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第5学年
総合的な学習の時間(はばたき学習)指導案
授業者 熊谷
研究協力者
1
2
単元名
尚,滝口 幹子,津島
浦野
弘
穣
今日からはじめるエコ生活
子どもと単元
(1 ) 子どもについて
本校では,給食で出た牛乳パックをリサイクルする取組をしている。本単元の導入では,
リサイクルすることが環境を大切にし,資源の有効活用であると考える子どもと,牛乳パッ
クのリサイクルには,水を使い汚水が出るので,本当に環境にやさしいことなのか疑問をも
つ子どもの意見が対立した。また ,「エコバックは本当にエコなのか 」「近年『エコ』とい
う言葉を新聞やニュースなどで耳にするが ,『エコって何だろう 』」とエコの本質に迫る疑
問を抱く子どももいた。
(2 )
単元について
便利で快適な生活ができるようになった現在,その一方では大気汚染,水質汚濁,地球温
暖化など深刻な問題が起きている。そのような中で,子どもたちが「エコ」をテーマにして
学ぶことは非常に意味のあることである。環境を守るために,まず自分たちの手で自分たち
の生活をどうしていくかを考え,計画を立て,行動することが大切である。
現在の地球の現象から学んでいくと ,
「 石油はあと40年後にはなくなってしまうらしい」
「石油だけでなく石炭もなくなってしまうらしい 」「地球の気温が上がって,北極の氷が溶
け町が海に沈んでしまうそうだがどうしよう」ととらえている子どももいる。このようなや
やもすると悲観的なとらえになるのではなく,子ども一人一人が「自分たちでも地球温暖化
防止のためにこんなことができたよ」と目を輝かせる子どもに育ってほしいと考える。
「無駄な電気は消しましょう 」「資源はリサイクルしましょう 」「エコバックをもって買
い物に行きましょう」といった「∼しましょう」という受け身の行動から,自ら考え,地球
の未来のために「∼しよう」と主体的に行動できる子どもに育ってほしいと考え,単元を設
定した。
(3 )
指導について
まず ,「エコ」とは何か,自分の考えや連想されることをウェビングにまとめ,子どもの
気付きや素朴な疑問を大切にしたい。その際,秋田市環境部の方をゲストティーチャーに招
き ,「エコ」に関するお話をうかがったり,疑問や質問に答えていただいたりする場を設け
る。
地球にやさしい生活をめざして課題追究をする際には,子どもたちはそれぞれ多岐にわた
ってエコ活動を考えると思われる。個々の取組を支え,子ども同士がかかわり合って追究し
ていくことができるように,一人一人の思いや願いにあった課題別グループ(プロジェクト
チーム)をつくる。そして,グループの仲間と協同でエコ活動を実践したり,グループでエ
コ会議を開いて取組を見直す場を設けたりする。自分の考えを提案したり,その考えに友達
からアドバイスをもらったりする中で ,「そんな取組や方法があったのか 」「エコにつなが
ると考えていたのにもう一度考えを練り直さなければいけないな」などと子どもたちは気付
くだろう。
また,社会科や理科,家庭科などと関連付けた学習活動を展開する。子どもたちは4年生
の社会科「水はどこから 」「ゴミはどこへ」の学習で,節水やゴミの減量化,資源のリサイ
クルの大切さについて,また5年生の社会科で,森林資源を守ることの大切さについて学ん
でいる。理科の「あたたかさと生き物 」「電気のはたらき」の学習では,身の回りの生き物
や植物と触れ合って自然を守ることや ,光電池のはたらきを調べて省エネの大切さも学んだ 。
家庭科との関連では,旬の食材をいかした,地産地消料理が本単元の子どもたちの活動とし
て予想される。
3
◆
単元の目標 <育てたい資質・能力との関連>
地球温暖化が引き起こす問題をテーマに設定し,エネルギーと地球環境,地球の未来につ
いて話し合い,自分たちにできる「エコ」を考え,行動しようとする。
・自分たちのくらしに身近なエネルギーや環境問題に気付き,自らが取り組んでいくテーマ
を設定しようとする。<問題発見力>
・設定したテーマを基に ,人 ,自然 ,社会とかかわりながら解決する方法を考えようとする 。
