小児総合医療センター - 東京都病院経営本部

都立
小児総合医療センター
〒 183-8561
東京都府中市武蔵台二丁目 8 番 29 号
電話 042-300-5111(代表)
URL http://www.byouin.metro.tokyo.jp/shouni/
臨床、教育、研究面で国内外に発信できるような業績を上げることを目標にする病床規模日本一(561 床)の小
児専門病院です。診療では、一般小児科、救急診療を総合診療科および救命救急科が中心に実施しているの
みならず、内科系専門各科、児童・思春期精神科(家族支援部門を含む)、および心療内科、外科系専門各科、
集中治療科、新生児科がそろっており、幅広い患者さんを診ている病院です。そのため、一般小児科から、専
門、特に内科系専門科まで、幅広い研修ができます。教育に関しては、シニアレジデントの教育は病院の根幹のテーマと考えて
おります。研究面では、臨床研究を支える部門が研究支援(計画、統計解析)をしているとともに、トランスレーショナルリサー
チも可能な研究施設があり、こうした活動については、若い研修医も学ぶことを選択できるようになっております。
病院の
概要
診
療
科
目
総合診療科 心療内科 循環器科 内分泌・代謝科 血液・腫瘍科 腎臓内科 神経内科 呼吸器科 結核科 感染症科 消化器科 アレルギー科 臨床遺伝科 外科 心臓血管外科 泌尿器科 整形外科 形成外科 脳神経外科 眼科 耳鼻いんこう科 皮膚科 小児歯科 矯正歯科 臓器移植科 検査科 診療放射線科 麻酔科 児童・思春期精神科 集中治療科 救命救急科 新生児科 リハビリテーション科
心理・福祉科 育成科 臨床試験科 遺伝子研究科
■ 学会研修施設認定状況
日本小児科専門医研修施設/日本内分泌学会内分泌代謝科認定教育施設/日本周産期・新生児医学会暫定研修施設/日本腎臓学会研
修施設/日本透析医学会専門医制度認定施設/日本小児神経学会専門医研修認定施設/日本外科学会外科専門医制度修練施設/日
本小児外科学会専門医育成認定施設/日本整形外科学会専門医制度研修施設/日本泌尿器科学会泌尿器科専門医教育施設/日本核
医学会専門医教育病院/日本麻酔科学会麻酔科標榜研修施設麻酔科認定病院/日本病理学会研修認定施設 S /日本がん治療認定医
機構認定研修施設/日本精神神経学会精神科専門医研修施設/日本小児循環器学会専門医修練施設/日本ペインクリニック学会指
定研修施設/ JSH 血液研修施設/日本皮膚科学会認定専門医研修施設/日本心臓血管外科専門医認定修練施設/日本小児血液・が
ん学会研修指定施設/日本小児歯科学会専門医研修機関/日本集中治療医学会専門医認定施設/日本救急医学会専門医認定施設/
日本心臓血管麻酔専門医認定施設/日本アレルギー学会教育施設/日本てんかん学会研修施設/日本耳鼻咽喉科学会専門医研修施
設/日本環境感染学会認定教育施設/日本リハビリテーション医学会研修施設/三学会構成心臓血管外科専門医認定機構基幹施設
/日本骨髄バンク非血縁者間骨髄移植認定施設
研
修
の
特
色
小児総合医療センター
都立
研修コースは小児科コースと児童青年精神科コース の二つが存在します。
小児科コースでは総合診療科スタッフが中心となり、1)一般小児科(予防医学、地域医療を含む)、2)
救急医療、を学ぶとともに、他の診療科の協力のもと、3)選択する専門科での基本的事項、4)臨床研
究を学ぶことが特徴です。診療はチーム制でおこなわれており、屋根瓦的教育を行っております。シニア
が主体となり勉強会を主催し、教育体制の企画に参加しております。詳細は HP をご覧ください。
児童青年精神科コースは幼児期から思春期にわたる多様な症例を経験できること、本格的な入院治療を
経験できることが大きな特徴です。研修においては、的確で包括的なアセスメントを基礎として、高い臨
床力を身に付けることを重視しています。また、からだの診療科との協力のもとに、コンサルテーション・
リエゾン活動や児童虐待ケースへの早期介入にも取り組んでおり、他科・他機関との連携について具体的
に学ぶことができます。
