工学院大学 工学院大学

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工学院大学
No.70
2015.9.20
工学院大学
No.68-69
合併号
2015.7.20
工 学 院 大 学 孔 子 学 院 ニュース
学 院 大 学 孔 子 学 院 ニュース
工学院大学孔子学院 2015 サマーキャンプ in工北京
2015 年 8 月 1 日-8 月 5 日
バス貸出、スタッフ派遣(事務職員とボラ
ンティア学生計 4 名)の協力をいただき
ました。航空博物館見学を始め、太極拳
講座や書道のデモンストレーション見学
など、北航ならではの活動もありました。
孔子学院本部見学も、このツアーの特
北京航空航天大学にて
8 月 1 日~5 日、サマーキャンプ in 北
京を開催しました。参加者は 12 名、18 歳
から 72 歳までの方が参加下さいました。
「北京の夏は暑い」と聞いていました
が、午前中は曇りがちの日が多く、観光
地を回るには好都合でした。空気も良く、
夜は星を眺めることもできました。
サマーキャンプは、孔子学院運営パ
ートナー校の北京航空航天大学(以下
「北航」)との共同開催イベントです。そ
のため北航からは、宿舎の提供、大学
北航内の航空博物館を見学
徴の一つでしたので、参加者からは「一
般のツアーではできない体験ができた」
「中国の重点大学のキャンパス生活を体
験できたことは貴重な経験」との感想が
聞かれました。
学生ボランティアさんは、8/19-23、工
学院大学を訪れました。サマーキャンプ
参加者の中には、新宿での再会を楽し
んだ方もいらっしゃいました。8 月末には、
参加者の「同窓会」も開催され、思い出
話と来年への要望で盛り上がりました。
事務室内では、早くも次年度に向けて
孔子学院総部にて
の改善点などが話題になりました。来年
の夏は、是非、サマーキャンプにご参加
下さい。
2015 年サマーキャンプ in 北京に参加して -参加者レポート 金井様-
に中国文化の紹介、普及を進める中国
これら文物と共に心に残ったのは、
政府の文化政策を実感した。4 日目に
日中両方の関係者の温かい心遣いで
は日程の再調整で北航大航空館の見
した。国際学院の孙岩教授には、書画
学が実現、抗日戦勝利直後の混乱の
制作見学や初日にできなかった航空館
中、既に今日を見据えて航空機開発に
見学実現のため、多方面への渉外に
着手していたことを知り、中国の人々の
尽力いただいた。国际学院熊瑛老师
王幼復老師による書のデモンストレーション
将来を見通す眼に感銘を受けた。書法
はスケジュールの調整、入場券や食事
多くの貴重な体験の中で、特に印象
孔子学院総部の孫艾芃さんと劉臻
副処長
の制作見学では、今も盛んな中国伝統
の手配のために、全行程を付き添って
深かった事項を紹介します。初日は 2
芸術の素晴らしさに直接触れられ、心
くれた。同老师は料理の選定にも力を
時間遅れで北京に到着、北京航空航
躍らせながら制作を拝見した。我々の
発揮し、毎回様々な料理を組合せて中
天大学(北航大)の宿舎へ、広大なキャ
ために予め制作した中国画も見せてい
国料理の妙を味わせてくれた。学部か
ンパスは一つの街のよう、中国最高の
ただいた。帰国後作品を頒けて戴き、
ら現在は北航大の博士課程 2 年に在
理工系大学のキャンパスに日中の違い
筆者の貴重な宝物になった。自由行動
学中の西槇氏も全行程我々をサポート
を痛感。二日目に中国語を学び始めた
で行った清代の皇室庭園圆明园、
