軽減することを確認しました。 この研究結果を第15回日本抗加齢 医学会総会にて発表しました。 【背景・目的】 7月∼8月にむけてピークをむかえる熱中症への注意が喚起されるなか、 予防のために水分の摂取が推奨されています。 しかしながら、 高齢者は若年者にくらべ水分摂取量が減少する傾向にあります。 また加齢にともない腸の機能も低下 するため、高齢者の多くが便秘に悩んでいる傾向も見られます。一般的に便秘の対策の一つとして、水分を積極的に とることが薦められています。 一方、 高齢者には一定量の水を飲む習慣づくりが難しいという課題があり、 便秘による 不快感が、いきいきとした健康的な毎日を過ごす妨げにもなっていると考えられます。 カルピス社では、 人々の心とからだの健康に役立つ商品・技術を提供することを目指し、 乳酸菌や微生物を活用した 研究を行っています。これまで、発酵乳を用いた試験で、高齢者の睡眠改善や記憶力向上作用を明らかにするなど、 *3 高齢者のQOL改善への貢献を目指した研究 をおこなってきました。 今回、 生活者における排便習慣の改善や、 便秘に よる不快感の軽減について、カルピス社独自の乳酸菌飲料<希釈タイプ>を用いて検証しました。 【試験結果】 1.乳酸菌飲料<希釈タイプ>を毎日飲むことは、水を毎日飲むことよりも、 続けやすいことがわかりました。 2.乳酸菌飲料<希釈タイプ>を毎日飲むことで、排便回数と排便量が増加しました。 3.乳酸菌飲料<希釈タイプ>を毎日飲むことで、残便感が軽減しました。 4.乳酸菌飲料<希釈タイプ>を毎日飲むことで、糞便中の水分量が増加しました。 【まとめ】 朝晩にコップ1杯 (150ml) の乳酸菌飲料<希釈タイプ>を飲むことは、 水の飲用と比べて高齢者でも無理なく続けられる ことがわかりました。 また、 乳酸菌飲料<希釈タイプ>を毎日飲むことで、 排便回数・排便量の増加や、 残便感の軽減が 確認されました。 さらに、 その要因の一つとして、 糞便中の水分量の増加が関連している可能性があることがわかりました。 乳酸菌飲料<希釈タイプ> 便秘はさまざまな不快症状をともないますが、 残便感もその一つです。 今回の結果から、 は水に比べて高齢者の継続的な水分摂取を促し、排便回数の増加と、便秘による不快感を軽減すること が わかりました。 当社では、今後、メカニズムの解明を進めるとともに、乳酸菌飲料<希釈タイプ>による健康やQOLに関わる さまざまな可能性を明らかにし、社会に貢献できるように研究を進めてまいります。 <本件に関するお問い合わせ先> アサヒグループホールディングス株式会社 広報部門 <お客様からのお問い合わせ先> カルピス株式会社 お客様相談室 電話:03-5608-5126 フリーダイヤル:0120-378090 【試験内容】 60∼70代で、便秘傾向を自覚し、糞便水分量が低め(70%未満)の健常者(平均年齢66.1歳 男性34名、女性34名)を 2つのグループに分け、一方には乳酸菌飲料<希釈タイプ>(1回あたり希釈時150ml)、もう一方には水(1回あたり 150ml)を朝夕2回、4週間続けて飲んでもらいました。 【結果の詳細】 1.乳酸菌飲料<希釈タイプ>を毎日飲むことは、 水を毎日飲むことよりも、 続けやすいことがわかりました。 4週間の飲用後にアンケートをおこない、 水または乳酸菌 飲料<希釈タイプ>を4週間飲み続けることについて、 その続けやすさを調べました(「とても飲みやすかった 〈4週間の飲み続けやすさ〉 続けやすい (スコア:5)」から「とても飲みにくかった(スコア:1)」 までの5段階評価) 。 その結果、 乳酸菌飲料<希釈タイプ> 6 ** 5 スコア の方が、水よりも飲み続けやすいことがわかりました。 4 3 水 乳酸菌飲料( 殺菌) 飲用期間(週) **p =0.008 2.乳酸菌飲料<希釈タイプ>を毎日飲むことで排便回数と排便量が増加しました。 