小児科コースと児童・青年精神科コース が協力して行う臨床研究が昨年度始まりました。今後、お互い
のシニア教育、勉強会での交流が計画されております。
■ 設定コース
コース名
小
児
研修を行う主な診療科
児
童
青
年
科
精
神
科
総合診療科、心療内科、循環器科、内分泌・代謝科、血液・腫瘍科、腎臓内科、
神経内科、呼吸器科、感染症科、消化器科、アレルギー科、臨床遺伝科、
新生児科、麻酔科、放射線科、集中治療科、救命救急科、等 児童・思春期精神科、こども家族支援部門
※ 指導医数は、当該コースにおける指導を行う医師数を表します。
126
研修期間
指導医数
3年間
98
3年間
12
総合診療科/内分泌・代謝科:長谷川 行洋
小児科
コース
コース責任者
日本小児科学会専門医、
日本内分泌学会専門医・指導医(小児科分野)
目標とする
専門医受験資格
日本小児科学会小児科専門医
当院のシニアレジデントはジュニアの研修の修了、あるいはそれと同等の研修が済んでいらっしゃる方を対象とし
た 3 年間のプログラムです。1 年目は総合診療科を 7 ヶ月、新生児科 3 ヶ月、麻酔科および ER をそれぞれ 1 ヶ
月ずつまわるプログラムになっています。2 年目は総合診療科 3 ヶ月、地域医療を学ぶ期間 2 ヶ月(研修場所:
東京都保健医療公社 多摩北部医療センターおよび近隣開業医施設)
に加え、
専門科選択期間が 7ヶ月あります。
3 年目は PICU 2ヶ
月に加え、総合診療科および専門科選択期間がそれぞれ 5 ヶ月ずつあります。こうしたローテーションでは小児科学会研修手帳
を利用し、到達目標を確認しながら研修できます。
総合診療科の診療は原則数名のチーム医療で行い、レジデント1 年生は 2・3 年生、あるいは比較的若い指導者と、上級指導
医のチームで診療にあたります。総合診療科を学んでいただくために、レジデントの方には朝 2 回の症例検討会、月 1 回の専
門科との症例検討会、週 1-2 回のレジデント中心の勉強会の時間があり、きちんと勉強もしていただくように計画されています。
研究のアウトプットとして、症例報告、臨床研究報告の論文作成を最大の目標にしています。こうした充実したレジデントのプロ
グラムに加え、研修をしている方からの意見も積極的に聞く努力、教育を受ける側 ・ する側相互の評価も行っております。なお、
当直は夜間月 3-4 回、日中の土日の当番月 1 回程度あたります。
研修
概要
総合診療科
7ヶ月
1 年次
研修コース
モデル
2 年次
3 年次
総合診療科(中級指導医)
3ヶ月
総合診療科(中級指導医)
2ヶ月
麻酔科
1ヶ月
地域医療
2ヶ月
PICU
2ヶ月
新生児科
3ヶ月
ER
1ヶ月
専門科ローテーション
7ヶ月
総合診療科(中級指導医)
3ヶ月
専門科ローテーション
5ヶ月
※ 研修計画及び期間については、専門臨床研修委員会での話し合いにより微修正される可能性があります。
■ 主要症例実績と目標症例数
入院数
経験目標症例数
入院数
経験目標症例数
肺炎、気管支炎
主要疾患
494
30
熱性けいれん・けいれん重積
主要疾患
125
20
気管支喘息
172
30
尿路感染症
66
10
胃腸炎・脱水
46
30
腸重積
34
5
川崎病
131
10
※ 平成 26 年 3 月∼平成 27 年 2 月における数値
※ 目標数は1年間の1人あたり目標数
〔医局にて〕
〔カンファ〕
〔勉強会〕
都立
〔集合写真〕
小児総合医療センター
127
児童青年
精神科
コース
コース責任者
目標とする
専門医受験資格
児童・思春期精神科:大倉 勇史
精神保健指定医、精神科専門医
精神保健指定医、精神科専門医
日本児童青年精神医学会学会認定医
児童・思春期精神科は、統合失調症などの精神病圏、自閉症スペクトラム障害や注意欠如多動性障害などの発達
障害、摂食障害、家庭内暴力を伴うような不登校・ひきこもりケースなど、さまざまな精神障害をもつ幼児期か
ら思春期までの小児を対象としています。医師、看護師、臨床心理士、精神科ソーシャルワーカー、作業療法士、
