IVCS は左総腸骨静脈が右総腸骨

20006
Iliac vein compression syndrome(IVCS) after Endovascular aneurythm repair(EVAR)
IVCS は左総腸骨静脈が右総腸骨動脈と腰椎との間で圧排されることにより左腸骨-大腿静脈に深部静脈血栓(DVT)を
生じる疾患である。今回、左総腸骨動瘤に対する EVAR、内腸骨動脈コイル塞栓術後に IVCS を生じた症例を経験したた
め報告する。【症例】75 歳男性、半年前に左腸骨動脈瘤に対しステントグラフト内挿術、内腸骨動脈瘤コイル塞栓術を施
行。1週間前からの左下腿の腫脹にて受診、造影 CT にて左総腸骨-大腿静脈血栓と左腸骨静脈の総腸骨動脈による
圧排(#1)、左外腸骨動脈・左内腸骨動脈瘤による圧排(#2)を認め IVCS の診断にて血管内治療を施行した。IVC filter
留置後に左腸骨静脈圧迫部位(#1、#2)に対しバルーン拡張、血栓吸引を行ったが血流改善が乏しく各々にステント留
置、血栓溶解療法を行った。術後 3 週間の造影 CT にて血栓の縮小を確認し IVC filter を抜去し退院となった。術後半
年現在、IVCS の再発は認めていない。【考察】EVER 後に発症した DVT では IVCS を考慮する必要があり、一般的な IVCS
と同様にステント治療が有効であった。