してくれた。長い中国暮らしに基づく有
頃の教材にあった老舎茶館で中国の
1860 年英仏連合軍によって破壊、略奪
益な話もたくさん聞けた。大学 HP の留
寄席芸を鑑賞、お客さんの拍手や歓声
され復興 20 年となる広大な池水庭園、
学生成績欄のトップにランクされる同氏
を伴って演じられる芸の楽しさを堪能し
廃墟の西洋楼など歴史の現場に立っ
の人柄や活躍に、古希を過ぎた筆者は
た。孔子学院本部では、体系的戦略的
て感慨深かった。
嬉しさと心強さを感じた。
文・写真:金井 彰(工学院大学孔子学院 受講生)
工学院大学孔子学院ニュース 第 70 号
七回国際交流サマーキャンプ with 北京航空航天大学
2015 年 8 月 19 日-23 日
の絶えない 2 泊 3 日を過ごした。
日程の後半のメイン行事は、八王子校舎の年間行事「わくわ
くサイエンス祭科学教室」に参加することだった。
この科学教室は、工学院大学の伝統行事で、今年で 22 回
目。毎年、実験や工作などのイベントが 70 以上もあり、科学を
愛する小学生から高校生が多く来場するが、今年の参加者は
9,500 人を超えた。支援・参画の大学生・大学院生も 2 万人以
上となり、大学の社会貢献の一環として地域で定着している。
北航の学生は、この教室のために中国から「ゴム動力模型飛
海外協定校である北京航空航天大学(北航)の 14 人(先生 2
人を含む)を迎えての第7回国際交流サマーキャンプが 8 月 19
日~8 月 23 日、工学院大学・富士吉田セミナー校舎などで行
行機」500 機を持参した。この日、北航の学生と工学院大学サ
ポーターの 30 人は、いくつかの班に分かれ、子どもたち1人ひ
とりの飛行機の組み立ての指導に当たった。子どもたちが高く
われ、多彩なプログラムと交流を通じて国際親善と相互理解を
飛ばした飛行機が、キャンパス内のあちこちで見られた。
深めた。
北航の学生も、日本人
北航の学生は毎年入れ替わるが、工学院大学では同じ顔ぶ
れのボランティア学生と学生支援課の先生が対応し、2 か月ほ
与えられた役割を一生懸
ど前から綿密な計画を立て、漏れのないよう準備した。今年は
命に果たした。このイベン
工学院大学孔子学院からも 2 人の教職員が応援に加わった。
トについては、佐藤学長
日程の前半では、北航の学生と、工学院大学の 19 人のボラ
ンディア学生が、富士吉田セミナー校舎で交流会を開いた。浴
衣姿で盆踊りをしたり、広い庭で走ってはしゃいだり、富士山五
合目での無邪気な笑顔
に触れる良い機会となり、
からも高く評価された。
科学教室のあと、北航
の学生 12 人のために、工学院大学主催による懇親会が開か
れた。佐藤学長をはじめ、国際交流委員会や孔子学院の関係
が印象深かった。
者ら 50 人以上が参加した。
縁日の祭りや盆踊り、
挨拶に立った工学院大学孔子学院の姜副院長は「両大学
スポーツなどを通じて、
間の交流は、この国際交流サマーキャンプにとどまらず、今後
言葉の壁が感じられない
もいろいろな領域において手を組んで親交を深め、日中友好・
ほど楽しく、仲よく、笑い
両校友好のかけ橋を果たしたい」と述べた。
第七回関東地域中国語教師短期研修会 2015 年 8 月 24 日-28 日
工学院大学孔子学院主
第七届东日本地区汉语教师研修班于 2015 年 8 月 24 日至 28 日在
催「第七回関東地域中国語
工学院大学孔子学院举行。北京大学对外汉语教育学院刘元满教授,
教師短期研修会」が 8 月 24
赵延风教授,日本著名汉语教育教学专家相原茂先生,李轶伦先生,
