平成25年度大館工業高等学校の学校評価について

平成25年度大館工業高等学校の学校評価について
Ⅰ
自己評価について
1 学校評価アンケート(保護者対象)集計結果について
今年度も冬季休業を利用し全生徒の保護者および本校職員に対し学校評価アンケートを実施
した。
回収率は全体で79.3%で、昨年度(72.1%)より高い結果となった。今回は1
年生の回収率が94.1%と非常に高く、本校に寄せる期待の高さがうかがえる結果とな
った。一方、教職員は昨年度83.7%で学校評議員からも問題点として指摘されたが、
今年度は100%となった。
(1)保護者の回収率
学 年
1
2
3
合計
(2)教職員の回収率
生徒数
102
108
128
338
回答数
96
79
93
268
回収率[%]
94.1
73.1
73.0
79.3
100%(教職員43名のうち提出43名)
(3)評価結果について
・結果を分析してみると、評価が高かったのは例年通り、整容指導や挨拶指導に関する
生徒指導面で、
「評価5」が特出している結果となっている。次いで「資格取得」、
「進
路指導」、「職業指導」も高評価であった。これは例年と同様の傾向であり、本校の
教育目標である工業教育が保護者の高い評価を得ているものと思われる。また、今年
度は「学習指導」も評価が高くなっており、今年度から実施している「館工サプリ」が
評価されているものと思われる。
・逆に、評価が比較的低かったのは「保護者の要望や期待によく応えている」「情報発
信」「学校設備」であった。しかし問題視されるほど低いものではなく、これも例年
と同様の傾向であった。
・その他全体的にみても、本校教育活動全般に対して、概ね良好な評価結果となっている。
特に「子どもを入学させて良かった」という満足度にたいしては12 4 名(36%)が「評
価5」
、60%が「評価4」以上の高評価であったことはその証ではないかと思う。
・
「評価1」が最も多かったのは「生徒との信頼関係」で例年と同じであった。
・「資格取得、学習補習の要望」や「部活と学習、資格取得の両立」に関心が高く、部活動
加入率が約90%の現状から、今後工夫改善が必要と思われる。
・挨拶指導や熱心な指導への激励もある半面「生徒との信頼関係」、
「情報提供の遅れ」や「生
徒指導面」に対して厳しい指摘もあり、今後改善が必要である。
・今回の教職員で評価が高かったのは保護者と同様に「生徒指導」「技術教育」次いで「資
格取得」「進路指導」であった。課題としては「実習設備」「部活動設備」でこれも同傾
向である。
・昨年度低かった「学習指導」は教職員全員で取り組んでいる「館工サプリ」の影響もあり
今回上昇した。
・学校設定教科「基礎学習」の成果が数学に限らず専門の授業や進路に表れている。
-1-
平成25年度 学校評価アンケート集計結果(保護者)
平成26年1月実施
5:良い 4:まあまあ良い 3:普通 2:やや悪い 1:悪い 0:わからない
全体 339
回収 270
回収率
79.6%
全回答
数
5
4
3
2
1
0
平均
1 教育目標に沿った教育活動を実践している
54
108
91
1
1
15
3.8
270
2 生徒と教師との信頼関係がしっかりしている
47
94
97
14
6
12
3.6
270
3 生徒の学習と部活動とを両立させるようにしている
47
91
107
15
4
6
3.6
270
4 生徒の能力や進路希望に応じた適切な学習指導を行っている
53
107
87
4
4
15
3.8
270
5 生徒の安全面に注意して実習などの技術教育を実施している
71
97
81
3
0
18
3.9
270
6 生徒の資格取得を適切に指導し、成果をあげている
77
109
66
7
2
9
4.0
270
7 生徒に適切な進路指導をし、成果をあげている
68
115
67
5
1
14
4.0
270
8 生徒に就業体験を通じて職業観・勤労観が身につくようにしている
63
112
75
9
0
11
3.9
270
9 生徒に服装や頭髪等の整容指導を適切に行っている
110
96
55
8
1
0
4.1
270
10 生徒に挨拶等の生活態度を適切に指導している
