平成 25 年3月定例会常任委員会(文教経済・通常予算)-03

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平成 25 年3月定例会常任委員会(文教経済・通常予算)-03 月
12 日­03 号
◆藤田あきら委員
】
私のほうから、さきの本会議で我が会派からも代表質問で取り上げました
大阪観光局についてお伺いをいたします。
去る2月 18 日に行われました大阪府・市・経済3団体のトップ会談で、大阪観光局は、大阪
の観光戦略に掲げる目標達成に向け戦略的に観光集客を推進するエンジン役であり、そのトッ
プには経験豊かな観光のプロを据えて、その権限と責任のもとで事業を実施するということで
ございます。
私は、この事業を推進するトップとなる観光局長に最終的な責任を追及する以上は、その権
限を明確にしておかないと観光集客の目的が達成できないんではないかというふうに危惧して
おります。
そこで、まず、大阪観光局長の権限をどのように担保されるのかをお伺いいたします。
◎花澤ゆとりとみどり振興局企画部観光企画担当課長兼計画調整局開発調整部夢洲・咲洲地区
調整担当課長
お答えいたします。
大阪観光局長は、大阪観光コンベンション協会との雇用契約により事業統括責任者となり、
また、大阪府市と同協会との協定により観光局事業に係る権限と裁量を観光局長に委ね、目標
達成に向けて存分にリーダーシップを発揮していただくことにしております。
また、観光局に係る予算につきましては、観光局長就任予定者の加納氏の事業提案を踏まえ
まして、大阪府や経済界と調整を行い、必要と考えられる経費を算定させていただいたもので
ございます。加納氏には、もちろんみずからの事業提案を遂行するために必要な人選もお任せ
しており、また、予算につきましてもSARSや新型インフルエンザの発生といった急激な社
会情勢の変化にも臨機応変に年度途中においても対応していただくなど、観光局長としての裁
量が最大限働くようにさせていただき、その手腕に期待したいと考えておるところでございま
す。以上でございます。
◆藤田あきら委員
大阪観光局長には、事業執行に係る予算と、それから、人事に係る権限が
明確になっているというふうに今お伺いいたしまして、まず安心ということでございます。私
は、さらに観光局長が進められる事業に市としても最大限サポートし、連携して活動を支えて
いく必要があると思っております。
例えば、観光局長の事業提案には、海外でのプロモーションや大阪城公園でのイベントの実
施などが盛り込まれているとお聞きしております。中国などでは、政府系機関のアプローチに
は大阪市としての看板が欠かせないということでございますし、また、公園を活用してのイベ
ント実施では、市が許可を出さなければ実施することができません。
この4月から、市の組織改正案で経済戦略局の新設に当たっては、公園を所管する担当が建
設局に移る案というふうになっておると聞いております。これまでの観光担当と公園担当との
連携が維持されるのかも気になっているところであります。ゆとりとみどり振興局ということ
で一緒にやっていたのも、両者の連携を図る必要があるとの課題認識があったから一緒にした
というふうにも聞いております。観光局のサポートについて、大阪市としての考えをお伺いし
ます。
◎花田ゆとりとみどり振興局観光室長
お答え申し上げます。
2月18日のトップ会談におきましても、府市、経済界が連携して大阪観光局の活動を支えて
いくことが確認されたところでありまして、市としての看板が必要な海外政府機関へのアプロ
ーチや公園を活用してのイベント開催など、大阪観光局を最大限サポートしてまいりたいと考
えております。
また、建設局の所管となります公園担当と私ども観光担当の連携につきましても、特に都市
魅力の形成の中核となります大阪城公園や天王寺公園につきましては、共通のミッションのも
と事業推進できるよう、職の兼務を行うこととしているところでございます。
大阪市としても、大阪府や経済界とともに目標達成に向けて継続的に大阪観光局の活動を強
力にバックアップするとともに、事業成果と結果責任を連動させることにより、事業効果を最
大限に発揮させてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
◆藤田あきら委員
大阪府、大阪市、経済界で観光局の活動を強力にバックアップするという
お答えをいただきましたので、観光局長ともどもぜひ頑張っていただきたいというふうに思っ
ております。
また、観光担当からは、公園担当との連携を図っていくというふうにお答えをいただきまし
たが、最後に建設局の所管となる公園緑化行政のトップである立田緑化総括技監のほうからも、
もし力強いお答えをいただければと思いますけれども、いかがでしょうか。よろしくお願いし
ます。
◎立田ゆとりとみどり振興局緑化総括技監
お答え申し上げます。
公園と申しますのは、文字どおりパブリックなフィールドでございまして、多くの人々にさ
まざまな用途で使って、また来て、楽しんでいただいて生きてくるものというふうに考えてご
ざいます。
また、緑は人の心を和ませると、また、環境保全にも役立つというだけではございませんで、
都市の風格を形づくり、魅力と潤いのあるまちづくりに欠かせない重要な要素と考えてござい
ます。それが観光や集客にもつながってまいるものではないかというふうに思っております。
私ども、公園緑化部門、この4月から建設局の所管となりますけれども、どこの所属になり
ましょうとも、また、先ほど観光室長のほうから御答弁申し上げましたけれども、兼務という
ような体制もとらせていただきます。兼務のあるなしにかかわらず、観光を初め文化、スポー