日~28 日の 5 日間、工学院
分别从汉语教师资格素养、教材编写使用、教学方法技能等不同方
大学で開催されました。今年
面举行了十场专题讲座,对教学案例进行了详细的分析和讲评,受
は北京大学対外漢語教育学
到了东日本地区广大汉语教师的普遍欢迎。
院の劉元満教授、趙延風教授、著名な中国語教育者であ
る相原茂先生と李軼倫先生を講師としてお招きしました。4
名の講師は、中国語講師の資質と教養、教材編集、教授
法などのテーマについて講義を行い、参加した約 70 名の
中国語教師との間で活発な意見交換が行われました。
工学院大学孔子学院ニュース 第 70 号
孔子学院サロン
-中島幼八さんに聞く-
2015 年 7 月 18 日
7 月のサロンが
中島さんは「だからこそ今伝えておかな
「養母は幼い私の命を蘇らせました」と中
18日(土)午後2時
いと」と思い、この本を書かれました。戦
島さん。当時の様子とこの本を書くに至っ
から本学院で開か
争は悲惨です。そして犠牲になるのは女
たいきさつを、中島さんは淡々と、そして
れました。今回は、
性、子供といった弱者です。栄養失調で
時には涙して語られました。中島さんの
骨と皮ばかりの幼い中島さんを、実母は
話を聞き、戦争とは、ということを改めて
中国人に預けました。
考える会になりました。
最近「この生ある
は―残留孤児が
中島幼八先生
つづる」を出版した、著者の中島幼八さん
にお話をお聞きしました。細かいリアルな
描写が話題となり、6 月にはアマゾンのノン
フィクション部門 1 位となりました。戦後 70
年、時の流れとともに戦争が風化し、「残留
孤児」という名称を知らない世代も増えてき
ました。

中島先生自らが書き下ろした中国語オリジナル版「何有此生:一个日本遗孤的回忆」も好評発売中。
日本語版、中国語版のお問合せは亜東書店(http://www.ato-shoten.co.jp/)まで。
「この生あるは-一中国残留
孤児がつづる」中島幼八著
第 5 回
第 4 回
今流行の「カイワレピン」をつけている人
他人にどう思わ
です。人気アニメ「喜羊羊」で考え事をす
れるかよりも自分が
北京の新し
ると頭から植物が生えてくるキャラクター
どうしたいのかが行
い観光スポット
がいるのですが、これが基になっている
動の基準。マイナス
「南锣鼓巷」。
ようです。2 つ 5 元=100 円は手ごろな値
面もありますが、こ
昔なが らの 胡
段で、私も買って頭につけてみました。日
の程度のことなら微笑ましく羨ましくもあり
同に 飲食、 雑
本ならこんなグッズは子供や若い女性し
ます。私はこの日、ずっと頭に載せていま
貨などの店が
か興味を示さない、もしくは興味を示して
したが、会う人がみんな笑顔になって、こ
並んでいます。
もつけたりはしないと思いますが、ここは
ちらも幸せな気分になりました。ところで、
日本でいえば
中国。男性もおばさんもみんな堂々と頭
以前、辛~い串焼きが流行ったことがあり
雰囲気は原宿の竹下通りのような感じです。
に載せていました。しかも、元々のカイワ
ました。北京人の友人は「庶民は辛い物を
先月下旬に日本からのお客さんを案内し
レ大根のような植物から、立派に花が咲
食べて日頃の不満を発散させているんで
てでかけてみると、あっちでこっちで頭か
いたもの、イモムシ風のものとバリエーシ
すよ」と言っていたけど、今回はいったい
ら何かが生えている人が歩いています。
ョン豊かなのも中国ぽく感じました。
どんな気持ちの表れなのでしょうか?