<状況知,方法知>
・自分たちにできる「エコ」について考えたことや,自分の思いや学びを様々な方法で表現
し,行動化して発信しようとする。<実行力,実践力>
第5学年
総合的な学習の時間(はばたき学習)指導案
授業者
熊谷 尚(5A教室)
本時(6/25)
研究協力者 浦野
弘
(1) ねらい
互いの知恵を生かしたり異なる意見を受け入れたりしながら,今後の活動方針やグループ
で話し合うべき議題を設定し,議題に対する意見を出し合い,プロジェクトの活動や活動を
支える考えを練ることができる。
(2)
展
開
時間
学
習
活
動
教師の支援
評
価
10
分
①
前時までの学習をふり返り,本時
の学習のめあてをもつ。
本時の学習のめあてを確かめ,追究へ
の意欲を高めることができるように,前
時まで取り組んできた「エコとは何か」
という疑問を解決するために調べてきた
ことやゲストティーチャーのお話の内容
から得た情報をふり返る場を設ける。
・ 他のプロジェクトの進み具合を参考に
しながら,エコ会議に臨むことができる
ように,順調に進んでいる点や問題点に
ついて情報交換をする場を設ける。
28
分
②
「エコ商品開発」「エコ活動PR」
「エコクッキング」それぞれのプロ
ジェクトで議題を基に話し合う。
・
<第1回エコ会議>
自分たちが取り組んでいきたいエコ
PR活動をはっきりさせ,その活動計
画を練り上げよう。
(予想される活動内容)
【エコ活動 PR】
○「エコ情報コーナー」の設置
○「エコ新聞」の発行
○「エコ生活マニュアル」の作成
・
根拠を明確にした話合いになるように,
これまでの学習で使用した資料を基に提
案内容について考えるよう助言する。
・ 自分の考えをもてずにいる児童には,
なぜ今「エコ」が社会の問題になってい
るのか,自分たちがどんな工夫や努力を
していかなければならないのかなど,絶
えず自分のくらしとのつながりで考える
よう助言する。
・ 他のグループとのかかわり合いによっ
て新たな気付きが生まれることも期待さ
れるので,グループ間で情報交換するよ
うに促したり,グループの進捗状況を全
体に紹介したりする。
・ 各グループでどのような話合いがなさ
れたかについて全体で共有化を図ること
ができるように, 各グループの提案を基
に全体で意見交換する場を設ける。
○「エコ標語」の募集
プロジェクトの活動を支える考えや活
動の見通しについて,根拠をあげて自分
の意見を友達に伝え,今後の活動内容を
練ることができたか。 (発言,ノート)
○ リサイクルの呼びかけキャンペーン
○ エコに関するミニ・イベントの開催
・
7
分
③
友達との話合いや他のグループか
らのアドバイスを基に,ふり返りを
する。
学び合って獲得した新たな見方や考え
方を大切にできるように,自分のプロジ
ェクトに生かせる見方や考え方は何かに
ついて自分の言葉でふり返る場を保障す
る。
研究の重点(本時での個の学びにつながるかかわり合いの場の創造,身に付けたい力を明確にした学びの充実について)
プロジェクトの最初の顔合わせで子どもたちは,「『エコ活動PR』とは,「みんなにエコ
の大切さをアピールする,宣伝する,広めることだ」という共通の認識を持った。PRには
「広報」というイメージがあり,子どもたちから「みんなに」という言葉が出たことはむし
ろ自然なことであった。しかし,対象が曖昧ではPRの内容や方法も散漫で常套のものとな
ってしまう。
「だれに対して働きかけるか」という相手意識が大切なことは言うまでもない。
そして,「その人たちのエコに対する意識を高めたい」という目的意識を確かにした上で,
「自分たちに何ができるか」を考えていかなければならない。取り組みたいことが次第に見
えてきた段階で,相手意識と目的意識が確かなものとなっているかを十分に検討するように
促す。
PRの内容や方法については,対象となる人たちの実態をどう認識しているかによって,
一人ひとりからそれぞれ違った考えが出されることが予想される。互いの考えを練り合わせ
てよりよいPRの計画を立てることができるように,異なる意見や他者の考えを受け入れる
ことや,多くの考えの共通性を見出すこと,優先順位を付けることなど,グループに応じた