保育士などの専門職によって構成されるチーム医療を特徴とし、院内学級も併設されています。
研修期間は 3 年間で、初年度はおもに入院治療と外来診療の陪席、症例検討会への出席等を通じて、児童・青年精神科臨床に必
要とされる基礎的な知識やケースマネジメントのためのアセスメント、さまざまな治療技法等を習得します。2 年目は個々の臨
床経験や希望に応じ、他の都立病院精神科、精神保健福祉センター、児童相談センター、当院小児科等において最大 9 か月まで
研修することができます。また、子ども家族支援部門では他科に入院中のケースに対するコンサルテーション・リエゾン活動や
児童虐待ケースへの介入について、あるいは、思春期デイケアや幼児・学童を対象とした療育について研修することもできます。
3 年目には指導を受けながら初診を担当する、1 年目のレジデントを指導するなど、より高度な課題に取り組みます。3 年間の
研修を通して、子どもの精神医学的診断と治療、教育・福祉等との地域連携に関する知識と技術を習得し、研修修了時には独立
して診療ができるレベルに到達することを目標としています。
研修
概要
研修コース
モデル
学童病棟
1 年次
女子思春期病棟
関連機関研修
2 年次
子ども家族支援部門
男子思春期病棟
3 年次
自閉症病棟
※ 他に外来研修もあり
■ 主要症例実績 ■目標症例数
主要疾患
入院数
主要疾患
経験目標症例数
主要疾患
207
自閉症
5∼10
気分障害
3
行動および情緒の障害
65
アスペルガー障害
5∼10
注意欠如多動性障害
3
神経症性障害
94
他の広汎性発達障害
5∼10
素行障害
3
統合失調症
42
統合失調症
5∼10
強迫性障害
3
気分障害
32
適応障害
5∼10
摂食障害
3
摂食障害
34
被虐待児症候群
3
※ 目標数は5年間での目標数
※ 平成 26 年 1 月∼ 12 月実績
※ 入院総数 499
〔指導医・レジデント〕
〔レジデント学会発表〕
〔病院行事 夏祭り〕
〔病院行事 クリスマス〕
小児総合医療センター
都立
128
経験目標症例数
心理的発達の障害
臨床研修委員会委員長及びシニアレジデントのひとこと
臨床研修委員会委員長からのひとこと
総合診療部 部長
長谷川 行洋
当院のシニアレジデントはジュニアの研修の終了、あるいはそれ以上の研修が済んでいらっしゃる方
(例
えば小児科経験が既に 1 − 2 年ある方)を対象とした3年間のプログラムです。小児科コースと児童青
年精神科コースが有ります(児童青年精神科コースに関しては別項を参考としてください)。小児科コー
スは、1 年目は総合診療科に加え、ER、麻酔科、新生児科をまわるプログラムになっています。2、3
年目(特に2年生)は総合診療科を回る期間は短くなり、集中治療科および希望する専門科を選べる
ようになっています。総合診療科の診療は原則数名のチーム医療で行います。レジデント1 年生は 2・
3 年生、あるいは比較的若い指導者と、上級医師の合計数名のチームで診療にあたります。
このチームでの議論のなかからよりよい治療が生まれるように上級医師が指導いたします。来年度、
レジデントは9名を予定しております。レジデントの方にはチームでの回診、講義あるいは症例検討会
の時間が計画されています。教育を受ける側・する側相互の評価も行っております。院内全体、医師が
教育の重要性を理解し協力してくれるように、また、レジデントからの意見も吸収して教育制度を改善
できるように、様々な努力をしております。彼らへの教育を通して病院の医療水準の維持・発展ができ
る点、また、彼らは近い将来に病院を支えうる人材である点を考えると、レジデントの方は病院の財産
であると考えております。皆さん、我々と一緒に小児科を学んでみませんか。救急を含む総合診療がで
き、心療小児科的症状もある程度まで診れ、専門的疾患もきちんと判断できる小児科医師を育てたい
と思っています。我々のコースの後、さらに本施設および都に関連する様々なコースで、小児総合診療
科上級医師、心療内科専門医師、当院にある各専門科の医師を目指していただくこともできます。お