近 頃 、都 で 流 行 る も の
文・写真:高橋 恵子(中国国際放送局日本語部アナウンサー)
文・写真:高橋 恵子(中国国際放送局日本語部アナウンサー)
工学院大学孔子学院ニュース 第 70 号
堀 内 さんと愉 しむ四 字 熟 語
第 1 回 「聞一知二」
ぶんいちちに
新連載
「論語名言」の烏先生へのごあいさつを
顔回は学才に優れ、子貢は商才に
兼ねて、わたしの好きな『論語』にちなむ
長けていたといわれます。孔子晩年の
距離を示す証です。歩いて行ける距離
四字熟語からはじめたいと思います。
講学と著作を助けていた顔回は早世し
ですから、曲阜を訪ねたらぜひ確認す
て、老師を「ああ、天はわれを喪ぼせり」
ることをおすすめします。道すがら、「賢
と嘆かせました。一方、子貢は師の死を
なるかな回や」という師が愛弟子をいた
みなさん、特に聡明な人をほめる「一を
見送って六年の喪に服し、のちの孔里
わる声を聞くことができるでしょう。
聞いて十を知る」は知っているでしょう。十
(曲阜)の成立にも寄与しています。「聞
まではムリという人のために。
一知二」のほうに生活力があるという評
それは「聞一知二」(一を聞いて二を知
る。『論語「公冶長」』から)です。
あるとき孔子が子貢(端木賜)に「おまえ
価がこの対話にはありそうです。しかし
と顔回とどちらが優れているかね」と問うた
「十を知る」ほどには知られていません
ことがあります。子貢としては答えづらい問
ね。曲阜の「孔子廟」には大成殿など後代
いです。しかし老師が顔回をほめたいこと
の大建物の傍らに「孔宅故井」が残され、
はわかっています。
一方、「一箪一瓢」という粗食に甘んじて
孔宅と陋巷のふたつの井戸は師弟の
堀内正範
(文・写真)
そこで子貢は、「回(顔回)や一を聞いて
陋巷に住みつづけた顔回を記念する「顔
1938 年、東京生まれ。早稲田大学
以って十を知る、賜(端木賜)や一を聞い
廟」には「陋巷井」が残されています。
文学部卒業後、朝日新聞社に入
社。『知恵蔵』編集長などを務める。
て以って二を知る」と答えました。
1994 年に早期退社して洛陽市へ。
自分をおとしめずに謙虚に他をほめるこ
洛陽外国語学院外籍専家。洛陽国
の答えは巧みで味があります。聞いた孔
際龍門石窟研究保護学会本部顧
子は、「そうだね、わたしもおまえも回には
問。かたわら中原地域の歴史文物を
かなわない」といって喜びました。
探査。著書に『中国名言紀行 中原
「聞一知十」の顔回は特に総明なのであ
の大地と人語』(文春新書)、『人生を
り、「知二」ほどの自分も総明のうちであると
豊かにする四字熟語』などがある。
いう答えは、後人の賛同をえて『論語』に残
されたにちがいありません。
9 月に入り、24 節気の暦では白露(9
「父母の年は、子供として覚えていなけ
です。これによって、家庭から社会へ、国
月 8 日)から秋分(9 月 23 日)へ。毎年 9
ればならない。一つには、長寿を喜び、
家から世界へと、調和はとれ、大同世界に
月の第 3 月曜日、「敬老の日」の国民の
一つには、老いるのを心配し、不測の事
ある理想郷に近づくでしょう。古今の敬老
祝日があり、1965 年に「多年にわたり社
態が起こるのを恐れるのです。」
に対する気持ちは大同小異で、人間力の
会に尽くしてきた老人を敬愛し、長寿を
『論語』里仁篇(lúnyǔlǐrénpiān)に、「子
祝う」と法律で定められました。若年者
曰(zǐyuē):父母在(fùmǔzàibùyuǎnyóu),
が高齢者の福祉に関心を深める機会
不远游,游必有方(yóubìyǒufāng)。」
になるようにとの願いが込められていま
「父母の健在のうちは遠くに旅してはな
す。中国の聖人孔子の敬老について
らない。もし遠くへ出かける時には、父母
の言葉を読んで見ましょう。
に行き先を知らせておかなければならな
『論語』里仁篇(lúnyǔlǐrénpiān)に、「子
