所属: 鶴岡工業高等専門学校 創造工学科 化学・生物コース 研究タイトル: 絹タンパク質とシクロデキストリンの複合化 氏名: 飯島 政雄 / IIJIMA Masao E-mail: [email protected] 職名: 教授 学位: 博士(工学) 所属学会・協会: 日本化学会、シクロデキストリン学会、日本工学教育協会、 米国化学会、英国王立化学会 キーワード: シクロデキストリン、絹タンパク質、複合体、糖タンパク 技術相談 提供可能技術: ・タンパク質の修飾、糖類の修飾に関する有機合成技術 ・タンパク質、糖類種クロマトグラフィーによる分離技術 ・分子包接、分子認識を観察するための測定技術 研究内容: シクロデキストリンを結合させた絹タンパク質セリシンの合成とその分子包接作用 生糸は、繊維状のフィブロインとそれを覆うセリシンという2つの絹タンパクから成っている。これらのタンパク質は保湿 性や抗菌性、紫外線吸収など様々な機能を持つ天然高分子である。絹糸を繊維としてばかりではなく、図 1 のような粉 末やゲルにすることで新たな機能性の生分解性材料に加工することができる。フィブロインは絹機織り工場で廃棄され るくず糸から、セリシンは生糸の精練工程の廃液から回収することが可能である。こうして回収した絹タンパクを有効利 用することは資源の回収・再生・循環にもなり、環境保全に寄与するものである。 絹タンパクに分子包接能や分子識別能を付与するため、環状オリゴ糖であるシクロデキストリン(図 2)を絹タンパク質 セリシンに化学結合させた。フェノールフタレインはセリシンには包接されないが、シクロデキストリンには強く包接され る。セリシンーシクロデキストリン複合体水溶液にフェノールフタレインを加えたときの UV スペクトル変化から、フェノー ルフタレインはシクロデキストリンを複合化させたセリシンには包接されることが観察された。 有機分子を包接できるセリシンーシクロデキストリン複合体は、医薬品分子と結合して生体内へ輸送する薬物輸送シ ステムに利用できると考えている。 図 1. フィブロインの繊維(左)、粉末(中央)、およびゲル(右) 図 2. シクロデキストリン 提供可能な設備・機器: 名称・型番(メーカー) 超高速液体クロマトグラフ(島津) 蛍光分光分析計(日本分光) 超高速ゲル浸透クロマトグラフ 紫外・可視分光分析計(島津) 円二色性分光分散計(日本分光) 旋光計(日本分光) 赤外分光分析計(島津)
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