待ちしております。
シニアレジデントからのひとこと①
小児科コース 2年
白根 正一郎
私は 2 年間の初期研修を修了した後、当院のシニアレジデントとして入職しました。
初期研修での小児科研修は 2 ヶ月間のみで不安もありましたが、素晴らしい先生方と同期に囲まれ、そ
の不安はすぐに払拭されました。その当院の魅力を少しご紹介します。
当院は日本で有数の小児専門の総合病院ですから、特殊な症例に偏っていると思われがちです。しかし
救急外来を例に取ると、1日平均 100人超の患者が受診し、この中の多くはいわゆる common diseaseです。
そのため私達シニアレジデントは救急外来から入院管理まで多くの common disease を経験できます。
一方で当院は、あらゆる分野の専門科と豊富なユニット病床数(PICU、NICU など)を兼ね備えていま
す。そのため、珍しい疾患、最重症の疾患の管理の大部分を当院で完結でき、それを間近で経験するこ
とが可能です。また、専門科ローテートでは実際にそれらの症例を担当し、理解を深めることができます。
これは容易に経験できるものではありません。
そして何より強調したいことは、教育についてです。各科の先生方、レジデントの先輩方は、時間を惜
しまず私達を指導して下さいます。小児医療は、得てして慣習に頼りがちな側面が多く見受けられますが、
経験と科学的根拠の融合した高いレベルの指導を受けることによって、common disease ですら明確な根
拠をもって診療を行う習慣が身に付きます。これは医師としてスタートラインに立ったばかりの私達にとっ
て、大きな財産になることは疑いようがありません。
また、臨床研究や論文作成のサポート体制も強力ですから、医学者としての幅を広げるため、また小児
科専門医取得の要件を満たすことを考えても、理想的な環境です。
「臨床」「教育」「研究」を兼ね備えた当院で、共に楽しく、充実した研修生活を送り、子どもたちの健
やかな未来について考えてゆける仲間をお待ちしています。
シニアレジデントからのひとこと②
都立
小児総合医療センター
児童青年精神科
コース 3年
尾崎 仁
当院児童思春期精神科の研修内容については Web の職員募集ページをご覧頂くとして、当科の魅力を
お伝えするために、私が当院で研修をしてよかったと思うことベスト3(順不同)を発表します。
①遊びなど様々な関わりを通じて治療ができる
当科を受診する子どもは、統合失調症等の薬物療法が必須な方や、被虐待等の安定した大人との関
わりや安心・安全に成長できる環境がより重要な方など多彩です。治療には対子どもだけでなく家族・
学校・地域という俯瞰的視点が不可欠で、様々な治療アプローチが必要なため、治療者にも創造性が
求められます。最も創造性を要する治療技法の一つである遊戯療法では、子どもとの遊びのインプロヴィ
ゼーションに子どもと向き合うことの大変さと原初的な喜びを同時に感じることがあります。ほら、今日
も子どもと遊ぶ白衣の大人の姿が病院のそこかしこに…。
②季節ごとの行事を楽しめる
入院中の子どもたちは、夏祭り、運動会、クリスマス、音楽会、遠足などに参加し、レジデントも出
し物・付き添いをします(何を隠そう私が研修初年度に最もエキサイトしたのは夏祭りとクリスマスの出
し物でした)。これらの行事で子どもは普段とひと味違う顔を見せるので、見学した保護者の方が「うち
の子にもこんな姿があるんだ」と驚かれることもあります。児童精神科では疾患の治療や抱えている問
題の直接的な解決だけでなく発達促進的な視点も重要ですが、行事等の非日常も子どもの成長の糧に
なっているのかもしれません。
③子どもの成長を感じることができる
「○○さん、成長したよね」という言葉をスタッフや保護者の方から聴くとき、子ども自身の言動の端々
に成長を感じるとき、我がことのように嬉しく思います。子どもたちが「治る」だけでなく「育つ」ことを
間近で感じられることが児童精神科の醍醐味ではないでしょうか。
皆様、こんな当科で一緒にお仕事しませんか?まずは見学からどうぞ!
129