曰(zǐyuē),父母之年(fùmǔzhīnián),不
形成に大いに役立つものです。
い。」
親はいつも子を思う念を持っています。
可不知也(bùkěbùzhīyě);一则以喜
子も親を思う念を持っているのなら、父母
(yìzéyǐxǐ),一则以惧(yìzéyǐjù)。」
に対する敬愛心ができていると言えるの
Photo (C)ai3310X
馬場錬成先生
文:烏之玲(工学院大学孔子学院 中国語講座講師)
文:烏之玲(工学院大学孔子学院 中国語講座講師)
工学院大学孔子学院ニュース 第 70 号
第 5 回
孫暁英先生の
孫先生の母校、天津外国語大学
初 体 験 の「優 歩 」
皆さま、夏休みはいかがお
過ごしだったでしょうか。
天津では、夏休み中の 8 月 12 日、考えられないような爆発事
故があり、損害や被害も大きなものでした。私の大学の卒業生
孫先生の母校、天津外国語大学
ります。一台をタッチすると、すぐに携帯に電話が来ました。運
転手さんからです。「今すぐ行きます。車のナンバー情報など
送信します」と女性の声です。
待ち時間 2 分。携帯から彼女の車が近づいてきたこともわか
の 1 人も、亡くなりました。消防士をはじめ、多くの若き命が奪
ります。赤いホンダの車でした。普通のタクシーより清潔で、広
われたのを知ると、心が痛みます。事故現場は、天津市内から
い。運転手の質も高く、礼儀正しい。乗車中、話を交わしたら、
はかなり離れており、生活にも特段の影響が出ませんでしたの
この運転手さんは、普段、仕事も持っています。今日は休みで、
で、ご安心ください。しかし、今後この教訓から何を学び、21 世
暇だから気分転換で出てきたそうです。
紀においては天災より人災をいかに防ぐかを考えなければな
友だちの家に着いたら、
りません。今は周辺の住民たちの生活が1日も早く回復できる
支払いは現金ではなく、登
よう、祈っています。
録した携帯のもう一つのア
さて、中国の新学期は 9 月です。全国各地に散っていた 1
プリ「支付宝」が使われ、自
年生も大学に戻り、新しい生活が始まりました。私も、リフレッシ
動的な支払いとなります。利
ュした気分で今学期も頑張りたいと思います。今月の天津便り
用明細は、下車してからメ
では、最近の初体験を紹介します。
先日、同僚の家に遊びに行きまし
支付宝(アリペイ)のウェブサイト
ールで携帯に届きます。支付宝(アリペイ)とは、中国のネット
ショップで欠かせない決済システムになっています。
た。近くに直通バスや地下鉄がない
このように、中国はいま、インターネットによって、新たな革
ため、タクシーで行くことにしました
命が起きています。個々人の生活様式もネットによって確実に
が、同僚は「優歩(英語 Uber)」を使
変わっています。だから、伝統のタクシー業界には大きな影響
って来てねといいました。「優歩」っ
が出ています。類似な事例として、ネットショッピングが盛んに
て何? 私には初耳です。「知らな
なったため、デパートが経営困難になり、倒産した店も出てい
いの? みんな使ってますよ。自家
ます。
用車をタクシー代わりに使う車のこと。
この日の体験から、新しい知識と技術は常に学ばなければ
タクシーより便利だし、値段も安いよ」 いけないなあ、と生涯学習の重要性について痛感しました。皆
スマートフォンのUber 画面
と、友だちは「優歩」のよさを紹介し
さまもリフレッシュして新学期からまた、元気いっぱいに新しい
てくれました。
知識を学んでください。
日本のホームページを調べると、
以下の説明が出てきました。「お客
文・写真:孫暁英(天津外国語大学 講師)
文・写真:孫暁英(天津外国語大学 講師)
様の携帯電話から、プライベート・カ
ーでの相乗りタクシーをご依頼いた
だけます。 Uber はお客様とドライ
バーを数分でお繋ぎいたします。世
UberJapan の
ウェブサイト
界中の都市で Uber アプリをご利
用ください。」(注)
そこで、私はスマートフォンのアプ
