介護力向上講習会(神戸分校)研修参加 平成 27 年 6 月 1 日 笹山 周作 5月12日 介護力向上講習会(神戸分校)へ行きました。 最初に竹内教授の話を聞きました。いつも水分補給や介護職員が勉強しないことを話されます が、今回1時間かけて介護報酬と介護保険の事について話されました。 私なりに先生が話したかったことを述べますと、厚生労働省は、加算減算を操作して加算をと ることによってのみしか施設経営ができないように操作するということです。そして、要介護3、 4、5の人のみ介護保険を利用することができ、要支援1、2、要介護1、2の人は、地域支援 事業や全額自費での支払にもっていくということでした。上記の内容を踏まえて、私なりに今後 の介護事業の将来を考えたいと思います。 ①地域包括ケアシステムの導入によって、在宅で最期まで医療・介護サービスを利用して生活 していく ②介護施設は、大きな社会福祉法人に統合されていくべきである ③介護報酬は、もう上げることはできないし、要介護度の軽い人は介護保険の利用が出来ない ようにする 上記①②③を考えれば、社会福祉法人を新たに作って老人介護に参入する人はなくなります。 社会福祉法人の経営が、現在 27%が赤字の状態です。その上、今回の介護報酬の減算によって 40%ぐらいが赤字となるでしょう。最初に社会福祉法人を作る時に多額の寄付金をしなければな りません。そして今、国は法律で社会福祉法人の経営内容にまで以下のような規制をしようとし ています。 1.経営組織のガバナンスの強化 ●議決機関としての評議員会を必置 ●役員・理事会・評議員会の権限・責任に係る規定の整備 ●親族等特殊関係者の理事等への選任の制限に係る規定 の整備 ●一定規模以上の法人への会計監査人の導入 等 2.事業運営の透明性の向上 ●閲覧対象書類の拡大と閲覧請求者の国民一般への拡大 ●財務諸表、現況報告書(役員報酬総額、役員等関係者と の取引内容を含む。)、役員報酬基準の公表に係る規定の 整備 等 3.財務規律の強化 ●役員報酬基準の作成と公表、役員等関係者への特別の利 益供与を禁止 等 ●純資産から事業継続に必要な財産(※)の額を控除し、 福祉サービスに再投下可能な財産額(「社会福祉充実残 額」)を明確化 ●再投下可能な財産額がある社会福祉法人に対して、社会 福祉事業又は公益事業の新規実施・拡充に係る計画の作 成を義務づけ 等 4.地域における公益的な取組 を実施する責務 ●社会福祉事業又は公益事業を行うに当たり、日常生活又 は社会生活上支援を要する者に対する無料又は低額の料 金で福祉サービスを提供することを責務として規定 5.行政の関与の在り方 ●都道府県の役割として、市による指導監督の支援を位置 づけ ●経営改善や法令厳守について、柔軟に指導監督する仕組 み(勧告等)に関する規程を整備 ●都道府県による財務諸表等の収集・分析・活用、国によ る全国的なデータベースの整備 等 このような事をして、書類が積み上がり手続きが繁雑になり、事務作業が多く不効率になり誰 が社会福祉法人を作って、介護業界に参入するでしょうか。株式会社で介護事業をした方が国の 規制は少なく、経営の自由度もあり、やりがいが生まれモチベーションが上がります。そして株 式会社の場合、法人税・固定資産税を支払いますが、それは収入から支出を引いた金額の約 20% です。それの方が社会福祉法人でするより経営的にも難しくはありません。私は、介護事業につ いて、株式会社で行っている介護付有料老人ホームの事も、社会福祉法人で行っている特別養護 老人ホームの事も色々経験していますので分かります。社会福祉法人は、最初に多額の金を寄付 すること、社会貢献・地域貢献をすること、困っている弱者を救うことから出発しています。最 初の法人を作ろうとした思いや理念、使命を考えない国の施策は、国民に不幸をもたらすでしょ う。なぜならがんじがらめにしてどうしてモチベーションが上がり、介護の質が向上するのでし ょうか。よって今後、社会福祉法人の介護サービスの質の低下はますます進むと思います。
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