ツ、そういった部門とも密接に連携いたしまして、都市魅力の創造に貢献してまいりたいとい
うふうに考えてございますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
◆藤田あきら委員
ありがとうございました。
次に、教育振興基本計画についてお伺いしたいと思います。
今回の教育振興基本計画は、さきの素案審議も経まして、多くの部分が既に議論されてきた
ものでありますけれども、私のほうからは、ここまでの議論において作成されてきた案が本予
算審議で承認されましたら、間もなく現場で運用ということを踏まえまして、現場にリリース
する前の最終チェックという意味合いも兼ねて、実際に学校現場に落とし込んだ際、もう少し
細かな部分についても議論をさせていただきたいと思っております。
まずは、校長経営戦略予算について質問をいたします。
教育振興基本計画には、校長がリーダーシップを発揮して活力ある学校づくりを進めるため、
校長は、学校独自の目標や取り組みを掲げた運営に関する計画というものを定め、その目標達
成に必要な予算を教育委員会に要求するとあります。
まずは、この校長経営戦略予算の詳しい中身について、どのような予算なのか、具体的に説
明をお願いしたいと思います。
◎森本教育委員会事務局指導部教育活動支援担当課長
お答えいたします。
この校長経営戦略予算につきましては、校長が学校協議会の意見を聞いて、みずからの裁量
によりその学校独自の目標や取り組みを掲げた運営に関する計画を定め、その目標を達成する
ために必要な予算として教育委員会が各学校へ配付いたします。
この予算は、基本配付と加算配付で構成しており、基本配付は、申請内容が運営に関する計
画の目標達成に適切であるかどうかの確認を教育委員会で行い、学校の規模による上限額を設
けて配付をいたします。また、基本配付に加えまして、特色ある学校づくりに必要なすぐれた
取り組みを実施する学校に対して、第三者による審査を踏まえまして加算配付を行ってまいり
ます。以上でございます。
◆藤田あきら委員
ありがとうございます。
また、学校現場からは、4月から運用されることになりましたら、制度実施まであと1カ月
もないという中で制度の外枠が示されているんですけれども、すぐれた取り組みというものが
どういったものなのかというイメージが具体的には湧きにくくて計画の策定に非常に苦慮して
いるという声を多数聞いております。
こういった現場の声を踏まえまして、すぐれた提案というもののモデルケースを何種類か提
示するなど、一定の方向性を学校に提示することはできないのでしょうか。
また、計画の策定が難航している学校に対するサポートが必要かと思いますが、教育委員会
の見解をお聞かせください。
◎森本教育委員会事務局指導部教育活動支援担当課長
お答えいたします。
実際の取り組みといたしましては、教育振興基本計画案におきまして、地域や異種校園と連
携した防災・減災教育の実施など、実践例を示しております。この御指摘のモデルケースにつ
きましては、教育委員会が示すものではなく、校長が学校・地域の実情に合った目標を達成す
るための取り組みとして独自に作成するべきものであると考えております。教育委員会といた
しましても、事業内容を丁寧に周知するとともに、必要に応じて校長をサポートしてまいりま
す。以上でございます。
◆藤田あきら委員
次に、公募制についてお伺いをしたいと思います。
組織マネジメントにおける人事権というふうに言いましたら、一般的には組織の首長がその
責任でもって求める人材を登用しあるいは罷免できる権限を有することを指すものだというふ
うに私は考えておりますが、この教育振興基本計画の中で、今回、罷免については特に触れら
れてはいないんですけれども、人材の獲得については、校長が目指す学校の目標を掲げて広く
人材を募集する公募制度を導入していきますという記載がございます。
今ほど学校独自の取り組みを応援する校長経営戦略予算について質疑をさせていただきまし
たが、学校長が目標とする学校経営の計画にのっとって、教育についての考えや目標を共有で
きる人材を広く募集することができるのであるとするならば、現場の校長先生にとっては、予
算が積み増しされるのと同じぐらい大きな意味があるのではないかと私は思っております。
1月25日の素案審議の際にも、私は公募制について質問をさせていただきましたが、その際
には、中高一貫校のモデル校やあるいは大阪ビジネスフロンティアなど、新設校において公募
の実績があるという答弁を頂戴しております。この制度は、これからもこういったモデル校で
すとか、新設校に限定して運用されることをお考えなのでしょうか。
私は、むしろ学校独自の目標や取り組みを掲げた運営に関する計画とあわせることで、シナ
ジー効果の非常に高い制度として積極的な活用を目指していくべきと考えるのですが、これに
ついて教育委員会の認識をお伺いいたします。
◎高井教育委員会事務局教務部教職員人事担当課長
お答えいたします。
公募制度につきましては、校長の経営方針に基づき、またはそれぞれの学校の特色に応じ必
要な教員を広く募集し、それに応募してきた教員の中から人事異動を行うものでございます。
人材の効果的・効率的な活用を行うとともに、教員の勤務意欲の向上にもつながるものであ
り、各学校においては、教育活動に応じた必要な人材の確保が図られるものでございます。今
年度末人事異動におきましては、学校教育ICT活用事業のモデル校において公募を実施して
おります。
今後、校長経営戦略予算により各学校において特色のある取り組みがより一層進められるよ
うになれば、その特色に応じた教員の配置に当たって、平成 25 年度末の人事異動において公募
制度の活用を検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