リから「優歩」をダウンロードして、登
録しました。「優歩」の地図を開いた
ら、自分の位置が出ており、周辺に利用できる車両も示してあ
編集注)日本の UberJapan によるライドシェア(相乗りサービス)は
2015 年 9 月現在、サービスプログラム検証段階です。
私と学生たち
工学院大学孔子学院ニュース 第 70 号
第 5 回
第 4 回
そして 9 月スタート!故郷から戻り
学生達とキャンパスライフ
再 び 学 生 たち が 故 郷 よ り 戻 り 新 学 期 が 始 ま り まし た
長い夏休みも終え、
訪日 3 倍増・訪中 3 割減
今 の 為 替 水 準 が 続 く 限 り 訪 日 旅 行 もしば ら く 続 く
2 年前、3 年前に
は誰も想定しなか
それぞれの故郷に戻っ
ったこのような数値。
ていた学生達も、再び
ついに、アウトバウ
び学園に戻り、そして朝
ンドとインバウンド
早くからの授業と、夜遅
訪日旅行の中国
く ま で の 図書 館 等 での
人マーケット。
勉強を中心としたキャンパスライフが始まりました。地方から
やってきた新入生達の希望に燃えた顔と姿は印象的です。
短すぎる秋を過ごし、そして長すぎる過酷とも思える冬季
為替の現行水
準が今後も続き、(そして国内の現行政府の体制・考え変わ
らない限り)、この傾向は変わりそうもありません。4、5 年前に
の生活を迎えることになります。学生たちの最大の楽しみは、
は、まさかこのような現象が起きるとは、全に想像だにしませ
私が見る限り、友達とのSNSを駆使したChatやネット等の閲
んでした。とは言っても、この訪日旅行が 500 万を超え、いつ
覧を常に楽しんでいるようで
かは1千万超えも、ということは
す。しかし、その現象は、も
なさそうです。中国内の海外旅
はや、病そのものであり、こ
行者数 1 億人ということですが、
れはもはや中央政府・党そ
実態は 7 千万人が徒歩で、そし
のものへも波及する大きな
て日帰り電車で香港やマカオ
課題になっています。
を往来しています。これも実は
海外旅行だからです。
施行から 2 年
旅行法律のその後・・・
時間 とともに薄 れゆく旅 行 に関する法律 順 守と旅 游 法
昨年 10 月より、習主席名で発令された旅行法。本来は、中
国内での各旅行者の保護と旅行業
界の取り締まり、地方政府による業界
の監視等が主目的で施行されました
が、今現在はどうなのか・・・。中国内
での悪質な買い物・ショッピング等は
一時より大幅に減ってはきたものの、
巧妙さは相変わらず続いています。この法律は中国国内のみ
ならず、海外においても適用されますが、今、日本国内での課
題は「ガイドさんの問題」と利用手配施設(宿泊関係)や運輸・
バス等の「質」の低下が大きな課題です。地方政府・業界・旅行
季節到来 緑に囲まれた地方の旅
山西・河省境界の小さな村 橋上郷
中 国 で も 、 日 本 国 内 でも やっぱ り 緑 はリ フ レ ッ シュ
錦秋の旅、里山に立ってみると確かに心が落ち着きます。
最近の中国内の各地方都市はどこも皆、近代的なビルに囲
まれて、道路もだだっ広く、特徴のないただ単なるコンクリート
の塊の街です。しかし、都会の殺伐とした喧騒から逃れ、夜
行寝台等を利用して隣の省、あるいはいくつかの省境を通り
過ぎて静かな山村に到着すると、私たちの気持ちも忽ち和ん
できます。そんな緑色旅遊を楽しむ人が急増しています。こ
れもまた、多くの庶民が環境に配慮しながら、自然をより楽し
むことに関心を寄せている証拠です。
者の意識とメディ
アによる啓蒙等に
文・写真:秋澤 文芳(日中観光文化研究所代表/観光文化ツーリズム代表)
より更なる法律の
文・写真:秋澤 文芳(日中観光文化研究所代表/観光文化ツーリズム代表)
順守・監視が必要
で す 。 果た し
て・・・?
地図を見ながら路線バスで・・
こちらは日本の秋
郊外に建つ立派な建物。居住者は?
