(153号)-転倒防止-

平成27年9月10日号(第153回)
公立阿伎留医療センターは、医の心を重んじ、患者の生命と健康と
生活の質を考える良質の医療を実践し、地域医療の最適化に努力します。
9月21日は敬老の日です。1965年(昭和40年)に「多年にわたり社会に尽くしてきた老人
を敬愛し、長寿を祝う」という事から国民の休日に加わりました。最近では、高齢でも安心して暮ら
せる社会づくりや、高齢者福祉について考えるきっかけになるよう様々な催しが行われています。
今回の阿伎留通信は、-「転倒防止」-
をテーマに診療部医療安全管理室
簑島 京子科長補佐よりお話しさせて頂きます。
ほんのちょっとした段差につまずいたり、廊下や階段ですべって転ぶ。年齢が高まるにつれて、こ
うした転倒事故が増えてきます。高齢者の転倒は骨折を招きやすく、長期の入院を経て、寝たきりや
認知症につながるおそれもあります。したがって、健康長寿を実現するためには、「転倒→骨折」を
防ぐことが、たいへん重要な課題なのです。
1)60歳以上の転倒は、室内(自宅内)が多いので注意が必要です。
居間・お茶の間・リビングや階段、玄関や自宅の庭での転倒も多い為に注意が必要です。
2)自宅での転倒は住環境を整備する事により防ぐことができます。
○歩く時に障害になるものがあれば取り除く
○足元の暗い場所には照明の設置をする
○階段や浴室には手すりを付ける など
3)筋力が低下すると転倒リスクが4倍以上になります。
毎日の筋力強化・バランス強化運動で転倒予防しましょう
4)筋力を強化する運動は?
大腿四頭筋のトレーニング
大腿四頭筋は立った時に、膝を曲げずに身体を支える筋肉です
○イスに腰掛け、片膝を上げ、つま先を立てて5秒間キープします
膝の上に力を入れるのがポイントです
○左右10回で1セット。朝、夕3セットずつ行います
中殿筋のトレーニング
中殿筋は横にぶれないように支える筋肉です
○ストッキングなど伸縮する物を両膝で結び、
仰向けになって脚を開き、5秒間我慢します
○10回で1セット。朝、夕3セットずつ行います
5)バランス力を強化する運動は?
目を開いたまま片足で立つトレーニング
○転倒しないように必ずつかまる物がある場所で行います
○床につかない程度に片足を上げます
○左右1分間ずつ、1日3回行います
6)転倒リスクチェックをご自身でやってみましょう!
年齢が同じでも、転びやすい人と、めったに転ばな
い人がいます。高齢になるにつれて、個人がかかえる
転倒のリスクに大きな差が出るためです。しかし、自
分のリスクに気づき、それを事前に取り除くことがで
きれば、転倒事故の多くは防ぐことが可能です。毎日
の自分にあった軽い運動を実践し、転倒を未然に防ぎ、
生活の質改善を目指しましょう。
暮らしの中でこまめに
体を動かす
自分の体力に合った
適度な運動をする
歩行能力、バランス能力、筋力などがアップし、
日常生活動作の能力が高まる
どこへでも自由に外出できるなど、
生活の質(QOL)が改善される
転倒に対する不安を小さくし、健康で活動的な毎日を送るためには、日常生活の中での転倒に対す
る知識を身につけることが大切です。
阿伎留通信については、第1回から最新号まで、公立阿伎留医療センターのホームページで
御覧になることができます。ホームページアドレス(http://www.akiru-med.jp)
公立阿伎留医療センター 患者サービス改善委員会 発刊