日 時:平成27年1月24日(土)13:30~16:30 会 場:岩見沢自治体ネットワークセンター 参加者:113名(保 護 者 、 地 域 住 民 、 市 町 教 育 委 員 会 職 員 、 教 職 員) 開催の目的 空知の子どもたちの学力・体力の向上や望ましい生活習慣の確立に向けた取組を推進する機運を 高めることを目的として、保護者、教育関係者をはじめ、地域住民の皆様にもお集まりいただき、 本フォーラムを開催しました。 本フォーラムでは、管内の子どもたちのよさと可能性を伸ばす実効性のある取組を進めていただ くことをねらいとして、基調講演、事例発表、バズセッションを行いました。 基調講演 「子どもたちの力を引き出す教育をめざして」 講師 1 石狩市教育委員会生涯学習部次長 武 田 淳 氏 北海道の子どもたちの現状 昨今、教育課題として、子どもたちの学力・体力の低下があげら れ、全国の順位が示され比較されている。また、地域におけるコミ ュニティの衰退も課題になっている。 2 石狩市の取組 石狩市では、各学校において重点的に取り組むべき事項を「石狩市学校教育基本方針」として 明確にするとともに、ティーム・ティーチングや習熟度別指導を行う「学力向上サポーター」や 「エキスパートサポーター」を市独自に配置し、子どもたちの学力向上に努めている。 3 石狩市立花川小学校の取組 (1)家庭学習の充実 本校では、家庭学習として子ども一人一人にドリルをもたせている。ドリルの活用に当たっ ては、ドリルに直接答えを書き込むのではなく、家庭学習ノートに書かせることにより、繰り 返し取り組めるようにしている。プリント学習のように、一度解いたら終わりではなく、いつ でも、何度でも取り組むことができる学習方法への転換を図った。 その結果、子どもたちは時間があるときに、主体的に繰り返し問題を解くようになり、家庭 での学習習慣を身に付けさせることができた。 (2)ノート指導の充実 本校では、平成24年度から、学習規律の徹底やノート指導の在り方について全教職員で共通 理解を図り、統一した指導を行ってきた。 書くことの指導が重要であることはもとより、地域住民から、「最近は、電話の内容を記録で きない若者が増加していることから、ノート指導を行ってほしい」という声があったことから、 石狩市実践校合同テーマ研修において、小・中学校が連携したノート指導の在り方について、 協議を進めている。 4 まとめ 北海道の子どもたちの学力や体力が低いと言われるが、低いのではなく、子どもたちのもつ力 を十分に引き出すことができていないのではないか。私たちは、これまでの取組を量的・質的に 工夫することによって子どもたちのもつ力を引き出すことができる。そのためには、学校・家庭・ 地域が一体となり、子どもの顔がみえる教育を行っていくことが大切である。 これから期待されることは、子どもたちがよりよく未来に向かって生きていくことができるよ う、教育の場にいる私たちががんばっていくことである。 事例発表 子どもたちの将来のために、学力・体力の向上や望ましい生活習慣の確立に向け、 小学校、中学校、社会教育における取組を発表いただきました。 組織的な学力向上の取組 岩見沢市立南小学校教頭 出口 哲也 氏 「学習のための10の約束」を設定し、全校が 一体となって学習規律の徹 底を図っている。また、検 証改善のサイクルを確立し て、質の高い授業の提供に 努めるなど、学力向上の取 組を積極的に進めている。 自然体験活動を生かした体力向上の取組 栗山町教育委員会社会教育グループ主査 尾形 行亮 洋 氏 社会総がかりで生徒を育てることを目指し、千 歳科学技術大学と連携した 「 eラ ー ニン グ 」の 活用 や 学習塾 と連携した「nラー ニング(夜間学習会)」の実 施により、基礎・基本の確 実な定着を図っている。 通学合宿における生活リズムの確立に向けた取組 氏 由仁町通学合宿実行委員会 山宮 輝美 氏 体力向上とともに、基本的な生活習慣を身に付 けさせることを目指し、小学 生を対象に、4町合同(由仁・ 南幌・長沼・栗山)で、川下 りやカヌー体験などの自然体 験活動を実施し、集団で楽し く学ぶ機会を設定している。 バズセッション 外部機関と連携した学力向上の取組 岩見沢市立豊中学校長 吉永 子どもたちと地域のつながりを深めるととも に、生活習慣の確立を目指し、 由仁町通学合宿実行委員会を 組織して、通学合宿を実施し、 昔の遊びや運動をとおして、 地域住民の方と触れ合う場面 を多く設定している。 参加者全員が小グループ(8名)に分かれ、基調講演や事例発表の内容を参考 に、「今、学校・家庭・地域社会ができること」について話合いを行いました。 【各グループの主な意見】 1 学校と地域の連携について ○ 学力向上の取組は、学校・家庭・地域社会が共通理解に立って 進める必要がある。 ○ 子どもたちの顔を地域の人たちに覚えてもらうことが、子ども の安全確保や安心につながる。 2 保護者が中心となって取り組みたいこと ○ 保護者同士のかかわりを深めたり、保護者が学校に協力したり する機会を、保護者自らが設定していきたい。 ○ 学校では学習規律の徹底を行っているので、家庭でも生活規律 について話合い、一貫した取組を心がけたい。 3 学校に期待したいこと ○ 事例発表で紹介された取組を、管内の多くの学校で実施してほ しい。そして、将来、子どもたちが自立して生きていける力を身 に付けさせてほしい。 ○ 子どもたちのよさや可能性を伸ばすことができるよう、学習す る機会を多く設定したり、様々な体験活動を取り入れたりしてほしい。 参加者アンケートから ○ 学力、体力の向上、生活習慣の確立について、学校・家庭・地域の三者が力を合わせるこ とが大切であることを再確認することができた。 ○ 学校・家庭・地域が、意見を出し合うとともに、共通の課題意識をもち、子どもたちのた めにいっしょに取り組んでいきたい。 ○ 次の機会があれば、地域の人たちに、もっと声をかけ、地域ぐるみで参加したい。
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