郊外に建つ立派な建
工学院大学孔子学院ニュース 第 70 号
今年は「アジアの歌姫」
このアルバムは、テレサ・テンが初めて企画段階から携わっ
と呼ばれる歌手テレサ・テ
たもので、中国の古典詩を現代のメロディーに乗せた意欲作と
ン(1953~95)の没後 20 周
いえます。テレサ・テンの生涯にわたる作品の中で最も高く評
年にあたります。中国や日
価され、中国の音楽界において「輝かしい宝石」とたとえられて
本をはじめ、世界各地で追
悼するコンサートが開かれ
ており、有名なアーティスト
が彼女の名曲を熱唱して
います。20 年という歳月が
経っても、テレサ・テンは、
います。
アルバムにあわせて制作
されたビデオでは、テレサ・
テンは歌の雰囲気に合わ
せて、唐・宋代の女性に扮
人々の心から消えることはなく、人気も衰えていないことを物語
しています。「愛人」などの
っています。
イメージが強い日本ではなかなか見ることのできない新鮮な姿
「時の流れに身をまかせ」、「愛人」、「つぐない」…日本では、 と、清流のように素晴らしい歌唱力、宋代名詩の奥深さを堪能
不倫をうたう演歌歌手というイメージが強いのですが、実は、彼 できます。
『淡淡幽情』は、「アジアの歌姫」としてのテレサ・テンではな
女の母語である中国語でうたう歌の多くは全く異なります。とり
わけ、日本のファンの耳目を一新させると思われるのが、1983
く、一人の中国人としての鄧麗君の思いを反映した貴重なア
年に香港で制作された『淡淡幽情』というアルバムです。
ルバムといえましょう。
このアルバムに収録されている 12 曲は、千年ほど前に書か
12 曲のうち、『独上西楼』、『但願人長久』、『幾多愁』という 3
れた中国宋代の数々の名詞に、現代の曲と多彩なアレンジが
曲は、最も広く知られており、今でも多くの中国人に愛され、華
ほどこされていて、テレサ・テンが新たな生命を吹き込んで、格
語歌(中国語の歌)の頂点に立つ傑作といわれています。
静寂の夜、満点の星空を仰ぎながら、『淡淡幽情』を聞いて
調の高い作品に仕上がっています。
みませんか。中国古典詩の奥深さが心に響き、きっと鄧麗君の
新たな魅力に気づくことでしょう。
‫「――‏‬淡淡幽情」に収録されている『独上西楼』の歌詩をご紹介します。――
「烏夜啼」
‫‏‬
文:任麗潔(工学院大学孔子学院 中国語講座講師)
李煜
文:厳粛(工学院大学孔子学院 中国語講座講師)
独上西楼
言(ことば)も無くひとり西楼に上れば
无言独上西楼
月は鉤の如し
月如钩
寂寞たり 梧桐しげる深き院の清秋を鎖(とざ)せる
寂寞梧桐
深院锁清秋
剪不断 理还乱
翦(き)りて断たれず
理(おさ)めて還(ま)た乱るるは
是离愁
是れぞ離(わか)れの愁い
别有一番滋味在心头
別に是れ一般の滋味の心頭に在り
李煜 ( 937-978 ): 南唐最後の王。国を追われ、幽閉の地で
かつての華やかな宮廷生活を偲んでこの詩を詠んだ
工学院大学孔子学院 10 月期講座
‫‏‬
◆日
‫‏‬
時
◆講 師
◆受講料
◆場 所
言葉もなくひとり西の高楼に上れば、三日月は
ほっそりと鉤の如く、寂寞としてあおぎりの木立の
茂る奥深い庭は、清らかな秋の気配をとざして
いる。
断ち切りて断たれず、整えてもまた乱れてしまう
のは、これぞ別離の悲しき思いの糸。
さりながら、高楼にたたずめば、ある言い知れぬ
深い味わいが胸の中にわき起こる。
日本語訳・解説 : 石川忠久監修「NHK 漢詩紀行(二)」
‫ ‏‬だいま講座申込受付中!
た
「独上西楼」をぜひ中国語で歌ってみてくださいね!