◆藤田あきら委員
今回、特に学校現場には、さまざまなこれまでにない取り組みが五月雨式
におりてきておりまして、それらをそしゃくするのに現場は本当に大変な労力を要していると
いうのは、私は区内の小・中学校を実際に話を聞いて回っているんですけれども、どの学校で
も必ず言われることでございます。一部の校長先生、学校現場では、各制度についてもしっか
りと頭の整理が追いついていないというようなこともおっしゃっております。
ただいま公募制度は、平成25年度末の人事異動において活用されるという御答弁を頂戴しま
したので、それに向けて、学校長がこの制度を利用する際には、いつまでにどういう形で申請
を上げればいいのかといったスケジュールを含めまして、具体的な手続を早期に現場に示して
ほしいなというふうに思っております。
また、一方で、応募する側の教員に当たっては、その学校の取り組みをきちんと理解した上
で応募するという必要がありまして、そのためにもそれなりの時間を要するところであります
ので、現場に確実な事務手続の流れが前もって周知されるよう丁寧な対応を、これは要望にと
どめておきますけれども、お願いしたいと思っております。
続きまして、学校選択制についてお伺いをしたいと思っております。
現在、学校選択制を導入するかどうか、各区で議論が進められているところだと思っており
ますが、この導入するかどうかの案は、各区長が保護者を初め区民の意見を広くお聞きした上
で、各区の実情に即して方針案を策定していくこととなっております。最短の平成26年度から
学校選択制の導入を方針案として公表している区もありましたら、26年度は厳しく、27年度の
導入に向けて引き続き検討するとしている区、あるいは26年度はもう導入をしないというふう
に決定をしまして、引き続き検討を進めていくというふうにしている区、あるいは指定外就学
の基準項目に通学距離の近さや中学校の部活動を追加することを検討している区もあるという
ふうに聞いております。
まず、この学校選択制の導入等、就学制度の改善において、各区長が方針案を策定すること
について、教育委員会としてはどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
◎徳岡教育委員会事務局総務部学事課長
お答えいたします。
教育委員会としまして、昨年10月、本市の小・中学校の就学制度の改善の方針を策定いたし
ました。その方針では、大阪の教育力の向上・充実を図り、教育の振興を推進し、子供たちの
最善の利益を図るため、子供や保護者の意向に応えていく必要があると考え、学校選択制の制
度化と指定外就学の基準の拡大を方向性とする就学制度の改善を行うことといたしました。
制度の改善に当たりましては、利用者である子供や保護者の意向を十分に酌み取り応えてい
くために、また、地域の実情に即した改善が図れるよう、区ごとに改善の方針案を策定するこ
ととし、方針案の策定については区長に委ねることといたしました。
保護者を中心とした区民の意見聴取に当たりましては、区長は学校長と十分連携・協力しな
がら、学校選択制と指定外就学の基準について、制度の利用者である子供や保護者に広く周知
し、十分な理解を得ることに努めること、また、区長は、保護者を中心に地域も含め広く区民
の意見を集約することとしております。区長は、区の実情や区民の意向に即した区の就学制度
改善の方針案を策定し、教育委員会会議で区の方針案を審議の上、議決を経て決定してまいり
ます。以上でございます。
◆藤田あきら委員
各区が保護者を初め多くの区民の意見を広く拾い上げて、各区の実情に即
した手法の採用をきっちりとしたプロセスを踏んで検討した結果、幾つかのパターンに分かれ
るというのは、私はこれは当然だと思っております。しかしながら、各区で判断する考え方や
プロセスまでもがばらばらであったら、これはどうかと思っております。
例えば、A区とB区が同じような状況である中で、片やA区では学校選択制を導入している
と。片やB区では選択していない、導入を見送っていると、こういうことがもし起こりました
ら、両区に住んでいる住民からすれば非常にわかりにくく、あるいは納得できずに不満の声が
たくさん上がってくるのではないかというふうに危惧をしております。
区長会において、こども教育部会長をされております東成区の森区長にきょうお伺いしよう
と思って来ていただいております。私は、24 区が 24 通りの理由や現状認識でおのおのの判断
を下すことには賛成の立場でございますが、その判断が住民から見て、あるいは他区の状況と
も比べてできる限り納得のいくものであるべきだと考えておりまして、それぞれの判断に共通
する考え方や判断に至るプロセス、こういうものが一定必要だという立場です。24 区に共通す
る施策判断の考え方、プロセスがあってこそ、そこに自分の区の実情を照らし合わせた上で実
施するべきか、見送るべきかの判断をしなければ、私は区長の説明責任という点で住民に納得
できる説明をすることは難しいのではないのかなというふうに考えておるんですけれども、こ
の点について区長会としてはどのように考えておられるんでしょうか、答弁をお願いいたしま
す。
◎森東成区長
お答えいたします。
委員御指摘のとおり、同じような状況の区において異なる結論になることは、説明責任とい
う面において避ける必要があると考えております。この点について、過日の区長打ち合わせ会
においても改めて共通認識を持ったところでございます。現在、区長会として 24 区に共通する
考え方、プロセスについて急ぎ精査しております。早急に取りまとめ、各区民の皆様方に説明
して納得していただける内容となるように努めてまいる所存でございます。よろしくお願いし
ます。