助言をしていく。
第5学年
総合的な学習の時間(はばたき学習)指導案
授 業 者
研究協力者
滝口
浦野
幹子(5B教室)
弘
本時(6/25)
(1) ねらい
互いの知恵を生かしたり,異なる意見を受け入れたりしながら今後の活動方針やグループ
で話し合うべき議題を設定し,議題に対する意見を出し合い,プロジェクトの活動や活動を
支える考えを練ることができる。
(2)
展
開
時間
学
習
活
動
10
分
①
前時までの学習をふり返り,本時
の学習のめあてをもつ。
28
分
②
「エコ商品開発」「エコ活動PR」
「エコクッキング」それぞれのプロ
ジェクトで議題を基に話し合う。
<第1回エコ会議>
これまで調べてきたことや,考え
てきたことを基に,これからの取
組について話し合おう。
(予想される活動内容)
【エコクッキング】
○旬の食材を生かした料理
→生産段階の CO2 削減
○秋田県産の食材を使った料理
→輸送段階の CO2 削減
○普段捨ててしまう食材の部位をおいしく
アレンジ料理
→生態系の恵みを無駄なく生かす
○Reuseクッキング
→再利用できる物を選んで活用
○洗剤の使用量を減らす食器の洗い方
→水質汚染の軽減
○油を使わない料理法 校内の友達や家
族にも教えたい
→水質汚染の軽減
な。
教師の支援
③
友達との話合いや他のグループか
らのアドバイスを基に,ふり返りを
する。
価
・
本時の学習のめあてを確かめ,追究へ
の意欲を高めることができるように,前
時まで取り組んできた「エコとは何か」
という疑問を解決するために調べてきた
ことやゲストティーチャーのお話の内容
から得た情報をふり返る場を設ける。
・ 他のプロジェクトの進み具合を参考に
しながら,エコ会議に臨むことができる
ように,順調に進んでいる点や問題点に
ついて情報交換をする場を設ける。
・ 根拠を明確にした話合いになるように,
これまでの学習で使用した資料を基に提
案内容について考えるよう助言する。
・ 自分の考えをもてずにいる児童には,
なぜ今「エコ」が社会の問題になってい
るのか,自分たちがどんな工夫や努力を
していかなければならないのかなど,絶
えず自分のくらしとのつながりで考える
よう助言する。
・ 他のグループとのかかわり合いによっ
て新たな気付きが生まれることも期待さ
れるので,グループ間で情報交換するよ
うに促したり,グループの進捗状況を全
体に紹介したりする。
・ 各グループでどのような話合いがなさ
れたかについて全体で共有化を図ること
ができるように, 各グループの提案を基
に全体で意見交換する場を設ける。
プロジェクトの活動を支える考えや活
動の見通しについて,根拠をあげて自分
の意見を友達に伝え,今後の活動内容を
練ることができたか。 (発言,ノート)
・
7
分
評
学び合って獲得した新たな見方や考え
方を大切にできるように,自分のプロジ
ェクトに生かせる見方や考え方は何かに
ついて自分の言葉でふり返る場を保障す
る。
研究の重点 (本時での個の学びにつながるかかわり合いの場の創造,身に付けたい力を明確にした学
びの充実について)
本校では,総合的な学習の時間の目標として「探究的」「協同的」な学習に重点を置いて
いる。環境問題をテーマにし取り組んでいく学習であるがために,専門家や地域の人たちの
知恵に学びながら,子どもたちの問題解決の活動は繰り返される。その中で様々な立場の人
たちとのかかわりは,子どもたちの思考を広げたり,深めたりし,自分なりの答えを見付け
ていく重要な鍵となる。しかし,子どもたちの多くは,活動が目的化してしまい,本質を見
失い,表面的で自己満足的なものになりやすい。
そこで,子どもたちが自分たちの活動の意味を現段階での問題点から議題を設定し,自分
たちの活動に対して意味づけをすると共に,今後の活動へ向けての課題を明確にする時間と
したい。そして,子どもたちが「エコ」について取り組み,温暖化対策へ向けて多くの方々
に働きかけていく姿が大切であり,小さな力が大きな力を生み出すことにつながることを話
合いを通して実感させていきたい。
第5学年
総合的な学習の時間(はばたき学習)指導案