「テレサテンの歌講座」-鄧麗君(テレサ・テン)の「淡淡幽情」を歌おう-
2015 年 10/14、28、11/11、25、12/9、2016/1/13(全 6 回)
水曜日 14:00~15:30
任麗潔
一般 12,000 円/6 回 学生 3,000 円/6 回
工学院大学新宿キャンパス 中層棟4階
*最終回はカラオケボックスで行います
‫‏‬第 1 回 10/14
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
《独上西楼》
《幾多愁》
《人約黄昏後》
《但願人長久》
全体復習
2016/1/13 カラオケ発表会
10/28
11/11
11/25
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工学院大学孔子学院ニュース 第 70 号
以下のお知らせは孔子学院ホームページ(http://cik.kogakuin.ac.jp/)にも掲載しています。お問合せ、お申込みは孔子学院事務局まで。
東京都日中友好協会共同連続講座「中国問題を読み解く」
日 時:2015 年 10 月 21 日(水)14:30~16:00
講 師:野田 英二郎(元駐インド大使)
テーマ:最近の日中関係
会 場:工学院大学新宿キャンパス 中層棟 4 階 工学院大学孔子学院
受講料:一般 1,500 円 学生 500 円
HSK 試験 12/6
申込受付中
中国篆刻芸術院・人民中国雑誌社・工学院大学孔子学院共同開催
「篆刻芸術の世界」
日 時:2015 年 10 月 9 日(金)14:00~16:00
講 師:駱芃芃(篆刻家)
会 場:工学院大学孔子学院
参加費:無料(要申込)
中国を起源とする伝統芸術 篆刻。中国の著名な篆刻家、駱芃芃氏が
ご自身の作品紹介を交え、篆刻の魅力をお伝えします。篆刻や中国文
化にご興味をお持ちの方、お気軽にご参加ください。
「第 3 回 日中関係シンポジウム」
安保法制以降の日中関係
日
工学院大学孔子学院の受講生は
工学院大学孔子学院の受講生は受験料
が半額になります!
になります!
詳しくは工学院大学孔子学院のホーム
詳しくは工学院大学孔子学院のホーム
ページをご覧ください。
ページをご覧ください。
「私と中国」写真コンテスト
10/10 まで応募受付中!
時:2015 年 10 月 24 日(土)
14:30~17:00
第 1 部:基調発言:西園寺一晃
(工学院大学孔子学院学院長)
第 2 部:パネルディスカッション
<パネリスト>
陳
言(中国・フリージャーナリスト)
杜
進(拓殖大学教授)
江原 規由(国際貿易投資研究所チーフエコノミスト)
森 保裕(共同通信社論説副委員長)
会
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場:工学院大学新宿キャンパス
中層棟 4 階 工学院大学孔子学院
参加費:無料(要申込)
工学院大学孔子学院 文化講座
篆刻・水墨画・中国書法
秋の作品展
10 月 28 日(水)-11 月 4 日(水)
工学院大学孔子学院
ラウンジにて展示
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編集後記:2015 年 10 月期講座が始まります。中国語講座のレベル分け、使用テキストが以前より HSK
● (漢語水平考試)に準じたものとなりました。授業体験、受講相談を兼ねた「中国語無料体験講座」を
● 毎月 6 回、各レベル毎に実施しますので、中国語学習に関心のある方はぜひお試しください。
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(詳細は工学院大学孔子学院のホームページをご覧ください。お電話、メールでのご相談、お申込みも受付けています)
新連載「堀内さんと楽しむ四字熟語」がスタートしました。博学広才の堀内先生が四字熟語の
意味や由来をわかりやすく楽しく解説します。人生を豊かにする四字熟語の世界をお楽しみください。(事務局)
文章校正:松村崇夫
文章校正:松村崇夫
(前 工学院大学オープンカレッジ長)
(前 工学院大学オープンカレッジ長)
学 院 長 :西園寺 一晃
副学院長:姜全紅
副学院長:柳宇
〒163-8677 東京都新宿区西新宿一丁目 24 番 2 号
TEL 03-3340-1457
FAX 03-3342-3150 E-mail [email protected]
http://cik.kogakuin.ac.jp/