◆ 藤田あきら委員
この 24 区に共通する基準あるいは判断の考え方やプロセスを策定するに
当たっては、公募区長のみならず教育的見地から教育委員会のサポートも必要だと私は考え
ますけれども、これについてはいかがでしょうか。
◎徳岡教育委員会事務局総務部学事課長
お答えいたします。
学校選択制や指定外就学につきましては、児童・生徒の就学に関する重要な制度でございま
す。教育委員会としましても、これまで各区の説明会での質疑対応、就学に関する基礎データ
や説明用資料等のひな形を提供するなど、各区の資料等の作成を支援して進めてきております。
各区長の方針案の判断や策定に当たりましても、各区長と連携して取り組んでまいります。以
上でございます。
◆藤田あきら委員
学校選択制の検討に当たっては、各区の実情に応じて指定外就学の要件緩
和とあわせて検討することになっておりますけれども、本年1月25日の委員会で、我が会派の
吉村委員からも質疑させていただきましたとおり、学校選択制は、あらかじめ保護者の意見を
聞いて学校を決める制度で、選ぶ理由を問いません。
一方、指定外就学の緩和というのは、特別な事情がある場合に、保護者の申し立てによって
校区外の特定の学校に就学できることを認める制度で、その目的から見ても学校選択制と指定
外就学の緩和というのは、これは全く別の制度であるというふうに私も理解しておりますし、
御答弁いただいているかというふうに思います。これら2つの制度が実態で現場のほうに並列
で語られるように通達をされているというこの経緯について、教育委員会の認識を問いたいと
思います。
◎徳岡教育委員会事務局総務部学事課長
お答えいたします。
本市では、これまで住所地による通学区域を設定し、それに基づき学校を指定しております。
国の規制緩和の流れの中で、平成15年に学校教育法施行規則が改正され、学校選択制が規定さ
れましたが、本市では、就学制度全般について見直しの検討を行ってきませんでした。教育委
員会としましては、保護者や市民の意見を広く聞いて判断するべきであるとし、昨年3月より
区長と連携し、保護者を初め区民に学校選択制について意見を聞いてまいりました。
通学区域の学校よりも隣の学校のほうが通学距離が近く、安全である場合であっても、通学
区域外の学校に就学できないという現行の通学区域制度の課題に関する意見や、子供の就学に
際し保護者がかかわれない現行の制度に関する疑問の声も寄せられました。一方で、通学区域
単位で学校と地域が連携して取り組んでいるはぐくみネット事業等、子供の登下校の見守り活
動等で築いてきた学校と地域の関係は大切にするべきであるという意見も寄せられました。
並行しまして、4月より地域、保護者、PTA、公募委員等で行う熟議で学校選択制を含む
就学制度につきまして、障害のある子供、いじめ等その他家庭的事情があり、特に教育的配慮
を要する子供たちに配慮しながら、子供や保護者の意向に応え、学校教育の活性化を図る観点
から議論を行ってまいりました。7月には、学校選択制のほかに指定外就学も含めて、必要な
事項を規則で定め公表するものとする大阪市学校活性化条例が施行され、10月には熟議での議
論が取りまとめられまして、報告書が教育委員会に提出されました。
このような状況を踏まえまして、教育委員会としまして、大阪の教育力の向上・充実を図り、
教育の振興を推進し、子供たちの最善の利益を図るため、子供や保護者の意向に応え、各区の
実情に即した本市小・中学校の就学制度の改善を図る必要があるとの結論に達しまして、学校
選択制の制度化と指定外就学の基準の拡大を方向性とする就学制度の改善についての方針を取
りまとめたところでございます。以上でございます。
◆藤田あきら委員
私は、先ほどから教育振興基本計画の改定の中で、特に校長マネジメント
力の強化における学校の特色化、これは大阪市としても大きな予算をつけて行っていく施策で
あるわけなんですけれども、これによる学校の特徴化について幾つか質疑をさせていただきま
した。ただいまの答弁では、物理的な距離に重きを置いた答弁だったかというふうに私は理解
したんですけれども、その中で、教育委員会によって各学校において特徴的な取り組みを予算
の裏づけをもって支援していく旨、学校間の競争によって一層の学校の魅力化、特色化を進め
ていきますという旨の答弁があったかと思っております。
先ほど教育委員会より、住所地によって決められた学校に就学するという現行の制度の緩和
という側面から、子供や保護者の意向に応えていくという観点と、それから、学校教育の活性
化という観点から学校選択制と指定外就学の緩和が検討されてきたという経緯がある旨の答弁
がありましたけれども、私は、この学校選択制という制度につきましては、平成25年度から取
り組まれる学校の特色化の中で、子供や保護者が主体的に自分の望む教育を実践している学校
を選択できるという意味で、指定外就学の緩和とは全く違う意味合いがあるというふうに考え
ております。
これまでの画一的な学校運営の中では、学校選択制を支持する理由としては、先ほどもあり
ましたけれども、物理的に指定校への登下校に不便があるというものがほとんどでございまし
て、中には、嫌いな子と同じ学校に行きたくないからというネガティブな理由があるというこ
とも現場から聞いております。単に住所地による就学する学校の指定というものを緩和すると、
あるいは解放させる制度ということではなくて、学校選択制は、みずからの教育観に照らして
保護者や子供本人が自分の受ける教育を複数の選択肢の中から選択できるということで学習意
欲を高め、学習効果を発揮するための制度として、これは私は非常に可能性の高い制度だとい
うふうに思っておりますが、教育委員会としまして、学校選択制の教育効果についてはどのよ