95
91
74
3
3
4
4.0
270
11 生徒の事故や怪我等に適切に対応している
71
84
90
4
4
17
3.8
270
12 生徒の主体性を育み、学校行事や生徒会活動を充実させている
61
96
98
2
0
13
3.8
270
13 掃除状況が良く、校舎がきれいである
57
101
92
4
1
15
3.8
270
14 学習に必要な施設・設備が整備されている
60
88
98
3
0
21
3.8
270
15 技術教育に必要な実習施設・設備が整備されている
63
94
83
4
0
26
3.9
270
16 部活動に必要な施設・設備が整備されている
43
86
105
18
2
16
3.6
270
17 保護者の要望や期待によく応えている
34
76
116
14
2
28
3.5
270
18 学校の情報を保護者によく通知している
54
76
116
17
2
5
3.6
270
19 PTA活動が適切に行われている
45
67
135
4
0
19
3.6
270
20 地域社会の活動や行事に貢献している
67
103
86
1
0
13
3.9
270
21 地域への情報発信が十分なされている
44
73
121
5
1
26
3.6
270
22 子供を本校に入学させて良かったと思う
124
81
55
3
1
6
4.2
270
24.3%
35.3%
34.5%
2.6%
0.6%
5.3%
3.8
番号
内 容
-2-
Ⅱ
学校関係者評価
1 学校評議員会の評価のまとめ
今年度、学校評議員会を1回目を1学期末の7月11日、2回目を学年末の3月18日の
2回実施し学校評議員より学校評価をいただいた。
1)第1回学校評議員会のまとめ
1回目はまだ1学期が経過した時期で、教務部、生徒指導部、進路指導部、各科の状況に
ついて説明し、それに対する意見をいただいた。以下のとおりである。
・昨年度は、実習での安全面で土木・建築科では作業着を脱いで作業していたり、外での測量
で安全帽をしていなかったりしている生徒が見られ、熱中症などが懸念されたが、安全指導
が徹底されていた。また、安全靴を着用させた方が良いのではないかという意見があった。
・昨年度は専門の学習をしているにも関わらず全く違う職業への就職があったが改善された。
・土木の実習で、コンクリートカヌーの製作を興味深く見学させていただいたが、生徒が一生
懸命頑張っていた。
・長期インターンシップに行く生徒が将来の職業に役立つような業種で実習できれば非常に有
意義である。是非そうしてもらいたい。
・昨年は10名が長期インターンシップを体験した。企業でも指導者の育成の観点で良い機会
である。更に推進していってほしい事業である。
2)第2回学校評議員会のまとめ
2回目は学年末の各分掌反省と今後の課題及び自己評価を前もって送付し、見ていただい
たうえで開催した。1年間の成果や課題を説明し、意見をいただいた。また、保護者と教職
員の学校評価アンケート結果を提示し意見をいただいた。以下のとおりである。
・ものづくりでの地域貢献は工業高校が地域に必要とされている証である。
・進路状況を見ると、医療関係に進む生徒が増加傾向にあるが医療工学など工業に関係のあ
る分野も開拓していってはどうか。
・昨年度よりも自転車事故が大幅に減少し通学路の安全確認がなされている。
・自転車での遠距離通学者が多く重大事故が懸念される。保険加入を推進してはどうか。
・就職に関して、専門分野に就職している生徒が多く、改善されている。
・専門性を生かした進路指導の更なる推進を期待したい。
・今年は問題行動が比較的多いようである。
・特別指導された生徒の事後指導を企業と連携して実施したことは評価できる。
・体罰問題は大丈夫か。本校の体制はしっかりできているのか。
・生徒会活動が活発になりリーダーとなる生徒の育成につながった。これは企業でも問題に
なっている。
・企業経営者のセミナーに、大館工業高校の野球部員が参加していることは非常に良いこと
である。高校生でこういったセミナーに参加し、講師の話を聞くことは将来にとっても役
に立つことである。
・保護者への情報提供が学年によってばらつきがある。積極的な情報提供を望む。