授 業 者
研究協力者
津 島
浦 野
穣(5C教室)
弘
本時(6/25)
(1) ねらい
互いの知恵を生かしたり,異なる意見を受け入れたりしながら,今後の活動方針やグルー
プで話し合うべき議題を設定し,議題に対する意見を出し合い,プロジェクトの活動や活動
を支える考えを練ることができる。
(2)
展
開
時間
学
習
活
動
教師の支援
評
価
10
分
①
前時までの学習をふり返り,本時
の学習のめあてをもつ。
本時の学習のめあてを確かめ,追究へ
の意欲を高めることができるように,前
時まで取り組んできた「エコとは何か」
という疑問を解決するために調べてきた
ことやゲストティーチャーのお話の内容
から得た情報をふり返る場を設ける。
・ 他のプロジェクトの進み具合を参考に
しながら,エコ会議に臨むことができる
ように,順調に進んでいる点や問題点に
ついて情報交換をする場を設ける。
28
分
②
「エコ商品開発」「エコ活動PR」
「エコクッキング」それぞれのプロ
ジェクトで議題を基に話し合う。
・
<第1回エコ会議>
これまで調べてきたことや,考え
てきたことを基に,これからの取組
について話し合おう。
(予想される活動内容)
【エコ商品開発】
<開発方針>
・ごみになるものを少しでも工夫し
てエコ商品として使えるものに変
身させよう。
・校内の友達やお家の方に使っても
らい,少しでも地球温暖化対策に
なるようはたらきかけよう。
<商品例>
・エコ袋
・古新聞雑巾
・エコクッション
・自作生ゴミ処理機
・牛乳パック皿
・ごみ自動分別機
7
分
③
友達との話合いや他のグループか
らのアドバイスを基に,ふり返りを
する。
・
根拠を明確にした話合いになるように,
これまでの学習で使用した資料を基に提
案内容について考えるよう助言する。
・ 自分の考えをもてずにいる児童には,
なぜ今「エコ」が社会の問題になってい
るのか,自分たちがどんな工夫や努力を
していかなければならないのかなど,絶
えず自分のくらしとのつながりで考える
よう助言する。
・ 他のグループとのかかわり合いによっ
て新たな気付きが生まれることも期待さ
れるので,グループ間で情報交換するよ
うに促したり,グループの進捗状況を全
体に紹介したりする。
・ 各グループでどのような話合いがなさ
れたかについて全体で共有化を図ること
ができるように, 各グループの提案を基
に全体で意見交換する場を設ける。
プロジェクトの活動を支える考えや活
動の見通しについて,根拠をあげて自分
の意見を友達に伝え,今後の活動内容を
練ることができたか。 (発言,ノート)
・
学び合って獲得した新たな見方や考え
方を大切にできるように,自分のプロジ
ェクトに生かせる見方や考え方は何かに
ついて自分の言葉でふり返る場を保障す
る。
研究の重点 (本時での個の学びにつながるかかわり合いの場の創造,身に付けたい力を明確にした学
びの充実について)
本校では,総合的な学習の時間の目標として「探究的」「協同的」な学習に重点を置いて
いる。環境問題をテーマにし取り組んでいく学習であるがために,専門家や地域の人たちの
知恵に学びながら,子どもたちの問題解決の活動は繰り返される。その中で様々な立場の人
たちとのかかわりは,子どもたちの思考を広げたり,深めたりし,自分なりの答えを見付け
ていく重要な鍵となる。しかし,子どもたちの多くは,活動が目的化してしまい,本質を見
失い,表面的で自己満足的なものになりやすい。
そこで,子どもたちが自分たちの活動の意味を現段階での問題点から議題を設定し,自分
たちの活動に対して意味づけをすると共に,今後の活動へ向けての課題を明確にする時間と
したい。エコ商品を開発するにあたって,その商品を開発するに至った経緯,開発方針,発
想やアイデアの検討など話合いでつめていかなければならないことがある。単にエコ商品開
発のみを目的とするのではなく,開発へのプロセス(ストーリー)を大切にしたい。そして,
子どもたちが「エコ」について取り組み,温暖化対策へ向けて多くの方々に働きかけていく
姿が大切であり,小さな力が大きな力を生み出すことにつながることを話合いを通して実感
させていきたい。