うに認識されているんでしょうか、再度御答弁をお願いいたします。
◎徳岡教育委員会事務局総務部学事課長
お答えいたします。
学校選択制は、子供や保護者が入学する学校を選ぶことになりますので、子供や保護者も学
校の教育活動等についてより深い関心を持ち、また、学校も創意工夫を凝らして特色ある教育
活動が進められることが期待できると考えております。以上でございます。
◆藤田あきら委員
先ほど来、私は、ずっと学校特色化についての質疑をさせていただいてお
りますが、まず、この学校を特色化するというこの制度自体が学校を特色化させまして、その
中から自分の教育観に合うものを選択することができるという学校選択制を前提に考えたもの
ではないのかなというふうに思っているわけなんですね。
先ほど答弁いただきました学校選択制の教育的観点からの位置づけについても考慮しまして、
最終的に私は、大阪市内の全区で学校選択制を実施できるようにすべきではないかなというふ
うに考えております。
そこで、最後に、学校選択制を取りやめた自治体について、関連して質問をさせていただき
たいと思います。
学校選択制は、もちろん私、先ほどまで述べさせていただきましたように、非常に教育効果
が期待できる制度だと思っておりまして、期待をする一方で、実際にこれまで導入してきて、
既に学校選択制を取りやめている自治体もございますので、それについて何が問題だったのか
ということをある程度質疑させていただきたいというふうに思っております。
まず、東京杉並区が平成14年から続けてきた学校選択制を平成28年度から廃止する方針を打
ち出したということは、昨年、新聞報道等で出ましたので皆さんよくお知りのことかと思って
おります。ただ、これはもともとの制度設計の目的であった開かれた学校づくりというものが
基本的に達成されたため、別の制度に移行したものであり、これは学校選択制を何ら否定する
ものではないというふうに私は考えております。
むしろ私が問題だと思うのは、長崎市の例でございます。長崎市では、8割の保護者が選択
制の継続を希望していたにもかかわらず、学校の立地等の問題で学校間の児童・生徒の数にか
なり偏りが生じまして、制度の継続を断念するという結論に至った経緯がございます。
例えば、8割の方あるいは9割の方が賛成だとしましても、残りの2割、1割の方が学校選
択制に課題があるという理由で反対をされているんだとすれば、これはその課題の解消に向け
た対応をとっていく必要があると私は強く思っております。
本市においても、学校選択制の実施による教育効果の観点も考慮していただきまして、最終
的には全区で学校選択制ということが実施できるように区長と十分連携を図って、学校選択制
の導入に当たって課題と言われていることを、あるいは懸念されていることを解消して取り組
んでいくことが必要であると考えますけれども、教育委員会としてはどのようにお考えでしょ
うか、よろしくお願いします。
◎小川教育委員会事務局学校配置計画担当部長
お答えさせていただきます。
教育委員会といたしましては、子供の最善の利益を図るためには、子供や保護者の意向に応
えていくことが必要でございまして、そのためには、通学の安全や学校と地域との連携等の課
題に留意しつつ、各区の地域性や実情に即した就学制度とする必要があると考えているところ
でございます。
学校選択制が実施された場合におきましても、児童の登下校の見守り活動は引き続き必要で
ございまして、また、学校と地域が連携して取り組むはぐくみネット事業等も大切でございま
す。今後、通学の安全等の課題につきましては、各区で議論を行いまして、地域性や実情に即
して検討してまいりたいと考えているところでございます。
また、保護者は、学校選択制の実施にかかわりませず、地域の取り組みへの参加意識が希薄
になっていることもよく言われていることでもございますので、保護者に対しましては、地域
活動、またPTA活動への参加を促してまいりたいと考えているところでございます。
さらに、風評等による学校選択を懸念する意見もございますが、学校が子供や保護者にでき
るだけ詳しく正確な情報を提供することが何よりも大切であると考えております。学校選択の
結果、特定の学校に集中することなどにより、児童・生徒数に偏りが生じることを懸念する意
見もございますが、受け入れに関しましては、実際には学校の施設収容面での制約等がござい
ますので、結果といたしまして、特定の学校へ集中を抑制することができるというふうに考え
ているところでございます。
いずれにいたしましても、課題につきましては、各区と連携して対応してまいりたいと考え
ております。また、各区が抱えます個別事情の解消につきましては、関係局ともども必要な支
援を行いまして、今後とも各区の就学制度の改善に向けまして取り組んでまいりたいと考えて
おりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
◆藤田あきら委員
ありがとうございました。
重ね重ね申し上げますけれども、この選択制というのは、指定外就学の緩和というものに比
べまして、非常に教育的効果が高いというふうに私は考えておりますので、実施できない区が
ありましたら、その区がなぜ実施できないのかという課題を丁寧に解消していただくようにお
願いをしておきます。
続きまして、学校サポート改革の項目について、質問をさせていただきたいと思っておりま
す。
教育振興基本計画案には、いじめや問題行動に対して毅然とした対応をとるための制度づく
りとして、学校サポート改革の項目が上げられております。これまでいじめを初めとする学校
現場で起こる種々の問題がなかなか学校組織の中で、教員から校長へ、あるいは校長から教育
委員会へと速やかに報告として上がってこないという事案がございまして、これが結果として