・長期インターンシップに14社に14名が参加し、12名がその企業や関連した企業に内
定したことは、高く評価できる。
-3-
2
学校関係者の評価のまとめ
・生徒の挨拶は評価どおり素晴らしい。挨拶を基本と考えての指導は大変評価できる。
・15年連続就職進学100%は素晴らしい。統合まで継続を期待する。
・保護者の80%は本校に入学させて良かったと評価している。しかし4名の保護者がノー
と解答している。この問題点を明確にし改善し更に高い評価を目指してほしい。
・中学校の技術家庭の制御に関する内容について中学校で学習支援していることは、実に素
晴らしい取り組みである。市教委との連携によって更に充実させて欲しい。
・気仙沼でのものづくりボランティア、養護学校との学習交流は是非とも継続させて欲しい。
・社会人と話す機会を持てる点が良い。
・全ての生徒が、全職員の指導により学び直しを行い数学の基礎をしっかりと身につけ就職
に生かしている。是非とも継続して欲しい。
・スタントマンによる交通安全教室や危険箇所の見直しによって自転車事故を激減させたこと
は高く評価できる。
Ⅲ
学校関係者評価を踏まえた次年度への改善方策
1
16年連続就職進学100%を目指す
改善1:内定企業との連携を密にし内定後の生徒指導を連携して行う。
改善2:企業が求める工業高校生の実像を具現化し進路指導に役立てる。
改善3:工業科教員の地元企業との積極的な技術交流を図る。
2
保護者への積極的な情報発信
継続1:学級通信を1週間に1回以上、学年通信を1ヶ月1回以上発信する。
改善1:読みやすく絵・図等をふんだんに取り入れ情報が的確に伝わるよう改善を図る。
3
資格取得、学習補習の要望
継続1:朝補習7:30∼8:30を実施する。
学習補習については欠点者補習を継続実施する。
継続2:考査前補習、と欠点者補習、長期休業中の基礎力アップを実施
継続3:木曜日に7校時目「基礎学習」通称「館工サプリ」を習熟度別に実施し、全教員で
指導する。評価については、定期考査の対象とするが、課題の提出等に重点を置き
総合的に評価する。
4
部活動設備の充実
統合まで、あと2年ではあるが、充実した設備で実施させたい。しかし、県の予算も非常
に厳しい状況であるが、生徒の安全安心の面では、引き続き優先的にお願いをしていきたい。
5
自転車事故の防止
旧:交通安全教室、全校集会、学年集会での安全への呼びかけ、自転車点検の実施
上記は引き続き実施するが、以下を改善し防止に努める。
改善1:自転車通学者全員に自転車保険加入の義務づけ(PTA総会で承認)
継続1:面接週間を設け、担任と個々の生徒の通学路での危険箇所の確認・指導を実施
改善2:スタントマンによる交通安全教室を統合校3校で実施
-4-
6
専門性を活かした進路選択について
継続1:キャリア教育の見直しを図る。
継続2:長期インターンシップ体験生徒を14名から20名に増やし、職業観・勤労観を学
び専門性を活かした職業に就職させる。
改善1:地域企業と連携した高度熟練技能者による技能検定の指導、及び講演
改善2:専門を活かして地域企業で活躍している先輩からの講話
7
リーダーとなる生徒の育成
継続1:リーダー育成研修会の実施。
継続2:行事等で、生徒を主役にした取り組みにより、リーダー性を発揮させる。
8
内定後の生徒指導
改善1:内定後は生徒個々による内定企業との連携を密にして、内定∼入社までの期間に社
会人としてのスキルアップを図るための訓練を在校時に行う。
9
ものづくりによる地域貢献
継続1:城西小学校への3科によるものづくり出前授業
継続2:大館第一、下川沿、成章、花岡の各中学校への技術・家庭の技術分野の制御の学習
支援を行う。
継続3:比内養護学校の高等部との学習交流
継続4:気仙沼市での電飾クリスマス・ツリーの製作によるものづくりボランティア
継続5:大館市教育委員会との連携による学びピアでのものづくり教室
継続6:大館圏域産業祭での3科による親子ものづくり教室
継続7:放課後子供教室でのものづくり教室
継続8:社会福祉協議会、東北電力等との連携による高齢者世帯の電気設備点検
継続9:鷹巣技術専門校との連携による北欧の森の巣箱製作
-5-