「生きててよかった」〜生きる力を支える緩和ケア〜 穂波

「生きててよかった」
〜生きる力を支える緩和ケア〜
穂波の郷クリニック講演会
報告書
申請者 二ノ坂保喜
2014年度前期助成
2015年3月16日
プログラム
10:30〜12:00
プチ・デイホスピス「ボランティア交流会」
おっぴさんクラブ、ほなみ劇団、在宅ホスピスボランティアの会 手と手:交流会
14:00〜
『生きててよかった』〜生きる力を支える緩和ケア〜穂波の郷講演会
①「はるか未来館」
穂波の郷クリニック 院長 三浦正悦 医師
②「心の財団結成」〜54日間の支え愛ケア記録〜
ここに幸あり 吉田香織 介護支援専門員
③「平成の白雪姫物語」〜命がけのプロポーズ〜
緩和ケア支援センターはるか センター長 大石春美 ソーシャルワーカー
15:15〜
「オカリナ&ギター」コンサート
演奏者:山の音楽家 Shana
15:55〜
シンポジウム「生きる力を支える緩和ケア」
座長:
二ノ坂保喜 医師(にのさかクリニック 院長)
シンポジスト:
三浦正悦 医師(穂波の郷クリニック 院長)
大石春美 ソーシャルワーカー(緩和ケア支援センターはるか センター長)
吉田香織 介護支援専門員(ここに幸あり)
内田浩稔 ソーシャルワーカー(にのさかクリニック 統括部長)
山﨑律子 看護師(にのさかクリニック)
17:00 終了
『穂波の郷クリニック』は宮城県にある医療法人心の郷の柱である、在宅緩和ケアを行っている診療所であ
る。今回はその法人から、理事長でありクリニックの院長である三浦正悦医師、『緩和ケア支援センターはる
か』センター長の大石春美ソーシャルワーカー、『ここに幸あり』から吉田香織ケアマネジャー、さらにボラ
ンティア特別講師として、劇団員の新田憲司氏(84歳)と髙橋小菊氏(91歳)、訪問理容師の角田真由美氏に
も講演会・シンポジウムへご参加いただき、胸を打つ貴重なご意見を頂いた。 講演に先立ち、ボランティア同士の交流会を行った。これは、当院に関係の深いボランティア団体「在宅ホ
スピスボランティアの会 手と手」のメンバーと講師として招聘した先述のメンバーが交流する会である。手
と手のメンバーが手作りの料理やお菓子でおもてなしをするデイホスピス(当院で隔週開催)の縮小版、プチ・
デイホスピスでおもてなしをして頂いた。和やかな雰囲気の中、あっという間に打ち解けて、お互いが癒し合
うような会となった。 講演では、医師三浦正悦氏から、生活を豊かにし夢を叶える「生活リハビリ」、がん患者さんやご家族が交
流する「がんサロン」、ケアカフェや子育て支援もやっている『はるか未来館』という施設の話があった。そ
こで飛び出す絵本としていのちの大切さを演じている「ほなみ劇団」の髙橋小菊氏が登場され自身の活動につ
いてのお言葉を頂いた。三浦医師からは、自分達の活動では「医師や看護師は脇役です」という言葉が印象的
であった。 続いて、『ここに幸あり』のケアマネジャー吉田香織氏からは、一人暮らしの癌末期患者が「心の財団」の
活動をしながら、地域の区長さんに看取られるまでの話があった。「心の財団」とは“病気であっても誰かの
ために”という精神で、命の有効利用をモットーに活動するボランティア仲間(病気をもつ同志)のことであ
る。末期の肺がんで在宅酸素をしながら参加された新田憲司氏は、当日重篤な状態にもかかわらず、正に命懸
けで自身の活動への思いを会場の参加者へ語られた。 講演の最後は、『緩和ケア支援センターはるか』センター長のソーシャルワーカー大石春美氏から、末期癌
で余命僅かな夫から、人生最初で最後のプロポーズを受ける妻の感動的な話があった。 心に滲みる山の音楽家Shana(オカリナ&ギター)のコンサートを挟んで、プログラムの最後にシンポジウム
を行った。シンポジウムでは、先の講演された3名と、当院からは在宅で看取りを行った二人の患者さんとの
関わりと当院を含めた在宅ケアチーム活動をソーシャルワーカーと看護師から紹介した。当院院長二ノ坂が座
長となり、会場の参加者も含めて「生きる力を支える緩和ケア」について考えを深めるシンポジウムとなった。 講演前の交流会の際にみんなで作ったハート形の落雁を、穂波の郷の方々から会場の参加者へバレンタイン
デーのプレゼントとして手渡され、会は終了した。会場には温かい心のこもった拍手が鳴っていた。 穂波の方々の生きる力を支えるという活動には、温かい心がこもっていた。この貴重な出会いを、我々の日々
の活動や足下を見つめ、在宅ホスピスの活動をいのちを受けとめる町づくりへとつないでいく、足がかりとし
ていきたい。 (公益財団法人 在宅医療助成勇美記念財団の助成による) 生きててよかった∼生きる力を支える緩和ケア∼
講演会
(宮城県)穂波の郷クリニック
第1部 講演会
医療法人心の郷
理事長 三浦正悦医師
大石春美ソーシャルワーカー
吉田香織ケアマネジャー 第2部 コンサート
オカリナ&ギター Shana
第3部 シンポジウム
穂波の郷3名+当院1名 座長:院長 二ノ坂保喜
にのさかクリニック2Fホールにて
福岡市早良区野芥4-19-34
2015年2月14日土曜日 14:00∼17:00
生きる力を支える緩和ケアを実践している、穂波の郷クリニック
(宮城県)を中心とした医療法人心の郷から、医師・ソーシャル
ワーカー・ケアマネジャーの方々をお招きし、お話を伺います。
つぶやきや願いを受けとめる活動をお聴きください。
助成:公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団
お問い合わせ:にのさかクリニック TEL 092-872-1136