問題の早期発見あるいは早期解決の機会を逸しまして、児童・生徒に対して深刻な影響を生じ
ることを許してしまうと、こうした例も多かったのではないかというふうに思っております。
学校現場からは、教育委員会から報告について求められることは多いんですけれども、なか
なか実際の具体的な支援が期待できないということで、報告を控えることも昔はあったという
ふうに聞いてございます。そして、今後、いじめや問題行動の報告がつぶさに上がってくるよ
うな仕組みづくりについて、教育委員会として今どのように検討されているのかという、まず、
内容説明をお願いしたいと思っております。
◎松永教育委員会事務局指導部首席指導主事
お答え申し上げます。
本市においては、いじめは人間として決して許されない行為であり、いじめられている子供
の心や体に深刻な苦痛を与え、時には生命を奪ってしまう重大な人権問題であるとの認識のも
と、いじめ問題の解決に向けた取り組みを進めております。
児童・生徒の問題行動につきましても、「長期休業中における生活指導について」などの通
知において未然防止・早期発見に向けて組織的・継続的に取り組むよう周知徹底を図っている
ところでございます。
さらに、大津の事件以降、教育委員会としていじめを初めとする問題行動については、軽微
なものでも報告することを改めて学校に徹底してまいりました。また、平成24年11月に示され
た文部科学省の通達においても、教員の評価においていじめの件数のみを評価するのではなく、
速やかな報告や根絶に向けた取り組みの徹底度合いなど、質的な判断に基づいて評価をするよ
うにとの方針が示されたところでございます。
今回の教育振興基本計画案における学校サポート改革では、いじめや問題行動に関して学校
だけで解決が困難な事案について、学校が関係機関と連携を図りながら対応し、医師、臨床心
理士、弁護士、社会福祉士、警察OBなどで構成する専門家チームが学校への助言や支援を行
う具体的な支援策が明示されたものでございます。
今後とも報告の上がってきやすい制度づくり、また、報告を確実に解決に導いていく仕組み
づくりに取り組んでまいります。以上でございます。
◆藤田あきら委員
ただいま御答弁いただきましたとおり、報告に対して具体的かつ効果的な
支援策が明示され、また、評価の上でも学校現場にいじめの問題あるいは問題行動があるのか
ないのかと、そういうことではなくて、それに対してどのように取り組んだかという取り組み
内容を評価されるという点で、これまで指摘されてきた報告を上げることによって問題のある
学校だと思われたくないといったような、報告をある意味ちゅうちょさせるような心理的な負
の要因を排除しまして、学校現場にとっていじめや問題行動は、むしろ隠すよりも報告したほ
うが現場にとってもプラスになるというような動機づけとして大いに機能するんではないかな
ということは、私にも非常に理解ができました。
その運用に当たりまして、教育振興基本計画案には、教職員が実践で使える明快なフローチ
ャートを用いながら、第三者専門家チームの派遣に係る判断基準などを示すと、こういうふう
に明示されております。学校現場がいじめや問題行動の対応をある意味で全て専門家チームに
丸投げすることであったりとか、逆にあるいは事態が深刻化してからでないとなかなか派遣を
要請できないとか、それから、校長や教員たちが、判断基準が抽象的であるために派遣をこの
タイミングで要請してもいいのかどうか判断に迷ったりであるとか、あるいは一番ひどいこと
になりますと、そもそもサポートがあること自体を知らなかったとか、そういったことがない
ように、適切かつ科学的あるいは客観的な基準の策定と、その周知の徹底をお願いしたいと思
っておるんですけれども、この点については教育委員会としてどのようにお考えでしょうか。
◎松永教育委員会事務局指導部首席指導主事
お答え申し上げます。
教育振興基本計画案においては、特にいじめの事象について、いじめた側の児童・生徒に対
する更生プログラムを策定し、解決に向けた学校内での指導、警察やこども相談センターなど
関係機関と連携した学校内での指導、出席停止の活用や教育委員会、警察等と連携した学校外
での指導、いじめの内容が明らかな犯罪行為と認められた場合には、警察及び関係機関等への
届け出、通報の実施といったように段階的な対応を示し、児童・生徒の状況に改善が見られる
まで段階的に指導・対応に取り組むことを示しております。
いじめや問題行動の解決に向けて、教員が実践で使えるフローチャートの内容については、
現在策定中でございますが、制度を運用するに当たっては、学校が抱えている課題を十分に勘
案し、対応についての具体的な判断基準を示してまいりたいと考えております。以上でござい
ます。
◆藤田あきら委員
次に、いじめ・問題行動の予防についてお伺いしたいというふうに思って
おります。
いじめの問題に関しては、加害児童、被害児童あるいは傍観児童ともに、その心身の健全な
発達に大きな影響をもたらすということから、事が起こってから対処することももちろん大事
なことなんではございますけれども、いじめが起こる前にいかに予防し、あるいはまた、いじ
めが発生した場合に、その芽をいかに早く発見して摘み取るか、こういうことが非常に重要だ
というのは、もうこれは私は議論を待たないところだと思っております。
問題行動についても同様に、その発生を未然に防ぐことが重要でありますし、その影響が本
人や周囲の児童・生徒において深刻化する前に発見し、解決することが望ましいのは、もうこ
れは言うまでもないことだというふうに思っております。
今回の学校サポート改革では、いじめ及び問題行動が発見された場面を出発点にしまして、
そのサポートの流れを描いているというふうに私は読んだんですけれども、この予防と発見の
