PowerPoint プレゼンテーション

北海道富良野市
『富良野オムカレー』
ほぼ100%地元産使用厳しいルールを徹底
富良野はジャガイモやタマネギ、ニンジンといった農作物の一大産地として知られる。「これら農作物を生
かしたまちおこしができないか」。そこで出た答えが「富良野オムカレー」だ。「地元で消費するだけでは
もったいない」と考えた飲食店主らが立ち上がり、スパイス以外の食材を100%地元で賄える新しいグルメを
6年前に誕生させた。
現在、市内12店舗の飲食店で提供している富良野オムカレー。店主らが立ち上げた「富良野オムカレー推進
協議会」が「地元産の食材を使う」というルールを厳しく守り、高い価値を保つことに気を配っている。
富良野の農作物のおいしさについて、ふらの観光協会事務局長の石川芳(かおる)さんは「寒冷地のため害
虫や病気が少なく、余計な農薬や化学肥料を使う必要がない。寒暖の差が激しい土地で育つ野菜は甘味が強く、
味が濃い」と説明する。
酪農や養鶏も盛んで、質の高い牛乳や卵もある。「ふらの牛乳プリン」を開発した「菓子工房フラノデリ
ス」店主の藤田美知男さんも、地域食材に魅了された一人だ。本州各地で修業し、2001年に富良野で独立開
業した。
「濃厚で自然本来の味わいがある富良野の牛乳がなければ開発できなかった」と振り返る。今では観光客が
指名買いする富良野を代表するスイーツに成長した。
富良野オムカレー
ふらの牛乳プリン
「ご当地カレー」続々盛り上がる道内各地
富良野の成功に触発され、道内各地で「ご当地カレー」を開発する動きが続いた。2008年には旭川市で
「北海道カレーサミット」が開催され、北海道全体で「食」を通じた観光振興に取り組むようになった。今年
も9月6日に土別市で開催された。
また、毎年9月に開かれる「ふらのワインぶどう祭り」でも、オムカレーは人気を集めている。地元生産者
らは、さまざまなイベントを通じて富良野の「食」の魅力を今後も発信し続けていく。
これらの取組が評価され、オムカレー推進協議会は、地域活性化の優良事例を表彰する農林水産省の「ディ
スカバー農山漁村(むら)の宝」に選ばれた。
このように人気が高まっているオムカレーだが、市内で提供する店はいずれも小規模店。そのため、これま
では個人や小グループの観光客にしか対応できなかった。
石川さんは「観光バスで来られる団体客も受け入れるため、『分宿』の飲食店版で『分食』という手法もある
と思う。食事をした人は『あの店はこんな味だった。そちらの店はこんな特徴があった』などと言い合えて楽
しいかも」とさらなる構想を巟らせている。
また、「『食の力』は、観光客の流れを変えるかもしれない』と石川さんは期待する。
これまでの富良野観光の閑散期だった秋。しかし、秋は農作物の収穫期に当たる。「観光客は『おいしい富良
野の食を堪能するには、秋に来るべき』と考えるかもしれない。実際、『食』の魅力で閑散期にも観光客が増
えつつある。この流れを大切にしたい」と石川さんはさらなる誘客に意欲を示している。
今年5月によこすかカレーフェスティバルに出店
した時の様子
ふらの観光協会 http://www.furanotourism.com/jp/