飲用期間中の排便回数と排便量を調べました。 その結果、 乳酸菌飲料<希釈タイプ>を飲んだグループは、 水を飲んだ グループと比べて、排便回数が有意に多く、また、排便量についても増加する傾向があることがわかりました。 〈排便量の変化〉 排便量(卵大換算の個数/週) 排便回数(回/週) 〈排便回数の変化〉 9 8 7 6 5 乳酸菌飲料<希釈タイプ> 4 水 3 0 1 2 3 4 25 20 15 10 乳酸菌飲料<希釈タイプ> 水 5 0 0 飲用期間(週) 1 2 3 4 飲用期間(週) p =0.017 p =0.100 2 3.乳酸菌飲料<希釈タイプ>を毎日飲むことで残便感が軽減しました。 飲用期間中、排便時の残便感についてアンケートを おこないました。その結果、乳酸菌飲料<希釈タイプ> 〈残便感の変化〉 を飲んだグループは、飲用開始から2週間で排便時の 3 残便感が低くなる(すっきり感が大きくなる)ことが スコア わかりました。 2 水 * 排便時の 1 すっきり感が 大きい 乳酸菌飲料<希釈タイプ> 0 1 2 3 4 飲用期間(週) *p <0.05 4.乳酸菌飲料<希釈タイプ>を毎日飲むことで糞便中の水分量が増加しました。 飲用前と4週間の飲用後に、 糞便を回収し、 水分量を調べ ました。その結果、乳酸菌飲料<希釈タイプ>を飲んだ グループは、 4週間の飲用により、 糞便中の水分量が増加 〈糞便中水分量の変化〉 することがわかりました。 一方、 水を飲んだグループでは 4週間後の 糞便中水分量の変化値 (%) ほとんど変化が見られませんでした。 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 -1.0 水 乳酸菌飲料<希釈タイプ> p =0.15 【第三者のコメント】 田中消化器科クリニック院長 医学博士 田中 孝先生 高齢になるにつれ、食事量の減少とともに食事からとる水分量 が減っていたり、のどの渇きを感じにくくなるなど、本人の 気づかないうちに水分摂取量が減るケースが多くみられます。 そのため水分摂取量を意識的に増やすことは非常に重要なこと で、 今回、 その方法のひとつとして乳酸菌飲料<希釈タイプ>が 有効であることが証明されたことは、有意義な結果であると いえます。 また、 これまでも乳酸菌飲料<希釈タイプ>を飲むと 排便が良くなることが実感としてわかっていましたが、 今回の 試験でその飲用が、糞便中の水分量を増加させ、便秘の改善・ 快便感につながることが明らかになりました。便秘でお悩みの 方にとって、有用なデータが得られたと考えています。 3 【用語説明】 *1 残便感 便を出した後にまだ便が残っているような感覚のことを言います。 日本内科学会では、 「3日以上排便がない状態、 または毎日排便があっても残便感がある状態」を便秘の定義としています。 *2 QOL QOLはQuality of Life(生活の質)の略で、人間らしい生活や自分らしい生活を送るなど、精神面も含めた生活の 豊かさの尺度を意味します。 *3 過去の研究リリース ・乳酸菌飲料<希釈タイプ>飲用による記憶力・集中力改善作用を確認 2012年国際機能性食品学会(12月2日∼6日)にて発表 https://www.calpis.co.jp/corporate/press/nrl_00030.html ・乳酸菌飲料<希釈タイプ>の継続的な飲用による高齢者の“QOL”向上を確認 第73回日本公衆衛生学会総会(11月5日∼7日/栃木)にて発表 https://www.calpis.co.jp/corporate/press/nr_00740.html 「カラダにピース」 は、 カルピス株式会社の登録商標です。 4
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