観点については、特に記述が見受けられなかったんではないかなというふうに危惧しておりま
す。いじめや問題行動の発生を予防して、あるいはまた、その兆候が軽微なうちにその芽を摘
み取ることに対する取り組みについて、教育委員会としてはどのようにお考えか、こちらの説
明をお願いいたします。
◎松永教育委員会事務局指導部首席指導主事
お答え申し上げます。
いじめを初めとした問題行動の未然防止及び早期発見を行うためには、教員が児童・生徒と
日々接する中で相互の信頼関係を構築しながら、学級運営を進めていくことが大切だと認識い
たしております。従前より、いじめの未然防止・早期発見については、指導の手引等において
教員に示してきたところでございます。
教育委員会といたしましては、学校とさらなる連携を図りながら、学校ICT化の活用等に
よる校務の効率化を図り、教員がより多くの時間を児童・生徒とかかわれるよう環境づくりに
努めてまいります。さらには、平成 25 年度より全ての学校において、学期ごとにいじめに関す
るアンケートの実施を予定しており、そのアンケート結果を検証することにより、いじめを生
まない集団づくりの推進、教育相談の充実など、いじめの未然防止・早期発見に向けて取り組
んでまいります。以上でございます。
◆藤田あきら委員
ありがとうございます。
基本的には、もちろん学校現場で起こることですので、教員と生徒の信頼関係ということが
大切になることは、私ももちろん認識として持っております。
ただ、近年、いじめを初めとする問題行動におきましては、携帯電話を使ったものですとか、
あるいはメール攻撃ですとか、あるいはインターネット上の掲示板を使ったものなど、教室の
外で行われているものもふえてきておりまして、教師から非常に見えづらい構造になっている
という指摘もございます。いじめ等を早期発見する一番の手法は、子供たち同士の目をいかに
活用していくか、あるいは子供たち同士のネットワーク内の情報を学校がいかに受信できるシ
ステムがあるかであるというふうに研究発表もされているものを私も勉強の限りでは知ってお
ります。
アンケートについて申し上げますと、アンケートについても、たとえ匿名のアンケートで実
施したとしましても、子供は非常に敏感なものでございますので、筆跡で担任の先生にはもし
かしたらこれを自分が書いたとわかるのではないかというような危惧から、本音をなかなか書
いてくれないと、こういったことも指摘されております。
また、あるいは質問の立て方によっては結果が大きく変わってしまうことや、さらにはいじ
めの問題でいえば、アンケートをしましていじめを特定するような事象が出てこなかった場合、
そういった記述がなかった場合、それをもって学校の中でいじめが起こっていないことの証左
とされてしまう、あるいは必要十分条件だというように勘違いされてしまうというような誤解
の問題も指摘されております。ですので、アンケートについても、あくまでツールの一つとし
て活用しながら、今後とも教育委員会・学校現場が連携して、いじめの根絶というものに向け
て実現できるよう取り組んでいただきたいと、これは要望でお願いしておきたいと思います。
続きまして、英語イノベーション事業について、御質問をさせていただきたいというふうに
思います。
教育振興基本計画案の中のグローバル化改革の中で、小学校1年生から大阪独自の英語教育
に取り組むとしまして、英語イノベーション事業という施策が上げられております。小学校1
年生からフォニックスという、これは発音とあるいはアルファベットのスペルのつづりですね。
これを関連づけることによって、初見の単語であっても正確に発音をすることができると、こ
ういうような音声を基本とした学習方法­­私もこれを勉強したときにそういうふうに認識をし
ました­­なんですけれども、これを重点校としまして選定した中学校8校、それから、その中
学校の校下の小学校、24校ぐらいになると想定されますけれども、これで実施するというふう
にあります。
ただ、小学校教員にとっては、もともとは英語を教えるという前提では、小学校の教師とし
て働いておりませんので、初めてのことであり大変不安であるという声や、ましてやフォニッ
クスというものを、これは自分が教員になる過程でも経験したことがない、そういう新たな学
習方法で子供たちに教えるということに対して、非常に大きなきちんと教えることができるだ
ろうかという不安を抱えているという声をたくさん聞いております。
具体的には、選定校決定から実際の指導に入るまでどのぐらいの期間があるんだろうという
ことは、教員の中では非常に関心を持たれていることでございますので、まずはこのスケジュ
ール感について、あるいは具体的な進め方について伺いたいと思います。
◎森本教育委員会事務局指導部首席指導主事
お答え申し上げます。
本計画案にあります英語イノベーションは、積極的に自分の考えや意見を伝えることのでき
る英語コミュニケーション能力を育成する英語教育強化の事業でございます。中学校8校区、
小学校24校程度の重点校の選定につきましては、4月当初に事業説明いたしまして募集を開始
いたします。その後、英語教育に重点的に取り組む中学校と、その校区小学校からの実施計画
や小中連携の状況等についての申請内容に基づいて重点校を決定してまいります。
フォニックスという新しい学習法を取り入れるに当たって、教育委員会といたしましては、
小学校の指導者に対する研修が当然必要と考えております。また、教材の準備にも時間が必要
でありますので、これらに要する期間などを考慮いたしますと、実際に教室で児童に音声指導
を実施するのは2学期からのスタートとなります。以上でございます。
◆藤田あきら委員
ありがとうございます。
重点校が決まりましてからの大体のスケジュール感は、今の御答弁で明らかにされたと思っ
ております。教育振興基本計画案は、3年間の平成 27 年度までの計画となっているように思っ
ておりますけれども、この英語イノベーション事業における重点校でのフォニックスという指
導法には私も大変期待をしておりまして、グローバル人材という中で英語が話せる子供たちに
していくというのは、これは必要か必要じゃないかというのは、これも私は議論を待たないん
ではないのかなというふうに思っておりますけれども、これを重点校からいかに速やかに滞り
なく全校展開していくかということについてもお聞きをしたいと思います。
◎森本教育委員会事務局指導部首席指導主事
お答え申し上げます。
英語イノベーション事業の全校展開につきましては、重点校での取り組みを小学校におきま
しては児童や教員による意識調査などで、中学校におきましては英語能力判定テストなどを活
用して効果検証を行った上で具体的なスケジュールを決めてまいります。以上でございます。
◆藤田あきら委員
これは、大阪が全国の自治体に誇る本当に先進的な英語教育として行う事
業でありますので、実施に当たっては、各現場において効果的に進められるよう、あるいは教
員が不安なく授業に臨めるように丁寧な対応をお願いしたいと思っております。また、しっか
りと効果検証をした後、広めるかどうか検討していくということでございましたが、私は、こ
れは必要だと思っておりますので、これも要望に加えさせていただきます。
最後に、学校現場における学校特徴化の中で管理職というものの中で、特に教頭先生の待遇
についてさまざま話を聞いておりますので、これを最後の質疑にさせていただきたいというふ
うに思います。
今、学校は本当に大変な事務作業量で、あるいは保護者対応などの問題もありまして忙殺さ
れているような状況にございます。その中心として毎日毎日頑張っておられるのが教頭先生で
ございます。しかしながら、学校現場に伺いますと、場合によっては教頭先生の待遇、簡潔に
言いまして年収でございますけれども、これが一般の先生よりも年収が低いような状況が生ま
れているというような問題の声を聞いております。こういうことが具体的に実際に起こってい
るのであれば、例なども示していただいて御説明をお願いしたいと思います。
◎益成教育委員会事務局教務部教職員給与・厚生担当課長
お答え申し上げます。
例えば、大学卒で採用され、現行の制度で昇給をしたと仮定した場合、40 歳の教頭の年収は
約 727 万円となり、一方、同様な方法で算出した場合、57 歳の教諭の年収は約 754 万 3,000
円となります。以上でございます。
◆藤田あきら委員
今お答えのとおり、実際に逆転をしているということでございますので、
これは教頭先生が管理職ということを考えましたら、教員の給与が府費ということももちろん
認識をする中ですが、早急に改善の要望をしていきたいなというふうに思っております。小・
中学校の教頭先生は、本当に多忙でございまして、学校内にかかわる校務を一手に引き受けま
して駆けずり回っているというふうに実際の話で聞いております。
教育委員会からいただいた資料でございますけれども、教頭選考に関する資料なんですけれ
ども、小学校では、平成13年度に教頭の試験を受ける有資格者の数のうちの実際に受験した人
数の割合が9.4%ございましたのが、平成24年度には何と2.4%まで低下しているという資料を
いただいております。具体的に数で申しますと、2,383名の受験資格者数のうち、実際に受験を
したのが58名ということで、これは本当に憂慮すべき事態だなというふうに思っております。
一般の先生ももちろん現場で頑張っておられることは重々承知の上なんですけれども、この
ように教頭先生のなり手が減少しているというのは、管理職としての教頭先生の年収が一般の
教員よりも低くなるような状況があると、こういったことが忙しい割にはそんなに待遇がよく
ないということで、教頭先生のなり手のモチベーションの低下にもつながっているんではない
かなというふうに危惧しておりますけれども、これの改善について教育委員会としてはどのよ
うにお考えなのか、答弁をお願いします。
◎益成教育委員会事務局教務部教職員給与・厚生担当課長
お答え申し上げます。
府費負担教員の給与につきましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第 42 条の規
定により、都道府県の条例で定めることとなっております。小・中学校の教頭の給与は、大阪
府の職員の給与に関する条例等で定められておりますが、教頭の管理職につきましては、月額
5万 2,900 円を支給していたものを、平成 25 年4月から6万 6,100 円に増額される予定と聞
いております。また、教員の給与体系の見直しにつきましては、今後とも大阪府の動向を注視
してまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願いします。
◆藤田あきら委員
今、さまざま細かいことを聞かせていただきましたけれども、これが予算
審議を通りまして実施ということになりましたら、もう間もなく、先ほども申しましたけれど
も、1カ月もない中で現場は対応していかないといけないということでございますので、本当
にいつまでに何をどうしたらいいねんというのが全く手につかないという声も聞かれておりま
す。この教育振興基本計画を通して、これは何度も申し上げますけれども、私は非常に教育効
果が高く可能性のある制度だというふうに思っておりますので、現場に速やかに実施が円滑に
進むように教育委員会の強力なサポートをお願いいたしまして、私の質疑を終わらせていただ
きたいと思います。ありがとうございました。